建築・建設業の求人をお探しの方は建築建設bizへ。詳しくはこちら!

建築士がフリーランスとして活躍できる?メリットとデメリットを紹介

この記事は約14分で読めます。

建築士の中にはフリーランスとして活躍している方も多く、最終的な目標に独立を掲げている方も少なくありません。

ですがフリーランスになるまでの道のりは簡単なものではありません。

どうすればフリーランスの建築士として活躍できるのか、また、フリーランスを目指す前にメリットとデメリットを確認しましょう。

どのような人がフリーランスに向いているのかも紹介します。

建築士はフリーランスで活躍できる?

国家資格である建築士の資格を取得すると、さまざまな働き方ができます。

その中でも独立してフリーランスとして働きたいと考えている方は多いです。

建築士の仕事にもさまざまな種類があります。ホテルや商業施設のような大型施設の建築に携わる仕事から一般住宅の建築に携わる仕事、特殊なデザインを売りにした建築の仕事などがあります。

現在働いている会社では自分のやりたい仕事ができない、現在働いている会社で学んだことをもっと仕事に活かしたいという方はぜひフリーランスを目指してみてください。

フリーランスの建築士は多く、活躍することも夢ではありません。

国家資格を取得しているのでさまざまな働き方ができ、需要も高いです。

取得した資格やこれまでの建築会社で学んだことを活かした働き方をしましょう。

フリーランスの建築士のメリット

フリーランスの建築士のメリットについて解説します。

企業に勤めるのではなく独立することでどのようなメリットを得られるのかを事前に確認しておきましょう。

独立するメリットが少ないと感じたら、無理に独立する必要はありません。

ライフスタイルに合う働き方ができる

建築士として独立すれば自分のライフスタイルに合う働き方ができます。

企業に勤めている場合は出勤時間、退勤時間、法定休日や所定休日を守る必要がありましたが、フリーランスにはそのような縛りがありません。

自分の好きなタイミングで始業し、キリのいいところで終業できます。休みもタイミングさえ合えば好きなときに取れます。

近年は働き方の多様化によって、仕事に対する価値観が多くの人の中で変わってきています。

従来のように毎日会社に出社して働くよりも、自分の好きな場所で、好きなタイミングで、そして好きな仕事をして自分のライフスタイルを大切にすることを尊重したい方も多いです。

フリーランスになればこのような働き方ができます。

家族と一緒にいる時間を大切にしたい、自分の時間を大切にしたいという方がフリーランスを目指すケースも多いです。

自分のやりたい仕事ができる

国家資格である建築士の資格を取得するまでは簡単な道のりではありません。

建築士を目指す際に、「将来こんな仕事がしたい」という夢を抱いていた方も多いのではないでしょうか。

ですが実際に就職すると夢見たような仕事ができず、もどかしい思いをしてしまうケースがあります。

自分のやりたい仕事をするためにフリーランスになるという方は多いです。

フリーランスになれば、自分で仕事を選んだり、やりたい仕事に応募したり、より自分の夢に近づくことができます。

クライアントに寄り添う建築をしたい、独創的なデザインの建築をしたい、店舗などのデザインを手掛けたいなど、明確な夢を持っている方はフリーランスを目指してみてもいいでしょう。

収入に上限がない

フリーランスになれば仕事を請けられるだけ無限に請けられます。

企業のように契約している会社からのみの受注だったり、営業の力量次第で仕事量が決まってしまうこともありません。

また、企業に勤めている場合はどれだけ働いても月給制のところが多いです。実績や年数を積めば昇給も期待できますが、人によっては仕事量と収入が釣り合っていないと感じることもあるでしょう。

フリーランスになれば、自分の営業次第でいくらでも仕事を見つけられます。

たくさん依頼を請ければそれだけ多くの収入を得られます。

また、依頼料も自分で決められるというメリットもあります。

人気の建築士、有名建築士になれば、より高い金額を設定しても需要があるため依頼が入ります。金額設定は建築士や建築会社によってかなりの違いがありますので、適正な相場をよく見極めることも大切です。

フリーランスの建築士のデメリット

フリーランスとして建築士の仕事を続けるにはデメリットもたくさんあります。

あらかじめデメリットも確認し、自分にフリーランスという働き方は合っているのかをよく考えましょう。

安定して仕事を得にくい

フリーランスはまず仕事を得るのが大変です。

企業に勤めていれば営業が仕事を持ってきてくれますが、フリーランスはすべて一人でおこなわなければなりません。

最初は建築士個人も会社名も知名度が低く信頼度も低いため、なかなか思うように仕事を得られないこともあるでしょう。

せっかくフリーランスとして独立しても収入を得られず廃業してしまう建築士も少なくありません。

建築士は国家資格ですので、万が一廃業したとしても復職しやすいというメリットはあります。ですがせっかく夢見た独立開業を達成できない、初期費用の借金返済に追われるということのないよう、独立には慎重に準備を進める必要があります。

経営者としてのスキルも必要

建築士がフリーランスとして活躍するためには経営者としてのスキルも必要です。

フリーランスになればすべての責任は自分に降りかかることになります。

仕事の対応が遅れた、仕事でトラブルが起きた、クレームが入った、訴訟問題に発展したといった際に自分でなんとかしなければなりません。

税金について費用について依頼料の計算なども自分でおこない、利益を出せるようにしていく必要があります。

そのため経営者としてのスキルも非常に重要です。

建築士はいきなりフリーランスになる方は少なく、建築会社や建築士事務所で経験を積む方が多いです。

この経験の中で、建築士としての腕を磨くだけでなく経営についてのスキルも学ぶようにしましょう。

建築関連の資格だけでなく、経営や税金に関する資格の勉強をすることもおすすめです。

運営に費用がかかる

フリーランスの建築士は先ほどご紹介したように最初はなかなか仕事を得にくいものです。

安定した収入を得られるようになるまでに廃業してしまうケースも多いです。

その理由は運用費用にあります。

仕事を得られず収入がない間にも、従業員への給与や事務所の費用、家賃、少ない仕事のために資源を準備したりとさまざまな出費があります。

この出費を初期費用だけで賄うことができず廃業してしまうというケースです。

事業計画を立てていてもその通りになる可能性は低いです。初期費用を多く準備するだけでなく、1件でも多くの仕事を得られるよう、1円でも高く収入を得られるよう、そして人件費や光熱費、家賃などのコストカットを図る必要もあります。

建築士がフリーランスになるまでの流れ

建築士が実際にフリーランスを目指すまでの流れを確認しましょう。

いきなりフリーランスとして活躍できる建築士は少なく、さまざまな経験を積むことが大切です。

日々なんとなく仕事をこなすのではなく、独立開業について何を学べるかを常に考えて行動しましょう。

建築士としての経験を積む

まずは建築士としての経験を積まなければなりません。

建築士として活躍する上で経験や知識はあればあるだけ役に立ちます。

このまま企業で働き続けるとしても、独立開業を目指すとしても、多くの現場で経験を積み重ねましょう。

建築士の資格は大学に通うことでも得られますが、現場でしか得られない知識もたくさんあります。

他の建築士や現場の職人との関わり方、仕事の進め方、スケジュールの管理の仕方などを学んでいきましょう。

また、実務経験を重ねることで二級建築士から一級建築士への昇格のための受験資格が与えられます。

一級建築士の資格を取得すれば任せられる仕事の範囲も広くなり、より豊富な仕事ができます。

そして企業でも役職に就くことができたり、やりたい仕事を任せられたりすることもあるでしょう。

これらの実績はフリーランスとして独立した際の肩書きにもなり、クライアントを信頼させる材料にもなります。

充分な実績が自分にはあるかどうかを考えてみましょう。

経営について学ぶ

フリーランスの建築士は経営スキルも求められます。

スケジュール管理やお金の管理、従業員を雇っている場合は従業員の管理なども仕事に含まれます。

建築の仕事だけをしたいのであれば、フリーランスを目指すよりも企業に勤めて働き続けた方が理想の仕事を続けやすいです。

一方で経営にばかりかまけていると建築の仕事ができなくなり、フリーランスとして独立した意味がなくなってしまいます。

独立して建築も経営もスムーズに進めるためには、企業に勤めている間に経営の勉強もしておくことが大切です。

経営者の近くで経営を学んだり、経営についての資格を勉強したりするのもいいでしょう。

いざというときのためには弁護士や税理士の資格が役に立つときもあります。

人脈を作っておく

建築の仕事は、誰かが建物を建てたいと思わなければ発生しない仕事です。

その誰かが仕事を依頼したいと思ったときにあなたを選んでくれるかどうかは、知名度や信頼度、そして人脈が物を言います。

これまでに仕事で一緒になったことがある建築士や知り合いが依頼をした建築士であれば安心して仕事を依頼できます。

また、資材を入手するときにも顔見知りであれば特別料金で売ってくれることも。

建築の仕事は一人でできるものではありません。

従業員を集める際にも人脈は大切です。

「この人と一緒に仕事をしたい」「この人についていきたい」と思わせるような人物を目指す必要もあります。これらはもともとの素質が影響することもあります。

運用資金を貯める

建築士の独立開業には非常にお金がかかります。

事務所としての物件取得費だけでなく家具や家電、仕事道具なども集めなければなりません。

立ち上げる会社の規模にもよりますが、500万円以上は用意しておいた方がいいでしょう。

そして建築士事務所を立ち上げるには登録手数料を支払わなければなりません。

二級建築士の場合は13500円、一級建築士の場合は18500円の費用が必要です。

従業員を雇って会社を立ち上げる場合は従業員への給与も考えなければなりません。

仕事がなくても給与を支払い続ける必要はありますので、初期費用には余裕があればあるだけいいでしょう。

融資を受けるという方法もありますが、返済の見込みがなければ金融機関は融資をしてくれません。

事業計画書を作成し、面接を受け、数か月してやっと審査の結果がわかるということもあります。フリーランスとして働き始めるまでにはかなりの時間がかかることも覚悟しておきましょう。

設計事務所登録をおこなう

建築士事務所を立ち上げる際は上記で紹介したように事務所登録をしなければなりません。

この登録をしないまま仕事を請けた場合は罰金、懲役が発生するので注意してください。

そしてこの有効期限は5年間と決められています。

5年ごとに、満期の30日前までに更新手続きをする必要があることも忘れないようにしてください。

期限を過ぎてしまうと事務所登録が取り消しとなり、また一から登録をしなければなりません。

更新回数が多ければそれだけ長く続いている建築士事務所ということの証明にもなりますので、更新し続けることは忘れないようにしましょう。

フリーランスの建築士の年収

フリーランスの建築士はどれくらいの年収を得られるのかを見てみましょう。

一般的な企業に勤めている建築士の年収は600万円程度が相場であり、役職や企業の規模によっては1000万円以上の給与を得ている建築士もいます。

フリーランスとして独立している建築士には華々しいイメージがあり、有名なフリーの建築士の中には億単位の年収を得ている人もいます。

ですが実際にはこのような建築士はごくわずかです。実際には収入から支出を差し引いて200万円から300万円程度の年収でなんとかやりくりしている建築士がほとんどです。

現在勤めている企業で建築士として十分に年収を得ている場合、本当に独立する必要があるのかを考えてみましょう。

高い年収を捨ててもやりたい仕事をしたい、自分らしい働き方をしたいという方でなければ、独立して仕事を続けるのは難しいでしょう。

フリーランスの建築士に向いている人

フリーランスの建築士にはどんな人が向いているのかを考えてみましょう。

建築や経営の技術、知識があればフリーランスの建築士として成功することも可能ですが、独立するには向いている人と向いていない人がいます。

今の会社が嫌だから、なんとなく独立という響きに憧れているからといった理由で安易にフリーランスを目指して失敗しないように注意してください。

リーダーシップのある人

フリーランスの建築士として成功するにはリーダーシップは必要不可欠です。

建築は建築士だけでなく、職人などさまざまな人の力が必要な仕事です。

ときには厳しい仕事も皆を引っ張っていかなければなりません。

他の従業員がこの人についていきたいと思えるような、信頼できる人になるためにはリーダーシップが必要です。

昔から人の中心に立って何かをするのが得意、方向性を自分で決める、即座に決断するのが得意という方は、フリーランスとしての素質があります。

反対に、周囲と一緒に仕事をするのが好き、指示を受けて正確な仕事をするのが好きという方には不安定なフリーランスの建築士の仕事は不向きです。

フリーランスとして働きながらリーダーシップを身に着けていく人もいますが、特性がないまま続けていると信頼を失い、一緒に仕事をしてくれる人を見つけにくくなってしまう可能性もあります。

自由な働き方をしたい人

決められた場所、決められた時間で仕事をするのが当たり前という価値観は失われつつあります。感染症対策のためにリモートでの仕事や在宅での仕事が増え、自由な働き方の可能性に気づいた方も多いのではないでしょうか。

フリーランスの建築士になれば、企業に勤めるよりも自由な働き方ができます。

小さな建築士事務所であれば自宅の一部を改築して仕事をすることも可能でしょう。

そうすればよりフリーの時間が増え、その分家族と過ごしたり趣味を満喫したりと好きなことに時間を使えます。

人生をより充実させるためにも自由な働き方を見つける必要があると考えている方は、フリーランスとして働くことも検討してみてください。

経営についてのスキルや知識がある人

フリーランスの建築士になるためには建築の知識やスキルだけでなく経営の知識やスキルも必要です。

今後規模が大きくなればなるほど経営は難しくなり、節税対策コスト削減の知識も身に着けなければなりません。

企業に勤めながらこれらについてよく学び、独立の際に役立てられるようにしましょう。

また、自分一人では賄いきれない経営に関する仕事もあります。

スムーズな経営を続けるためには弁護士事務所や税理士事務所と専属契約をするなどの工夫も必要です。

建築だけでなく経営のスキルにも充分自信を持った上で独立開業に踏み出すようにしましょう。

建築業界で充分実績のある人

建築士がいきなりフリーランスとしてやっていくのは非常に大変です。

建築業界にはすでに有名な建築士や建築士事務所が多く、その中に参入していかなければならないためです。

実績がないまま独立しても、「この人、この事務所に依頼しよう」と思ってもらえず、仕事につながりません。

建築は正確な仕事が求められます。熱意ややる気だけでは賄えない部分もたくさんありますので、自分の実力を裏付ける実績を積むことを忘れないようにしましょう。

多くの現場で責任者として働いた、有名な建物の建築に携わった、さまざまな店舗やオフィスのデザインに携わったなど、プロフィールに記載できる自信のある実績を積み重ねましょう。

独立するタイミングは人それぞれですが、「この規模の仕事を任されるようになったら」など、ある程度目標を設定しておくのもおすすめです。

スケジュール管理能力のある人

企業に勤めていてもスケジュール管理は大切です。

建築には多くの人、企業が携わっています。ほんの少しのズレが大きなスケジュールの変更につながることもあります。

そんなときに迅速にスケジュールを調整できるか、そもそも無理のないスケジュールを立てられるかは非常に重要です。

フリーランスになるとこれまで以上にスケジュール管理能力が求められます。

複数の仕事を同時進行で進めている場合などにはとくに注意しましょう。

スケジュールに問題が生じた際に決断をするのもフリーランスの建築士の仕事です。少しの間違いで重大なミスにつながる可能性もあります。

常日頃からスケジュール管理に自信がないという方は、フリーランスを目指すにあたってこの短所を改善していかなければなりません。

問題のないスケジュールを作成できる、変更に柔軟に対応できる、スケジュール通りに仕事を進められるなどのスキルを身に着けていきましょう。

フリーランスの建築士として活躍しよう!

建築士がフリーランスを目指すために大切なこと実際にフリーランスになるまでの手順フリーランスのメリット、デメリットについて解説しました。

建築士の仕事内容はさまざまあり、中には企業に勤めている中ではできない仕事もあります。

自分のやりたい仕事をしたい、自分の人生を大切にした働き方をしたいという方にフリーランスという働き方はおすすめです。

一方で収入や仕事が不安定になる、建築以外のスキルも必要になるなど、フリーランスとして活躍できるようになるまでには大変な道のりが待っています。

メリットとデメリットを比較し、さらに自分にはフリーランスという働き方は合っているのかをよく考えてからフリーランスになるための準備を進めましょう。

タイトルとURLをコピーしました