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AIが建築設計をする時代?人工知能に依存するデメリット

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この記事は約6分で読めます。

近年、AIの発達は目覚ましく、各業界で活躍しています。

建築業界も例外ではなく、現場や事務所でもAIを駆使した業務が行われています。

一方で、AIに頼りすぎることで発生し得るデメリット、リスクもあります。

AIが建築業界でできる仕事を確認した上で、デメリットも理解し、慎重に導入を検討しましょう。

AIができる建築業界の仕事を確認

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まずはAIが建築業界でどのような仕事ができるのかを解説します。

情報収集書類の作成データ管理などはAIの得意分野です。

ですが、すべての仕事をAIに任せられるというわけではなく、いまだに活用にはさまざまな工夫が必要です。

施工前の情報収集から従業員の勤怠管理まで、現時点でAIが対応できる業務をチェックしましょう。

情報収集

クライアントの情報や希望などの情報収集はAIが対応できます。

アンケート形式でデータを入力してもらい、そこから展開してクライアントがどのような依頼を希望しているかを導き出せます。

これまでの実績や事例からあらゆる情報を収集し、理想に近いプランを提案してくれるので、建築士や営業スタッフのヒアリングの手間を大幅に短縮できます。

もちろん、細かなすり合わせは人が行う必要があります。

AIは情報収集やプラン作成は得意ですが、話の中から細かいニュアンスを聞き取ったり、建築士の長年の経験による提案や、心に寄り添う営業スタッフの丁寧な接客などはできません。

敷地調査

敷地調査はAIが非常に得意な分野です。

人為的ミスがなくなり、これまで以上に正確なデータを提示できます。

AIが敷地調査を行えば、担当者が直接現場や役所に行く必要もなくなり、作業時間の短縮や人件費、交通費の削減に役立ちます。

すべてAIに任せきりにするとデータと実際の印象が大きくズレる可能性もあるので、最低限1度くらいは現地に足を運び、状況確認、データの正確性を確かめる必要があります。

設計図作成

基本的な設計図の作成もAIに頼ることが可能です。

クライアントの要望や予算を取り入れつつ、最適な設計図を複数提案してくれます。

あとは細かな部分を調整してクライアントに提出し、理想に近い設計図を選んでもらうだけなので、建築士の作業負担、手間、時間を大幅にカットできます。

一方で、設計図の作成は建築士の腕の見せ所でもあります。

何度も設計図の作成を経た上で建築士として成長できるので、若手が成長する機会が奪われてしまうという懸念もあります。

ですが今後AIの性能が高まるにつれて設計図の精度も高まり、若手の建築士が時間をかけて作成した設計図よりも魅力的な設計図を作成するようになります。

見積書作成

見積書の作成など数字の管理もAIは得意です。

人為的ミスが減り、より正確な金額で取引ができます。

金銭トラブルも避けられ、信頼度を高めることも可能なので、まだAIを導入していない会社は見積書など金銭面の管理から始めることもおすすめです。

時間をかけて作成する必要もなく、データを入力すれば一発で正確な見積書を出してくれます。

AIで作成した見積書は電子データとして管理できたり、経費の管理アプリと連携できたりと、その他の業務もスムーズなものにしてくれます。

経費や勤怠管理

経費の管理、従業員の勤怠管理もAIが得意な分野です。

資材の購入や交通費、従業員への給与など、さまざまな経費の計算は非常に手間がかかり、ミスも多くなりがちです。

AIに任せれば経理担当者の負担を大幅に減らし、かつ人件費の削減にも貢献します。

勤怠管理をAIにお任せすれば、シフト作成や給与計算も楽になります。

とくに人材が不足しがちな中小企業では、設計や施工以外にかかる勤怠管理や経費計算などにおける人件費、時間を省くことが大切です。

建築の業務をAIに依存するデメリット

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建築業界ではさまざまな業務でAIが活躍していますが、AIに依存しすぎることによるデメリットもあります。

管理が甘いと情報漏洩のリスクが高まり、一つの機能がストップすると全体の作業が止まってしまう可能性もあります。

新しいものを取り入れる際はリスクも確認し、対策を考えた上で慎重に検討しましょう。

情報漏洩のリスクがある

AIを成長させるためには膨大なデータが必要です。

その分管理を慎重に行わなければならず、万が一外部から情報にアクセスされたりハッキングされたりした場合にはすべての情報が漏洩してしまいます。

AIの操作に慣れていない人が多い環境では、とくに厳重な指導が必要です。

今後データの管理やクライアントとのやり取りはインターネットやクラウトを介して行われることが増えていきます。

AIに限らず、セキュリティ対策は常に万全にする準備が必要です。

業務全体が機能しなくなる可能性がある

AIは一つの業務だけを行うのではなく、複数の業務に対応するシステムも多いです。

例えば従業員の勤怠管理から給与計算、クライアントの情報収集から設計図作成などがあります。

もし、一つの機能に不備が出た場合、それ以降の作業にも支障が出たり、流れが止まってしまったりする可能性があります。

AIに頼り切っていると対処方法がわからず、データやシステムの修正に大幅な時間やコストがかかります。

AIに任せている作業でも、逐一丁寧な確認が求められます。

導入コスト・教育コストがかかる

AIのシステムを導入するためのコストが必要になるだけでなく、AIを使いこなせるよう人材を教育するコストもかかります。

このコストは金銭的な問題だけでなく、時間や人材なども指します。

十分に機能するまでにAIを育てるには、そして従業員がAIを使いこなせるようになるには膨大な時間がかかります。

長期的に考えるとAIは人件費などのコスト削減、作業時間の短縮につながりますが、そもそも導入のコストを用意できないというケースもあります。

本当に腕のいい職人が減少する

建築業界は職人のスキルや経験がものを言う世界ですが、むやみにAIに頼りすぎると本当に腕のいい職人が減少してしまいます。

上記でも解説した通り、AIにすべての作業を丸投げすると、若手の成長する機会がなくなります。

人件費削減を意識しすぎて高齢の職人の雇用をやめてしまえば、経験からくる適切な提案も得られません。

どの分野をAIに任せるのか、人の手が必要なのはどの部分なのかを見極め、適切な雇用を考える必要があります。

責任の所在が不明慮になる

AIが担当した作業でミスがあった場合、そのミスの責任はAIを利用した会社にあるのか、AIシステムを作成した会社にあるのか、AIの処理を担当していた従業員にあるのかといった、責任の所在が不明慮になってしまいます。

AIはまだ導入され始めたばかりのもので、法の整備もあいまいです。

訴訟問題に発展した場合には長引く可能性もあり、思わぬ不利益を被る可能性もあります。

契約するAIシステムもサポート内容もよく確認し、責任の所在について把握しておかなければなりません。

AI導入はリスクを踏まえて慎重に進めよう

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建築業界においてAIができる仕事と、依存しすぎることで考えられるデメリットを紹介しました。

AIはまだまだ発展途上ではありますが、労働人口が不足している日本の建築業界ではおおいに活躍が期待されます。

これから導入を検討する場合は、デメリットやリスクもしっかり把握した上で、最適なシステムの導入を考えましょう。

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