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建築士から異業種への転職はアリ?どんな就職先があるのか解説

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国家資格である建築士資格は、専門学校や大学に通い実務経験を重ねなければ取得できません。

難易度は非常に高いものの、建築士の資格を持っていなければ建築業界では活躍できません。

ですが建築業界で働くために建築士資格を取得したもののやっぱり異業種で働きたいと考える方もいます。

建築士は異業種への転職ができるのかできるとすればどんな業種が向いているのかなどについて解説します。

建築士から異業種への転職が難しいと言われる理由

建築士だけでなく建築業界で働いている人が異業種へ転職するのは難しいと言われることが多いです。

建築業界で役立つ専門的なskillや知識は異業種では役に立たず、建築について極めているからといって異業種でも成功できるとは限らないのです。

どうして建築士の異業種への転職が難しいのか、その理由を今一度確認していきましょう。

建築のスキルは異業種では役に立たない

建築士は建築の設計や現場の管理など、建築に関するさまざまな仕事ができます。

とくに一級建築士の資格を取得するには一定年数以上の実務経験が必要であり、その中でさまざまな専門のスキルや知識を身に着けていきます。

このような資格や知識、スキルは、建築業界で働くにあたってはおおいに役立ちます。

きちんとした実績があれば同業種への転職もしやすく、自身のキャリアアップにも役立てることができるでしょう。

ですが、異業種にとってはこのような建築に関する知識やスキルを求められることはほとんどありません。どんなに立派な実績があってもアピールポイントにはならず、同じ転職先を目指している他の応募者より劣った印象を人事担当に与えてしまいます。

シニア世代の転職はとくに難しい

建築業界では一人前になるまでに長い年月が必要です。

四年生の大学に通って建築士の資格を取得した場合は別ですが、高校卒業時から建築業界で働き続けて一級建築士になるまでには何十年もの年月がかかることも。

建築の仕事は非常にハードで、慌ただしい仕事に追われて転職のことを考える余裕もないという方も多いでしょう。

そして気づけばシニア世代になっていたという方も少なくありません。

シニア世代も転職が当たり前になりつつある時代ですが、これまで建築しか経験していなかった人が異業種への転職を希望しても、その企業にとっては求める人材でない可能性が高いです。

結果同業種内でしか転職できない、できたとしても同じような業務内容、待遇の仕事しか見つけられないといった事態に陥りやすいです。

資格以外の強みをアピールしにくい

国家資格である建築士は転職の際には大きなアピールポイントになります。

ですが、それ以外の強みをアピールしにくいというデメリットがあります。

建築業界でさまざまな実績を残しがんばってきていたとしても、それが企業にとって求めるものでなければ何の意味もありません。

異業種への転職を考えるなら、建築士という国家資格をアピールしつつ、建築以外で身に着けた企業が求めるようなスキルをしっかりアピールする必要があります。

建築士が異業種でも活かせるスキル

それでは、建築士が異業種への転職を考えた際に活かせるスキルとは何なのかを見てみましょう。

建築についてのアピールをしても異業種への転職では役に立たないことがほとんどです。

そればかりをアピールするのではなく、建築士の資格を活かした仕事を続ける上で気づいたさまざまな仕事で役立つスキルをアピールできるように考えていきましょう。

スケジュール管理能力

建築現場では綿密にスケジュールを立て、それを予定通りにこなしていく力が求められます。

建築の現場はさまざまなトラブルが起こりやすいですが、前もってリスクを管理する、実際にトラブルが起きた際に臨機応変に対応するといった行動力や決断力、即決力も大切です。

同時に複数のタスクをこなしたり、優先すべきタスクを選んたりと効率的に仕事をするスキルも身に着いていきます。

建築士として働いているとこのようにスケジュールを徹底的に管理し遵守することは当然になってきますが、異業種にとっては意外とスケジュール通りに仕事を進められる人は少ないものです。

このようなスケジュール管理能力をアピールすれば、異業種のマネジメントやプロジェクトの管理の仕事などに転職することができるでしょう。

コミュニケーション能力

建築の仕事は一人でできるものではなく、多くの人や企業と協力しあわなければなりません。そのためには高いコミュニケーション能力も求められます。

コミュニケーション能力とはただ愛想がいい、話しやすい、ムードメーカーであるといったようなことではなく、要点を抑えて話せる、少ないやり取りで明確に情報を伝えられる、報連相をしっかりできるといった、仕事では欠かせない重要なポイントがあります。

建築士はクライアントと打ち合わせをするだけでなく社内で設計をする担当者にクライアントの要望を伝えたり、現場で働く複数の作業員とコミュニケーションを取りながら作業を進めたり、業者と交渉や取引をしたり、さまざまな場面で人と話す機会があります。

常に同じ人とやり取りをするのではなく初対面の人ともすぐにやり取りをしなければならないため、必然的に高いコミュニケーション能力が身に着いていきます。

マネジメント能力

建築の仕事はチームワークです。

建築士を中心にして、設計士、CADオペレーター、営業販売スタッフ、そして現場の職人たちと、力を合わせて一つの建物の建築に挑みます。

その中で的確に指示を出し、チームをまとめるために必要なのがマネジメント能力です。

マネジメント能力はある程度肩書きのついた仕事であればどんな業種でも求められます。

建築士として働く中では自然とこのマネジメント能力が身に着いていきます。

異業種への転職を考える際は、建築についてのことではなくこのような部下をまとめる力、チームで仕事をする力があることをアピールするのがおすすめです。

建築士におすすめの異業種の転職先

建築士が異業種へ転職する際は、その業種もしっかり考える必要があります。

建築士として培ってきたスキルを活かしながら活躍できるのはどんな仕事なのかを改めて考えてみましょう。

デベロッパー

デベロッパーとは、土地の購入、開発、販売までを取り仕切る仕事です。

不動産の知識が求められますが、建築士としての知識も役立ち、異業種への転職としては比較的チャレンジしやすいです。

建築の仕事では住宅やビルなど一つの建物を建てることだけに尽力しますが、デベロッパーの仕事は街全体を作り上げるような大規模な仕事がメインです。

これまで以上に大きな仕事にチャレンジしたい、家作りではなく街作りに興味があるという方は、デベロッパーへの転職を考えてみましょう。

ですがデベロッパーの求人は大手の企業が出していることが多く、条件や待遇がいい代わりにライバルも非常に多いです。業界経験者、業種経験者が優遇される可能性が高いので、よりじっくり自分の強みと向き合い、自己分析や企業研究をおこなう必要があります。

不動産

不動産での仕事も建築士には向いています。

建築の仕事をする上で不動産の知識はマストですし、不動産の仕事をする上でも建築の知識は役立ちます。

不動産の仕事は土地や建物の購入、販売、さらに賃貸などを取り扱うのがメインです。

土地や建物を購入したい、売却したい、借りたいと考えているクライアントに対しておすすめの不動産を紹介したり、売却方法を提案したり、土地の査定をしたりといった仕事では、建築業界で培ってきた知識が役立つことでしょう。

不動産の購入や売却を考えている方にとっても、建築士などの国家資格を持っている人に担当してもらうことは大きな信頼感につながります。

一から教育するコストを省けるため、不動産業界でも重宝されやすいです。

製造・管理

製造や管理といった仕事も建築士が転職しやすい仕事です。

建築の仕事ではさまざまな資材や機器、家具などの製造業者との取引があります。

その中で「こんな風な資材が欲しい」「こんな風に取引したい」「こんな風に在庫を管理したい」といった気持ちが出てくることもあります。

それらの要望を仕事に活かすことができるのが製造や管理の仕事です。

建築士としての資格、現場での経験を活かして、より企業の役に立つ製造方法や取引方法、管理方法を提案できる人材として重宝されることでしょう。

公務員

建築士の異業種への転職の中でも意外と多いのが公務員です。

地方公務員として公共の施設の施工や管理の書類作成をメインにおこないます。

圏菊業界で働いているときのように現場につきっきりということはほとんどなく、書類を作成する、依頼を受け付ける、業者に申請をするといったデスクワークが中心です。

そのため体力的に現場での仕事を続けられない、それでも建築には携わりたい、建築で培ってきた知識を次の仕事にも活かしたいという方に人気があります。

また、公務員の仕事は残業が少なく安定しているというメリットもあります。

地方公務員の募集は数が少なく人気でライバルも多いですが、諦めずにチャレンジし続ける価値はあると言えるでしょう。

プロデューサー

自分の個性や感性を活かした仕事がしたいという方におすすめなのがプロデュースの仕事です。

飲食店やアパレルショップ、オフィスなどを、クライアントの希望するコンセプトに従ってプロデュースしていきます。

近年はユニークな飲食店や付加価値の高いオフィス、施設などが人気であり、このようなジャンルで知名度を上げることができれば建築士として働く以上にキャリアアップができるでしょう。

今は簡単にSNSで全世界のユニークな建物や店舗などをチェックできる時代です。デザイン会社の中には海外にも視野を広げているところも多く、今後不景気が続くと言われている建築業界から抜けだしたいという方にもぴったりです。

センスや発想力だけでなくプレゼン能力やコミュニケーション能力なども求められる仕事でもありライバルも多いです。資格だけでなくこれまでの自分のセンスを活かした仕事や、今後どんなプロデュースをしていきたいかをしっかりアピールしましょう。

コンサルタント

コンサルタントとはクライアントに対してさまざまな提案をする仕事のことです。

何のコンサルタントになるかによっても内容は変動しますが、建築士としての経験や知識を活かしたいのであれば地域の調査、街おこし、観光、イベントの企画開発などがおすすめです。

さらに公共施設や商業施設、橋やダム、トンネルといった大規模な土木工事のコンサルタントの仕事もあります。

より人が集まる土地にする、より多くの住民が住みやすい街にする、より便利な施設作りをするといった社会貢献をしたい方にはぴったりの仕事と言えます。

フリーのコンサルタントとして活躍している方も多く、今後独立や起業を考えている方にもおすすめです。

フリーランス・独立

建築士から別の仕事を始めるために、別の企業に就職するという道しかないわけではありません。

今の時代はフリーランスとして独立するという方法もあります。

ネットで簡単に仕事を募集でき、自分の仕事がSNSで有名になれば高い広告宣伝費を支払わずとも知名度を高めることができます。

フリーランスとして働けば、より自由な働き方ができます。建築士としての資格を活かしてデザイン、コンサルタント、プロデュースなど複数の仕事を一度に担うこともできます。

一つの業種に縛られることなく、何でもできるのがフリーランスの大きな強みです。

また、このようにして複数のジャンルの仕事をすれば一つがうまくいかなかったとしても最低限の収入を確保し続けられます。フリーランスとしての仕事が軌道に乗ってきたら会社を立ち上げたり、ビジネスパートナーを見つけて共同で仕事を獲得していくといったことも可能です。

さまざまなビジョンを持つことができるフリーランスですが、その分収入が確定しているわけではないので危険な場合もあります。

なんとなくかっこいいから、企業に縛られたくないからといった理由で独立するのではなく、フリーランスとしてどんな風に成長していきたいかを明確にすることで進むべき道が見えてくることでしょう。

建築士が異業種への転職を考えた際に始めるべきこと

建築士が異業種への転職を考える際に何から始めるのがいいのかについて解説します。

やみくもに転職サイトを漁っても自分のやりたい仕事や向いている仕事、あなたを求めている企業を見つけることはできません。

前持ってしっかり準備を進め、より成功できる道を選ぶようにしましょう。

副業としてチャレンジする

これまでの建築士としてのキャリアを捨てていきなり異業種へ転職するのは怖いという方はまず副業として異業種の仕事にチャレンジしてみるのもおすすめです

現在勤務している企業が副業OKかどうかを確認してから、副業として始められるアルバイトや業務委託の仕事を探してみてください。

平行して続けられるようであれば副収入を得ることができますし、異業種の仕事の感覚が掴めてきたところで本格的に転職を考えるのもおすすめです。

業務委託の仕事の量を増やして最終的には退職後フリーランスとしてすぐ活動をスタートさせるといった働き方もあります。

転職の理由を明確にする

なぜ異業種へ転職したいのか、その理由を明確にしないことには企業に就職したとしても働き方に納得できません。

建築士の仕事は肉体的にだけでなく精神的にも非常にハードな仕事です。ですが、それだけの理由で異業種に転職してしまうとせっかく取得した国家資格やこれまでの実績がもったいないですよね。

建築士の資格を活かしつつ無理のない働き方ができるのはどんな仕事なのかを考えてみましょう。

また、建築士としてだけでなくもっと建築や不動産に携わる仕事、大規模な仕事、キャリアアップできる仕事がしたいという方は、さらにそこから具体的な理想を書き出してみましょう。やりたいことをピックアップしていくことで、自分が異業種へ転職したい理由が見えてきます。

転職先でのキャリアプランを考える

建築士から異業種への転職が成功したとして、その後のキャリアプランを考えておくことも大切です。

先述の通り建築系の仕事で身に着けた専門的なスキルは異業種では役に立たないことがほとんどです。そのため、建築系から異業種へ転職できたとしても思うようにキャリアアップできない、中間管理職のまま終わってしまう、異業種でのキャリアがないため一からキャリアを作っていかなければならないといった問題もあります。

まったく建築に携わらない異業種へ転職するのか、建築の知識が役立つ業種へ転職するのかによっても考え方は大きく変わります。

自分自身が納得し、そして自分自身をより成長させてくれるのはどんな仕事なのかを改めてじっくり考える時間を作りましょう。

自分のアピールポイントを考える

建築士の資格を持っているというのは建築業界や不動産業界への転職では大きな強みになりますが、それ以外の業種への転職を考えたときにはあまりアピールポイントにはなりません。

同じように、建築士として業界で残してきた実績などにも興味がない企業がほとんどです。

「建築」という枠に縛られず、自分にはどんな強みがあるのかを転職活動を始める前に考えてみましょう。

建築士としてのキャリアがある方は上記で紹介したようなマネジメント能力やコミュニケーション能力、スケジュール管理能力などが高い方が多いです。

企業がどのような人材を求めているのかを研究し、自分がなぜその企業にふさわしいのか、企業が自分を採用することでどんなメリットがあるのかをしっかりアピールできれば、異業種への転職もスムーズに進めることができるでしょう。

建築士から異業種への転職を目指そう

建築士から異業種への転職について解説しました。

建築業界でのスキルや知識は専門的なものが多く同じ業界の中では役立ちますが、異業種へ転職したいときには注意が必要です。

自分にはどのような強みがあるのか、どんな働き方、どんな業種が合っているのかを改めてしっかり考え、今後のキャリアプランを立てていきましょう。

やみくもに転職先を探すのではなく、自己分析や企業研究をおこなうことで、難しいとされている異業種への転職も成功しやすくなります。

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