おしゃれなアパレルショップや居心地のいいカフェなど、素敵な空間を演出している店舗はたくさんあります。
そんな風に店舗の内装デザインをしたい!と思ったとき、どんな勉強をすればいいのでしょうか。
店舗の内装デザインを学べる場所、内装デザイナーの仕事内容、店舗の内装デザインを依頼できる場所などについて詳しく紹介します。
店舗の内装デザインを勉強できる場所
店舗の内装デザインを勉強できる場所について紹介します。
自分が今どれくらいの知識を持っているのか、どれくらい内装デザインの勉強に時間をあてられるのかなどから、現実的な勉強方法を探してみましょう。
専門学校
専門学校では内装デザインだけでなく建築やデザインの基礎から業界の最新知識などを学ぶことができます。
建築業界や内装デザイン業界で活躍しているプロの講師から指導を受けられ、質の高い教材、現場で使われているソフトなどを利用して勉強できます。
今後本格的に建築業界で働きたい、ゼロから建築について学ぶ必要があるという方は専門学校がもっともおすすめです。
専門学校に通うには昼間の時間を確保しなければならないなど、現在仕事をしている方にとっては厳しい条件があります。
建築業界の専門学校には夜間に開かれているクラスもあります。
仕事終わりに通える専門学校がないかチェックしてみてください。
通信講座
専門学校に通い続けるには年単位で時間を確保しなければならない、莫大な費用がかかるといったデメリットがあります。
そんな余裕がないという方におすすめなのが通信講座です。
通信講座であれば自分の好きなタイミングで勉強できますし、専門学校で使われているような教材を用いて建築や内装デザインの知識を身に着けられます。
通信講座の中には資格を取得できるものもあります。
自分の持っている知識やレベルに応じて、ぴったりの通信講座を見つけましょう。
独学
完全に独学で建築や内装デザインについて学ぶという方法もあります。
建築や内装デザインに関する書籍はたくさん販売されているため、独学でも勉強のコツさえ理解していればきちんと知識を身に着けられます。
ですが書籍を読むだけではわからないこともあり、その書籍に書かれていることが必ずしも最新の情報、正しい情報とは限りません。
独学ではこのような場合に正しい情報を教えてくれる存在がおらず、場合によってはスムーズに勉強できない可能性もあります。
ある程度建築や内装デザインの知識があり、その上でさらにレベルアップしたいという方は独学でも構いませんが、完全に一から建築や内装デザインの勉強をしたい方には厳しい方法と言えるでしょう。
内装デザイン会社
未経験のまま内装デザイン会社に就職し、働きながら知識や経験を身に着けていくという方法です。
未経験でも応募可能な内装デザイン会社を探し、転職活動をおこないましょう。
未経験可と言っても基本的な建築のスキルや資格はある前提での求人であることも多いです。
専門学校を出ていない、資格を持っていないという方はこれまでの来歴や自己PRなどでその内装デザイン会社に役立つ人材であることをアピールしなければなりません。
まずは内装デザインにあると便利な基本的な資格の取得を目指すのもおすすめです。
店舗の内装デザイナーの仕事内容
店舗の内装デザイナーの仕事内容をチェックしてみましょう。
どんな会社に就職するかによっても仕事内容は微妙に変動しますが、基本的な流れは下記の通りです。
打ち合わせ
まずはクライアントと打ち合わせをします。
店舗の面積や場所、どんな雰囲気の店舗にしたいのか、かけられる予算、こだわりたいポイントなどをクライアントからしっかり聞き出します。
このときにきちんと意思疎通ができていないとクライアントが望むような店舗の内装デザインができなくなってしまいます。
資料作成
クライアントと打ち合わせした内容を元に店舗のデザインを考えていきます。
実際に設計図を描いたり、ソフトでシミュレーションをしながらデザインすることが多いです。
素材や塗料などの確認をしたり、色味を調整したりして資料を作成していきます。
プレゼン
仕上がった資料をもとにクライアントにプレゼンをおこないます。
クライアントの要望をくみ取った点やその店舗の雰囲気に合うデザイン、カラーリングや取り入れる素材の種類、質感などについてしっかりプレゼンします。
ただ内装デザインができればいいだけでなく、このようにクライアントとのやり取りもスムーズにおこなうスキルが求められます。
修正
クライアントに内装デザインをプレゼンし、修正点がある場合はその点を修正していきます。
見た目のデザインだけでなく見えない部分まで微調整したり、予算に応じて内容を変えたりする必要もあります。
業者選び
内装デザインが決まったら、業者選びをおこなうこともあります。
工務店が内装デザインをおこなう場合や内装デザインのみをおこなう会社の場合はこの必要はありませんが、業者の選定までが仕事に含まれている内装会社もあります。
提携している建築会社から選定したり、一から建築会社を選定したり、内装デザインや予算、それぞれの業者の特徴をチェックして最適な業者を選ぶ必要があります。
現場での指示
内装工事の段階に入ったら内装デザイナーが現場で指示を出すこともあります。
つきっきりではなく、段階ごとに設計図通り、イメージ通りに作業が進められているかを確認します。
スケジュールに間に合うか、設計図と違った点はないかなどをチェックし、不備があれば現場監督と打ち合わせをおこないます。
店舗の内装デザイナーに必要なスキル
店舗の内装デザイナーになるために必要なスキルを確認しましょう。
内装デザイナーはただデザインの知識がある、建築の経験があるだけでは乗り切れない問題がたくさんある仕事です。
下記のようなスキルを持っているか、これらのスキルを身に着けるためにはどんな努力が必要かを考えてみましょう。
基本的な内装デザイン・建築の知識
内装デザイナーになるなら基本的な内装デザインや建築の知識は必須です。
内装デザイナーが設計図を作成したり、ソフトを使ってシミュレーションをおこなうことも多いため、ソフトやパソコンの扱いにも慣れておく必要があります。
内装デザインは一般的な住居のデザインから店舗、オフィス、商業施設のデザインまで多岐に渡りますが、それぞれの基本的な知識があった方が店舗の内装デザインにも役立てることができます。
専門学校を出ていなくても、書籍や通信講座などである程度の知識を身に着けましょう。
空間や色彩のセンス
選ばれる内装デザイナーになるためには、基本を抑えたデザインを提案するだけでは物足りません。
空間を演出するセンス、色彩を操るセンスなども必要です。
狭い店舗空間を広々と見せるための工夫、リラックスした時間を過ごせる色選びなど、店舗の内装デザインにはさまざまなセンスが求められます。
センスと聞くと生まれ持ったものというイメージがありますが、店舗などの内装デザインの場合空間の使い方や色の組み合わせは勉強することである程度身に着けることができます。
他にも、さまざまな店舗に出向いてどんな空間の使われ方、色の使われ方がしているかチェックする習慣を身に着ける、映画やドラマなどを見ながらインテリアの工夫されている点を勉強するなどしてセンスを磨く方法があります。
トレンドをとらえる力
店舗の内装デザインにはトレンドもあります。
モダンな内装デザイン、スタイリッシュな内装デザイン、ポップな内装デザインなど、それぞれのトレンドを把握し、クライアントが求める、ひいてはその店舗を選ぶお客様が求める内装デザインを考えなければなりません。
建築や内装デザインの知識を身に着けたら終わりというわけではなく、常にさまざまな方向にアンテナを貼って情報をキャッチする習慣を身に着ける必要があります。
トレンドを取り入れつつ、そしてクライアントの要望も取り入れつつ、クライアントが理想とする店舗の内装デザインをおこないましょう。
クライアントのニーズを汲む力
クライアントが何を求めているか、そのニーズを汲む力も必要です。
定番のデザインやトレンドのデザインだけではクライアントの理想の店舗が完成しません。ありきたりな印象の店舗になってしまいます。
クライアントがどんな店舗にしたいのか、店舗のコンセプトやこだわりの点などをよくヒアリングし、デザインに還元しなければなりません。
何度も打ち合わせを重ねられない場合もありますので、短い時間、少ない機会で、よりクライアントの意思をくみ取るヒアリング力が必要です。
正確な製図スキル
店舗の内装デザイナーが店内の設計図を作成することも多いです。
そのため、正確な製図スキルも求められます。
この段階でミスがあると理想通りの店舗に仕上がらず、修正に費用がかかったり完成が遅れてしまう可能性も高くなります。
基本的な製図スキルは必須と言えるでしょう。
コミュニケーションスキル
クライアントの要望をヒアリングするためにはコミュニケーション能力も求められます。
その人の雰囲気や些細な会話の内容から好みのテイストなどを導き出し、内装デザインに取り入れていきます。
また、現場では建築業者の職人たちともコミュニケーションを取らなければなりません。
コンペや社内でプレゼンをしたり、内装デザイナーは人前で話したりやり取りをしたりする機会が非常に多い仕事です。
店舗の内装デザイナーに必要な資格
店舗の内装デザイナーになるために必須の国家資格などはありません。
誰でも店舗の内装デザインを手掛けることができ、自ら内装デザイナーを名乗ることも可能です。
ですがまったく知識や経験がなければどうにもならない仕事内容もたくさんあります。
資格の勉強をすることで建築や内装デザインについての基礎知識を身に着けられます。
また、資格があれば就職や転職の際にも自分の実力をアピールできます。
店舗の内装デザイナーを目指す際にチェックしておいてほしい資格を3つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
インテリアコーディネーター
店舗の内装デザインをするにあたってインテリアコーディネーターの資格は非常に役立ちます。
インテリアの歴史から構造、構法といった専門的な知識、表現方法、法律など、インテリアに関する知識をバランスよく身に着けられます。
建築、デザイン、インテリアなどさまざまな業界で役立つ資格ですので、取得しておいて損はないでしょう。
カラーコーディネーター
リラックスできる色、集中できる色、食事がおいしく見える色など、店舗の内装デザインに色は大きく影響しています。
そのためカラーコーディネーターの資格の勉強をするのもおすすめです。
色が人の心理に与える影響や、バランスのいい色の組み合わせ、同系色でも微妙に印象が違う色の使い方など、色彩感覚を磨くことができます。
色彩のセンスがないとカラーコーディネーターの資格取得は難しいとされていますが、きちんと基礎から勉強すれば役立つ知識が身に着くでしょう。
空間ディスプレイデザイナー
空間ディスプレイデザイナーは色彩や照明、商品のディスプレイ方法など、より効果的な空間ディスプレイ方法を習得した人に与えられる資格です。
空間デザインを学びたいという方におすすめです。
内装デザイナーを目指す人だけでなく自分でお店を持ちたい、自宅のインテリアにこだわりたいという人からも人気の資格で、独学で勉強して資格を取得できるという点も大きな魅力になっています。
店舗の内装デザインができる場所
店舗の内装デザインの知識を身に着け、働きたいと思ったとき、どんな就職先があるのか見てみましょう。
内装デザイナーが活躍できる場所はたくさんありますが、それぞれに仕事内容は微妙に違います。
自分のやりたい仕事ができる職場を選ぶことが大切です。
デザイン会社
デザイン会社ではよりクリエイティブな仕事ができます。
住宅や店舗、オフィスなどの内装デザインが主な仕事で、他の事務作業や業者とのやり取りなどの作業は少な目です。
デザインに集中して仕事ができるでしょう。
その分他にはないオリジナリティの高いデザインが求められる、コンペなどで仕事を得る必要がある、経験者でなければ転職や就職は難しいなどの注意点もあります。
未経験でデザイン会社の事務スタッフとして入社し、そこから経験を積んで内装デザイナーになるという方法もあります。
工務店
街の工務店でも、住宅や店舗の内装デザインはおこなっています。
ですがデザイン会社のようにしっかり丁寧にヒアリングして作業を進めていくというより、実際の内装工事がメインです。
デザインは簡単なものか、デザイン会社でデザインしたものをクライアントが持ち込んできたものを再現する程度。
自由な発想でさまざまな店舗の内装デザインを手掛けたいという方には物足りないでしょう。
また、建築についてのさまざまな知識や経験も必要になります。
どちらかというと工事や作業がメインなので、内装デザイナーを目指す方には不向きです。
ハウスメーカー
ハウスメーカーで内装デザイナーになる方法もあります。
ハウスメーカーではさまざまなオリジナルブランドがあり、個性的なデザインを提案することができます。
住宅がメインとなっている会社が多いですが、店舗やオフィスのデザインを手掛けているハウスメーカーを選べば店舗のデザインも勉強できるでしょう。
ただ、ハウスメーカーの場合は既存の住宅を売る、提案できるデザインに限度があるなどの制限があります。
より自由な発想で内装デザインをしたい方にとっては物足りないかもしれません。
内装デザイナーとして独立するには
さまざまな業界で活躍できる内装デザイナーですが、会社に勤めずに独立してフリーランスとして活躍している人も多いです。
独立すれば会社の制限を受けずにより自由な発想の店舗デザインができます。
自身で店舗をプロデュースしたり、チェーン展開したりすることも可能です。
ですが内装デザイナーが独立するには知名度や人脈が非常に大切になります。
コンペやコンテストで優勝を重ねる、有名店の内装を多く手掛けて知名度を上げるなどの根気強い努力が必要です。
内装デザイナーの勉強会やセミナーに参加して自分のことを知ってもらう、弟子入りするという方法もあります。
業界での経験や実績がない人がいきなりフリーランスでやっていくのは非常に難しく、また建築、内装の知識だけでなく経営や税金などの複雑なお金に関する知識も身に着けなければなりません。
コツコツ実績を積むことから始めましょう。
店舗の内装デザインの勉強をしよう
店舗の内装デザイナーの仕事内容や必要なスキル、資格などについて解説しました。
おしゃれなカフェや個性的な書店など、多くの人を惹き付けるには展開する商品だけでなく内装デザインも非常に重要です。
その店舗のコンセプトを汲み取った上で他にはない個性的で快適な内装デザインを提案すれば、喜ばれる内装デザイナーになれるでしょう。
内装デザインのためには建築は内装、色彩の基礎をしっかり学ぶ必要があります。
資格取得に向けて勉強をして、基本的な知識を身に着けるところから始めましょう。