SDGs、サスティナブルといった考え方が浸透しつつある昨今、ソーラーパネルによる太陽光発電の需要はまだまだあります。
太陽光発電は自然のエネルギーを利用して発電ができ、地球に優しいだけでなく電気代の節約、発電した電力を売ることもできます。
自宅やオフィス、倉庫にソーラーパネルを設置したい方はまず設置にかかる費用やランニングコストを確認しましょう。
地球に優しい太陽光発電ですが費用が高く諦めてしまう方も多いです。どんな方法で、どんな賢い設置方法があるのかを確認しておくことも大切です。
ソーラーパネルの設置にかかる費用の相場
まずはソーラーパネルの設置にかかる費用を確認しましょう。
ソーラーパネルの大きさやどのメーカーを使うか、どの業者に設置工事を依頼するか、新築かすでにある建物に設置するかによっても費用は上下します。
新築の場合1kwにつき28万円程度、既築の場合32万円程度が相場です。
一般的な住宅における設置費用の合計の目安は110万円から170万円前後。
ごく小さい面積でソーラーパネルを設置する、倉庫など大きな面積にソーラーパネルを設置する場合はこれよりも金額が大きく上下します。
また、屋根の素材によってはソーラーパネルを設置できない場合もあり、その際はソーラーパネルに適した屋根に工事しなおさなければなりません。その分の費用も加算されます。
大きな建物ができて日光が十分に当たらなくなった、鳥やいたずらによってソーラーパネルが壊れたなどの理由から設置しなおさなければならないこともあり、その場合は設置費用とは別にさらに工事費用がかかります。
ソーラーパネルは設置したら終わりではなく、その後のメンテナンス、ランニングコストも十分支払い続けられる程度の規模におさえなければなりません。
ソーラーパネルの設置費用の内訳
ソーラーパネルの設置費用は高額ですが、どうしてこんなにもお金が必要なのでしょうか。
設置費用の内訳をチェックしてみましょう。
太陽光発電パネルだけでなく、発電に必要な機材や設置作業にかかる費用なども含まれています。
太陽光発電パネル
ソーラーパネルの設置費用の中でも多くの割合を占めているのが太陽光発電パネルです。
設置費用にもよりますが、この太陽光発電パネルが設置費用を決めると言っても過言ではありません。
ですが安すぎる太陽光発電パネルを選ぶとすぐに故障してしまったり効率的に発電できなかったりして結果的に損をしてしまう可能性もあります。
どの太陽光発電パネルがふさわしいのかしっかり見極めて選ぶことも大切です。
太陽光発電パネルは好きにサイズを選べるわけではなく、1枚当たり〇円、とメーカーや種類によって価格が決まっています。
屋根に何枚設置できるかを考え、適切な枚数を購入しましょう。
一枚当たりの大きさはメーカー、種類によって大きな違いがあります。また、同じ大きさでも発電できる力にも差があります。
パワーコンディショナー
太陽光発電パネルだけを設置しても太陽光発電ができるわけではありません。
発電にはパワーコンディショナーが必要です。
このパワーコンディショナーは、太陽光を自宅で使える電力に変換する役割を担っています。
太陽光で発電した電力を自宅で使うためには必須のアイテムです。
また、変換した電力を電力会社に売るためにもパワーコンディショナーは必要です。ソーラーパネル設置の際は同時にパワーコンディショナー選びもおこなわなければなりません。
太陽光発電パネルが大きい場合は容量の多いパワーコンディショナーが必要になります。
ソーラーパネルの設置費用の内、太陽光発電パネルの次に大きな割合を占めるのがこのパワーコンディショナーです。
発電モニター
発電モニターは、現在どれくらいの太陽光発電ができているかをチェックするためのものです。
現在の発電量、現在使っている電力、売った電力の金額などをチェックできるものもあります。
最新の発電モニターはこれらの他、スマホでチェックできる、スマホで遠隔操作ができるものなどもあります。
太陽光発電パネルやパワーコンディショナーと比べると金額は低いですが、それでも数万円はするアイテムです。
また、購入時の金額だけでなく月額で使用量が決まっているものもあります。
ランニングコストも考慮して選ばなければなりません。
設置にかかる工事費用
ソーラーパネルの設置にはアイテムの他に設置のための工事費用もかかります。
アイテムを揃える金額と比べると設置の工事費用はそれほど高くありません。
ですが、設置するソーラーパネルの規模や容量の大きさによって工事費用は変動します。
設置にかかる費用、屋根などの工事費、人件費、さらに足場の組み立て、養生などにも費用がかかることを留意しておきましょう。
業者に工事を依頼する際は工事費用の詳しい内訳を確認することも大切です。
見積もり金額が安すぎる場合はあとから養生や足場設置代などを請求される可能性もあります。
ソーラーパネル設置に利用できるローン
ソーラーパネルの設置にはさまざまなローンや補助金が用意されています。
100万円以上の大きな出費を賄える余裕がないという方はこのようなローンや補助金を賢く利用するのもおすすめです。
ソーラーパネルの設置にはどのような制度を利用できるのかチェックしてみましょう。
ソーラーローン
さまざまな銀行や信用金庫がソーラーローンを用意しています。
ソーラーパネルの設置にかかる費用を融資してくれるもので、金利が低い、返済期間が長いというメリットがあります。
自宅で太陽光発電をした電力を売り、その売り上げをローンの返済に充てることも可能で、無理のない返済プランを立てやすいでしょう。
銀行、信用金庫、さらに日本政府金融公庫など、さまざまな場所でソーラーローンの相談をすることができます。
返済期間、金利、条件などは提供先によって違うため、自身が利用しやすい、無理なく返済できるローンを用意しているところを選びましょう。
他のローンと同じく審査に合格する必要がありますが、その審査も比較的緩いのでソーラーパネルの設置を検討している方にはとくにおすすめです。
太陽光発電補助金
太陽光発電のための補助金を利用するのもおすすめです。
国からではなく各自治体からこのような補助金制度がたくさん登場しています。
都道府県、市町村、自治体など、多くの場所で補助金制度があるので、お住まいの地域にはどんな補助金制度があるのかチェックしておきましょう。
申し込みには条件があったり、先着順だったりすることもあります。タイミングを逃さないようにすることも大切です。
補助金を利用するとソーラーパネルの設置にかかった費用の何割かを負担してくれます。この割合も自治体によって違うのでよく確認してください。
多くの補助金はソーラーパネルの設置前に申請しなければなりません。あとから申請しても対象外になってしまうので注意しましょう。
フリーローン
目的を問わないフリーローンを、銀行や金融機関で契約するという方法もあります。
自治体にソーラーパネル設置の補助制度がない、条件から外れてしまったという場合に利用できます。
ですがフリーローンは金利が高く、長い目で見ると損をしてしまう可能性も高いです。
フリーローンを組んでまでソーラーパネルを設置する必要があるのかもよく検討しましょう。
賢くお得にソーラーパネルを設置するには
ソーラーパネルの設置には高額な費用がかかります。
補助金やローンを利用する前に、より賢くお得に設置するためにできる準備を解説します。
どんな手順でソーラーパネルの設置に踏み切ればいいのか、計画を立てましょう。
費用相場と返済計画を考える
ソーラーパネルを何度も設置するという方は少ないでしょう。
そのため相場もわからずに依頼してしまうということもあります。
ソーラーパネルの設置にかかる費用はメーカーや規模などによって大きく変動します。ですが、事前に相場をある程度確認しておくことでおおよその目安を知ることはできます。
相場より高すぎる見積もりや低すぎる見積もりには注意しましょう。悪徳業者に依頼してしまう可能性があります。
また、費用相場から無理のない返済計画を立てることも大切です。
月々にいくらずつ返済できる余裕があるのか、実際に電力はどれくらい売ることができるのかなど、できるだけ正確に計算することが大切です。
収入や急な出費の予想もして、余裕のある返済計画を家族で考えていくようにしてください。
業者に相見積もりを依頼する
ソーラーパネルの設置を依頼する際は、いきなり一つの業者に頼んでしまうのではなく複数の業者に相見積もりを依頼するのがおすすめです。
ネットの検索で一番上に出てきたから、友人が使っていたからなど適当な理由で選ぶと後悔してしまうかもしれません。
設置費用が想像よりも高くなってしまうだけでなく、適当な工事をされる、期待した工事をしてくれない、使いたいメーカーのパネルを使えないなどの可能性もあります。
複数の業者に依頼することで費用の相場がわかるだけでなく、サービス内容やスタッフの質なども比較することができ、その中からより優良な業者に工事を依頼できます。
アフターフォローや有料の保険などについても確認しておきましょう。
ソーラーパネルを設置する利点はある?
ソーラーパネルは国が設置を推奨していた時期もありますが、現在はその需要はやや下火になりつつある傾向にあります。
今更ソーラーパネルを導入してもいいのかお悩みの方のために、メリットを紹介します。
設置費用は年々安くなっている
ソーラーパネルの設置にかかる費用相場は2021年現在、110万円から170万円です。
ソーラーパネルの設置が推奨されていた当初からこの設置費用は年々安くなってきています。
より多くのメーカーが家庭用のソーラーパネルを開発したこと、多くの業者が設置工事を請け負うようになったことなどが理由に挙げられます。
昔ソーラーパネルの設置を検討したものの高すぎて諦めてしまった、という経験がある方も、今再び見積もりを依頼すれば当時より安くなっていることでしょう。
メーカーも業者も選択肢が増えたのは大きなメリットですが、きちんと選ばなければ何十万円も損をしてしまう可能性があるためじっくり検討することが大切です。
コンパクトなスペースでも発電できる
ひと昔前のソーラーパネルは面積が大きく、家が小さかったり日の当たる面積が少なかったりする場合はソーラーパネルを設置できないこともありました。
ですが近年は家庭用のソーラーパネルの数も多くなっており、狭い面積でも気軽に設置できるようになりました。
国産のソーラーパネルは高価ですが、海外製の安いソーラーパネルでも高品質でコンパクトなものがたくさんあります。
小さなソーラーパネルでもしっかり発電できるものを選べば、賢く太陽光発電ができるでしょう。
電気代を安く抑えられる
ソーラーパネルを自宅の屋根に設置する理由にはさまざまありますが、地球に優しいといったメリットの他に電力を節約したいとお考えの方も多いです。
ソーラーパネルで発電した電力は自宅で使えるだけでなく、電力会社に売ることもできます。
ソーラーパネルの設置には高額な費用がかかりますが、長い目で見ると自宅で発電して電力を販売できるのは大きなメリットになりえます。
太陽光発電の電力の買取金額は年々低下していますが、安くなってしまっても自宅で使えるので負担が増えるということはありません。
ソーラーパネルは設置しない方がいい?
ソーラーパネルの設置にはさまざまなメリットがありますが、同じくデメリットもあります。
自宅にソーラーパネルを設置すべきなのかすべきでないのか、デメリットとメリットをよく比較して検討しましょう。
電力の単価が低い
太陽光発電の魅力の一つとして、発電した電力を電力会社に売れるという点があります。
ですが太陽光発電の普及に伴いこの買取金額は低下傾向にあります。
最初に想定していたよりも高く売れないとなると、返済計画を見直さなければならなくなる可能性もあります。
ローンを組む際は慎重に、電力が思ったよりも売れないことも想定しておかなければなりません。
ランニングコストが高い
ソーラーパネルは設置にかかる費用だけでなくランニングコストも気にしなければなりません。
ソーラーパネルのメンテナンスを怠ると発電しにくくなったり、上手く電力を使えなくなってしまいます。
また、業者が定期的に検査をしてくれることもありますが、修理には別途費用が必要です。
ソーラーパネルは常に屋外の雨風にさらされているため、台風で壊れたり、鳥などに汚されたりする可能性が高いです。
質の悪いソーラーパネルを選んでしまった場合はすぐに使えなくなってしまう可能性も。そうなると付け替えをしなければなりません。
ソーラーパネルを設置する際は設置費用だけでなくランニングコストも確認しましょう。
天候や周辺環境に左右される
ソーラーパネルを設置したのに想定していたより発電できないという可能性は十分にあります。
天候が悪い日が続くと思うように発電できません。その地域の日照時間なども検討してシミュレーションする必要があります。
また、設置したときは問題なくても数年後に近くに高層マンションやビルができ、想定したいたよりも発電できないケースもあります。
その際はソーラーパネルを撤収する、角度を変えるなどの工夫をしなければなりません。
自身でどんなにシミュレーションをしても想定外のことは起こりえます。自然の力を利用する発電方法なので、ある程度は覚悟しておかなければならないでしょう。
設置に向かない場合もある
コンパクトで高性能なソーラーパネルも増え、自宅にソーラーパネルを設置しやすくなりました。
ですが小さすぎる屋根や瓦の屋根、日の当たる面積が少ない屋根の場合はやはり設置には不向きです。
太陽光発電を自宅に導入したいと思ってもできないケースもありますので、まずは業者に相談しましょう。
屋根の状態、日当たりなどからソーラーパネルを設置できるかをチェックしてくれます。
設置に向かない場合は別の発電方法についても考える必要があります。
ソーラーパネルの設置はコストを確認!
ソーラーパネルの設置にかかる費用やメリット、デメリットなどについてご紹介しました。
太陽光発電や風力発電など自然の力を利用する発電方法は、今後ますます必要性が高まることが予想されます。
ですがどの自宅でも簡単に導入できるというものではありませんので、設置の際は慎重になりましょう。
まずは費用相場を確認し、無理のない返済計画を考えることが大切です。
業者やメーカーによってもかかる費用は大きく違いますので、複数のメーカーや業者を比較して適正価格、適正サービスのところを選ぶことも大切です。
コストを確認して、賢く太陽光発電を取り入れましょう。