建築業界で働きたい、建築業界に興味があるという方は、業界の雰囲気が自分に合うかを考えておきましょう。
実際に建築業界で働いている人から、「建築業はやめとけ」と言われるという声もあるくらい、職場環境が劣悪なケースもあります。
なぜ建築業はそこまで評判が悪いのか、最悪な環境で働かないためにどうすればいいのか、さらに現在建築業で悩んでいる方のために転職方法も紹介します。
建築業はやめとけと言われる本当の理由とは？
建築業はその労働環境の過酷さから「3K」、「キツい、汚い、給料が安い」と言われることも多いです。
実際に建築業界を経験した人が「建築業はやめとけ」と言ってしまう理由を紹介します。
これから建築業を目指したい方、現在建築業での働き方に迷っている方は、一度客観的に建築業の労働環境を確認しましょう。
残業や休日出勤が多すぎる
建築の仕事は納期が明確に定められています。
それぞれの業務内容によって担当する業者が違うため、納期を守らないと別の業者に迷惑がかかり、納期がどんどん遅れてしまう原因になります。その場合は違約金が発生したり、業者の信頼を落とすことにつながります。
納期を守るため、残業をしてでも作業を進めなければならないというシーンは建築業では珍しくありません。
あらかじめスケジュールを組んでいても天候やトラブルで遅れることも多く、残業で間に合わない場合は休日にも出勤して働かなければなりません。
残業や休日労働が多いとプライベートな時間を持つことができず、家庭との両立ができない、休息が取れないといった問題も出てきて、結局建築業から退いてしまう人も多いです。
仕事内容の割に給料が安い
建築業の中でも現場の仕事は危険な作業を伴います。事故によって大きな後遺症が残る怪我をしてしまう方もいます。
また、現場ではなく設計やデザインの仕事も、クライアントと何度も打ち合わせをして残業を重ねて作業をしなければなりません。
業務内容の割に給料は安いのが建築業の仕事です。
大手企業か地方の工務店かによってももちろん収入は変わりますが、時給に換算すると最低賃金を下回ってしまうこともあります。
前述のとおり残業や休日労働も多い業界ですので、それに見合わないと感じることで別の業界へ転職する方も多いです。
業務に対する責任が重すぎる
建築の仕事は1ｍｍでも計算を間違えると、1つでも部品が余っていると一からすべてやり直しの厳しい世界です。
安全に利用するためには大切なことですが、その分作業をする側にとっては責任が重いです。
現場では自分の些細な行動が作業をストップさせてしまったり、自分以外の誰かを怪我させてしまったりすることもあります。
また、設計やデザインの仕事でも、クライアントがこれから先長く住み続ける、使い続ける建築物を提案しなければなりません。要望に合わない提案ばかりしていると評価が下がり、仕事を失ってしまうことも。
このように、建築の仕事は責任が非常に重たく、そのプレッシャーに精神的に耐えられない方もいます。
職人の考え方が古すぎる
建築業界で働く人は職人気質な性格の人が多いです。実際に55歳以上の高齢者が多い業界でもあり、現代の働き方に対する考え方と逆行していることも少なくありません。
会社のためにはプライベートを犠牲にしても働くべき、教えられるのではなく目で見て盗むべき、上下関係、年功序列のルールはしっかり守るべき、コミュニケーションは労働後の飲み会で…など、自分とは合わないと感じる働き方を強いられる業者も多いです。
建築業界は上司との相性も非常に重要です。上司にこのような古い考え方の人が多いと、働きにくい、自分の意見が通らないことにストレスを感じるようになります。
反対にこのような場合は職場さえ変えれば働きやすくなる可能性もありますが、一緒に仕事をする相手が頻繁に変わる現場の仕事では難しいかもしれません。
劣悪な建築現場を選ばないために
労働環境が悪い建築現場は非常に多く、そのため建築業経験者から「やめとけ」と言われてしまいます。
飛び込んでみたら最悪の環境ですぐにやめてしまった、ということのないように、まずは応募する業者の労働環境をよく確認しましょう。
新しい職場に早く慣れることも大切ですが、つらいことを我慢し続けたままでは意味がありません。職場環境を客観的に判断できる冷静さも持ち合わせておきましょう。
自分の強みを見つける
建築業の仕事を探す前に、自分の強みを見つけるようにしてください。
例えば、粘り強さに自信があるのなら下積みが長い仕事も耐えられます。正確な計算や入力が得意なら現場仕事よりCADの操作や設計の方が向いています。コミュニケーションスキルが高いのであれば現場でも円滑に人間関係を築けるでしょう。
自分の得意なことと、自分がやりたい仕事は違います。両方のバランスを考え、働きやすい、長く続けやすい仕事を選ぶことが大切です。
やみくもに労働条件ややりたい仕事、企業の知名度、実績などだけで選ぶと失敗してしまう可能性が高いです。自己分析もしっかりおこなった上で仕事を探してみましょう。
周囲と比較したり我慢したりしない
自分の強みを理解し、自分には何が得意か、何が苦手かをわかった上で仕事を選ぶことは大切です。
それができずに自分に合わない仕事を選んでいると、周囲はできているのに自分はこんなにもできない、上司の行動が自分にとっては許せないのに周囲はそれをスルーしているといったように、周囲と比較したり我慢したりしていると精神的にストレスがかかってしまいます。
自分ができないことをできている人は、あなたの得意なことが苦手かもしれません。みんな声を上げられないだけで、上司に腹を立てているかもしれません。
無理に周囲に合わせる必要はなく、合わないなら合わないで周囲に相談する勇気を持ちましょう。結果的に職場の環境が改善したり、次のステップに進む道が見えてくるでしょう。
違和感を感じたら早めの転職
建築業は過酷な労働環境が当たり前になっているところも多く、それに無理に合わせようとすると心身ともに病んでしまいます。
自分の理想とする働き方に合わない、業務上必要でないストレスが強いと感じたら、無理して続ける必要はありません。
建築業界は、スキルや経験、知識があれば転職しやすい業界でもあります。
現在働いている職場に違和感を覚えたら、早めに転職を考えましょう。同業種でも異業種でも、自分が働きやすいと感じる職場を見つけることが大切です。
同業種への転職と異業種への転職
転職をする際には、経験を活かせる同業種を選ぶか、建築業界を諦めて異業種を選ぶかは悩むポイントですよね。
そんなときは現在の職場にどんな問題があるかを考えてみてください。
職場の人間関係が悪い、労働環境が悪い場合は、同業種へ転職することでより働きやすく、それでいてこれまでの経験を活かすことができます。
建築業の将来性に期待できない、もう建築の仕事に関わりたくないという場合は、建築の知識やスキルを活かせる、ハウスメーカーの営業や不動産の仲介業者などに転職するのもおすすめです。
厳しい建築業界を生き抜くために
建築業界で働いている人から「建築業はやめとけ」と言われる理由について解説しました。
建築業界は徐々に改善しつつはあるものの、いまだに過酷な労働環境が続いている職場も多いです。
自分に合う職場ではないと感じたら、職場を変えるか、職種、業界を変えて転職先を探すこともおすすめです。
転職活動をおこなう際は、求人サイト選びも重要です。建築業界に関連する仕事が多い、また建築の経験がある人に有利な仕事が多い求人サイトを10社紹介しています。下記の記事もぜひ参考にしてみてください。