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建築現場で気を付けるべきマナー5選!クレーム対策を徹底しよう

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建築現場では騒音や現場の職人の立ち居振る舞いなどが近隣の苦情になりやすいです。

これらの苦情は建築会社や施工会社の信頼も落としますが、それだけでなくその場所に住宅やマンション、ビルなどを建てる施工主と近隣住民とのトラブルの原因にもなります。

施工主がその場所に住みにくい、周辺に悪い噂を広められてしまうといったことのないように、現場の職人はマナーに気を付けなければなりません。

そして職人にマナーを徹底させるのは建築会社、施工会社の仕事の一つでもあります。

よくあるクレームやトラブルから現場での対策を考えましょう。

建築現場でよくあるクレーム

まずは建築現場でよくあるクレームを紹介します。

工事の内容上仕方のないことで近隣に迷惑をかけることもありますが、中には現場の職人のマナーの悪さが原因でクレームにつながることもあります。

最低限のマナーを守ることはもちろん、近隣住民に受け入れてもらえるよう誠意のある態度で仕事に挑むべきだということを再確認しましょう。

タバコやゴミの処理

工事現場では工事中に木材や鉄などの廃棄物はもちろん、職人のタバコの吸い殻、休憩時の食事や飲み物のゴミが出ます。

工事中に出る廃棄物の処理はきちんとしていても、タバコの吸い殻や食べ物のゴミなどがその辺に散らばっていた、捨てずに帰っていったなどが原因でクレームになることは十分にあり得ます。

ゴミを持ち帰るのは当たり前のことではありますが、長年現場を経験していく中でつい気が緩んで忘れてしまうこともあるかもしれません。

また、屋外での作業になるためポイ捨てしたつもりはなくても風などで吸い殻やゴミが飛んでいってしまう可能性もあります。

現場にはゴミ袋やゴミ箱、灰皿を用意して常にゴミをまとめて持ち帰られるようにしておきましょう。

中にはタバコの煙が原因で苦情が入ることもあります。風向きや工事をおこなう場所によっては、小さい子どもがいる家庭や建物に直接タバコの煙を含んだ風が向かってしまったり、洗濯物にタバコのにおいがついてしまったりする可能性もあります。

喫煙者が多い場合は喫煙場所を決めておき、周辺に迷惑がかからないよう配慮しましょう。

作業現場を片付けない

職人のタバコの吸い殻や食べ物、飲み物のゴミだけでなく、工事で出たゴミを片付けないことによる苦情も多いです。

連日作業が続く場合は明日も工事があるからと片付けずに帰ってしまう職人は意外と多いです。建築会社や施工会社でも毎回片づけるよう指示しているところは少ないです。

ですが、工事によって出るゴミは危険なものが多いです。

木材や金属製の部品などを小さい子どもが触ることで怪我をしたり、そこからひどい病気に感染してしまう可能性もあります。

工事をおこなっていない夜間に強風が吹けばそのゴミが近隣の住宅や住民を傷つけるかもしれません。

実際に被害が発生すればその責任を問われるのは建築会社、施工会社です。万が一の事態を防ぐためにも、作業現場は毎回片づけるようにしてください。

大きい声での会話

工事現場は大きな機材や重機を使って作業するため、どうしても職人同士の会話も大声になってしまいます。

ですがこの会話がうるさいという苦情も多いです。

作業の音は我慢できても、指示以外の私的な会話がまるまる聞こえてくるのは我慢できないという方が多いです。

実際に、もし近隣で工事をしていて職人たちが近隣住民や施工主の悪口を言っていたり下品な冗談を飛ばしていたり、怒鳴るような乱暴な言葉遣いでスタッフに指示をしているのが聞こえていたら不愉快になることが理解できるでしょう。

他愛のない会話をしているつもりでも、体の大きな男性が集まって大声で会話をしているのはそれだけで女性や小さい子どもにとって威圧感を与えるものになってしまいます。

普段以上に会話には気を付けておくように徹底する必要があります。

車を邪魔な場所に停めた

工事現場では大きな機材、重機が必須です。従業員も複数人いるため、車を何台も停めなければなりません。

近隣に駐車場があるものの、移動や道具の持ち運びが面倒なため工事現場のすぐ近くに路上駐車してしまうという職人は多いです。

ですが、とくに住宅街の場合道が狭く路上駐車は近隣の迷惑になりやすいです。

車が通れないのはもちろん、車いすやベビーカーが通れない、小さい子どもの通学路の邪魔になるということもあります。

また、周囲を確認せずに車を動かすことで近隣住民が事故に巻き込まれる可能性もあります。

駐車スペースがある場合は必ずその場所を厳守しましょう。駐車スペースがなく路上に停めなければならない場合は他の車や通行人の通れるスペースを十分に確保し、看板などで車を停めることについての説明をおこないましょう。

車を移動させる際も数人のスタッフで周辺の安全状況をしっかり確認した上で発進させることを忘れないようにしてください。

作業時間が長すぎる

作業時間が長すぎるというクレームも多いです。

騒音被害が及ぶ可能性のある工事をおこなう際は事前に近隣住民に説明をおこなったり、チラシを配布したりして工事があることを理解してもらわなければなりません。

その際に、何時から何時まで工事をおこなうかを説明することも多いです。

ですが「朝の9時から」と説明していたのに朝の8時半から工事を始めたり、「午後5時まで」と説明していたのに6時まで作業や片づけをしていたりといったことが続くと苦情につながってしまいます。

多少の時間の前後を許してくれるかどうかは人それぞれであり、現場の職人が「これくらい許されるだろう」と独断で決めてはいけません。

小さい子どもがいる家庭、遅くまで仕事をしていて午前中はゆっくり休みたい人など、工事現場の周辺にはさまざまなライフスタイルの家庭があります。

そのことをしっかり理解した上で決められた作業時間を守るようにしてください。

用を足していた

滅多にないケースですが、作業現場で用を足していたという苦情が入ることもあります。

工事期間が長い場合は現場に仮設トイレを設置するのが一般的ですが、短期間の工事の場合仮設トイレを置かないという現場もあります。

近隣にトイレを貸してくれるコンビニなどがないという場合、短期間でも仮設トイレを設置すべきです。

その場所にずっと住み続ける施工主がその現場を見たらどう思うか、自分が住む家の壁にかかっていたらどう思うかを考えれば絶対にしてはならないことだというのが理解できるでしょう。

これは職人たちの常識があるかどうかという問題でもありますが、仮設トイレを置かなかった建築会社や施工会社の責任でもあります。

現場の環境を把握し、仮設トイレを必要台数用意するようにしてください。

建築現場で職人が気を付けるべきマナー5選

建築現場では職人のちょっとした言動が苦情につながることも珍しくありません。

近隣住民に受け入れてもらう、施工後施工主が気持ちよくその建物を利用できるよう、職人が気を付けるべきマナーを再確認しましょう。

これらは職人一人ひとりが気を付けることはもちろん、社内で共有すべき事項です。

たった一人の非常識なおこないでその建築会社、施工会社のイメージが悪くならないように、現場スタッフ向けにマナー講座を開くこともおすすめです。

挨拶をきちんとする

当然のことではありますが、近隣住民と顔を合わすことがあれば毎回きちんと挨拶をしましょう。

無視された、態度が悪かった、道を開けてくれなかったなどの些細なことでも近隣住民に不快な思いをさせてしまう原因になります。

また、工事が始まる前には近隣に対して工事ない内容をきちんと説明する義務があります。

丁寧な対応を心がけ、住民が納得できるだけの説明を誠意を持っておこないましょう。

チラシで簡単に工事内容を説明するだけでは住民が確認していない場合もあり、不親切な印象を与えてしまいます。

とくに工事による騒音や粉じんの被害が大きいと思われる周辺の住宅や建物に対してはしっかり説明をし、初対面での印象も悪くならないように意識しましょう。

清潔感のある装い

ボロボロの作業服、汚れが目立つ作業服を着ていると、どんなに丁寧な対応をされても不潔な印象が先だってしまいます。

従業員の体臭、タバコのにおいなども気になる方が多いです。

休憩時間に職人たちが周囲のコンビニやスーパーなどを利用することもありますが、そのような店舗を利用している近隣の住民にとっても作業員の清潔感は気になるポイントです。

毎回清潔な制服を着るように徹底し、従業員一人ひとりの清潔感にも気をつけましょう。

制服を交換する暇がない、においがついてしまっているという場合は予備の制服を多めに用意するだけでなく消臭スプレーを用意するなど、建築会社や施工会社ができることはたくさんあります。

会話は聞かれていることを意識する

工事現場での会話は大声になりがちですが、そうでなくても会話は意外と聞かれていることを職人一人ひとりが意識しましょう。

ちょっとした雑談でも、近隣には大きく響いているかもしれません。

近隣住民の悪口や仕事の愚痴はもちろん、施工主の個人情報なども話さないようにしてください。

また、仕事上での指示も大声や乱暴な言葉遣いは避ける必要があります。

これらは習慣になっていることが多く、少しの意識では改善しにくい可能性が高いです。

マナー講習をしっかりおこない、現場でも気になった場合はすぐに対応するようにしてください。

時間を厳守する

工事の時間はあらかじめ周辺に伝えていた時間を厳守しましょう。

早めに作業ができそうであっても、近隣住民にとっては迷惑になるかもしれません。

作業が遅れてしまうとつい作業時間を過ぎても続行してしまったり、片づけが間に合わなかったりといったこともあり得ます。

ですが「聞いていた話と違う」という苦情が入った場合にきちんと説明できない理由で工事をしていた場合は建築会社、施工会社に責任があります。

不要なトラブルを避けるためにも工事現場のスケジュールはきちんと把握し、作業時間を守るようにしてください。

近隣住民へ工事内容を説明する

工事が始まる前の近隣住民への説明はもちろん、工事が始まったあとでも近隣住民から説明を求められたら丁寧に対応しましょう。

すでに説明した、チラシを投函したなどの場合でも適当にあしらうのは厳禁です。

今何の工事をしていて何が騒音の原因となっているのか、いつまで続くのか、どんな対処をするのかなど、現場の職人一人ひとりがきちんと説明できるようにしておいてください。

苦情が入った場合でも丁寧に説明し近隣住民に納得してもらえれば、トラブルを防ぐことができます。

建築現場で実際に苦情が入ったときの対応

建築現場で実際に苦情が入ったらどのような対応をすべきなのかを解説します。

苦情があってもその後の対応次第で建築会社、施工会社の信頼を回復させられます。

反対に、対応が悪ければ余計に印象は悪くなり、その後の施工主と近隣住民との関係に亀裂が入りかねません。

どのような対応をすべきなのか、基本的なことから再発防止方法まで見てみましょう。

まずは苦情の内容を確認

まずは苦情の内容をしっかり聞き入れるようにしてください。

最初からいい加減な態度で話を聞いていると余計に印象が悪くなってしまいます。

また、話の内容を理解していない謝罪は意味がないだけでなく近隣住民の怒りを助長してしまいます。

相手が納得いくまできちんと話してもらい、疑問点がある場合はきちんと質問して問題解決の方法を探っていきましょう。

苦情の内容がこちらの責任でない場合もありますし、態度が気に入らないなど感情的になっているだけの場合もあります。

責任がどこにあるかを説明する、相手が感情的になっている場合は落ち着くまで話を聞くなどの対応も大切です。

誠心誠意謝罪する

よほど特殊なケースでない限り、騒音や話し声、職人のマナーなどの苦情の責任は建築会社、施工会社にあります。

その場合はすぐに誠心誠意心のこもった謝罪をしてください。

原因について謝罪し、同じようなことが起こらないよう説明する必要もあります。

何度も同じような苦情が入っているのに改善されないようであれば現場の職人だけでなくその現場を管理している会社の信頼度にも影響します。

現場で謝罪を済ませるだけでなく社内でも苦情については共有するようにしてください。

工事内容を説明し理解してもらう

機材や重機を使う工事による騒音や駐車スペースの問題などは工事の都合上仕方ない可能性もあります。

職人のマナーではなくこのような工事に関わることで苦情が入った場合は、迷惑をかけていることをきちんと謝罪した上で工事内容を丁寧に説明しましょう。

工事期間がどれくらいなのか、どのような対策をしているのかなどを説明し、住民に納得してもらうしかありません。

それでも苦情が続くようであれば機材を使う時間を限定する、よりしっかりとした防音対策を心がけるなどの努力が必要です。

事前に工事内容について説明していて、近隣住民の理解を得られていたとしても、実際に工事が始まると想像以上の騒音などに悩まされる方は多いです。

どのような場合でも無理に工事を続行するのではなく、工事内容を理解してもらったりさらなる改善策がないかを考えることが大切です。

施行スケジュールを変更する

苦情の内容によっては臨機応変に施工スケジュールを変更する必要もあります。

騒音による苦情が多い場合は時間を短縮する、手作業の割合を増やすなどで対策できます。

工事期間が長すぎるといった苦情が多い場合は作業時間を少し伸ばすことを納得してもらった上で日程を短くするなどの対処もできます。

ですが従業員の負担が増える可能性も高いですので、無理のない施工スケジュールを考えるようにしてください。

社内で話し合い再発防止に備える

現場に直接苦情が入った場合、その場で謝罪したら終わりではありません。

その後も別の現場で別のスタッフが同じようなことをしていてはまた新たな苦情につながります。

一度入った苦情は現場だけでなく社内で従業員全員が共有できるようにしましょう。

苦情の内容だけでなく従業員の対応やその後の対策なども共有し、それが正しかったか、もっといい対処法はあるかなどを話し合う機会も作る必要があります。

従業員全員でトラブルを共有し話し合い、対応のマニュアルを作成することで再発防止につなげることができます。

現場の職人のマナー向上だけでなく、工事内容についてもどのような対応ができるのか定期的に講習会や研修をおこなうようにしましょう。

建築現場でのクレーム対策を考えよう

建築現場では騒音だけでなく職人のマナーなど、さまざまなことが近隣住民からのクレームにつながります。

工事の内容上仕方ないと突っぱねるのではなく苦情の内容を取り入れてよりよい作業環境を目指していくことは、クレーム防止だけでなく作業の質の向上にもつながります。

とくに職人一人ひとりのマナーについては、その建築会社や施工会社だけでなく施工主の将来も背負っているということを改めて認識させ、マナーを徹底させる必要があります。

自分がゴミを持ち帰るのは当然だと思っていても、別の職人にとってはその場に捨ててしまうのが習慣づいているなどの認識のズレがあることも多いです。

マナー講習クレームの対処法についての研修などを定期的におこない、建築会社、施工会社全体でサービスの質を高められるようにしていきましょう。

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