どんなに条件が良い企業でも、実際に入社すると当初のイメージと違った、ということは珍しくありません。
- 給与や待遇に不満がある
- 自分のキャリアを活かせない
- 今後のキャリアを伸ばせない
- 社内の人間関係が悪い
などの不満を感じて転職する前に、転職回数について確認しましょう。
一般的に転職回数が多いと転職で不利になると言われています。
建築業界ではどれくらいの回数転職するのが一般的なのか、回数が多いとなぜ不利になるのかについて解説します。
建築業界の年齢別の平均転職回数
建築業界の年齢別の平均転職回数を解説します。
日本では「入社してから3年は我慢しろ」という風潮が強いですが、キャリアアップのため、合わない会社で無理をしないためにも転職をする方は少なくありません。
自分の年齢と転職回数が平均的なものか、確認してみましょう。
20代の平均転職回数は2回
20代の平均転職回数は2回です。
とは言え20代はまだ入社したばかりの人も多く、まったく転職経験のない方もいます。
そう考えると、2回以上転職を繰り返している人の数もかなり多いことが読み取れます。
30代の平均転職回数は3回
30代になると平均転職回数は3回に増えます。
30代はキャリアもスキルも高まり、今後の自身の成長のためにも転職を考える人が多くなります。
一方で、異業界への転職は未経験からだと難しくなるため、30代を最後のチャンスと考える人も多いです。
40代の平均転職回数は4回
40代の平均転職回数はさらに増えて4回程度です。
40代になると未経験の職種、業界への転職は難しく、これまで積み重ねてきたキャリア、経験を活かせる企業への転職が多くなります。
経験や事績が豊富にあれば、現在よりさらに良い待遇での転職が期待できます。
(出典:厚生労働省「令和2年上半期雇用動向調査結果の概況」)
転職回数が多いと転職に不利になる理由
建築業界だけでなく、世間一般的には転職回数が多いと転職で不利になると言われています。
その理由を3つ紹介します。
すぐ離職する人を採用したくない
転職回数が多いと、企業は「この人を採用しても他の企業と同じようにすぐ離職してしまうのでは」と思ってしまいます。
同じような条件のライバルがいる場合は、転職回数が少ない人の方が有利でしょう。
転職回数が多い理由を問われた際に「自身のキャリアアップのため」と答えると、「この会社よりもキャリアアップできる会社が見つかったらすぐに転職されてしまう」と思われていまいます。
その企業でなければならない理由を明確に伝える必要があります。
その人自身に問題がある可能性が高い
転職の理由によっては、「この人自身に問題があり円滑に業務をこなせない可能性がある」と思われていまいます。
人間関係を理由に転職を考える人も多いですが、人間関係の悩みはどのような職場でも多かれ少なかれあるものです。
また、体調面で転職を検討している場合、体力が必要な建築業界では不利になる可能性が高いです。
転職理由はネガティブな表現を避け、その企業に貢献できることをアピールしなければなりません。
離職理由がネガティブな方は要注意
人間関係が嫌、給料が安い、業務内容がつまらないなど、離職理由がネガティブな場合、企業にとってもあまりよい印象を抱いてもらえません。
同じように不満を感じて離職されてしまうことを危惧し、不採用とされてしまう可能性が高いです。
離職理由や志望動機で嘘をつくことは好ましくありませんが、ネガティブな表現を和らげる、ポジティブな表現に言い換えることはできないかよく考えましょう。
重視されるのはトータルの転職回数ではない
転職理由が多くても、あなたが優秀な人材であれば採用してもらえる可能性は充分にあります。
建築業界では転職は珍しいことではありません。
労働人口が不足している建築業界において多くの企業が優秀な人材を確保したいと考えています。
そのために魅力的な待遇を用意していることも多いです。
企業が重視しているのは転職回数ではないケースも多いので、事前に下記の項目も確認してみてください。
直近3年間で何回転職しているか
直近3年程度で何回転職しているかは重視されるポイントです。
頻繁に転職を繰り返している場合は要注意ですが、数回転職した結果前職に長期間勤務していれば、転職回数はあまり気にされないケースが多いです。
前職でどのような経験をしたか、どのような実績を残したかをきちんとアピールできれば、転職回数の多さをカバーできます。
短期間での転職が多いのはなぜか
直近3年程度で転職回数が多い場合はその理由を問われることが多いです。
その理由によっては、回数の多さをカバーできる可能性が高いです。
特に近年は新型コロナウイルスの影響で、これまで通りの働き方ができなくなった人もたくさんいます。
やむを得ない事情で転職回数が増えてしまった場合は正直に事情を話し、理解を得ることも忘れないようにしましょう。
経験している業務に一貫性があるか
転職回数が多くても、経験している業務に一貫性があればカバーできる可能性が高いです。
さまざまな業務に手を出してすぐに辞めている場合は「この仕事も飽きたらすぐに辞めてしまうのではないか」と危惧されますが、同じ業務を続けているのであればスキルや実績が育っていることを認めてもらいやすいです。
その業務に対しての熱意をきちんと伝えれば、企業にもあなたの気持ちは伝わるでしょう。
転職回数が多くても採用されるための3つのポイント
採用されやすくなるためのポイントを3つ紹介します。
転職回数が多くても事情によってはカバーできます。
自身の転職回数の多さに不安を感じている方は下記の項目も参考にしてください。
転職市場をリサーチする
転職市場をリサーチし、人材の需要が高まるタイミングで転職活動をスタートさせれば、不利な条件が揃っていても転職に成功しやすくなります。
日本では毎年2月から3月にかけて転職市場が活発になります。
4月の新年度に向けて体制を整備する必要があり、より有力な人材が必要になるためです。
この時期は転職、離職する人も多く、求人情報も増え始めます。
タイミングを見計らうことで、転職に有利になることも忘れないようにしましょう。
アピールポイントは明確に伝える
自分がこれまで培ってきたこと、アピールポイントは明確に伝えましょう。
転職回数の多さを突っ込まれても、きちんと実績がある人ならば採用される可能性は高いです。
あれもこれもとアピールすると結局伝わりづらくなってしまうので、複数ある場合は「〇点お話しさせてください」など、前置きをしましょう。
転職回数は偽らない
転職回数が多いからといって転職回数を偽ると、違法行為として訴訟に発展する可能性があります。
経歴の査証は違法行為として民法にも記載されているので、必ず正直な経歴を記載しましょう。
転職理由を明確に伝えてアピールポイントなどでカバーできるよう、面接対策もしておくことをおすすめします。
転職回数よりも理由やアピールポイントを意識!
日本で転職回数が多くなると転職に不利と言われているのは、自身のキャリアアップのためではなく現状が嫌になったからというネガティブな理由で転職する人が多いためです。
年功序列の風潮が強い企業では転職回数の多さを気にされることもありますが、面接担当者が納得できるだけの転職理由と、転職回数をカバーできるだけのアピールポイントを用意すれば、回数が転職を不利にすることはありません。
事前にリサーチ、自己分析、面接対策を万全にして、理想の企業への転職を成功させましょう。