建築業界でも将来性が高いと注目を集めているのが機械設備業です。機械設備にはさまざまな種類があり、業務内容も複雑化しているため、今後も就職、転職しやすく、安定して働き続けやすいです。
不景気が続く建築業界で転職を考えている、別の業種にチャレンジしたい方は機械設備に注目してみてください。
機械設備にはどんな種類があるのか、転職を成功させるためにおさえておきたいポイントなどについて解説します。
機械設備の5つの種類を確認
機械設備と一口に言ってもその業務内容は多岐に渡ります。すべての機械設備について理解するのはほぼ不可能でもあり、そのため機械設備はジャンルごとに分類されています。
自分が興味がある、経験があるのはどの分野なのかを事前に把握した上で理想の求人を見つける必要があります。
給排水工事、空調工事、水道施設工事、設置工事、蓄熱システム工事の5つの種類について詳しく見ていきましょう。
給排水工事
ビルやマンション、住宅などの給水、排水の設備を設置したり修理したりするのが給排水工事です。管工事をおこなう業者が担当することが多いです。
ビルやマンション、住宅では、水道だけでなくトイレなど、給排水はなくてはならない存在です。工事の規模は対応する業者によっても異なりますが、家庭用の給排水の工事から、飲食店、商業施設、テーマパークなど、あらゆる施設の給排水の設備工事をおこないます。
新たな建築物の機械設備だけでなく、古くなった配管の取り換えなどをおこなう業務もあります。
空調工事
ビル、商業施設、工場など、業務用の空調設備が必要な建築物への設置工事、配管工事をおこないます。
家庭用のエアコンとは違い、業務用の空調設備は壁や天井に埋め込まれているものが多く、簡単に設置やメンテナンスはできません。専門知識を持つ機械設備担当者が取り付けやメンテナンスをおこないます。
建築物ができる前、リフォームされる前の段階から現場に入り、建築物が完成してからきちんと空調設備が稼働するかを確認するまでが仕事です。
定期的な点検やメンテナンスはそのビルや施設の管理会社と空調設備を担当した業者が契約して対応することがほとんどです。
水道施設工事
排水管を建築物に引き込み、水道メーターを取り付けるまでおこなうのが水道施設工事です。
新しい建築物に水道施設工事をするだけでなく、水道管の取り換えや素材を変更する際にもこの工事は必要です。
給排水工事と似ていますが、管工事をおこなうかおこなわないかという点で二つには違いがあります。求人情報をよく確認し、自分は給排水工事と水道施設工事のどちらのスキルがあり、どちらのスキルを高めたいかをよく確認して応募する必要があります。
設置工事
トンネルや橋など大型の建築物に対して機械設備工事をおこなうのが設置工事の内容です。他にもビルのエレベーター設置工事、立体駐車場の工事などもありますが、個人宅など小規模な機械設備工事はこれに該当しないことが多いです。
給排水工事、空調工事、水道設備工事、消防設備工事などに分類して募集されることもあります。反対にこれらすべての工事内容をまとめて設置工事とする求人もあるので注意してください。
蓄熱システム工事
発電システムに関する設備を設置する工事です。例えば、太陽光を蓄熱して夜間の空調設備に使用するなどの設備があります。
省エネ、エコが注目されるにあたって需要を高めています。また、近年の電力不足に対応するために蓄熱システムを導入する家庭や企業、団体も増えています。
蓄熱システムの設置やメンテナンス全般をおこなう業者もあれば、ダクト工事、管工事などに細かく分担した業務の一部のみを担う業者もあります。どこからどこまでの工事に対応する業者なのかを確認した上で求人に申し込みましょう。
機械設備のやりがい
機械設備の仕事には多くのやりがいがあります。
人々の役に立てる、スキルが身に着く、将来性が高いなど、機械設備の仕事を続ける上でモチベーションとなりえるやりがいについて紹介します。
多くの人の役に立てる
機械設備の仕事は建築業界の中でも裏方的な要素が強く、地道な作業も多いです。
ですが機械設備の仕事をする人がいなければ、手を洗うこともトイレを流すことも室内を快適な温度に整えることも、夜間に灯りをつけることもできません。
自分自身の仕事が多くの人の役に立っていると実感するとき、機械設備のやりがいを強く感じられるでしょう。
一般家庭から最規模な施設、建築物まで、機械設備が対応する工事の幅は広いです。そのどれもが人々の生活を豊かにし、ひいては社会貢献につながっています。
スキルが身に着く
機械設備の需要が高まる背景には、機械設備の複雑化があります。
単純な構造ではなく複雑で専門的な知識が必要な作業が増える分、それに対応できるスキル、経験がある人が多く求められています。
日々進化していく機械設備の設置、メンテナンス、取り換えなど、機械設備工事の仕事は学ぶことがたくさんあります。仕事をしながら新しいことを学べて、スキルを着実に身に着けられるというのは大きな魅力です。
高いスキルがあり、経験が豊富な人材になれれば、より条件のいい企業に転職したり、独立することも夢ではありません。
将来性が高い
建築業界は不景気が続いており、日本の少子高齢化が進むにつれて建築業界全般の需要の低下、人材の不足が懸念されています。
そんな建築業界で生き残るためには将来性の高い事業、業種を見つけなければなりません。
機械設備の仕事は新築の建築物だけでなく既存の設備のメンテナンスをおこなうことも多く、需要が低下する可能性が少ないです。
機械設備は日々進化し、複雑になっているため、知識やスキルのある人材はどの工事においても重宝されます。
常に勉強し続け、スキルを磨く必要はありますが、その分努力すればするだけ自分に良い結果が返ってくる、かつ長く安定して働ける業種です。
機械設備として働ける転職先
機械設備として働くにはどんな職場を選べばいいのかについて紹介します。
大規模な工事を担当したいならゼネコン、小規模な工事や一部に特化した工事を担当したいなら設備設計事務所を選びましょう。
ゼネコン
ゼネコンでは大規模な機械設備工事を担当できます。大型のビルや商業施設、テーマパークの他、空港や橋、トンネルなど、その地域の人々の生活になくてはならない建築物の機械設備の工事もできます。
機械設備をおこなうためには設備設計の資格が必要ですが、ゼネコンでおこなうような大規模な工事を担当するためには設備設計一級建築士の資格が必要です。設備設計一級建築士の資格があれば対応する工事の上限がなくなり、より多くの大規模な工事に携われます。
設備設計として成長したい、より豊富は知識とスキル、経験を身に着けたい方は一級の資格を取得した上で、ゼネコンなど大手企業の求人に応募しましょう。
設備設計事務所
設備設計事務所は小規模な事務所から大規模な事務所まで幅が広く、自身のやりたい仕事やスキル、経験に応じて最適な転職先を見つけられます。
水道設備のみ、空調設備のみなど、一部の機械設備工事に特化している事務所が多く、専門的な知識、スキルを究めやすいです。
小規模な設備設計事務所は昨今の建築業界の不景気の影響で競合他社に仕事を奪われてしまう可能性もあります。省エネ対策に特化しているなど、その事務所にしかない強みや魅力がある、将来性の高い事務所を選ぶ必要があります。
設備設計の仕事の魅力を確認
設備設計の仕事の種類ややりがいなどについて解説しました。
建築業界にはさまざまな仕事がありますが、その中でも将来性が高く自身の成長にもつなげやすいのが設備設計です。
設備設計の中でもどんな種類の工事があるのか、仕事にどんなやりがいを感じたいのかなどをよく確認し考えた上で、転職に役立てましょう。
設備設計の中でも代表的な空調設備工事について、仕事内容ややりがい、大変な点を解説しています。下記の記事も参考にしてみてください。