キャリアアップの方法の一つに転職があります。
転職をしてより待遇や条件のいい仕事に就けば、やりたい仕事ができる、給与がアップするなど、よりよい環境で働けるでしょう。
そのなかでもヘッドハンティングは、待遇を上げやすい転職方法の一つです。
本記事では、ヘッドハンティングとは何なのかを紹介するとともに、建築業界におけるヘッドハンティングの特徴を解説します。
今後建築業界でよりよい待遇で働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ヘッドハンティングとは?
ヘッドハンティングは、企業が優秀な人材を他社からスカウトする方法です。
スキルや経験が豊富にある人材はどの企業からも求められやすく、他社から転職をしてもらうかわりに高い給与や良い条件が提示されることが多いです。
専門職やマネジメント職などは経験者や知識を持つ人が少なく、求人サイトで募集をするよりもヘッドハンティングしたほうがコストや時間の削減につながることも多いです。
また、転職サイトや転職エージェントが優秀な人材をスカウトし、企業に紹介するスタイルも主流になりつつあります。
引き抜きとの違い
ヘッドハンティングと似た言葉に引き抜きがありますが、両者に大きな違いはありません。
言葉のニュアンスとしては、ヘッドハンティングは転職エージェントなどが仲介する転職方法、引き抜きは企業から直接スカウトされる転職方法として使われることもあります。
企業から直接声がかかる例としては、その企業で働いている人から紹介される、自分から他社にアピールするなどの方法があります。
ヘッドハンティングは違法ではない?
同業者にヘッドハンティングをすることや、ヘッドハンティングされて転職すること自体は違法行為ではありません。
日本国憲法では職業選択の自由が認められており、働いている人は転職する自由があります。
ただし、企業によっては就業規則でその企業内で得た知識やスキルを持ち出してはならないと定めていることもあります。
例えば、顧客リストやシステムの構築などを外部に持ち出すと、企業の利益に直接影響を与えることになります。
万が一転職先に転職前の企業の情報を持ち出し、前職の企業で大きな損失が出た場合、訴えられる可能性もあるので、転職前には一度就業規則をよく確認しましょう。
海外では以前から活用されている
ヘッドハンティングは海外、とくに欧米では以前からよく活用されている転職方法です。
日本の年功序列の働き方とは違い、欧米は実力主義の企業が多いです。
しっかり成果を出せばその分昇給、昇格されてキャリアアップできるだけでなく、よりよい条件の他社からも声がかかり、出世していくことが可能です。
日本では長く年功序列の制度が続いていましたが、近年そのシステムも崩壊しつつあります。
欧米のように実力主義の企業が増えれば、それに伴ってヘッドハンティングされる可能性も高まっていくでしょう。
日本でヘッドハンティングが浸透しつつある背景
日本ではヘッドハンティングはあまりメジャーな転職方法ではありませんでしたが、近年浸透しつつあるといわれています。
なぜヘッドハンティングの需要が高まっているのか、その理由を確認していきましょう。
建築業界は深刻な人材付不足が続いている
建築業界は常に深刻な人材不足が続いています。
2022年の建築業界の技術職の有効求人倍率は6倍を超えており、ほかの業種と比較しても非常に高い状態です。(参考:厚生労働省 一般職業紹介状況)
インフラが整っている日本でも住宅や工場の建設、改修などの工事は常にある状態ながらも、人材不足は今後も深刻化していくことが予想されます。
人材不足を解消するためにも、企業は今後ヘッドハンティングにより力を入れていくと考えられるでしょう。
待っているだけでは人材は集まらない
人材不足の状況が続くなか、待っているだけでは優秀な人材は確保できないと考える企業が増えています。
人材不足解消の手段は多数ありますが、そのなかでも求人サイトや転職エージェントに登録する方法は一般的です。
ですが、求人サイトや転職エージェントのサービス自体も増加傾向にあり、求めている人材が登録したサービスを利用しているとは限りません。
待つだけでなく、企業側から積極的に優秀な人材に声をかける努力も求められています。
なかにはヘッドハンティング専門の転職サービスもあり、注目を集めています。
技術職はヘッドハンティングの可能性は高い
建築業界にはさまざまな仕事がありますが、そのなかでもとくに技術職はヘッドハンティングされる可能性が高いです。
技術職は国家資格を取得している、一定以上の実務経験があるなどの条件が提示されることが多いですが、条件が厳しくなればなるほど適した人材が少なくなり、採用したい人材を見つけにくくなります。
確かなスキルがあれば十分なアピール材料になるだけでなく、他社からも求められる人材を目指せるでしょう。
すでに十分なスキルがある方は、他社にアピールしてヘッドハンティングでの転職を狙うこともおすすめです。
ヘッドハンティングを受けたらどうすればいい?
自分がヘッドハンティングをされたら、どのように対応すればいいのかを解説します。
自分の理想のキャリアを築くためにも、ヘッドハンティングされたときの対応を考えておきましょう。
事実かどうかよく確認する
まずはヘッドハンティングが事実かどうかを確認しましょう。
なかにはヘッドハンティングをうたい、別のサービスの利用を促したり仲介手数料と称してお金を要求する詐欺まがいの行為をする企業もあります。
企業から直接のヘッドハンティングなのか、サービスを仲介してのヘッドハンティングなのかを確認し、事実かどうかを確認してから次の行動に移りましょう。
条件や待遇を詳しく聞く
ヘッドハンティングしてきた企業の転職の条件や待遇を細かい部分までよく確認しましょう。
給与や勤務時間だけでなく、休日や求められるスキル、福利厚生など、現職で働き続けるよりもいい環境で働けるかを確認することは非常に大切です。
転職後に後悔しないよう、事実確認を行いましょう。
ヘッドハンティングのサービスが仲介している場合も、ヘッドハンターから企業の情報をよく確認してください。
普通の転職と同じように、自分が譲れない条件などを明確にしておくことで、転職後のミスマッチを防ぐことが可能です。
キャリアプランと照らし合わせる
ヘッドハンティングされたということは一定以上のスキルが認められたということですが、自分のキャリアプランに合う働き方ができるかをよく確認することも大切です。
ヘッドハンティングされた事実に浮かれて転職をしてしまうと、入社後に自分のキャリアプランと合わない働き方をしなければならなくなる可能性があります。
専門的な仕事をコツコツ続けたかったのに管理職やリーダーポジションに配置された、給与が高いもののプライベートな時間が少なくなったなど、後からつらい思いをすることにもなりかねません。
反対に、年齢に合わせて管理職、役員とステップアップしていきたい方がそのような条件を提示してくれている企業に転職すれば、キャリアプランどおりの働き方ができるでしょう。
ヘッドハンティングされる人材を目指すことが大切
ヘッドハンティングの基本や、日本の建築業界のヘッドハンティング事情について解説しました。
ヘッドハンティングされる人材を目座すには、建築業界で活躍できるスキルや経験を身に着けることが大切です。
自分に今不足していると感じる部分を見つけて、スキルアップを目指しましょう。
以下の記事では、建築業界でのスキルアップに役立つ教育訓練給付制度について解説しています。他社からも求められる人材を目指したい方は、こちらもぜひチェックしてみてください。