空調ダクトはわたしたちの身近なところで言うと、主に飲食店などに設置されているもので、夏は室内を涼しく、冬は暖かく、また飲食店によっては排気や換気をしてくれる非常に重要な設備のひとつです。
そんな空調ダクトはいったいどれくらいの相場で工事をすることができるのでしょうか。
今回は、そんな空調ダクトの工事の費用相場についてご紹介していきたいと思います。
ダクトとは?
ダクトとは、気体を運ぶ管のことで、主に建築物内の空調や換気、排気の目的で使用されることが多いです。
鉄板性の部材を組み合わせて、空調機から居室などへ空気の流れ道とするものです。
空気調和設備や換気設備、排煙設備などに用いる建築設備のひとつとなっています。
形状においては、角ダクトと呼ぶ矩形以外にも、円形や楕円形があり、送風機の吐き出す圧力によって空が流れるため、所定の風量を確保するには一定の断面積が必要になってきます。
極端に長くて細いと風量が減り、冷えないことや暖まらないなどの不具合の原因にもなります。
ダクトの歴史は、日本に冷房が入ってきたころに、アメリカよりダクトが導入されました。
当初は板金工事(ブリキなど)の職人が従事していたので、技能の系統としては板金作業になっていますが、流体学的にも配管工事に近い業務と言えます。
このころは、墨壺と折尺を用いた手作業による部材の展開、「まとも」と呼ぶ大型のはさみによる手切り、手折りの「本はぜ(板を接続する場合に用いる折り曲げ部分のこと)」による組立て、リベットをハンマーでかしめたフランジ接続で、現場での製作が基本となっていました。
ダクト工事の費用相場
さて、ダクト工事の費用の相場ですが、正直なところどのように施工するかによって大きく幅が広がってきます。
おおよそですが、相場は20万円~300万円といったところでしょうか。
例えば、飲食店などでは厨房がありますので、厨房ダクトがあり、焼き肉店では排気ダクトが必要になってきます。
さらには調理するものによって空調機の馬力なども変わってきますので、値段がさまざまなのです。
一般的なオフィスなどでも種類はさまざまで、顧客の要望が増えるごとに費用は上がっていきますし、薬品などを取り扱う病院などでは、空気を新鮮に保つために特殊なダクトが必要になってきます。
また、工事内容による違いも大きく費用に影響してきます。
建物の何階に設置するのか、材質は何を使用するのか、例えば飲食店などで亜鉛メッキなど安価な素材を使用した場合、亜鉛メッキは錆に弱い性質を持っているため、あっという間に修理が必要になってきますし、オフィスで高価なステンレスを使用すると、正直オフィスではこれほど丈夫な材質を使用するのは不要だと言えますので、適材適所での材質選びが必要不可欠になってきます。
そして、飲食店同士でも変わってきます。
あまり調理をしない喫茶店としっかり調理をし、肉の脂などが飛び散る焼き肉店とでは、排気設備の能力に差をつけなければなりません。
油分や煙の出る量が多いほど馬力のある設備を設置しなければならないので、それだけ費用が掛かってきます。
工事見積を取るときの注意点
工事見積を取るときの注意点はいくつかあります。
複数の業者から見積もりを取る
見積もりを取る際には、1社から見積もりを取るのではなく、複数の業者から見積もりを取るのが基本となります。
1社で決めてしまった場合、極端な話をするとその業者の言い値になってしまいます。
そうならないためにも複数の業者から見積もりを取り、材質単価、重機費用、人工の単価、材質の使用量、諸経費などの経費計上などの差を比較する必要があります。
このとき、見積もりを取る側として重要なのは、単に安い業者に頼まないことです。
極端に安い業者は、ノウハウが浅い傾向にあり、仕様をしっかり把握していないところがあります。見積内容も「一式」表示が多く、どの部材をそれだけ使うのか?がわからない見積もりが多いです。そのような業者は施工後なんらかの設備不具合が生じる可能性があります。
よって、見積もりは「安い所を決める」のではなく、「いかに妥当な見積もりを出してきてるか」を見るためのものだと覚えておいた方がいいと思います。
アフターサービスは充実しているか
工事と言うのは基本引き渡した時点で終了となります。しかし、ここで業者の良し悪しが決まるのがアフターサービスです。
施工後不具合が生じたときに即座に対応してくれるところですと問題ありませんが、不具合にもかかわらず追加費用をとる業者も実際にはいます。
ですので、工事を依頼する際には、「どこまでアフターサービスが生き届いているか」を見極める必要があります。
自分でもダクトのイメージをしてみる
見積もりを取る際に重要なのは、業者任せにしないことです。業者に丸投げで見積もりを頼んでしまうと、それぞれの業者が勝手に仕様を決めてしまい、見積もりに大きな差が生じてしまいます。
こうなってしまっては、見積もりの意味がありません。
見積もりを取る際には、自分の頭の中でもいいので、どこに機械を置き、ダクトはどの辺を通すのか。また空調機ですと、室外機はどこにおいて、室内機はどこに置くのか、吹き出し口はいくつ設けるのか、どこに出すのか。などをしっかり決めておく必要があります。
きちっと専門業者に依頼する
餅は餅屋です。きちっと専門の業者に見積もりを依頼しましょう。
ダクトは目に見えないところも通りますし、一度施行してしまえばそう簡単に撤去するものではありません。
よってきちんとノウハウを持った専門の業者に見積もりは依頼しましょう。
友人からお勧めの業者を紹介してもらうのもいいですし、最近ではインターネットの口コミも参考になります。
まとめ
ダクト工事はその施工方法や機器の仕様内容によって居室する空間がガラっと変わってきます。
特に飲食店などでは、換気は必要不可欠で、煙や脂が店内に充満しているとそれだけで店に入るのを拒んでしまう人も少なくありません。
よってダクト工事は慎重に行わなければなりません。
ダクト工事の相場は非常に幅が広く一概に「いくら」とは言えませんが、使用する機器やダクトの材質、ダクトの距離などで費用が大きく変わることは覚えておいて良いでしょう。