住宅を建てる際にハウスメーカーを選ぶ方は多いです。
近年は注文住宅ではない既存の住宅でもデザイン性が高いものを提供しているハウスメーカーも多く、安全性や快適性、エコな構法を取り入れているハウスメーカーもたくさんあります。
知名度が高く依頼する際に安心感があるというのもハウスメーカーを選ぶ際の大きな決め手となるでしょう。
ですがハウスメーカーと一口に言っても、それぞれに特徴は大きく違います。
住宅の建設を依頼する際にハウスメーカーのどんな点をチェックすればいいのか、比較ポイントや失敗しないためのコツを紹介します。
ハウスメーカーの比較ポイント
ハウスメーカー選びを適当に済ませてしまうと、あとから要望が通らなかったり思い描いていた家づくりができなくなったりしてしまう可能性が高くなります。
最初の段階の選び方が非常に重要ですので、比較ポイントをしっかりチェックしておきましょう。
好みのデザインの住宅があるか
ハウスメーカーはさまざまなモデルを提案しています。
その中から、好みのデザインの住宅があるかどうかを見てみてください。
注文住宅ならより理想の住宅を建てられますが、予算がなかったり知識がなかったりすると難しいですよね。
既存のモデルでもデザイン性が高い、さまざまな暮らし方に対応している、長く住み続けられる工夫が詰まったデザインもたくさんあります。
部屋数が多い、広々とした空間を確保できる、水回りが快適など、家族の要望も取り入れつつ理想のデザインを探しましょう。
金額は予算内に収まるか
住宅を建てる際に予算を決めておくことは大切です。
最初に予算を決めておかないと、オプションを付け足したりしてどんどん総額が跳ね上がってしまいます。
「これ以上は払わない」としっかり上限を決めておくことで選択肢もある程度限られ、あれこれと悩む必要もなくなります。
ハウスメーカーでは最低限の金額のみを表記しており、より理想の住宅にするためにはオプションをつけなければならないことも多いです。それを踏まえた上で予算内に収まる買い物ができるかどうかをしっかり見極めてください。
アフターフォローの内容
家は建てたら終わりではありません。その後何十年も住み続けるものですから、アフターフォローの充実度もかならずチェックしておきましょう。
10年のメンテナンスサービスがついているハウスメーカーは多いですが、さらに20年、30年と長くフォローをしてくれるハウスメーカーもたくさんあります。
長期的なフォローが確約されていても小規模なハウスメーカーや工務店では倒産してしまう可能性もあります。
長く安心して住み続けたいのであれば、倒産の可能性が低いある程度大手のハウスメーカーを選ぶこともおすすめです。
アフターフォローの内容も確認しておいてください。点検やメンテナンスをおこなってくれる、リフォームの相談に乗ってくれる、無料で保証がついてくる、有料のプランに申し込まなければならないなど、ハウスメーカーによってアフターフォローの内容は違います。
そのメーカーならではの強み
ハウスメーカーによってさまざまな特徴があります。
そのメーカーにはどんな強みがあるのかを確認しましょう。
耐震性が高い独自の構法、夏は涼しく冬は暖かく過ごせる素材、地球環境に優しい設計など、そのハウスメーカーが得意としている、研究をしている分野をチェックしてみてください。
自分がどんな家づくりをしたいか、家づくりのコンセプトに合うかどうかを考えながら選ぶと理想のハウスメーカー選びをしやすくなります。
どんな強みがあるのかわかりにくい場合は、ハウスメーカーに相談する際にスタッフに直接聞いてみるのもいいでしょう。そのハウスメーカーに勤めるスタッフが自信を持って教えてくれるのはどんな強みなのかがわかりますよ。
スタッフの対応やサービス
品質や価格はハウスメーカー選びにおいて非常に重要ですが、どのハウスメーカーもよくて選べないと思ったらスタッフの対応にも注目してみましょう。
いつでも親切に、スピーディーに相談に乗ってくれる、無理に契約を迫ったりしない、高額なオプションを勝手につけないなど、当たり前のことではありますが相性が合わないスタッフもいます。
意思疎通がきちんとできないと実際の住宅作りが始まったときにもトラブルになりやすいです。
横柄な態度を取る、担当者がころころ変わって何度も同じ説明をしなければならないなどのスタッフがいるハウスメーカーにも注意しましょう。
大手ハウスメーカーを選ぶメリット
ハウスメーカーには全国規模の大手から地域密着型の小規模なものまでたくさんあります。
その中でもやはりおすすめなのは大手のハウスメーカーです。
大手ハウスメーカーにはどのようなメリットがあるのかを紹介します。
資材が豊富に揃っている
大手のハウスメーカーは資材が豊富に揃っているという特徴があります。
全国で住宅を建てられるので一度で大量の資材を安く仕入れることができ、人気の資材を選んでも比較的安い金額で依頼しやすいです。
小規模なハウスメーカーや工務店の場合はどうしても仕入先や一度に仕入れられる量が限られており、希望する資材が使えない、費用が高額になる可能性もあります。
地球環境に優しい資材、耐久性が高い資材、断熱性に優れた資材、デザイン性の高い資材など、どんな家づくりをしたいかによって選ぶべき資材は変わりますので、選択肢がたくさんある大手のハウスメーカーはおすすめです。
高性能で快適な住宅に住める
大手のハウスメーカーはただ住宅を建てるだけでなく、建築について独自の研究をおこなう部門もあるところが多いです。
耐震性を高める構法や耐火性を高める素材作り、騒音対策、室温を調整する機能など、より安心して、より快適に暮らせる家づくりのために何ができるかを日々研究しています。
そのため、大手の方が最新の研究結果を反映した高性能な家を作ることができます。
ハウスメーカーによってこだわっている部分、特化している部分は大きく違います。
自分の理想を叶えてくれる高性能な家をお探しの方は大手のハウスメーカーに相談してみましょう。
安定した品質が期待できる
大手のハウスメーカーは、キッチンや浴室などをあらかじめ工場で作ってから住宅に組み込むという方法を取っているところも多いです。
一つの工場で同じスキルや機械を使って作っているため、依頼したエリアによって品質に差が出るということがありません。
さらに依頼してから作るのではなくすでに作られているものを住宅に組み込むだけなので、工事がスタートしてから完了するまでの期間も短く、速やかに完成させられるというメリットもあります。
ハウスメーカーを比較する方法
ハウスメーカーの比較しておきたいポイントについて紹介しました。
それでは次に、どのようにして比較すればいいのかについて解説します。
テレビCMや公式サイトを見ただけではわからないこともたくさんありますので、慎重に比較を進めていきましょう。
実際に複数のハウスメーカーに相談する
まずは実際にハウスメーカーに相談してみましょう。
窓口で相談することで、CMや公式サイトだけでは見えなかったハウスメーカーのこだわりや細かい点まで見えてきます。
理想の家や予算を伝えることで最適なプランを提案してくれたり、実際に見積もりを取ってくれたりもして、参考にしやすいです。
住宅展示場で比較してみる
最初から一つのハウスメーカーに相談しに行く勇気がない、どんなハウスメーカーがあるのかわからないという方は住宅展示場に行ってみましょう。
広い展示会場に複数のハウスメーカーがそれぞれの強みを活かしたモデルルームを展示しています。
その場で資料をもらったり説明を受けたりすることもでき、一度のお出かけで簡単に複数のハウスメーカーを比較できます。
その中から気になるハウスメーカーを絞り、後日個別に相談しに行くという方法がおすすめです。
ですが住宅展示場はその会場によって参加しているハウスメーカーが違います。魅力的なハウスメーカーが参加していなかったり、大手のハウスメーカーしか参加していなかったりしますので、あらかじめ参加しているハウスメーカーはチェックしておきましょう。
ネットの口コミも調べる
公式サイトだけでなく、掲示板やSNSでの口コミもチェックしてみてください。
実際にそのハウスメーカーに依頼した人のリアルな声を聞くことができます。
相談したときは対応が親切に感じても、実際には契約を迫られた、高いオプションを付けられた、手抜き工事の可能性があるなど、意外な落とし穴があるかもしれません。
すべてのハウスメーカーにメリット、デメリットがあり、人によって相性は違います。悪い口コミも鵜呑みにせず、どうしてそのようなことになったのかをよく考えると対策が見えてきます。
アドバイザーを利用する
どのハウスメーカーに依頼すればいいかわからない、比較ポイントがわからない、自分がどんな家づくりをしたいのか見えてこないという方は、専門のアドバイザーを利用するのもおすすめです。
第三者視点であなたの作りたい家にマッチするハウスメーカーを提案してくれます。
アドバイザーはもともとハウスメーカーや工務店など、建築業界に携わっていた人が多いです。そのためより専門的な視点からハウスメーカーを選ぶポイントを紹介してくれます。
費用はかかってしまいますが、それでも適当に決めて後悔することになるよりは安心です。
どうしてもハウスメーカーを決められないという方は、このようなアドバイザーを利用することも検討してみてください。
ハウスメーカーを選ぶ際の注意点
ハウスメーカーを選ぶ際はさまざまな点に注意しなければなりません。
適当に選ぶと理想の家づくりができなくなる可能性もあります。
知名度だけで選んだり、比較を怠ったりしないよう、ハウスメーカーはじっくり時間をかけて選ぶようにしてください。
ハウスメーカー選びの際に注意したいポイントを5つ紹介します。
知名度だけで選ばない
テレビCMでよく見かけるハウスメーカーは安心感がありますが、すべての人に適しているとは限りません。
費用が高かったり選択肢が少なかったり、既存のモデルが自分の理想の家にマッチしない可能性もあります。
また、テレビCMや広告などをたくさん出しているハウスメーカーはその分広告宣伝費に高額を支払っています。その分まで家づくりの費用に含まれているということを十分に理解した上で相談しましょう。
あまりCMや広告で見かけなくても、真摯に対応してくれる、最新の研究を取り入れている、理想の間取りのモデルがあるハウスメーカーもたくさんあります。受動的に選ぶのではなく、自分からさまざまなハウスメーカーを調べて能動的に選ぶことが大切です。
最初から一社だけに絞らない
ハウスメーカーを選ぶ際は最初から一社に絞るのではなく、必ず複数のハウスメーカーに相談してください。
一社だけにしか相談せずに決めると、モデルや構造の違い、費用相場、対応、工期などの目安がわかりません。
不満に思うことがあっても「こんなものなのかな」で済ませてしまい、あとから問題のある対応だったことが発覚することも珍しくありません。
複数のハウスメーカーに相談をするのは時間も手間もかかりますが、家は人生の中でも非常に大きな買い物です。後悔しないために、じっくり時間をかけて慎重に選ぶようにしましょう。
工期的にも気持ち的にも余裕を持って、「今決めるつもりはない」とあらかじめスタッフに伝えておくのもいいでしょう。
知人からの紹介は慎重に
先に家を作った経験のある知人に家づくりについて相談するのはおすすめですが、紹介されたハウスメーカーを利用するのは要注意です。
その知人にとっては最適なハウスメーカーだったとしても、あなたの理想に合う家づくりをおこなってくれるかどうかはわかりません。家づくりで大切にしていることは人それぞれで大きく違います。
もちろん薦めるだけの理由もあるかもしれませんが、最終的には自分に合うかどうかをしっかり見極める必要があります。
また、もしそのまま知人からの紹介を受けてそのハウスメーカーに依頼した場合、不満があっても知人との関係性を崩せないため言い出しにくいという可能性もあります。
土地の購入は慎重に
家づくりをハウスメーカーに依頼する前に土地を購入してしまうという方法もありますが、場合によっては注意が必要です。
ハウスメーカーの中には土地をすでにたくさん持っており、その中から選んでもらって土地と住宅をまとめて販売するというプランを用意しているところもあります。この場合土地と建物を別々に購入するよりも総額を抑えられます。
また、土地の中には建築条件付きの土地もあります。この条件とは、一定期間内に指定のハウスメーカーで住宅を建てなければならないというものです。
この条件付きの土地を購入してしまうと他のハウスメーカーに依頼することができませんので、あとからいいハウスメーカーを見つけても、指定のハウスメーカーに不満があっても変更は不可能です。
すでに土地を持っている、土地を購入してしまったという場合は別ですが、これから土地選びもハウスメーカー選びもスタートさせるという方は先走らないように注意してください。
無理な営業には注意
ハウスメーカーの営業担当者に相談する中で、契約を急かしてくるような場合は注意しましょう。
営業担当者はハウスメーカーの中でも非常に重要なポジションです。営業担当者が契約を取ってこなければそのハウスメーカーは仕事を始めることができません。
そのため、多くの営業担当者は一件でも多く契約を取ろうと必死になっています。仕事なので仕方のないことではありますが、自社の利益を優先する、自分の売り上げを伸ばすといったことだけに目が向いているかもしれません。
そうするとこちらの要望を聞いてくれなかったり、勝手に話を進められたりと、理想の家づくりができなくなってしまいます。
お客様目線になって話を聞いてくれるか、さまざまな提案をしてくれるか、契約しなくても待ってくれるかなどを見てみましょう。
押しに弱いという方は一人で相談しに行くのではなく、家族や信頼できる知人と一緒に相談し、一旦持ち帰って考えるようにするといいでしょう。
理想の家を作ってくれるハウスメーカーを見つけよう
家づくりに重要なハウスメーカーの選び方について紹介しました。
ハウスメーカーを選ぶ際は知名度だけで決めず、どんな強みがあるのか、予算内に収まるか、アフターフォローは充実しているかなどに注目する必要があります。
ハウスメーカーを比較するためにはまず自分の家づくりのコンセプトをしっかり決めることが大切です。自分の理想を叶え得るお手伝いをしてくれるハウスメーカーを見つけましょう。
実際に複数のハウスメーカーに相談することも大切ですが、さらにネットで口コミを調べたり、プロのアドバイザーの意見を取り入れたりするのもおすすめです。
住宅は一生の一度の買い物になる方も多いですので、後悔しないためにもじっくり慎重に理想のハウスメーカーを探してくださいね。