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内装工事にはどんな種類がある?必要資格をチェック!

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内装工事と一口に言っても、その仕事内容は多岐に渡ります。

住宅の壁紙を貼りかえるだけの工事から飲食店の設備を整える工事まで、内装工事の主な種類をチェックしてみましょう。

内装工事をおこなう会社やスタッフが持っておかなければならない資格、持っておくべき資格についても解説します。

内装工事の主な7つの種類

内装工事の主な7つの種類を紹介します。基本的にはこれらの仕事は内装工事会社が請け負います。

会社によっては対応していなかったり、その工事に特化していたりとさまざまです。自分が就職、転職する際は、自分のやりたい仕事ができるか確認しておくことも忘れないようにしましょう。

内装の骨組みを作る軽鉄工事

まずは内装の骨組みを作る軽鉄工事です。

内装の骨組みは従来は木材がメインでしたが、木材の骨組みは湿気や水に弱く、変形してしまう、腐食してしまう、さらに害虫が発生しやすいなどのデメリットがありました。大きな火災につながりやすいというデメリットもあります。

一方で近年主流になりつつある軽鉄は、熱にも湿気にも強く、より頑丈で安全な骨組みを作ることができます。作業も簡単で一つの材料あたりの単価も安く、従来よりもスピーディーで低価格な工事ができます。

軽鉄工事の施工場所は主に床や天井です。もともとある建築物に合わせて、よりおの住宅や店舗の雰囲気に合うような内装に仕上げるための骨組みを作っていきます。

天井や壁のボード工事

天井や壁は直接壁紙を貼っているのではなく、一般的には石こうボードの上に貼られています。軽鉄で骨組みを作ったら次はこのボードを貼り付ける工事をしていきます。

石こうボードなどのボードを下地にすると防音性や耐火性が高くなるだけでなく、気温の調節がしやすくなり、より室内で快適に過ごせるようにしてくれます。

ボードにもさまざまな種類があり、一般家庭からオフィス、飲食店まで、それぞれの用途や目的によって使い分ける必要があります。適切なボードを選ぶ、そのボードに応じた設置工事をおこなうなどの工夫が必要です。

壁紙を貼りかえる工事

内装工事の中でも室内の雰囲気を一気に替えられるのが壁紙の貼り換え工事です。

壁紙の貼り換えは内装工事の中でもコストが低く、気軽に室内の雰囲気を変えられます。そのため新築だけでなくリフォームでも人気の工事の一つです。

壁紙の耐用年数は10年程度ですが、紫外線によって色が変色してしまったり、湿気が多い脱衣所などで凹凸ができてしまったりした場合はそれよりも早く貼りかえることが推奨されています。

壁紙はそのデザインや色味によって室内の雰囲気を変えてくれるだけでなく、消臭や断熱などの効果もあります。また、飲食店では油汚れに強い、掃除しやすい、火が燃え移りにくいといった機能を備えている壁紙も人気です。

壁の表面を仕上げる左官工事

壁紙を貼るのではなく漆喰やモルタルなどを壁に塗りつけてい上げる左官工事をおこなうケースもあります。和室、商業施設、飲食店などでこのような左官工事をおこなうことが多いですが、インテリアにこだわりたい一般住宅でも左官工事がおこなわれることは少なくありません。

壁紙を貼るよりも費用が高くなりますが、その分耐久性が高い、独特の雰囲気を楽しめるなどのメリットがあります。

左官工事で仕上げた壁は防水効果も高いため、飲食店の内装だけでなく建物の外壁に対応することもあります。

床の最終的な仕上げ工事

床の最終的な仕上げ工事も内装工事の重要なポイントです。

たたみ、フローリング、クロスなど、さまざまな方法で仕上げていきます。

土台がきちんとできていても床の仕上げが甘いと全体が傾いてしまい、生活のしやすさに悪影響が出てしまいます。また、床は家具を置いたり人が歩き回ったりするためダメージを特に受けやすい部分です。仕上げが甘いと剥がれてしまう、耐用年数よりも早くダメになってしまうなどの支障が出てきます。

高さを均一にし、安心してその場所で過ごせるように施工しなければなりません。

木製の家具などを作成する工事

内装工事会社が家具などを作成することもあります。

その住宅や店舗、オフィスにぴったりのサイズのデスクや収納などを作り、備え付けの家具として提供します。他にもドアや窓枠などを作ることもあります。

和室のふすま、障子、室内を仕切るドアなども内装工事会社が請け負う対象です。

とくに注文住宅など、インテリアや住まいにこだわる方の中ではこのようなオリジナルの家具の作成は人気です。備え付けの家具の作成をメインにおこなう内装工事会社もあります。

飲食店などの設備工事

飲食店にはさまざまな設備が必要です。厨房や客席、バックヤードなどの工事を内装工事会社が請け負うこともあります。

客席はデザイン性の高い壁紙や床材を用い、厨房は掃除しやすい、耐火性の高い素材を用いるなど、場所によって内装工事の内容が違うことも少なくありません。

飲食店だけでなくオフィス、商業施設なども、デザイン性を重視する場所、安全性や快適性を重視する場所が違うため適宜切り替えて工事をしていきます。

その他の内装工事の3つの種類

内装工事のメインの仕事は新築の建物の工事ですが、それだけでなくリフォームやリノベーション、原状回復などの工事もあります。

日本の建築業界は人口減少、少子化によって先行きが暗いと言われていますが、これらのように既存の住宅の工事をおこなう機会が減るわけではありません。今後建築業界で生き残るためにも、新たな内装工事を取り入れる必要があります。

それぞれにどのような工事をおこなうのかを見てみましょう。

リフォーム工事

長年住み続けた住宅を建て替えるのではなく、ある程度現在の状態を残したまま問題のある点だけを改修するリフォーム工事

家族が増えた、高齢者と住むことになった、生活スタイルが変わったなど、それぞれの家庭の環境によって違う悩みにリフォーム工事で対応します。

高齢者がつまづかないように段座を無くしたり、最新の給湯器やキッチンに取り換えたり、壁紙を貼りかえたりとリフォームの内容はさまざまです。リフォームをメインにおこなう内装工事会社も多いです。

リノベーション工事

リフォームよりもさらに大掛かりな工事をおこなうのがリノベーションです。

古民家の良さを残したまま現代人が暮らしやすい間取りにしたり、水回りを最新式にしたり、和室を洋室に替えたりといった工事をおこないます。

建物を取り壊して新築するよりも費用が抑えられ、空き家問題を解消できるなどのメリットがあり、近年とくに人気を集めている内装工事の一種です。

古民家をカフェに改装したり、古いアパートの内装だけを綺麗にして新たな住民を呼び込んだりといった活用方法があります。

新築の注文住宅は高すぎて購入できないけど、リノベーションなら手が出せるという若者も多く、今後も需要は高まっていくことが予想されます。

原状回復工事

アパートの住民が退去したあとの原状回復工事をおこなう内装工事会社も多いです。

長年家具を置きっぱなしにしてダメージを受けた床を新しくする、タバコや油の汚れが染みついた壁紙を貼りかえる、さらに水回りの汚れを一掃するなどの工事内容があります。

契約期間が長ければ長いほど原状回復工事は複雑なものになります。

また、近年は孤独死によって発見が遅れてしまう事態も増えてきています。床や壁が腐食、変色していることも多く、その場合はボードから取り換える必要もあります。

内装工事をおこなうのに必要な資格

内装工事をおこなう際に役に立つ資格を紹介します。

壁紙の貼り換えなどの簡単な内装工事だけを請け負うのであれば専門的な国家資格は必要ありませんが、建築に関連する工事をおこなう場合は国家資格が必要です。

今後さらに多くの仕事に対応するためには資格が必要不可欠な場合もあります。それだけでなく、「〇〇資格所有者」と求人が限定されていることも。就職や転職の際にも資格は重視されます。

また、国家資格の中には長い実務経験が必要なものもあります。その資格を持っているということは現場での経験が長いという証明にもなりますので、日々資格取得に向けて準備を進めておくことが大切です。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は建築に関するスケジュールを考えたり、設計図を制作したり、さらに工事全般の管理をおこなう人に与えられる資格です。

建築施工管理技士2級を取得すると主任技術者として現場を任され、1級を取得すると監理技術者として現場を任されます。2級よりも1級の方がカバーできる範囲が広いため、就職や転職の際に1級を取得していれば求められる人材となることでしょう。その分1級の資格取得は難しく、問題の出題範囲が広いだけでなく2級を取得してから5年以上の実務経験が必要になります。

学科試験と実地試験があるため、それぞれに対策を取ることも大切です。

建築士

建築士は建築において設計、管理などをおこなう人に与えられる国家資格です。

内装工事だけでなく建築全般で活躍したいのであれば取得は必須の資格になっています。

小規模な会社であれば建築士は一人配置するだけでもいいですが、規模が大きくなるにつれて複数人の建築士が必要になります。それぞれが別の建築を担当したり、構造、設備などで担当が分かれていることもあります。

2級、1級があり、2級の場合は担当できる建築物の規模に制限があります。一般的な住宅のみを取り扱う場合は2級で十分ですが、規模が大きくなると1級の資格が取得です。今後住宅の内装工事をメインにおこないたいのか、オフィスビルやファッションビルなどの大規模な工事をおこないたいのか、ビジョンをしっかり見定めた上で取得する資格を考えましょう。

内装仕上げ施工技能士

内装仕上げ施工技能士内装仕上げのスペシャリストに与えられる国家資格です。

ボード、床、カーペット、カーテンなどの仕上げに関する問題が出題され、その他にも安全で衛生的な工事の方法、建築についての基礎知識、内装仕上げについての幅広い知識が求められます。

学科試験と実技試験がありますので、どちらについてもしっかり対応できるよう対策しなければなりません。

3級、2級、1級があり、1級を取得すると内装仕上げ工事の専任技術者になれます。2級の場合は2級を取得後1年以上実務経験を積むことで専任技術者になれます。

内装に特化した職人になりたいという方には最適な資格であり、難易度も高くはありません。現在内装工事会社で働いている、将来内装工事会社に就職したい、内装工事会社を設立したいという方はぜひこの内装仕上げ施工技能士の資格を取得してください。

家具製作技能士

家具製作技能士家具を製作する技術を認められた人に与えられる国家資格です。

家具を加工する技術、家具を製作する際の機械の使い方、さらに椅子張りについての技術を問われます。2級は2年以上、1級は7年以上の実務経験が受験資格として必要になります。とはいえ難易度は高くなく、現場である程度の経験を積んでいる方ならなんなく合格できるでしょう。

家具製作技能士の資格がなくても家具を製作することは可能ですが、今後家具職人として独立したい方、内装工事で家具作りにこだわりたい方などは取得しておくといいでしょう。家具製作についての基礎から応用まで幅広く知識と技術を身に着けることができます。

内装工事会社だけでなく家具メーカーでも需要が高く、海外製の安い家具が人気を集める一方でオーダーメイド家具の需要もあり、より専門的な家具作りを極めていくことができるでしょう。

塗装技能士

壁や天井、床などの塗装に役立つのが塗装技能士の国家資格です。

それぞれの塗料の用途や道具の使い方などの知識が求められます。塗装は内装の印象を大きく左右する重要なポイントですが、その重要性はデザイン性だけではありません。

塗装をすることで耐火性や防水性がアップし、気温を一定に保ちやすいなどの役割りもあります。その住宅に住む人、その店舗やオフィスで過ごす人がより安全で快適でいられるためにも塗装は非常に重要です。

塗装は基本的に必須の国家資格はありません。ですがいい加減な塗装をするとかえって内装の印象が悪くなったり、すぐに塗装をしなおさなければならなくなってしまいます。塗料に危険物が混ざっていたというトラブルもあり、塗装業者選びに慎重になっている方は多いです。

国家資格を取得していればそのような方からも選んでもらいやすくなるだけでなく、できる仕事の範囲も増えて就職や転職に役立ちます。

内装工事の将来性について考えよう

少子高齢化が進む日本においては建築業界の先行きは明るくありません。それでも建築の道に進みたいのであれば、その中でも将来性の高い仕事を見つける必要があります。

内装工事は建築業界の景気に左右されず、常に一定の需要があります。景気がいい時期は新築住宅やオフィスビル、ファッションビルなどの内装工事が増え、景気が悪くなると既存住宅のリフォームやリノベーションの需要が高くなります。

高齢化社会においてはバリアフリーのリフォームも欠かせません。また、今後は老人ホームなどのリフォーム、内装の工事の仕事も増えていくことが予想されます。

対応ジャンルを増やすことが大切

内装工事は建築業界の中でも将来性が高い仕事ではありますが、現状に満足しているだけでは不十分です。

今後も長く建築業界、内装工事をしていくためには対応するジャンルを増やす必要があります。

リフォーム、家具作成などサービスが細分化していますが、対応できないジャンルがあるとその分そのジャンルに対応している競合他社に仕事を取られてしまいます。内装工事だけではありませんが、一貫して依頼することで依頼料を抑えることができるため、何でも相談にのってくれる会社の方が好まれる傾向にあります。

軽鉄工事から塗装工事、家具作成までそれぞれの技術を磨き、実績を積み重ねていくことが大切です。

対応できるジャンルが多ければ多いほど転職の際にもアピールできますし、転職先の選択肢も増えます。自分はどんな職人になりたいのか、キャリアプランを考えながら仕事を続けることも大切です。

内装工事の種類を知って仕事に役立てよう

内装工事の種類と内装工事に役立つ主な資格について紹介しました。

住宅やオフィス、店舗などの印象を大きく左右する内装工事は、非常にやりがいのある仕事です。デザインだけでなく安全性や快適性も提供することができ、どんな建物にも欠かせない工事でもあります。

建築業界の中でも内装工事はリフォームやリノベーションなどの需要が高く、将来性も高いジャンルと言われています。

内装工事にはさまざまな種類がありますが、より多くのジャンルに対応することで厳しい業界の中で生き残ることができるでしょう。将来独立を考えている方も、内装に関する幅広い知識を身に着けることが大切です。

内装工事に必要な資格を取得して、今後の仕事に役立てましょう。

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