内装業やリフォーム業の仕事内容は多様化しています。
一般的な家庭の内装、リフォームから大型商業施設やテーマパークなどの施工まで取引先は多岐に渡り、起業の規模のさまざまです。
小規模な企業だけでなく大企業であっても、価格競争やサービス内容の差で他の企業に負けてしまう可能性があります。
継続して仕事を得続けるには、そして新規の顧客を獲得するには、営業の力が非常に重要です。
内装業やリフォーム業の営業はどんな点を気を付ければいいのか、どんな工夫ができるのかを考えていきましょう。
内装業やリフォーム業の営業の仕事内容
内装業やリフォーム業の営業は、その企業にとってなくてはならない存在です。
日本は少子高齢化が進んでおり、新築住宅の需要は今後減少していくことが予想されます。
これからは既存の住宅に長く安心して住み続けたいという需要が高まっていくでしょう。
そこで重要になるのが内装業やリフォーム業です。
新築住宅の設計も請け負いつつ内装工事やリフォームをおこなっているハウスメーカーと、内装工事やリフォームのみをおこなっている専門の会社の2パターンがメインですが、それ以外にも建築業以外の仕事をメインにしつつ内装業やリフォーム業も請け負っている企業も増えています。
小規模な内装工事やリフォームなら建築業許可は不要のため、異業種からも参入しやすいという特徴があります。
従来の営業方法を続けていてはこれらの新規参入企業にあっという間に仕事を取られてしまいます。
他の企業にはない自社の強みをアピールし、お客様一人ひとりに合った内装工事やリフォームを提案するのが営業の仕事です。
内装業やリフォーム業の営業の仕事には特別な国家資格などは必要ありません。ですが、営業の手腕で企業の今後が左右されると言っても過言ではない、責任重大な仕事だと言えるでしょう。
内装業やリフォーム業の営業の5つのコツ
内装業やリフォーム業の営業を成功させるにはどんな工夫が必要なのでしょうか。
営業と言えば足を使って一件一件飛び込みで営業をかける…というイメージが強いですが、先ほども説明した通りこれまでと同じような営業を続けていても競合他社には勝てません。
年々シビアになりつつある内装業界やリフォーム業界で勝ち抜いていける営業方法を考えていきましょう。
価格だけを重視した営業をしない
内装やリフォームの依頼をする際に価格を重視するお客様は多いです。
ですが、仕事を得るために価格をどんどん下げてしまうと企業の利益も当然下がってしまいます。
結果サービスや品質が低下したり、従業員への待遇が悪くなってしまったり、最悪経営が成り立たなくなってしまうことも。
そうなってしまっては本末転倒ですよね。
価格の安さで勝負するのではなく、自社ならではのサービスや実際の施工例、どんな内装、リフォームが人気なのかなど、お客様が本当に知りたいことをアピールしましょう。
もちろん価格が気になっているお客様に向けて嘘偽りのない見積もりを提示することも大切です。
他社より高くなってしまっても、その理由がきちんとしているのであれば選んでもらいやすくなるでしょう。
シーズンごとに営業内容を変える
一年を通して同じ内容の営業を続けていても効果は弱まってしまいます。
季節に応じてどんな需要が高くなるかを考えて営業を変えていきましょう。
例えば、春先であれば夏に向けてエアコン関連のリフォームや塗装関連の施工の需要が高まります。
夏が過ぎると次は秋冬に向けて断熱性の高い塗料での塗装や、断熱性を高めるリフォームが人気になります。
このような季節に合わせた営業をすることで実際にその内容の仕事を得られるだけでなく、一度認知されると次の仕事につながりやすいというメリットもあります。
そのときは仕事につながらなくても、お客様が実際にリフォームが必要になったときに「あのときのあの業者に相談してみよう」と思ってもらえるよう、印象に残る営業をすることが大切です。
お客様にリフォームや内装を知ってもらう
お客様のほとんどは内装やリフォームについての知識がほとんどありません。
水回りが不調だったり、外壁の塗装が剥がれたりしていても、どこに相談すればいいかわからない、これくらい大丈夫だと放置している可能性も高いです。
いきなり自社のサービスの営業をかけるのではなく、まずは内装やリフォームについて理解してもらうことも大切です。
水回りはどんなリフォームをすれば快適になるのか、外壁の劣化を放置するとどうなるのかなど、一から丁寧に説明しましょう。
業界では当たり前の知識でも、一般の方は知らないこともたくさんあります。
そのことを利用して高額な内装工事やリフォームをしようとする業者もありますが、このような営業方法では長くはもたないでしょう。
お客様にきちんと理解してもらった上で内装やリフォームをどうするか検討してもらう、そして実際に依頼したくなったときに「この業者に任せよう」と信頼してもらう企業になるために、真摯な対応を続けることが大切です。
相談しやすい雰囲気作りをする
実際に困っていることがあってもどこに相談すればいいかわからないというお客様は多いです。
そんな方に向けて相談しやすい雰囲気を作ることも営業の大切な仕事です。
自社のサービスや価格をアピールするだけではどうしてもやり取りが一方的になってしまい、相談しにくかったり、「今更こんなことを聞いたら恥をかくのでは…」とお客様を不安にさせてしまいます。
「他のお客様から塗装の相談をされたときは…」「水回りのリフォームの相談がとても多いです」など、実際にどんな相談があったのかを紹介すると「他の人と同じように自分も相談してみようかな」と思ってもらいやすいです。
インターネットでの宣伝も重要
従来、内装業やリフォーム業の営業と言えば飛び込みの訪問営業が主流でした。お客様も営業スタッフからの情報や、ポストに投函されるチラシからしか情報を得ることができませんでした。
しかし近年、お客様はなんでもインターネットで情報収集ができます。
近くの内装業者やリフォーム業者、より安く工事を請け負ってくれる業者、口コミのいい業者などなど…。
インターネットでの宣伝をおろそかにしているとあっという間に他社に仕事を取られてしまいます。
まずは「地域 工事内容」で検索したとき、検索結果の上位に自社のサイトが表示されるようにしなければなりません。これは正確には営業の仕事ではありませんが、ブログやSNSなど気軽に更新できるものは営業が担当するケースが多いです。
お客様と対面する営業スタッフが更新しているブログやSNSならお客様も親しみやすいでしょう。
実際の施工例や人気の工事など、お客様が求めている内容をコンスタントに更新し続けるようにしてください。
アフターフォローも忘れずに
内装やリフォームの仕事は一度工事が終わったら終了、というものではありません。
塗装の漏れがあったりリフォームの不備があったりした際には迅速に対応する必要があります。
また、一度内装やリフォームを依頼すると次に別の問題が生じたときも「あの業者に相談してみよう」と思ってもらいやすいです。
そのためには丁寧なアフターフォローも忘れてはいけません。
地道な仕事ではありますが、近くを通りかかったら最近の様子や困っていることがないか聞きに行ったり問い合わせもおざなりにせずすぐに返信したり、工事が終わったあともお客様とのつながりを大切にしましょう。
一度悪い印象がついてしまうとネットでの口コミに影響しますが、丁寧に対応していればお客様に「ここの業者はよかったよ」と広めてもらえる可能性もあります。
内装業やリフォーム業の営業は他社との差別化を意識!
内装業やリフォーム業の営業内容についても考えていきましょう。
上記でご紹介した営業のコツを踏まえつつ、下記のような点を重点的にアピールするような営業内容を考えてみてください。
自社にしかない性能
自社のアピールをするなら価格ではなく独自の性能をアピールすることを優先してください。
長持ちする塗装に定評がある、断熱性の高い外壁リフォームができる、快適に作業ができるキッチンリフォームが得意などなど…。
どんな質問をされてもすぐに答えられるように自社独自の性能についてきちんと理解しておくこと、常に最新の情報を頭に入れておくことも大切です。
高いデザイン性
古い家をリフォーム、リノベーションして住み続けようと考える若い世代も多いです。
そんな方は機能性だけでなくデザイン性も重視しているケースが多いです。
海外のようなおしゃれなキッチンや外装、こだわりのインテリアに合う内装、和モダンな雰囲気を楽しめる玄関先のリフォームなど、高いデザイン性をアピールすることで若い世代からの依頼を受けやすくなります。
低コストである理由
自社のアピールをする際に価格ばかりを重視していると自社よりも安くサービスを提供している競合他社に負けてしまいます。
ですが価格を気にするお客様が多いのも事実。
「安すぎて逆に不安」と思っている方もいますので、それを踏まえてどうしてこの価格が実現しているのかを明確にアピールするようにしてください。
反対に「なぜこんなに高いのか」と質問された際に、技術やアフターサービスなど明確に理由を説明できるようにしておくことも大切です。
内装業やリフォーム業の営業に向いている人の特徴
内装業やリフォーム業の営業は特別な資格がなくても就ける仕事です。
資格はないけど建築業界に興味がある、営業職をしながら建築業界のことを知っていきたいという方は、まず自分が営業に向いているのかを考えましょう。
建築業界の知識や経験がある人
内装業やリフォーム業の営業に特別な資格はありませんが、それでも建築業界の知識があればあるだけ有利に仕事を進められます。
どんなリフォームをするとどんな効果があるのか説明できたり、実際に家を見てどんなリフォームが必要なのかを判断できたりします。
建築業界で別の仕事をしていた方が営業職に転職するというケースもあります。
ゼロから始めたとしても学べば学ぶだけ仕事に役立てられますので、常に勉強し続ける姿勢は忘れないようにしましょう。
税金関係の知識が豊富な人
内装工事やリフォームは、新築住宅よりは少額な案件がメインではあるものの数十万円から数百万円のお金がかかります。
節税対策を考える方も多く、お金の知識が豊富であれば的確なアドバイスをすることができます。
建築関連の国家資格の取得は難易度が高いですが、ファイナンシャルプランナーの資格は持っておくと役に立つでしょう。
税金やお金の知識は建築業界だけでなく異業種でも役立ちますし、自分のお金の使い方を考える際にも役立ちます。
話をじっくり聞くのが得意な人
営業は自社のサービスを宣伝することも大切な仕事の一つですが、それだけでなくお客様がどんなことに悩んでいるのかをしっかり聞き取るのも大切です。
内装工事やリフォームについての知識がないお客様の悩みを聞き、そこから最適なサービスを提案します。
「この人はしっかり自分の話を聞いてくれている」とお客様が感じれば、信頼度も上がって契約につながりやすくなるでしょう。
話し役より聞き役に回ることの方が多いという方、よく人に相談される方は、内装業やリフォーム業の営業に向いていると言えます。
慎重に物事を進められる人
化粧品や食品などの営業はスピーディーに契約がまとまることが多いですが、内装業やリフォーム業の営業は契約までに時間がかかります。
相談を受け、実際に物件の様子を見て見積もりを出してから、お客様の考える時間があります。この間にお客様が別の業者に相談し、見積内容を比較した上で契約する業者を決めることがほとんどです。
丁寧に対応しても契約につながらないことも多く、サクサクと作業を進めたい方にとってはストレスに感じることもあるでしょう。
じっくり慎重に一つひとつの案件に向き合える方の方が内装業やリフォーム業の営業には向いています。
年上とのコミュニケーションが得意な人
リフォームを依頼するのは、古い家に住み続けている年配の方であるケースが多いです。
これから内装業やリフォーム業の営業に転職したいという方の場合、年上のお客様を相手にすることが多くなるでしょう。
年上とのコミュニケーションに抵抗がない、先輩に可愛がられることが多いという方はとくに内装業やリフォーム業の営業に向いていると言えます。
年配の方に合わせた話をするために建築以外のさまざまな情報を頭に入れておくことも大切です。
向上心を持って仕事に挑める方
内装業やリフォーム業だけでなく営業職はノルマが設けられているケースが多いです。
その際に「ノルマを達成できなかったらどうしよう」ではなく、「どれくらい売り上げを伸ばそう」と前向きに考えられる人の方が営業には向いています。
内装業やリフォーム業の営業をする前に営業の経験があっても、建築業界は他と勝手が違うと感じる方も多いです。
そんなときにどうすればいち早く仕事に慣れられるか、どんな知識を身に着ける必要があるのかなど、向上心を持って仕事に挑める方ならすぐに内装業やリフォーム業の営業スタッフとして功績を重ねられるでしょう。
内装業やリフォーム業の営業で活躍しよう
内装業やリフォーム業の営業のコツや向いている人の特徴などを紹介しました。
少子高齢化が進む日本において、今後も内装業やリフォーム業の需要は高まっていくことが予想されます。
長く建築業界で活躍し続けるために、企業の力になれる営業スタッフを目指しましょう。
建築業界や税金関連などの知識を深め、一件一件真摯にじっくり向き合う姿勢を忘れないようにしてください。