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建築士の資格は通信大学でも取れる?授業内容やスケジュール

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建築士の資格を取得するためには国家資格の試験を受けなければなりません。

その合格率は10%から20%と非常に厳しく、合格のためにはしっかりと建築について学ぶ必要があります。

4年制の大学で学ぶ方法が一般的ですが、社会人の方や進学せずに就職した方にとっては大学に通うのは難しいです。金銭的な理由から大学には通えないという方も多いでしょう。

そこでおすすめしたいのが通信大学です。

通信大学なら、働きながらでも自分の都合に合わせて建築の勉強ができます。

通信大学でも建築士の資格を取得できるのか、通信大学ではどのようなことを学ぶのかなどについて解説します。

建築士の資格を取得したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

通信大学と通信講座は違う!

通信と聞くと真っ先に通信講座を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

通信講座は資格取得のための勉強ができるテキストや映像などを与えてくれる便利なシステムです。

ですが通信講座を受けるだけでは意味がなく、試験に落ちてしまえば何も残りません。

一方で通信大学大学に通うのと同じカリキュラムが組まれており、卒業後は大学卒業認定が与えられます。

さらに、建築士の国家資格の試験を受けるにはいくつかの条件があります。

通信大学で建築についてのいくつかの課程を修了すれば、建築士資格の受験資格が与えられます。

通信講座では国家資格を取得するための条件を満たせないことが多いですが、通信大学であればその条件を満たせます。

きちんと国から認められているという点で、通信大学と通信講座は大きく違うのであらかじめ理解しておきましょう。

ちなみに、通信大学であってっも卒業後の最終学歴は大卒ということになります。

通信大学の授業内容

通信大学ではどのように学ぶのか、どんなことを学ぶのかについて解説します。

通信とは言え通学が必要だったり、時間をしっかり捻出する必要があります。

簡単そうだからという理由で安易に通信大学を選ばないようにしましょう。

基本的には自宅学習

通信大学はその名の通り通学せずに通信で学ぶことができる大学です。

そのため基本的には自宅でオンライン授業を受講するスタイルになります。

パソコンやスマホを通して授業を受けたり、課題をこなしたりするのが主な内容です。

一般的な大学では教授の雑談などを交えて授業をおこなうことも多いですが、通信大学の場合はこのような無駄な時間がないことがほとんどです。

通信大学は授業内容の質が高くなければしっかり学べませんし、一般的な大学と同じようにすぐ質問したり専門的な勉強がしにくいです。

そのため通信用の授業にはより力を入れている大学も多いです。

授業は好きな時間に受けられるものと、決められた時間に配信されるものがあります。日中は仕事で勉強をする時間を取れないという方は、好きな時間、好きな場所で授業を受けられるタイプの通信大学を選ぶ必要があります。

一定以上の通学学習も必要

通信大学と言ってもネットの授業を聞くだけで単位を取得できるわけではありません。

一定以上の通学学習も必要です。

これを一般的にスクーリングと呼びます。

スクーリングの頻度は通信大学によって違いますが、月に数回から数か月に一度のところもあります。

スクーリングの頻度が低ければ仕事をしながらでも多少遠い大学でも続けやすそうですが、その分課題が多かったり難しい課題が出されたりするので注意してください。

建築士資格試験の受験条件にはいくつかの単位の取得が必須ですが、授業を受ければ取得できる単位スクーリングをして取得しなければならない単位、さらに課題を提出して取得できる単位などががあります。

どちらの単位も取得しなければ建築士の国家資格の試験の受験条件は満たせないので注意してください。

指定日に通学しなければならない

スクーリングは好きなタイミングで通えばいいというものではなく、あらかじめ決められています。

曜日は土日のことが多いです。

頻度は上記で紹介したように通信大学によって違いますが、中には土日を中心にスクーリングの日程が組まれている通信大学も少なくありません。働きながら通学する人のための配慮ですが、中には土日に休みにくい仕事をしている方も多いでしょう。

このスクーリングの指定日に仕事が入っていたり育児や家庭の事情で通えなかったりすると、単位を取得できなくなってしまいます。

スクーリングの日程は事前に告知されているので、その日は仕事を休む、家事や育児は家族に代わってもらう、託児サービスを利用するなどしてスクーリングを優先させる必要があります。

課題制作が多い

通信大学では一般的な大学とは違い教授と生徒の距離が非常に遠いです。

生徒一人ひとりをしっかりと見るために、課題がたくさん課されることが多いです。

課題をきちんとクリアできているかどうかで生徒の授業の理解度をチェックします。

同時に、きちんと課題をクリアしていなければ成績に加味されず、単位を落としてしまいます。

スクーリングの際に制作した課題の提出を求められることがほとんどです。実際に目の前で課題を見てもらい、教授から直接アドバイスをもらうこともできます。

自宅学習の際にも課題を出されることがほとんどです。ただ座って授業を受けていればいいというわけではなく、きちんと学んだ上でそれを課題に反映させなければなりません。仕事から帰ってきたあと、休日は課題制作に時間を費やす日々になることを覚悟しておきましょう。

専門的な課題を出されることも

建築系の仕事をしながら建築士資格の受験資格を得られる通信大学に通っているのではなく、異業種から建築業界へ転職するために通信大学に通っているという場合、建築の専門的な課題を出されて戸惑ってしまう可能性が高いです。

通信大学では教授や周囲にアドバイスをもらうこともできず、一人で解決しなければなりません。

当然のように出てくる専門用語を一つひとつ調べたり、課題で出された難しい製図をソフトを使いこなして作成したりしなければなりません。

建築の基本的な知識がないまま通信大学に通い続けるのは、最初は非常に大変です。

正しい知識をスピーディーに身に着けられるよう、通信大学が用意したもの以外のテキストや参考書などを購入して学ぶ必要もあります。

とくに製図の課題は非常に難しいです。専用のソフトをダウンロードすれば誰でも練習できますので、課題以外にも製図に慣れられるよう練習しておきましょう。

働きながら通信大学を卒業できる?

ネットを通して授業を受け、休日はスクーリングに時間を費やしても、課題をきちんとこなしていなければ単位は取得できません。

単位を取得できなければ次の別の授業を受けることができず、2年生になれません。通信大学であっても留年ということはあり得ますので気を付けてください。

通信大学は社会人でも卒業することはできますが、その可能性は非常に低いです。

最短で卒業できる人はもっと少なく、課題やスクーリングのクリア度合いによっては留年をして何年もかけて通信大学を卒業する人もいます。

一般的な大学とは違い通信大学は自分から授業を受ける姿勢、課題をこなす時間を作る姿勢が必要です。何年もモチベーションを維持し続ける必要があります。

通信大学に必要な学費

通信大学に通いたいと思ったときに学費が気になるという方も多いでしょう。

通信大学であっても高額な学費が必要です。

通信大学によっても学費はさまざまですが、一般的には一年間で30万円から70万円の学費を用意しなければなりません。

通信大学は一般的に4年間通う必要があり、留年すればさらにもう一年分の学費を支払わなければなりません。

学費を用意できない場合はローンを汲んだり奨学金制度を利用するという方法もありますが、将来長期間を返済に充て続けなければならないことも覚悟しておきましょう。

学費以外に必要な資金

通信大学には学費以外にも必要な資金がたくさんあります。

どのような資金があるのかを見てみましょう。

最低限の学費しか用意しておらず、結局お金が足りなくなって卒業を諦めてしまうということのないようにしてください。

入学選考料

通信大学は誰でも通えるというものではなく、入学するのにふさわしいかどうかを見極めるために資料を提出しなければなりません。

この入学選考のための費用が請求されます。

費用は1万円程度です。

一般的な大学から通信大学に編入する際は編入学金も必要です。

入学金

通信大学に入学が認められたら、次は入学金が必要です。

この入学金は5万円前後の通信大学が多いです。

期日までに入学金を支払わなければ、せっかく入学が認められたのに取り消しになってしまうので注意してください。

入学金を支払う際に一緒にテキスト代やスクーリング代を支払うケースもあります。

スクーリング受講料

実際に一般的な大学のようなスタイルで教室に集まって授業を受けるスクーリングのための受講料もかかります。

スクーリングの授業料は1つの授業につき1万円前後必要なケースが多いです。

一年間の授業料がスクーリング受講料込みの金額になっている通信大学もありますで、学費を比較する際はこの金額もよく確認しておくようにしてください。

スクーリングの回数が多い通信大学の場合はスクーリング受講料だけでもかなりの高額になりますので注意しましょう。

テキスト代

建築を勉強するためにはさまざまなテキストが必要です。

授業に必要なテキストを購入するための費用もかかるので注意してください。

テキスト代は一見高額に見えますが、大学で学ぶべき適切なテキストのみを購入できます。独学であれこれ購入するよりも効率的と言えます。

建築についての知識がまったくない方や、ソフトの扱い方がわからないという方は、大学が指定するテキストの他に専門書、参考書を購入する必要もあります。

交通費

スクーリングの授業を受けるためには大学に向かわなければなりません。

そのためにかかる交通費も考えておきましょう。

通信大学だからといって遠くの大学を選ぶと、スクーリングの際に数千円から数万円の交通費がかかってしまいます。

宿泊しなければ帰れないということになるとさらに宿泊費もかかります。

カリキュラムが充実している、建築士の合格率が高いなどのポイントも通信大学を選ぶ上で大切ですが、現実的に通える距離であるかどうかも確認しましょう。

通信大学を選ぶ際のポイント

建築士資格の受験資格を得られる通信大学はたくさんあります。

その中でどの通信大学を選ぶべきなのかは非常に難しい問題です。

通信大学を選ぶ際に考えるべきポイントについて解説します。

学費

まずは学費が気になるという方も多いでしょう。

通信大学ごとに数十万円もの違いがあります。

ですが、安ければいいという問題でもありません。

高額な学費が必要な通信大学にはあらかじめスクーリング受講料が含まれているなどの理由がある場合もあります。

さらに、カリキュラムが充実している、有名な建築士の授業を受けられる、建築士の合格率が高いなどの理由で学費が高めに設定されている通信大学もあります。

通信大学を選ぶ際は学費だけでなく下記のようなポイントもチェックして、総合的に学費と内容が釣り合っていると感じる通信大学を選びましょう。

授業内容

各通信大学の授業内容もチェックしてください。

取得したい単位はあるか、学びたい分野を学べるか、どれくらいの内容まで掘り下げてくれるのかなどを事前に確認しておくことは大切です。

建築士資格の受験条件を満たすだけならどの通信大学でも同じですが、建築士資格を取得したあとのことも考えましょう。

建築業界でどのように活躍したいか、どんな仕事をしたいのかによって学ぶべき内容も変わってきます。

テキスト内容

購入すべきテキストの内容もあらかじめ確認できるようならしておきましょう。

充実した内容のテキストなのか、専門的な内容を学べるテキストなのかなどです。

一般的な書店で購入できるテキストもありますが、中には入学時に取り寄せなければならないテキストもあります。

内容が充実したテキストを揃えることができれば、授業中以外の通勤時間やちょっとしたすき間時間にも建築についての知識を蓄えられます。

合格率や実績

その通信大学の建築士試験の合格率もチェックしてください。

毎年どれくらいの人数が合格しているのか、そして何年くらいの実績があるのかも重要です。

学費が安い、家から近いなどのメリットがあっても、実績が少なければ自分も資格試験に合格するのは難しいかもしれません。

反対に実績があり合格率が高い通信大学であれば、カリキュラムが充実していたり試験対策を徹底していたりする可能性があります。

高い学費を払い、プライベートな時間を勉強や課題制作に当てるのであれば必ず合格したいですよね。そのためにはきちんと実績のある通信大学を選ぶ必要があります。

サポート内容

通信大学のサポート内容についてもチェックしておきましょう。

資格試験対策をしてくれる、模擬試験をおこなってくれる、さらに課題のフィードバックを丁寧におこなってくれるなどのサポートは重要です。

課題を提出して、何が間違っているのか、どう改善すればもっとよくなるのかなどを教えてもらえれば、よりスピーディーにスキルを身に着けられます。

反対に提出して点数だけつけられて返されるような内容であれば、何がいけなかったのかを自分で見つけなければならず、余計な時間がかかってしまいます。

また、通信大学の中には就職サポートをしてくれるところもあります。

建築士の資格を取得したあとどのように仕事に活かすかは人それぞれですが、異業種から転職したいという場合にはこのような就職サポートは役に立つでしょう。

就職だけでなく進路やこの先の授業を受ける際の相談に乗ってくれるサポートセンターがあるとより安心です。

社会人が通信大学を卒業するために準備すべきこと

社会人になると週に5日働いて残りの2日を勉強に費やさなければならない通信大学との両立は非常に難しいです。

建築士資格の試験を受ける条件を満たすためにもしっかり学ぶ必要があります。

そのためにどんな準備をすべきかを確認しておきましょう。

スケジュールをしっかり立てる

通信大学に通う前にしっかりとスケジュールを立てましょう。

通信大学も一般的な大学と同じように4年間程度続けなければなりません。

4年間のスケジュールをしっかり立てることで、順調に授業を受け続けられるでしょう。

転職する可能性がある、転勤する可能性がある場合は、スクーリングに影響が出るかもしれません。

結婚や出産によって自宅での学習や課題制作が間に合わなくなる可能性もあります。

長くモチベーションを維持し続けるためにも、スケジュールを立てておくことは大切です。

万が一スケジュール通りにいかなかった場合の代替案も考えておき、臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

周囲からの理解を得る

平日は働き、土日は課題制作に費やし…という生活は非常に大変であり、自分自身だけでなく周囲に理解を得なければ続けられない場合もあります。

とくに結婚している、家庭のある方の場合、応援してくれる環境が整っていなければなかなか勉強や課題制作、スクーリングに休日を費やすことができなくなってしまうでしょう。

職場にも通信大学に通っていることを理解してもらい、スクーリングの日にはシフトを入れないようにしてもらう、残業などを少なくしてもらう、転勤をなくしてもらうなどの対応をしてもらう必要もあります。

建築系の会社に勤めているのであればこれらの理解も得やすいので、ぜひ相談してみてください。

息抜き方法を見つけておく

通信大学での勉強を続けるためには休日だけでなく仕事終わりにも勉強や課題制作をこなさなければなりません。

最初はまた学べるのが楽しい、資格を早く取得したいと意気込んで続けられても、そのモチベーションがいつまでも続くわけではありません。

ときにはストレス発散のための息抜きも必要です。

旅行をする、友人と遊ぶなどの息抜きはもちろん、軽く運動をする、料理をするなど、自宅で簡単にできる気分転換の方法もいくつか用意しておきましょう。

楽しむときはとことん楽しみ、勉強するときはしっかり勉強をするといったメリハリのある生活を送ることでまたがんばろう!とモチベーションを維持できますし、より充実した毎日を送れるようになります。

通信大学に通って建築士を目指そう

通信大学に通って建築士を目指すことは可能です。

ですが通信大学はそもそも数が少なく、スクーリングや課題など大変なことも多いです。

最短で卒業して受験資格を得、さらに試験に合格するためには高い集中力が必要です。

社会人として仕事を続けながら大学に通う覚悟があるのか、スケジュールをきちんと調整できるのかなどをよく考えてから行動に移しましょう。

通信大学を選ぶ際は学費だけでなくカリキュラム内容やサポート内容もチェックして、より建築士資格の取得への近道となる通信大学を選ぶことが大切です。

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