建築業界の営業職は、仕事を獲得する上で非常に大切な役割を担っています。
営業スタッフがいなければ、どんなに腕のいい職人がいても売り上げを伸ばせません。
ですがその一方で、建築業界の営業の仕事をきついと感じている方も多いです。
今回は建築業界の営業がきついと言われる理由とその対処法を紹介します。
建築業界の営業がきついと感じる6つの理由
建築業界の営業は自分の仕事が会社の利益につながる、建物が残る、地図に載るといったやりがいを感じられる仕事です。
一方で、きついと感じてリタイアしてしまう人も少なくありません。
建築業界の営業職に就く前に、何がきついのかを確認しましょう。
現在建築業界の営業がきついと感じている方は、当てはまるポイントがないかチェックしてみてください。
接待が多い
建築業界の営業は、取引先との関係が大切です。
毎回毎回新しい案件を獲得することも大切ですが、一度取引した取引先から継続して依頼を受けることも少なくありません。
そのためには取引先との接待、付き合いが必要です。
終業時間外に会食や飲み会に参加しなければならず、お酒の席でも相手に失礼がないよう、また、気分良く楽しんでもらえるよう気を遣う必要があります。
毎日仕事に追われ、退勤してからも仕事のために動かなければならないのは想像以上にストレスです。
人付き合いが苦手、お酒の席が苦手、仕事とプライベートはしっかり分けたいという方には不向きに感じるポイントです。
ノルマが厳しい
営業職は建築業界以外でもさまざまなノルマがあります。
契約件数や売り上げなどノルマの内容はさまざまですが、これをクリアしなければ上司に叱責されたり、場合によっては降格させられてしまうこともあります。
建築業界の契約は1つ1つの金額が大きいものの、相手も簡単にお金を出してはくれません。
他社よりもどんな魅力があるのかを積極的にアピールし、ノルマを達成できない場合は新規開拓にも時間を割き、時には無駄にも思えるような営業もかけなければなりません。
ノルマや同僚との仕事の取り合いに疲れてしまう方も多いです。
休日にも仕事がある
営業の仕事には休みもほとんどありません。
取引先の都合で動かなければならないため、本来は休日であっても取引先がその日を指定すれば駆けつける必要があります。
また、自分が休んでいる間に同僚や競合他社に契約を奪われてしまうかもしれません。
それ以外にも、プレゼンの資料を作成したり、見積書を作成したり、自宅に持ち帰ってしなければならない仕事もたくさんあります。
家庭と仕事を両立したい方やしっかり休める時間がほしい方にとっては、建築業界の営業職はかなりきついです。
1つ1つの責任が重い
建築業界の営業の仕事は1つ1つの責任が非常に重いです。
個人を相手にするハウスメーカーや工務店の営業でも1件で数千万円の金額が動きます。
これが大手ゼネコン会社やインフラ工事の契約になると、何億円もの金額を取り扱わなければなりません。
契約を獲得すれば会社にとって大きな利益になりますが、失敗したり値切られたりすると会社にとって大損失を与えてしまいます。
小売りの営業とは責任の重さが大きく違うため、プレッシャーやストレスに耐えられなくなってしまう方もいます。
会社と取引先の板挟みになる
会社からはノルマを達成してより売り上げを伸ばすよう指示され、取引先からは冷たくあしらわれたり安く値切られたりして、会社と取引先の板挟みになる人もいます。
会社の言うことを守ると取引先から契約を断られてしまう可能性が高いです。
しかし取引先の都合にばかり合わせていると会社は売上を伸ばせなくなってしまいます。
どちらを優先すべきか、そしてどれだけ折れるべきかを慎重に考えなければなりません。
ただ営業トークが上手い、人付き合いが上手いだけでは成り立たないのが建築業界の営業職の難しいポイントです。
無理な依頼を受けなければならない
取引先からのさまざまな要求にこたえなければならないのも営業職の大変なポイントです。
上記で紹介したように値下げだけでなく、無理な納期を要求されることもあります。
急なデザインの変更やプランの変更なども珍しくありません、
取引先あってこその建築の仕事ではありますが、すべての要求を受けていると会社は成り立たなくなってしまいます。
営業が勝手に無理な要求を受ければ現場のスタッフからも反感を買い、社内での立場がなくなる可能性もあります。
建築業界の営業がきついなら転職すべき?
建築業界の営業職がきついと感じたら、転職を検討する方も多いです。
ですが、やみくもに転職をしても失敗してしまいます。
自分はなぜ営業の仕事がきついと感じているのかを明確にした上で、最適な転職先を見つけましょう。
営業が向いていないなら異業種へ転職
営業はノルマのために終業後や休日も使って契約を獲得しなければなりません。
人付き合いや数字がストレスになってしまう方は営業以外の仕事を探すことをおすすめします。
建築業界で身に着けた知識が活かせる、建築業界の事務や不動産の事務もおすすめです。
ノルマのない販売スタッフや経理の仕事なども転職先として向いています。
社内の環境がきついなら同業種へ転職
建築業界の営業職と言っても、勤務する会社によって雰囲気は大きく違います。
社員同士で仕事を取り合う、上司から毎日怒鳴られるような環境では、のびのびと仕事はできません。
営業の仕事自体は好きで、建築業界にも携わっていたいと感じるのであれば、同業種への転職を目指しましょう。
社内の風通しが良いかなど、求人ページだけでは確認できないこともたくさんあります。
その会社で働いたことがある人の口コミ、その会社に依頼した企業からの口コミなども参考にして、のびのび働ける環境の会社を探しましょう。
建築業界がきついなら別の業界へ転職
建築業界の営業は1つ1つの契約の金額や責任が大きく、そのこと自体がストレスになってしまうことも多いです。
営業自体は得意だったり充分な実績がある場合は、建築業界以外の業界の営業職に転職することもおすすめです。
建築業界よりも規模の小さい家具やインテリアアイテムの営業、資材販売の営業などであれば、建築業界で得た知識を生かして営業活動ができます。
また、建築業界の営業で大きな契約を獲得した実績があれば、その他の業界でも十分にアピールできます。
建築業界の営業がきついなら転職も考えよう
建築業界の営業がきついと感じる理由や、転職の考え方について解説しました。
営業職にはノルマや接待はつきものですが、建築業界はさらに金額や責任の大きさ、会社と取引先との板挟みに悩む方も多いです。
営業職がきついと感じているのであれば、何がきついのかをまず明確にしましょう。
きついと言っても人によって感じ方はさまざまです。
ストレスに感じている一番の原因を見つければ、それを解決するための転職先も探しやすくなります。
建築業界の知識や営業のスキルを活かせる仕事がないか、探してみましょう。