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ハウスクリーニングの仕事内容は?必要な資格や技術も解説

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共働き世帯の増加、高齢化社会の進行といった背景から、ハウスクリーニング業界は年々その需要を高めています。

新規にハウスクリーニング業を開業する方も多いですが、リフォーム会社、解体業者などがハウスクリーニング業に参入するケースもたくさんあります。

ハウスクリーニングはどんな仕事なのか、始めるのにどのような資格や技術が必要なのかについて解説します。

今後より求められるサービスを提供するために、何が必要なのかを見極めましょう。

ハウスクリーニングの仕事内容

まずはハウスクリーニングの主な仕事内容をご紹介しあmす。

ハウスクリーニングは主に在宅のハウスクリーニング、退去後のハウスクリーニング、さらに特殊清掃の3つの仕事を請け負います。

これらのいずれかだけという場合もあります。

それぞれにどんなポイントがあるのかを確認してください。

在宅のハウスクリーニング

在宅のハウスクリーニングは、その住居にまだ人が住んでいる状態でハウスクリーニングをおこなうことを指します。

高齢化社会の進行、共働き世帯の増加、さらに時間をお金で買うという新しい価値観を持つ方が増える中、このような在宅のハウスクリーニングの需要は伸び続けています。

その住居での暮らしがより快適になるように、水回りを綺麗にしたりエアコン内部を綺麗にしたりといった仕事がメインです。

クライアントの要望を聞き入れつつ、的確なアイテムを使って掃除をします。

簡単なお手入れ方法をアドバイスしたり、汚れの原因について説明したりといったスキル、知識も必要です。

在宅のハウスクリーニングをおこなっている業者は非常に多く、競合他社が多いです。

選ばれるハウスクリーニング業者になるためには高い技術を身に着けるだけでなくお得なセットを用意する、ユニークなコースを用意するなどの工夫も必要です。

退去後のハウスクリーニング

アパートや分譲マンションなどで空室になった部屋をクリーニングするという仕事もあります。

アパートは原状回復をして綺麗な状態にした上で次の住人に引き渡します。その際、個人でできる清掃には限界があります。

エアコンの内部やキッチン、浴室の排水溝など、見えない部分まで徹底的に掃除しなければなりません。

そんなときにハウスクリーニングの高い清掃技術が重宝されます。

在宅のハウスクリーニングは依頼がない限り大きな家具を動かしての清掃はおこないませんが、退去後のハウスクリーニングは家具や家電が何もない状態で清掃をおこないます。

そのため見えにくい場所の清掃も徹底的におこなえます。壁のシミ、ヤニ汚れ、浴室のカビなども一掃し、新築同様の綺麗な部屋にしていきます。

特殊清掃を請け負うことも

ハウスクリーニング業者が特殊清掃を請け負うこともあります。

特殊清掃とは、孤独死した方の部屋の清掃、一般的なハウスクリーニングでは処理しきれないほどの汚れの清掃、さらに火災後の住居の清掃などを指します。

近年高齢化社会、核家族の増加といった理由により、孤独死してしまうケースが非常に多いです。発見が遅れた死体はその分腐敗が進み、異臭、害虫、壁や床のダメージがひどくなります。一般的な清掃では処理しきれず、また遺族の精神的負担が大きい、清掃をしてくれる遺族が見つからないといった理由からハウスクリーニング業者が特殊清掃をおこなう場合もあります。

一般的な清掃では落とせない汚れや火災のあとの焼けた匂いにも特殊清掃が必要です。

今後需要が高まり続け、同業者も増えることが予想されるハウスクリーニング業界で生き残っていくためには、このような特殊清掃の技術も身に着ける必要があると言えるでしょう。

ハウスクリーニング業者だけでなく、解体業者や不用品回収業者がこのような特殊清掃を請け負っているケースもあります。

ハウスクリーニングの掃除をする場所

ハウスクリーニングは主にどのような場所の清掃をおこなうのかを紹介します。

キッチンや浴槽といった水回り、エアコンや換気扇など普通の掃除では行き届かない場所などの掃除を依頼されることが多いです。

キッチン

ハウスクリーニングの中でも人気なのがキッチンの掃除です。

毎日使うキッチンはその分汚れやすく、すぐに汚れてしまうため掃除が追いつかないということも多いです。

毎日簡単な掃除をしていても水垢汚れや油汚れがこびりつき、汚い印象のキッチンになってしまう場合も。

キッチンの汚れを放置していると雑菌や害虫の繁殖の原因にもつながり、不衛生です。そのため数か月に一回、半年に一回などの頻度で定期的にハウスクリーニングを依頼する方が多いです。

水垢汚れや油汚れを落とすことはもちろん、コンロや換気扇を分解して徹底的に清掃する技術も必要です。

浴槽

水回りの中でも掃除しなければならない範囲が広く、掃除方法も大変な浴槽も、ハウスクリーニングの中では人気のメニューです。

床や浴槽の汚れ、ぬめりだけでなく、シャワーや蛇口の水垢、ドアや天井などのカビなど、掃除しなければならない箇所はたくさんあります。

それぞれに違う掃除方法、掃除道具が必要なため、ハウスクリーニングは豊富な掃除の知識が必要です。

カビを徹底的に除去する、水垢を取ってピカピカの蛇口にする、ぬめりのない床、浴槽にするなどの掃除がメインです。

他にも鏡のウロコを除去する、天井のほこりや汚れを除去するといった清掃内容もあります。

トイレ

トイレは定期的に掃除をおこなっていても見えない部分に汚れが溜まっていたり、尿石汚れがこびりついたりしてしまいます。

ハウスクリーニングの掃除場所は主に便器の内部です。尿石や汚れを徹底的に除去し、便器内部の内側の手が届きにくい場所もピカピカに磨きます。

また、トイレタンク内の掃除、ウォシュレット部分の掃除をおこなうこともあります。

トイレの換気扇も汚れやすくなかなか掃除をしない場所ですので、このような場所の掃除を依頼されるケースもあります。

エアコン

エアコンもハウスクリーニングの中では人気のメニューです。

エアコンのフィルターの掃除は簡単にできますが、内部の汚れはなかなか落としにくく、ハウスクリーニングを依頼する方が多いです。

エアコン内部は室内の汚れを溜めやすく、水分が多いためカビや害虫の発生、繁殖につながりやすいです。放置することで汚れた空気が吐き出されてしまう、エアコンの効きが悪くなり電気代が高額になるなどのデメリットがあります。

エアコン内部の清掃は特殊な機械が必要であり、間違った掃除をおこなうと故障にもつながるため、豊富な専門知識と高い清掃技術が求められます。

換気扇

キッチン、浴室、トイレなどにある換気扇の掃除もハウスクリーニングで人気のメニューです。

換気扇は見えにくい部分でありながら日々室内の汚れを大量に吸い込んでいます。とくに油やたばこのヤニで汚れた換気扇は掃除が難しく、掃除頻度も低いためなかなか綺麗にできません。

ハウスクリーニングではそんな換気扇を分解し、徹底的に綺麗にしていきます。換気扇の羽だけでなくその周辺や部品も綺麗にしていきます。

室内清掃

玄関、廊下、部屋などの室内清掃全般を依頼されることもあります。

日々掃除していても手が届きにくい天井や手垢がつきやすいスイッチ周辺、照明のカバー、フローリングの皮脂汚れ、土やほこりの汚れ、小さい子どもやペットが食べ物などをこぼした汚れ、高齢者がいる部屋の匂いなどを気にならなくする掃除などが求められます。

ハウスクリーニングに必要な資格

ハウスクリーニングをおこなうために必須の国家資格などはありません。

誰でも簡単にハウスクリーニング業者を名乗ることができます。

ですがハウスクリーニングには普通の掃除とは違うさまざまな知識が必要であり、使用する洗剤や機械も特殊なものが多いです。中には取り扱いに注意しなければならない危険なアイテムもあります。

これらの知識を正しく身に着け、的確に掃除をするためにはやはりハウスクリーニング関連の資格を取得するための勉強が必要です。

資格があればそれだけ知識があることの証明にもつながります。

ハウスクリーニング業者に就職、転職したい、ハウスクリーニング業者として独立開業したいというときにも資格は役立ちますので、下記のような資格の取得も検討してみてください。

ハウスクリーニングアドバイザー

ハウスクリーニングアドバイザーハウスクリーニングの正しい知識を身に着けるためにおすすめの資格です。

洗剤や掃除道具についての基本的な知識から、その掃除場所に適した掃除アイテムの選び方などを学ぶことができます。

資格取得後はハウスクリーニング業者としてその知識を発揮できるだけでなく、リフォーム会社、建築会社、ホームセンターなどで掃除のアドバイスをしたり、実際に清掃をしたりできます。

自宅の掃除をする際にも役立つ知識ですので、身につけておいて損はないでしょう。

二か月に一度程度の頻度で試験が開催されており、自宅でも受験が可能なため、まず最初に取得しておきたい資格でもあります。

ハウスクリーニング技能士

ハウスクリーニングに関連する資格の中で唯一の国家資格であるハウスクリーニング技能士は、実務経験が3年以上の方のみに受験資格がある資格です。

試験には筆記だけでなく実技もあり、レンジフードの清掃を始め7つの項目を時間内に済ませなければなりません。現場ですぐに使える技術を見られるため、これまでの経験が大切です。

筆記はハウスクリーニングの基礎から応用まで50問ありますが、60分で回答しなければならないため正確に問題を読み解く力も必要です。

国家資格であり実務経験が必要なことから取得の難易度は高いですが、ハウスクリーニング技能士の資格を所持しているということはそれだけ実績があるという証明にもなるため、就職、転職、独立の際に役立ちます。

掃除能力認定

掃除能力検定は一般社団法人掃除能力検定協会が交付している民間資格です。

5級では一般家庭の掃除の知識などが試されますが、級が上がるごとにその専門性は増していきます。

現段階で最上級である2級ではハウスクリーニングに必要な知識、現在ハウスクリーニング業で働いている人にしかわからないような問題も出題されます。非常に専門的な内容を含みますので、民間資格だからと甘く見ていると資格を取得できない可能性もあります。

また、いきなり2級を受験できるわけではなく、一番下の5級を受けて次に4級、その次に3級…と段階を踏まなければなりません。

日常的な掃除の内容から本格的なハウスクリーニングの内容まで、清掃についての知識を網羅してから受験に挑みましょう。

ハウスクリーニングに必要なスキル

ハウスクリーニングをおこなう上で求められるスキルについて紹介します。

資格を取得するだけでなく、下記のようなスキルや素質も持ち合わせていなければハウスクリーニング業を長く続けるのは難しいです。

身に着けられるスキルは早い段階で身に着けておくことをおすすめします。

基本的なマナー

ハウスクリーニングは人が住んでいる住宅に上がって掃除をします。そのため、基本的なマナーは必須です。

依頼されたお客様に不快感を与えてしまうようでは次の利用につながりません。在宅のハウスクリーニングの場合はリピーターが非常に重要です。

また、近年はネットで簡単に口コミをチェックできるようになりました。マナーが悪いとネットに悪い口コミを投稿され、新規の利用者が減ってしまう可能性もあります。

ハウスクリーニング業者の中にはマナー研修をしっかりおこなっているところもありますが、そうでなくてもお客様が不快に思わない、気持ちよく「また利用したい」と思ってもらえるようなマナーを身に着ける必要があります。

体力・精神力

ハウスクリーニングは体力が必要な仕事です。

長時間屈んだり無理な姿勢を続けたりして掃除をしなければならず、疲れて掃除をおろそかにしてしまう…ということも許されません。大きな家具や家電を動かしたり、重たい洗剤などの掃除道具を持ち運ばなければならないという大変さもあります。

季節に関係なく現場までは車やバイクでの移動となりますので、暑さ対策や寒さ対策も重要です。

また、ハウスクリーニングは精神力も必要です。初めて訪れる住居の仕組みを瞬時に理解して掃除に取り掛からなければなりません。初対面の人と会話をするのが苦手、さまざまな現場で働くのが苦手という方には厳しい仕事かもしれません。

掃除技術

当然ですがハウスクリーニング業者になるには掃除の技術が必要です。

お客様は一般家庭でできる掃除では物足りないと感じるためにハウスクリーニングを利用します。その期待に応えるためには本格的な清掃技術が求められます。

洗剤の使い方、掃除道具の使い方、適切な放置時間や汚れに適した洗剤の選び方など、豊富な知識を身に着ける必要があります。

資格の取得のために勉強をすればこれらの知識を身に着けることができるでしょう。

掃除の知識

ハウスクリーニング業者はただ室内を綺麗にするだけでなく、その後の掃除のアドバイスをお客様にすることも多いです。

掃除に関する知識を身に着け、わかりやすくお客様に説明できるようにしましょう。

一般家庭でも簡単にできるお手入れ方法やおすすめの洗剤の種類などを簡単に説明するだけでも、正しい知識が求められます。

また、一度勉強したら終わりではなく、最新の掃除知識を常にキャッチする必要もあります。

近年は掃除についてもさまざまな考え方があります。子どもやペットがいても安心な洗剤や、地球環境に優しい洗剤などを知りたいと考えているお客様には適切なアドバイスが必要です。

スケジュール管理能力

ハウスクリーニングはそれぞれの箇所の料金だけでなく時間制で料金を決めているところもあります。

指定された時間内できちんとハウスクリーニングができなければ次の依頼にはつながりません。そのため、スケジュール管理能力が必要です。初めて訪れる家でも冷静に掃除の手順を判断し、効率よく掃除をしていかなければなりません。

また、年末や新年度前などは繁忙期であり、一日に何件もの仕事をこなす必要があります。一件ずつ丁寧に掃除をすることは当たり前ですが、時間がかかりすぎると指定された時間に間に合わず、悪い印象を持たれてしまいます。

ハウスクリーニングは独立起業も多い

ハウスクリーニング業界は今非常に人気があり、事業に取り入れている企業も多いです。

そんな中で独立開業を目指す方もたくさんいます。

なぜハウスクリーニングは独立開業しやすいと言われているのか、その理由をチェックしてみましょう。

用意するアイテムが少ない

ハウスクリーニングは基本的に依頼された人の住居に向かって仕事をします。そのため本格的なオフィスや事務所を用意する必要がなく、物件取得費や内装費などにかかるお金がほとんどありません。

掃除道具はプロのものでも数万円から数十万円で購入できるものが多く、資格の取得も1万円前後で済みます。

開業にかかる費用が少なく、用意するのも掃除道具だけという手軽さから、個人でも独立開業しやすいとされています。

出張用の自家用車やバイク、依頼をたくさん受けるためのホームページ制作費や広告宣伝費などにお金をかけるのもおすすめです。

個人に寄り添った働き方ができる

大手のハウスクリーニング業者ではできることに制限がある可能性も高いです。

お客様の「もう少しここを綺麗にしてほしい」「ついでにここの掃除もお願いしたい」などのさまざまな要望に応えるには、マニュアルの少ない個人経営の業者の方がおすすめです。

大手のハウスクリーニング業者で働きながら改善点を洗い出し、その後独立開業してよりお客様の期待に応えるハウスクリーニング業者を目指すのもおすすめです。

フランチャイズを利用しやすい

ハウスクリーニング業者はフランチャイズ展開をしているところが多いです。

フランチャイズに加盟するとハウスクリーニングの知識がなくても一から知識を学ぶことができます。それだけでなく開業に関するさまざまな手続き、経営の方法を身に着けることも可能です。

さらに全国チェーン店の看板を掲げられるため、依頼を受けやすいというメリットもあります。

一定期間契約をした後は独立できるため、よりお客様に寄り添ったメニュー展開をしていくことも可能です。

一方でフランチャイズの契約には契約金や研修代、用具の購入代金などがかかります。

いきなり独立開業をする場合は数十万円で済む初期費用が、フランチャイズ契約をすることで200万円以上かかることもあります。

特殊清掃や退去時の清掃は依頼されにくい

ハウスクリーニングの独立開業をすればさまざまなメリットがあり、また独立開業しやすいという特徴があります。

自分の好きなように働きたい、お客様に寄り添うハウスクリーニング業者になりたいという方にはおすすめですが、デメリットは確認しておく必要があります。

一般的に、アパートの原状回復のためのハウスクリーニングや特殊清掃などはその建物の所有者が業者と契約していることが多いです。

個人の小さな業者に依頼がまわってくることは少なく、その分仕事を得る機会を失ってしまいます。

個人経営の場合仕事を得れば得る分だけ収入も増えますので、一件でも多く依頼を受けられるようにしなければなりません。

このようなデメリットもふまえて独立開業に踏み切るかを慎重に判断しましょう。

ハウスクリーニングは将来性が高い業界

ハウスクリーニングの仕事内容や必要な資格などについて紹介しました。

少子高齢化、共働き世帯の増加などの理由により、今後もハウスクリーニングの需要は高まっていくことが予想されます。

ですが参入のしやすさからも競合他社が多く、生き残るためには知識や技術を身に着ける必要があります。

ハウスクリーニングの資格の勉強で身に着く知識や技術は仕事面だけでなくプライベートでも活用できるものばかりですので、ぜひ資格取得を目指してみてください。

今後長くハウスクリーニング業界に携わるためにはどんな工夫が必要なのかを考えることも大切です。

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