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外壁工事ってどんな仕事?必要な資格ややりがい・注意点を徹底解説

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外壁工事は新築の外壁の塗装ををおこなうだけでなく、劣化した外壁を修繕したりリフォームしたりといった仕事もおこないます。

建物の外見の印象や耐久性を左右する外壁工事の仕事内容について見てみましょう。

どんな仕事があるのか、どんな資格が必要なのか、さらにやりがいや注意点、年収など、外壁工事にまつわるさまざまなことをご紹介します。

外壁工事の仕事内容

まずは外壁工事の仕事内容をチェックしていきましょう。

外壁工事は建築の最後の仕上げの部分ですが、この外壁工事がきちんとできていないとどんなに素晴らしい建物でもみすぼらしく見えてしまいます。

また、外壁は見た目だけでなく建物の耐久性も左右します。

雨風や紫外線、風などから建物を守り、その建物で生活する人、その建物を利用する人の安全を守る役割も担っています。

シンプルに見えて奥が深い外壁工事の仕事内容を詳しくご紹介します。

塗装

まずは建物の塗装です。

新しい建物の外壁を塗装したり、既存の建物の外壁を塗装することもあります。

塗料にはさまざまな種類があります。

紫外線に強い塗料、雨風に強い塗料、汚れにくい塗料など、クライアントと塗料の種類を決めていきます。

塗りムラがあると見た目が悪くなるだけでなく、塗料のすき間からヒビ割れが生じたり、雨水が浸水したりすることも。

ムラなく丁寧に、しっかりと塗装をしていくことが大切です。

サイディング

サイディングボードを外壁部分に貼っていくことサイディングと呼びます。

塗料を外壁に塗るよりもこのサイディングの方が施工期間を短縮できます。

さらに施工にかかる費用も大幅にカットできるというメリットから、最近は塗装ではなくこのサイディングを選ぶユーザーが故てきています。

樹脂や金属、木材、窯業などの種類があり、こちらも外壁塗装の目的に応じて適切なものを選び施工していきます。

コーキング

コーキングは、上記のサイディングの際にサイディングボードと建物の間をコーキング材で埋めるという作業です。

このコーキングがきちんとできていないとサイディングボードの間から雨水や汚れなどが侵入し、建物の劣化を早めてしまいます。

コーキングが劣化した建物に新たにコーキングをし直すという仕事もあります。

その場合は古いコーキング材を除去するか、コーキング材を残したままコーキングを再びおこなうかを判断する力も必要です。

カバー

すでにある外壁の上からさらに新しい外壁塗装をおこなう作業です。

サイディングボードを使うこともあります。

すでにある外壁を除去する作業がない分作業費用や作業期間を抑えることができるため人気の工法ですが、場合によっては塗装を一度除去しなければならないケースもあります。

この判断を的確におこなうことで、建物をより美しく長持ちさせられます。

塗り替え

すでにある外壁を一旦除去して新しく外壁工事をするのが塗り替えです。

外壁が劣化していて雨漏りやひび割れなどの被害が出ている場合はカバーではなく塗り替えが必要です。

ひび割れがひどい場合は塗装だけではなく外壁自体を取り換える必要性もあります。

塗り替え、張り替えにはサイディングボードが使われることが多いですが、塗料を使って塗装することももちろんあります。

コーキングの技術も必要になります。

屋根の施工、修繕

外壁工事は建物の壁だけでなく、屋根の施工や修繕をおこなうことも多いです。

屋根材を取りつける、屋根の塗装をする、リフォームをおこなうなどです。

瓦やタイルなどを取りつける、雨漏りしている部分を修繕するなどの仕事内容があります。

屋根のすべてをリフォームする大掛かりな作業から、雨樋の修理など細かな作業まで請け負っている外壁工事会社もあります。

外壁工事は何のために必要?

外壁工事の必要性について解説します。

建物の仕上がりや耐久性を高めるために欠かせない外壁工事ですが、建築作業の中では地味な印象があるかもしれません。

外壁は建物においてどんな役割を担っているのか、今一度よく見てみましょう。

建物の見た目の美しさを維持する

外壁工事はまず第一に建物の見た目の美しさを維持するという役割があります。

汚れが目立ちにくい塗料、雨や紫外線に当たることで汚れが落ちやすくなる塗料など、さまざまな最新の塗料を使って建物の外観を美しく保ちます。

それだけでなく、古くなってきた建物の外壁を塗装し直したりサイディングしたりすることでまた美しさを復活させることも可能です。

外壁は建物の中でもとくに人の目に留まりやすい場所です。住居だけでなくオフィスビルや商業ビルでは見た目の印象も大切です。

そのため外壁工事の需要も高く、今後需要が低下していくと予想される建築業界の中でも生き残りやすいジャンルと言えるでしょう。

建物を雨水などから守る

外壁工事の役割は外観を美しく保つだけではありません。

建物を雨水などから守るという役割もあります。

すでに壁があるなら外壁工事は必要ないのではと思っている方も多いですが、壁材だけでは雨水や風を完全に防ぎきることができません。

外壁工事をきちんとしていないと、雨水が屋内に侵入する、壁材に雨水が浸食して腐ったり害虫を発生させたりしてしまうなど、建物の寿命を短くしてしまいます。

外壁工事に使われる塗料やサイディング材などは雨水に非常に強くできています。

ですがこれらは一度施工したら安心というわけではありません。強い風や紫外線によって塗装は劣化してしまうため、定期的に施工しなおす必要があります。

その見極めなども外壁工事会社の仕事の一つです。

どんな塗装、塗料がふさわしいのかを見極め、より長く安心してその建物で人々が生活できるような提案をしましょう。

建物内の温度を調整する

外壁塗装は見た目や耐久性を維持するだけでなく、建物内の温度を調整する役割も担っています。

断熱性の高い素材を使って外壁工事をすることで、夏は涼しく、冬は暖かく、快適に過ごすことが可能になります。

太陽光による建物の温度の上昇や、冬の風や雪による温度の低下は暮らしに直接影響します。

外壁工事によってこれらから室内の温度を守ることができればエアコンを使う時間も抑えられ、光熱費の節約といったランニングコストにもいい影響を与えてくれます。

とくに大きな建物や倉庫など、エアコンが効きにくい、エアコンがない建物ではこの外壁工事が非常に重要になります。

外壁工事に必要な資格・許可

外壁工事をおこなうにはどんな資格や許可が必要なのかを解説します。

外壁工事をおこなう上で必須の許可からあると便利な資格までチェックしておき、外壁工事の仕事への就職や転職に役立てましょう。

塗装技能士

外壁塗装は無資格でもおこなえる作業の一つです。

ですが塗装技能士という国家資格は存在しています。

この塗装技能士は3級から2級、1級、特級があります。

塗装における技術や知識を判断されるものですが、一定期間以上の実務経験がなければ受験資格は与えられません。

資格取得までにかかる時間は長いですが、現場で知識と技術を身に着けた上で受験できるというメリットもあります。

塗装の資格は必須ではありませんが、資格を持っていると自身の経験や実力を証明できます。転職の際にも有利になりますので、資格取得については考えておいた方がいいでしょう。

足場の組み立て等作業主任者

外壁工事は建物の高い部分までしっかりムラなく塗装しなければなりません。

そのためには足場の組み立ても必要です。

足場を組み立てる際には足場の組み立て等作業主任者がいなければなりません。塗装とは直接関係なくても大切なポジションです。

この足場の組み立て等作業主任者は専門の講習を受けることで取得が可能です。

外壁塗装を実際におこなう際はこの足場の組み立て等作業主任者が現場にいなければならないため、塗装の仕事を続ける上では必須の資格と言えるでしょう。

塗装工事業許可

国土交通省に申請して得なければならないのがこの塗装工事許可です。

外装工事をおこなう際はこの塗装工事許可がかならず必要です。

塗装工事業許可は一度取得したら終わりではなく、定期的に更新しなければなりません。

大変ではありますが、許可を得ていることはつまり業者への信頼にもつながります。

何度も許可を更新している業者はそれだけ実績があり、長く営業していることの証明にもなります。

外壁工事の年収は?

外壁工事の年収について見てみましょう。

厚生労働省による平成29年賃金構造基本統計調査によると、外壁工事をしている人の平均的な月収は27万6600円でした。

さらに賞与もあり、年収は399万6200円という平均額が出ています。

規模が大きい工事会社であればあるほど年収も高くなります。

中には賞与が100万円以上となるケースも。

外壁工事だけでなく建築関連の仕事は常に屋外の仕事となり、体力も気力も使う仕事ばかりのため一般的なデスクワークに比べると大変なことも多いです。

しかしその分きちんと収入という形で返ってきます。

現在塗装工事会社に勤務していて給与に不満がある方は、平均の年収と比較してみてより条件のいい会社への転職を考えてみてもいいでしょう。

年齢や勤務時間、塗装する建物の対象などによっても収入は変動しますので、その点もきちんと考慮しておくことが大切です。

外壁工事のやりがい

外壁工事のやりがいについて紹介します。

外壁工事はさまざまな知識や技術が必要な大変な仕事ではありますが、やりがいも大きく、長く続けている職人も多いです。

建物の見た目や耐久性を左右する重要なポジションである外壁工事のやりがいについて今一度チェックしておきましょう。

建物の見た目を美しくできる

外壁工事は建物の見た目を美しくする仕事でもあります。

どんなにこだわりのデザインの建物でも、外壁がきちんと塗装されていないとみすぼらしく貧相に見えてしまいます。

建物の印象やクライアントの要望の通りにぴったりの外壁塗装をすれば、より見た目のクオリティを上げることができるでしょう。

建物の第一印象を大きく左右する外観に直接携われるため、完成した際の達成感、充実感を得やすいというメリットもあります。

新しい建物を美しく塗装できる、古い建物の印象を大きく変えるなど、外からは見えない部分の仕事が多い建築業界の中でも外壁工事はわかりやすい仕事と言えるでしょう。

さまざまな技術が身に着く

外壁工事は塗装の技術だけでなくサイディングやコーキングの技術も身に着けることができます。

塗装業界は日々変化しており、新しい塗装技術やコーキング材も次々に生まれています。

一度身に着けた技術や常識が通用しなくなることも多いですが、その分日々やりがいを感じながら新しい技術を身に着けていくことができるでしょう。

実際に経験しながら技術を身に着けられるというメリットもあります。

また、塗料の見極めやその建物にはどんな外壁工事が必要なのかの見極めなどもできるようになります。

実際に外壁工事をするだけでなく、クライアントにどんな工事がおすすめかを提案したりすることもできるでしょう。

どの塗料やサイディングボードを取り入れるかなど、工事会社の方向性を決定する立場も目指せます。

転職しやすい

外壁工事の技術は会社が変わったから一から覚え直さなければならないというものではありません。

基本的な方法はどの会社でも同じですので、一度身に着けた技術や知識が無駄になることはありません。

そのため、転職しやすいというメリットがあります。

現在の会社に不満がある、もっと大規模な建物の外壁工事に携わりたい、仕事の幅を広げたいという方には大きな魅力と言えるでしょう。

上記でご紹介したように国家資格を取得していれば実務経験の長さや知識、技術を簡単にアピールでき、より転職に有利になります。

もちろん日々勉強を欠かさないことも大切ですが、これまでの経験を活かして転職にもチャレンジしてみましょう。

外壁工事の大変なこと

外壁工事はやりがいもたくさんありますが、楽しいことばかりではありません。

大変なこともきちんと把握しておきましょう。

どんな仕事にも人によって向き不向きがあります。

自分に外壁工事の仕事は合っているのかをよく考えてから仕事を選ぶことも大切です。

常に屋外での作業になる

外壁工事は建築関係の仕事の中でも仕上げの段階を請け負います。

すでにほとんど完成した建物の塗装をおこなうため、現場はかならず屋外になります。

寒い時期でも暑い時期でも常に屋外で作業しなければならないため、それが大変だと思う方も多いです。

また、雨や風、雪などの天候状態によっては作業を中止しなければならないこともあります。

基本的に外が明るい日中にしか作業ができないため、スケジュールが詰まっていても思うように作業が進められないというケースも少なくありません。

自身の技術だけでなくさまざまな外的要因に仕事のスケジュールが左右されるので、そのことをストレスに感じる方もいます。

体力仕事が多い

塗装工事は常に体力を使います。塗料を塗っている間だけでなく、重たい塗料やサイディングボード、コーキング材を運んだり足場を何往復もしたりしなければなりません。

建築業界の仕事は体力を使う仕事が多いですが、外壁工事も例外ではありません。

作業を続ける内に自然と体力がつくという方もいますが、体力に自信がない方が続けるには厳しい仕事と言えるでしょう。

資格には実務経験が必要

外壁塗装の国家資格には塗装技能士があります。

この塗装技能士の資格を取得するには、最低でも7年以上の実務経験が必要です。

外壁塗装の仕事を始める前、または初めてすぐに資格を取得できるわけではなく、長く実務経験を積んで知識と技術を蓄えた上で資格の取得にチャレンジしなければなりません。

また、塗装技能士には1級のさらに上の段階である特級もありますが、特級の資格を取得するには1級を取得した後に5年以上実務経験があることが求められます。

勉強して合格点を取ればいいだけの資格とは違いますので、その点に難しさを覚えたり、別の仕事に転職してしまって資格を取得できないという方も多いです。

外壁工事の仕事にチャレンジしよう

外壁工事の仕事内容について、また年収ややりがい、大変なことなどについてまとめました。

建築の中でも仕上げの段階にあたる外壁工事。

外観の印象を決める大切な仕事であると同時に、建物を守る、その建物での暮らしを守るといった重要な役割も果たしています。

外壁工事は今後も需要が続く仕事ですので、就職にも転職にもおすすめの職種です。

自分に向いているかをよく考えて、外壁工事の仕事にもチャレンジしてみましょう。

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