建築業界で働くにはさまざまな専門知識、専門資格が必要です。
しかし少子高齢化が進む日本では、建築の仕事自体に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
最新技術やAIの導入により仕事がなくなることを危惧する声もあります。
今後建築業界ではどのような知識が必要なのか、そしてそれらの知識を活かせる建築業以外の仕事を解説します。
建築業界で身につけた知識を無駄にすることなく、今後のキャリアを考えましょう。
今後の建築業界に必要な知識
建築の仕事は専門性が高く、危険も伴うため、さまざまな国家資格が必要です。
ですが、その分建築以外の知識が少ないと異業種への転職が難しくなってしまいます。
最新技術の導入により、単純作業は淘汰される可能性もあります。
下記のような知識も身に着けて、建築業界でも、それ以外の業界でも活躍できる人材を目指しましょう。
税金やローンに関する知識
税金やローンの知識は建築にも密接に関わっています。
とくに戸建てのハウスメーカーや工務店では、建築士が直接顧客とやり取りをすることもあります。
税金やローンの知識がない顧客にもわかりやすく説明したり、予算内で提案をしたりするためにはこれらの知識は必須です。
ファイナンシャルプランナーなどの資格もあるため、取得しておくと営業職や販売職への転職も有利になります。
土地や不動産に関する知識
土地や不動産に関する知識も、税金やローンの知識と同様に重要です。
建築関係の企業の中には土地の売買も行っている企業が多く、大手企業への転職の際にこれらの知識があると有利です。
宅地建物取引士は国家資格で取得難易度も高いですが、建築業界での経験があれば比較的勉強もスムーズに進められるでしょう。
介護、バリアフリーに関する知識
高齢化が進む日本において、介護やバリアフリーの知識も役立ちます。
新築ではなく既存の住宅をバリアフリーにリフォームしたいと考える方も増えています。
また、高齢者の介護施設などの需要も大きいです。
建築の知識と介護、バリアフリーの資格があれば、今後の日本の建築業界でも役立つ人材を目指せます。
AIや最新機器に関する知識
AIや最新技術の知識が豊富にあれば、知識が少ない中小企業に対して指導できる立場を目指せます。
さらにエンジニアやプログラマーといった技術者として活躍することも可能です。
建築業界ではAIや最新技術の導入が日々進んでいます。
危険な業務の多い建築業界では、ロボットなどを駆使することで従業員の安全性を高めています。
また、労働人口の減少により機械の導入を余儀なくされているケースも多いです。
外国語スキル
海外の従業員と円滑にコミュニケーションをとるためにも、外国語スキルは重要です。
海外事業を展開している大手企業も多いです。
また、労働人口不足を補うため、発展途上国に技術を伝えるため、外国人労働者を採用している国内企業もたくさんあります。
TOEICなどで高得点を獲得した実績があれば、キャリアアップのための転職もしやすくなります。
建築業界の知識を活かせる異業種の仕事5選
建築業界での働き方に限界を感じている方、異業種に興味がある方に向けて、建築業界で得た知識やスキル、経験を活かせる異業種を解説します。
まったく違う職種、業種でも、建築業界での実績があれば有利になるケースも多いです。
下記の記事も参考にしつつ、自分に向いている仕事を考えてみましょう。
アドバイザー
住宅や建築物のアドバイザーは、建築の知識が必要です。
信頼できるアドバイザーとして認めてもらうためにはある程度の実績が必要です。
現場の仕事からは離れてしまいますが、クライアントの要望に応える提案をすることに喜びを感じる方にはとくにおすすめです。
個人から企業まで、顧客の規模もさまざまですが、これまでの実績から自分のポジションを確立していきましょう。
システムエンジニア
システムエンジニアになれば、建築の仕事に役立つソフトを作れます。
現場のスケジュールを管理する、機械を制御するなど、さまざまな需要があり、今後もますます成長していくことが予想される業界です。
建築業以外にもスキルを役立てられるシーンが多いのも特徴です。
ゼロから学び始めるのは大変ですが、普段システムを操作する立場にある方であれば仕組みを理解しながらスキルを習得しやすいです。
コーディネーター
内装や外構の提案をするコーディネーターも、建築の知識を活かせる仕事です。
建築物の構造を正しく理解した上で提案ができ、クライアントとも現場のスタッフとも連携した作業ができます。
インテリアコーディネーターなどの資格を取得すればよりキャリアに役立ちますが、建築の知識があれば取得もスムーズです。
デザイナー
建築物の空間をデザインするデザイナーも、建築の知識を活かせます。
反対に建築の知識がなければ難しく、対応できる人が少ないため、キャリアアップを目指せるチャンスが豊富にあります。
近年は介護施設やバリアフリーのリフォームの需要も高まっています。
高齢者や体に障害がある方でも使いやすい空間をデザインできるデザイナーになれば、高齢化社会の中でも活躍し続けられます。
ライター
建築の知識を活かせるライターを目指す方法もあります。
webでも紙面でも、建築について詳細に説明できるライターは少なく、非常に需要が高いです。
とくに今後はインターネット上での戦略が重要です。
SEOなど、webのライティングの知識を身につければ、建築の知識と合わせて活躍できます。
建築の知識を活かして異業種に移行するメリット
建築業界から上記のような異業種に転職すると、場所にとらわれない働き方、育児や介護との両立など、より自由な働き方をしやすくなります。
アドバイザーやコーディネーターはリモートでも仕事をしやすく、離れた場所からの依頼でも設計図があればさまざまな提案ができます。
システムエンジニアやライターは業務委託の仕事が多く、完全在宅で仕事ができるケースも多いです。
現場に足を運ばない仕事を選べば場所にとらわれない働き方ができ、より自由に、ライフワークバランスを意識できます。
育児や介護との両立もしやすく、キャリアを諦める必要もありません。
ただ異業種への転職を目指すのではなく、自分にとって働きやすい働き方ができるか、将来性があるかを見極めることも大切です。
建築業界で得た知識は今後も役立つ!
今後建築業界で必要になる知識や、それらを活かせる異業種の仕事を紹介しました。
建築業界の将来性が不安な方、現在の働き方に限界を感じている方は、今回紹介したようなキャリアも検討してみてください。
建築業界から異業種への転職は難しいとも言われていますが、併用できる知識やスキルがあれば有利に転職活動を進められます。
自分の理想のキャリアプラン、ライフプランを考えた上で、どのような知識を身につける必要があるか考えてみましょう。