現場での作業が多い建築業界は、ITやデジタルとは無縁に思う方も多いかもしれません。
ですが、建築業界でもITやデジタルの導入は進んでおり、それに伴って必要性が高まっているのが情報セキュリティ対策です。
本記事では、情報セキュリティ対策とはなんなのか、なぜ建築業界で情報セキュリティ対策をする必要があるのかを解説します。
すぐにできる情報セキュリティ対策についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
建築業界で情報セキュリティ対策の必要性が高まっている
建築業界では作業効率化や人件費削減などを目的として、IT化、デジタル化が進んでいます。
その一方で情報セキュリティの対策はまだ追いついていない企業も多く、実際に顧客の個人情報が漏洩するなどのトラブルも報告されています。
建築業界で情報セキュリティ対策の必要性が高まっている理由をチェックしていきましょう。
建築業界でIT化が進んでいる
建築業界では日々IT化が進んでおり、それにともなって情報セキュリティ対策の必要性が注目されるようになりました。
情報セキュリティ対策とは、インターネットやパソコンに入っている情報が外部に漏れたり、データを壊されたりしないようにするための対策のことです。
ITツールは建築業界の作業を効率化してくれますが、一方で情報漏洩などの危険性があります。普段ツールに依存している作業がある場合、ウイルス感染などでツールが使えなくなったときに作業が中断する恐れもあります。
普段からこれらの事態に備えて対策をしておく必要があり、建築業界も例外ではありません。
デジタルに詳しくない人も多い
建築業界ではデジタルに詳しくない人も多く、情報セキュリティ対策に関する知識がないケースもあります。
建築業界は人口労働のうち4割近くが55歳以上、29歳以下は1割程度と、高齢化が進んでいます。
デジタル関連の知識がない、アナログにこだわっている、新しいことをなかなか習得できないなどの理由から、情報セキュリティ対策まで手が及んでいないこともあります。
一方で、ITツールは日々進化しており、情報をハッキングする技術なども同時に高まっています。
知識がなくても外部に委託する、すぐにできる簡単な対策を取り入れるなど、自分たちでできることを考える必要があります。
テレワーク増加で高まる必要性
新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入する企業が増えました。
テレワークでは従業員が各自の自宅で作業をするため、端末一つひとつに対する情報セキュリティ対策を行う必要があります。
プライベート用のパソコンで作業をしていて情報が流出した、カフェで作業していたパソコン画面を第三者に見られたなど、どこから情報が流出するかはわかりません。
建築業界でも、テレワークを導入すると事務所での作業時間短縮ができ、離れた場所からでも指示できるなどのメリットがあります。
導入する前には、どのように情報セキュリティ対策をするかをよく検討する必要があります。
建築業界で情報セキュリティ対策を怠るリスク
建築業界で情報セキュリティ対策を怠ると、どのようなリスクがあるのかを解説します。
いずれも業務に悪影響を及ぼしたり、企業の信頼を損なったりする可能性があるため、パソコン上で扱う情報には細心の注意を払いましょう。
ウイルス感染
情報セキュリティ対策を怠ることで、パソコンがウイルスに感染する可能性があります。
ウイルスに感染すると、個人情報や企業の情報が盗まれてしまいます。
また、パソコン内部を破壊して操作できなくする、ハッキングして勝手な操作を行うウイルスもあります。
ウイルスに感染したパソコンからデータを移したりメールをしたりすると相手のパソコンもウイルスに感染することもあり、社内外のやり取りに支障が出ることもあるでしょう。
情報漏洩
情報セキュリティ対策を怠ると、第三者がその企業が取り扱っている情報にアクセスできてしまう可能性が高まります。
ハッキング技術は日々進化しており、しっかり対策をしていたつもりでもセキュリティソフトのバージョンが古いと最新技術でハッキングされることもあります。
個人情報が漏洩すると、企業の信頼も大きく下げてしまいます。
一度きりの失敗でも、今後の事業に影響を及ぼすこともあるでしょう。
企業の会計処理などの情報が盗まれる、取引先とのやり取りを盗聴されるなどの危険性もあります。
不正アクセス
不正アクセスにより、情報を盗まれる、改ざんされるなどの恐れもあります。
システムのセキュリティ対策が弱かったり、パスワードを入手したりすることで不正アクセスは行われます。
最新の情報セキュリティ対策を導入するのはもちろん、情報を取り扱う従業員一人ひとりに最適な教育を行うことも大切です。
建築業界でできる情報セキュリティシステム対策
建築業界で今すぐできる情報セキュリティ対策を紹介します。
現在のセキュリティに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
OSを最新に更新する
パソコンのOSを最新にすることで、セキュリティ対策がより強固なものになります。
最新のOSにはセキュリティを高度にしたプログラムが組み込まれているため、それだけでもしっかりセキュリティ対策ができます。
反対に、OSが古いとウイルスに感染しやすく、不正アクセスもしやすくなってしまいます。
古いOSのパソコンが事業所にある場合は、今すぐ最新のものに更新しましょう。
情報セキュリティの意識を高める
情報セキュリティ自体への意識を高めることも大切です。
情報セキュリティ部門だけでなく従業員一人ひとりがしっかり情報セキュリティに関する知識を持ち、適切な行動をすることで、情報漏洩などを防ぐことが可能です。
パソコン内の情報は、ハッキングや不正アクセスはもちろん、パスワードのメモを見られた、情報セキュリティに関する話を第三者に聞かれたなど人為的なミスでも盗まれてしまいます。
従業員一人ひとりがしっかりと情報セキュリティ対策できるよう、定期的な研修、勉強会などが必要です。
パスワードを使いまわさない
各ツールに使用しているパスワードは使いまわさないことも大切です。
ウイルスなどで一つのパスワードが盗まれたとき、同じパスワードを使っているとすべての情報にアクセスできるようになってしまいます。
プライベートのパスワードが流出することもあるので、仕事用とプライベート用のパスワードを使い分けることも大切です。
また、すぐにばれそうなパスワードは避け、第三者が簡単に見られないように管理するようにしましょう。
セキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトを導入し、セキュリティ対策をする方法もおすすめです。
この場合コストがかかってしまいますが、社内に情報セキュリティ対策ができる人材がいない場合はプロにお任せしてしまうのもおすすめです。
セキュリティソフトは、買い切りのものやサブスク形式のものまでさまざまなタイプがあります。
一度購入したら常に最新のバージョンにアップデートしてくれるセキュリティソフトもあるので、長く使い続けられるソフトを選びましょう。
ハードウェアにパスワードをつける
情報セキュリティ対策の一つとして、ハードウェアにパスワードをつける方法もあります。
どんなにセキュリティ対策をしていても、仕事用のパソコンやスマホを盗まれてしまっては意味がありません。
パスワードをかけておけば、盗まれたとしても情報漏洩などのリスクを下げられます。
また、盗難対策としてパソコンをデスクに結び付けるなどの方法もあります。
建築業界で情報セキュリティシステム対策を始めよう
情報セキュリティシステム対策の重要性とリスク、導入方法を紹介しました。
建築業界だけでなく、さまざまな業界においてITツールは必要不可欠なものになりつつあります。
そのなかで、安全に作業を進めるためには情報セキュリティ対策を万全にする必要があります。
従業員一人ひとりに教育をし、最新の情報セキュリティ対策を行い、ITデータに関するトラブルを防ぎましょう。