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店舗の内装デザインの抑えるべきポイントを5つ紹介!

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飲食店、アパレルショップ、サロン、クリニックなど、店舗にはさまざまな種類があります。お客様がその店舗に何を求めているのかを考え、的確な内装デザインをすることが大切です。

どんなに質の高いサービスを提供できても、内装デザインが店舗の利用目的と合っていないと居心地が悪くなってしまいます。思わず人にすすめたくなる、また来たくなるような店舗にするためにはどんな内装デザインが必要なのでしょうか。

店舗の内装デザインを考える際におさえておきたいポイントについて解説します。

店舗の内装デザインの5つの基礎

まずは店舗の内装デザインの5つの基礎を抑えましょう。

これらの点を意識するだけでも店舗デザインはよりいいものになります。自分が開業する予定の店舗についてよく考え、より愛される店舗作りをしてください。

動線を意識する

店舗の内装デザインと聞くとおしゃれな壁紙や家具などをイメージしてしまいますが、それよりもまず先に考えるべきなのは動線です。

お客様が来店して注文して客席に座る、または来店するお客様と会計をするお客様で入り口が混雑しないようにする、料理をスムーズに提供できるようにする、トイレの位置をわかりやすくするなど、お客様目線、従業員目線であらゆる動線を考える必要があります。

おしゃれな店舗を目指すあまり動線を意識しない内装デザインにしてしまうと、お客様は使いにくい、居心地が悪い店舗だと感じてしまいます。従業員も働きにくく、必要以上のストレスを感じてしまうことでしょう。

飲食店の場合は客席だけでなく厨房の動線も意識し、スピーディーに、かつ安全に作業ができるようにしなければなりません。

コンセプトを明確にする

その店舗のコンセプトを考えることも重要です。どんなサービスを提供するのか、どんな気持ちになってほしいのかなどを考えましょう。

アパレルショップであればそのブランドのコンセプトから着想を得ることができます。

飲食店であれば、カフェ、バー、和食、イタリアン、ファミリーレストランなど、提供する料理からコンセプトを考えてみてください。

さらに、どんな人にその店舗を利用してほしいのかを考えることでコンセプトを考えやすくなります。若い女性、サラリーマン、家族連れ、客単価が高い層、低い層などです。

出店するエリアに合わせることもおすすめですが、その場合は近隣に似たようなコンセプトの店舗がないかをチェックしておきましょう。

北欧風カフェや写真映えするカフェは若い層にも人気ですが、トレンドを意識するあまり似たような印象になってしまったり、別のコンセプトが流行ったときに見向きされなくなってしまう可能性も考慮しなければなりません。

照明で雰囲気を作る

店舗の内装デザインにおいて照明は非常に重要な役割を担っています。どんなにコンセプトにこだわっていても証明がそのコンセプトに合っていないだけで違和感のある内装デザインになってしまいます。

まずは照明の明るさを考えましょう。照明を暗くしたり、間接照明を多用することでしっとりと落ち着いた空間を演出できます。

症状をしっかり見なければならないクリニックや仕上がりをきちんと確認する必要があるサロンなどでは暗すぎる照明は不向きです。待合室だけを暗めの照明にするなどの配慮が必要です。一方で客単価が低く回転率を重視したい店舗の場合は、照明を明るくするのがおすすめです。

次に照明の色を考えましょう。暖色系の照明は暖かみのある印象を与え、居心地の良さを演出できます。寒色系の色は回転率を高めたい店舗、症状をよく見る必要があるクリニックなどにおすすめです。

自然光に近い色の照明にすれば料理をおいしそうに見せる効果があります。サロンでの色味の確認にも役立ちます。

色使いは最小限に留める

店舗の内装デザインを考える際、どんな色を取り入れるかは重要です。明確なコンセプトがない限り、使用する色は最小限に抑えましょう。

インテリアの基礎知識として、取り入れるカラーは3色程度にすると統一感が出ると言われています。

壁や床などの広い面積を占めるベースカラー、家具などのアソートカラー、そして全体を引き締めるアクセントカラーです。この中でもアクセントカラーは全体の2~10%程度に留めるのが理想です。

おしゃれな内装デザインを目指すあまりあれこれと色味を使ってしまうとかえってまとまりのない、落ち着かない印象の内装デザインになってしまうので注意しましょう。

色味の選び方、取り入れ方がわからない場合はインテリアコーディネーターなどに相談することをおすすめします。その際もコンセプトを明確に伝えるようにしましょう。

素材は実物を見て選ぶ

壁や床だけでなく家具、カーテンなどのファブリックなど、店舗の内装デザインを考える際はさまざまな素材を選ぶ必要があります。このとき写真や資料だけで選ぶのではなく実物を見て選ぶことが大切です。

大理石風の素材と実際の大理石では、似ていても高級感がまったく違います。肌ざわりのいいファブリック、座り心地のいいソファなど、自分で見て、触れなければわからないことはたくさんあります。

また、写真や資料では実物の色味を完全に再現できなかったり、実際に使用するシーンを想像しにくかったりします。忙しくてもきちんと実物を見て選ぶ時間は確保しましょう。

店舗の種類ごとの内装デザインのポイント

店舗の内装デザインといってもその店舗にはさまざまな種類があります。自分が開業したいと思っている店舗はどんな点に気を付けて内装デザインを考えればいいのかを見てみましょう。

飲食店、クリニック、サロンの3つの例をご紹介します。

飲食店の内装デザイン

飲食店はまずどんな料理を提供するのかからコンセプトを考えていきます。

高級なコース料理なのか、おしゃれなカフェメニューなのか、ラーメンやファストフードなのか…それぞれによってまったくコンセプトも変わります。

利用客が多い時間帯や利用する客層を考えることでよりコンセプトも固めやすくなるでしょう。あれこれとトレンドを取り入れるのではなく、どこか一つでもこの店舗ならではと言える点を作ることが大切です。

似たような料理を提供する店舗があった場合、より雰囲気のいい方の店舗を選びたいと思う方は多いでしょう。飲食店の内装デザインは提供する料理と同じくらい集客を左右する大きなポイントです。

さらに雰囲気のいい内装デザインの飲食店は利用客だけでなく、「おしゃれなお店で働きたい」と思っている人にも需要があります。従業員が働きやすい、ここで働きたいと思ってもらえる店舗を作るためにも内装デザインには力を入れましょう。

クリニックの内装デザイン

クリニックは家や職場から近い、望む施術をしてくれる、医師の技術が高いなどが来院理由となることが多く、内装デザインは飲食店と比べると重要度が下がります。ですがクリニック自体にマイナスのイメージを持っている方は多いので、少しでもリラックスしてもらえる空間を演出することは大切です。

待合室、施術室のそれぞれでゆったりとした時間を過ごせる、リラックスして悩みや症状を相談できるように、利用客の目線で内装デザインを考えていきましょう。

クリニックは白などの明るい色の清潔感がある内装デザインが一般的でしたが、近年はよりおしゃれでリラックスできる内装デザインが好まれるようになってきました。一見するとカフェやサロンのような内装デザインのクリニックも少なくありません。

治療が痛いのではないか、何か重大な病気なのではないかといった悩み、恐怖感を抱えて来院している人の気持ちを少しでも癒せるような内装デザインを考えましょう。

サロンやエステの内装デザイン

サロンやエステを利用するお客様の気持ちになれば内装デザインを考えやすくなります。より美しくなりたい、身なりを整えたい、コンプレックスを解消したいといった他、リラックスしたい、丁寧な接客を受けたい、非日常な気分を味わいたいと思っている方も多いです。

そのため、サロンやエステの内装デザインは落ち着いた空間を演出することが大切です。さまざまな年齢層の方を迎えるためにもフェミニンすぎたり落ち着きすぎたりすることのないよう、シンプルな内装も意識してください。

シンプルな内装デザインにする分素材や家具にこだわることもおすすめです。待合室やレジ周りまで抜かりなく店舗のコンセプトをアピールできるようにしてください。

ヘアサロンやネイルサロンなどでは、実際の色味をきちんと確認できるかどうかも大切です。自然光に近い照明を取り入れる、大きな窓を作って太陽光を取り入れるなどの工夫もしましょう。

内装デザインの依頼先として考えられるのは?

「こんな雰囲気の店舗にしたい」「コンセプトを大切にした店舗作りをしたい」という思いはあっても、建築や内装デザインの知識がない人が一からすべてをデザインするのは非常に難しいです。また、内装デザインが決まったら工事を依頼しなければなりません。

店舗の内装デザインを依頼する先として考えられる場所、内装工事を依頼できる場所について紹介します。

ハウスメーカー

注文住宅やアパートといった建築物のデザインや建築工事をおこなっているハウスメーカーに依頼する方法があります。

大手のハウスメーカーには腕のいいデザイナーや建築士、設計士が揃っており、内装デザインを相談するにはぴったりです。

また、ハウスメーカーは数が多く店舗数もたくさんあるため、気軽に相談しやすいというメリットもあります。店舗の内装デザインについて右も左もわからない…というときにひとまず相談する先としても選びやすいです。

内装デザインから内装工事までまとめて依頼できるので作業工程がスムーズで、開店までスピーディーにこぎつけるのもハウスメーカーの魅力です。

相談する際は店舗の内装デザインに対応しているか、実績はあるかを確認しましょう。実績がなければどんなに腕のいいデザイナーであっても理想の店舗作りはできません。

工務店

工務店ではこだわりの内装デザインや個性的な内装デザインは期待できません。ですが、最低限の機能性の高い店舗を作れます。とくに内装にこだわる必要のない飲食店やクリニックの場合は工務店に依頼して問題なく店舗作りができるでしょう。

工務店は小さなところが多いですが、その分親身になって相談に乗ってくれる、融通が利きやすいといったメリットがあります。

内装デザインの相談から内装工事まで一貫しておこなってくれるので費用を抑えやすい、作業工程が少ないのも魅力です。

内装デザインは別のところでおこなって、内装工事のみを工務店に依頼する方法もあります。工務店を探す際は店舗の工事実績がある、口コミ評価が高いなどのポイントをチェックしましょう。

デザイン会社

個性的な店舗の内装デザインを目指したい、人気のデザイナーに内装デザインを手掛けてほしいという場合はデザイン会社に依頼しましょう。

デザイン会社は内装デザインだけを受け付けており、実際の工事や業者の手配などはしてくれません。そのため実際の工事のためにはまた別に業者を探す必要があります。費用も別になるので高額になりやすく、業者を探す必要があるため完成までに時間がかかるなどのデメリットも確認しておきましょう。

ですがその分より魅力的な店舗作りには大きく貢献してくれます。快適に働ける、快適に過ごせるだけでなく、ターゲット層をピンポイントで狙えるデザイン、最先端のデザイン、人の心理に与える効果を意識した色や照明、素材選びなどもしてくれます。

デザイン業界で有名なデザイナーが在籍しているような会社は依頼料が高額になりがちです。店舗開業時には初期費用は抑えたいですが、内装に手を抜くと集客率に大きく影響するかもしれません。一度工事してしまうとなかなか簡単にはリフォームできませんので、デザインにはとくに費用をかけ、その他の部分で押さえる工夫をしましょう。

店舗の内装デザインをする仕事に就くには?

おしゃれな店舗に出会うと「自分もこんなデザインをしたい」「店舗のデザインをしてみたい」と思ってしまいますよね。現在建築業界で働いている方もそうでない方も、店舗の内装デザインをおこなうにはどのような方法があるのかをチェックしてみましょう。

店舗のデザイナーになるためにはまず基礎を学び、そこから自分のしたい仕事ができる就職先を探すのが一般的です。

学校でデザインを学ぶ

店舗デザイナーになりたいと思っていきなりその仕事ができるわけではありません。店舗の内装デザインをするには建築の基礎をしっかり学ぶ必要があります。

大学や専門学校などで建築について学びましょう。コースによっては最初からデザインについて学べるところもあります。

建築についての基礎を学び、資格を取得すれば、店舗の内装デザインの道を諦めてしまったとしても建築業界や不動産業界、インテリア業界など幅広い場所で活躍できます。

建築についてはいくつもの国家資格があります。すべてを就学期間中に取得できるわけではありませんが、より多くの資格を取得することで就職の役に立ち、自身のスキルアップにもつながります。

デザイン会社に就職する

学校で建築やデザインについて学んだあとは就職活動です。建築会社の中でも店舗の建築やデザインが得意な会社を中心に求人情報をチェックしましょう。

店舗の内装デザインを多く手掛けている、憧れのデザイナーが関わっているなど、その会社のどんな点に魅力を感じるかを考えてみてください。

デザイン会社に就職できたとしてもすぐに店舗の内装デザインを任されることは少ないです。上司の仕事を見ながらデザインについて学び、仕事のやり方やデザインのノウハウ、センスを学んでいきましょう。

デザイン会社では言われた仕事をする、ルーティーンをこなすだけでは不十分です。自分の知識や技術を磨くことに加えてそれらを積極的に発信し、上司に認めてもらえる、仕事を任せてもらえる存在になる必要があります。

フリーランスとして働く

学校で建築やデザインを学んですぐにフリーランスとして独立できる人は多くありません。一般的にはデザイン会社で実績を積み重ね、その後に独立します。

独立すればすべてを自分の思う通りに進められるので、より店舗の内装デザインに力を入れたり、さまざまな店舗のプロデュースをしたり、より自由度の高い仕事ができます。

その分すべての責任が自分にありますので、これまで以上にすべてのことに神経を使い、一つひとつの依頼を丁寧にこなさなければなりません。建築やデザインだけでなく、経営についての知識も必要です。スムーズな経営のために、税理士や弁護士との契約も考えましょう。

また、独立は簡単にできても依頼を受け続けることは大変です。多くの人気店舗の内装デザインを手がけ、業界で有名になったりコンテストで入賞したりした経験がなければ独立後成功するのは難しいでしょう。

反対に、これらの条件を満たしており他のデザイナーにはできない新たなデザイン、店舗作りができる人であれば会社に勤めているときよりも依頼が増え、収入アップも期待できます。

独立してフリーランスとして働くには自分の実績だけでなく人脈やコネも必要不可欠です。業界で働きながら独立に向けてコツコツと準備を進めていきましょう。

店舗の内装デザインについて知ろう!

店舗の内装デザインの基礎から店舗の種類別のポイントについてご紹介しました。

店舗の内装デザインはその店舗での居心地の良さやリピート率を左右する非常に大切なポイントです。どんなにいいサービスを提供していても内装デザインをおろそかにしていると集客率が下がり、経営が立ち行かなくなってしまいます。

内装デザインはおしゃれなら何でもいいというわけではありません。動線や照明などについても意識する必要があります。デザイナーと相談しながら、理想の店舗作りができるようにしていきましょう。

店舗の内装デザインは日々変化しています。デザインだけを受け付けている会社もたくさんあります。店舗デザインの仕事に興味がある方はまず建築とデザインの基礎を学び、そこから自分の理想の仕事ができる会社を探しましょう。

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