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デベロッパーの役割は?ゼネコンとの違い、仕事内容を徹底解説

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デベロッパーという言葉を聞いたことがあっても、詳しい仕事内容はわからないという方は多いのではないでしょうか。建築に関する一切をおこなうゼネコンと混合しやすい言葉ですが、その仕事内容は似ているようで違います。

デベロッパーとはどんな仕事なのかを今一度確認しましょう。

デベロッパーで働くメリットや向いている人なども紹介しますので、建築業界、不動産業界への就職や転職をお考えの方はぜひ参考にしてください。

デベロッパーの仕事内容

まずはデベロッパーの仕事内容を紹介します。デベロッパーの仕事は土地を取得する、取得した土地を開発する企画を提案する、そしてその企画通りに工事をして完成した建物を販売する、その建物の価値が下がらないように管理するなどがあります。

この中でどれかに特化したデベロッパーも多く、一口にデベロッパーといっても会社によってその仕事内容は大きく違います。就職や転職をする際は自分のやりたい仕事ができるかを確認することが大切です。

土地を取得する

デベロッパーの最初の大きな仕事は土地の取得です。

実際に現在土地を所有している人や現地の人に聞き込みをおこない、土地の有効活用方法を考えます。都心からの距離やその土地が抱える問題、メリットなどの情報収集を徹底的におこない、取得すべき土地かを考えます。

今後その土地をどのように有効活用できるのかは土地が持つ特性によって大きく変わります。街の再開発、マンションやアパートの建設、大型商業施設を建てる、リゾートに開発するなどの方法が多いです。

土地の活用方法が見つかり会社が取得の許可を出すと、次は土地の所有者や地権者と交渉に入ります。地権者が複数いる場合は全員と交渉しなければならず、取得まで長期間が必要なこともあります。一人でも反対意見が出ると当然土地の取得は難しくなります。どのように交渉するかもデベロッパーの腕の見せ所です。

土地を開発する

次に取得した土地の活用方法を考えます。

土壌やその土地ならではの地形、歴史などを調査し、的確な活用方法を見定めなければなりません。

街の再開発を目指すなら歴史をもとにコンセプトを決めたり、まったく新しい、それでいて多くの人に受け入れられるようなコンセプトを決めます。

この企画が通ると次は設計やデザインに入ります。開発に必要な建物の設計図を作成する、建物のデザインを考える、外観だけでなく内観のデザインもおこなうなどもデベロッパーの仕事です。

ですがすべて一人で行うのではなく、建築士やデザイナーと一緒に考えていく場合が多いです。

企画は非常にやりがいのある仕事ですが、すべての会社で同じように仕事ができるわけではありません。中には土地の取得、企画、販売、管理のすべてで部署がわかれているデベロッパー会社もあります。大手の会社の求人に応募する際はこの点もよく確認しておきましょう。

建物の営業、販売、賃貸をおこなう

デベロッパーは建物の企画やデザインなどをおこないますが、直接建築に携わることはありません。企画が通ったら次はゼネコン会社に工事内容を伝えて取引をします。納期や金額、技術や実績などから信頼できるゼネコン会社を選ばなければなりません。

ゼネコン会社に委託した工事が完了すると、今度はその建物をどのように販売するか考えるのが次のデベロッパーの仕事です。

建物が完成するまでは建築会社、ゼネコン会社とのやり取りがメインですが、販売になると次は不動産会社とやり取りをします。

その土地や建物のコンセプトに見合いそうな企業、店舗、医療機関などを調べ上げて営業をおこないます。

デベロッパーは土地を買い取り、ゼネコンに工事を依頼し、そして開発した建物に入る企業や店舗からの賃料、そして入居する人の賃料や購入費用などから収益を得ます。

土地や建物を管理する

買い上げて開発した土地、建物は、工事や販売が終わったらそれきりというわけにはいきません。

せっかくたくさんの人が集まるような建物ができても、価値が下がってしまうと入居したい人や建物の一角を借りたいと考える企業や店舗が少なくなってしまいます。結果賃料や売値を下げなければならず、デベロッパーの損失につながります。

しっかり管理して土地や建物を綺麗に維持する、イメージアップを図るなどの仕事もあります。

ですがすべての会社が管理までおこなっているわけではありません。管理だけをメインにしている中小のデベロッパー会社に依頼するケースもあります。まったく別のデベロッパー会社を探すのではなく子会社に委託することも多いです。

ゼネコンとの違いを確認

このように、デベロッパーの仕事はゼネコンの仕事とはかなり内容が違うことがわかります。

デベロッパー土地の有効活用方法を提案、企画して、その工事をゼネコンに依頼します。そして完成した建物を今度はデベロッパーが営業、販売します。

大規模な都市開発の場合はデベロッパーとゼネコンが共同で企画開発をすることもあるため、ゼネコンとデベロッパーの仕事が混合されやすいのです。

デベロッパーには不動産会社も多いですが、ハウスメーカーなどの建築系の会社も多いです。デベロッパー部門に入社できても、その後自分のやりたい企画や開発などの仕事ができるとは限りませんので注意しましょう。

デベロッパーの年収

デベロッパーとして働きたいと考えている方が気になるのが年収ですよね。

マイナビエージェントの調査によると、デベロッパーの年収の平均は442万円でした。

20代からでも380万円以上が平均なので、若くてもしっかり安定した年収を得られます。

また、大規模な都市開発をおこなうような大手の総合デベロッパー会社に就職すると年収が1000万円を越えることも少なくありません。若手の頃よりも経験を積み、役職のついた50代くらいでもっとも高収入になります。

やや規模の小さいデベロッパー会社であっても700万円以上の年収が期待できるところが多く、高収入を目指す方なら見逃せない職業です。

デベロッパーの年収は高いところが多く、非常に人気の職業です。

デベロッパーの仕事は一つひとつの規模が非常に大きく、取引の金額も高額です。そのため成功しているデベロッパー会社に就職すれば十分な見返りを受け取ることができます。

一方で学歴や経歴が華々しいものでなければ大手への就職は難しく、未経験の方がいきなり飛び込める世界でもありません。まずは中小のデベロッパー会社で経験を積んで、大手の会社への転職を目指す、または現在働いている会社で役職に就くなどの年収アップ方法があります。

人気の高い職業の分、就職や転職もライバルが多いです。自分のアピールできるポイントを考えたり、企業をしっかり調査したりして対策を取ることは必須です。

デベロッパーで働くメリット

デベロッパーは建築業界、不動産業界の中でも人気の高い職業です。どうして多くの人がデベロッパーを目指すのかについてをそのメリットから考えていきましょう。

建築業界や不動産業界の花形として働きたいという方はぜひチェックしてみてください。

地図に残る仕事ができる

デベロッパーの開発事業の中には土地の再開発やリゾート開発も含まれます。

自分が手掛けた開発事業が完了すると、その開発した建物の名前や土地が地図に載ることになります。

建築や不動産の仕事の多くは戸建ての住宅や小規模なアパート、マンションなどの建設、企画、販売がメインですが、そのような少額の取引の仕事では得られない大きな達成感を味わえるでしょう。

地図に残る仕事と言えばゼネコンの印象がある方も多いかもしれません。ゼネコンは建築の中でも空港や橋、道路など、大規模で人々の生活に影響を与えるような仕事を多くおこなっています。

ゼネコンもその点では地図に残る立派な仕事と言えますが、建築士の国家資格や大型船などの操縦など、より専門的な技術が必要な仕事です。デベロッパーはこのような国家資格がなくても活躍できるという点からも高い人気があります。

不動産や建築の知識が身に着く

デベロッパーとして働きながら不動産や建築の知識を身に着けられます。

その土地ならではの活用方法や歴史、土壌問題などを踏まえた上で開発の企画をおこなう必要があり、学ぶことはたくさんあります。その土地にマッチしない企画をおこなってしまうと高額な土地の取得費やゼネコンへの依頼費がすべて無駄になってしまいます。

デベロッパー会社では一人が勝手に企画を進めるようなことはなくチームで企画開発をしたり土地の取得に奔走したりしますが、それでも一人ひとりがきちんと土地や不動産の活用方法について理解しておくことは大切です。

また、完成した建物を売り込むのもデベロッパーの仕事です。土地や建築のことだけでなく、不動産についての知識も必要です。その建物にマッチする企業や店舗、人などをリサーチし、的確な価格で、的確な営業をかけなければなりません。不動産の販売、賃貸にはさまざまな法律の知識も必要であり、そのため高学歴の人材が求められる傾向にあります。

大きなやりがいを感じられる

デベロッパーの仕事は不動産業界や建築業界の中でも非常にやりがいを感じられる仕事です。

不動産の売買や建築自体も十分やりがいのある仕事ですが、デベロッパーは一つひとつの取引の規模が一般的な住宅の取引や建設とはまったく規模が違います。

地図に残る仕事というのももちろんですが、土地の地権者一人ひとりとしっかり話し合ったり、何もない土地を一から企画開発したり、さらにその後その土地が繁栄していく様子を見守れたりと、自分の仕事を誇らしく思う瞬間がたくさんあるでしょう。

交渉や営業、企画は簡単な仕事ではなく、時に人とぶつかることもあります。それでもそれを乗り越えれば自分の成長も実感でき、さらにデベロッパーの仕事に魅力を感じられるでしょう。

デベロッパーに向いている人

デベロッパーの仕事が気になるけど、自分に適正があるかわからない…という方のために、デベロッパーに向いている人の特徴を紹介します。

デベロッパーはチームで仕事をしなければなりませんし、土地の所有者や入居を検討している方など多くの人とやり取りをしなければなりません。

高いコミュニケーション能力が求められますが、その他にも企画力や決断力も必要です。

下記の条件にすべて当てはまっていなくても、得意な分野でカバーしたり、働きながらスキルを身に着けたりして成功することももちろん可能です。

チームワークが得意な人

デベロッパーの仕事はチームワークがメインです。

土地の調査や企画、打ち合わせを何度も繰り返し、よりよいものを形にしていかなければなりません。

一人で突っ走ってもいいものは生まれないでしょう。

人前で自分の意見をしっかり言える、かつ他人の意見も素直に受け入れられる人はデベロッパーの素質があります。

チームで一丸となって仕事をやり遂げることに達成感を感じるという方もデベロッパー向きです。

営業や販売の仕事もデベロッパーにはありますが、一般的な不動産の営業のように他と競い合うというよりも的確な販売先をチームで探すことも多いです。

リーダーシップがある人

デベロッパーの仕事にはリーダーシップも求められます。

チームワークが好きだからといって周囲の意見に従ってばかりいたり、指示を待ってばかりいたりするようではデベロッパーとして成長できません。

自分から積極的に土地の開発に携わる、企画を発表するなどの姿勢が求められます。

デベロッパーの仕事は多くの人や多くの企業が加わるため、作業がスムーズにいかないことも多いです。そんなときにも周囲を引っ張っていけるようなリーダーシップがある方もデベロッパー向きの人材です。

人の中心にいるのが好き、大きな物事を素早く正確に決断できるといった方はデベロッパーを目指してみてもいいかもしれません。

交渉力が高い人

デベロッパーは土地を取得する際だけでなく完成した建物を販売する際にも高い交渉スキルが求められます。

土地の所有者の中には思い入れのある土地、歴史のある土地を手放したくないと考えている方も多く、どのように説得できるかがデベロッパーの腕の見せ所です。金額だけでなく、その土地を手放すことで相手にどんなメリットがあるかをしっかり説明し、自分の意見を押し付けるだけでなく相手の意見も聞き入れる姿勢が必要です。

建物の販売をおこなう際も、その開発した建物のコンセプトに合う企業や店舗を見極める必要があります。その上でどうしてそのように思ったか、その建物を購入することでどんなメリットを得られるかをしっかり説明しなければなりません。

高い交渉力、営業力のある方はどの分野でも成功しやすいですが、デベロッパーのような一つひとつの取引の金額が高額になるような仕事ならよりその能力を存分に発揮できるでしょう。

企画を形にするのが好きな人

自分で何かを考える、そしてそれを形にするのが好きな方はデベロッパーに向いています。

毎日のルーティーンをこなしたり人からの指示を待つだけの仕事は退屈、毎日刺激のある仕事をしたいという方もデベロッパー向きです。

デベロッパーの仕事は責任が大きいですが、その分自分の企画が通ったときや契約が決まったときの達成感は他では味わえません。

企画には自分の感性やセンスも大切ですが、その土地や不動産についての知識も大切です。自分らしさを出しつつ多くの人に喜ばれる仕事ができるように学び続ける姿勢は忘れないようにしましょう。

長くデベロッパーの仕事を続けていくとどうしても同じような思考に陥ってしまいますが、常に価値観をアップデートし、トレンドをキャッチし続けることで時代にも人にも合った企画ができます。

デベロッパーの将来性、生き残る方法

デベロッパーだけでなく、建築業界や不動産業界の将来は明るくありません。

日本の少子高齢化は進む一方で、新しく土地を開発してもそこに住みたい、そこで働きたいと思う人自体が少ないためです。

価値観の変化も急激であり、「結婚して子どもを産んでマイホームを購入する」といったライフプランも当たり前のものではなくなってきています。単身者や高齢者にどのように受け入れてもらうか、どうすれば将来を担う子どもたちが住みやすい環境にできるかなども考えなければなりません。

デベロッパーとして今後も長く働き続けたいのであればやはり仕事の多い首都圏の会社への就職が必須です。それだけでなく開発に携わった土地や建物の需要が下がらないようプロモーションをおこなったり、イベントを開催して多くの人に認知してもらったりすることも大切です。

さらに大手のデベロッパー会社では国内だけでなく海外での事業に目を向けているところも多いです。海外の土地開発をおこなうだけでなく、国内での土地開発の知識やスキルを海外の企業に教え、それから利益を得るといった方法を採用しているデベロッパー会社もあります。

デベロッパーとして業界で活躍しよう

不動産業界や建築業界に欠かせない仕事、デベロッパーについて詳しく解説しました。

デベロッパーは土地の取得から企画開発、建築、販売、管理をおこなう仕事です。

直接建設の工事に携わることはありませんが、建築業界とも深いつながりがあります。

建築業界や不動産業界を目指す人の中でもデベロッパーは人気の仕事です。

自分にはデベロッパーの素質があるのか、成功するためにはどんな働き方をすべきなのかを考えて、業界で活躍できる人材を目指しましょう。

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