家を建てる際にはハウスメーカー選びが重要です。
ハウスメーカー選びに失敗すると、どんなにお金をかけても、どんなに理想をきちんと持っていても、要望通りの家に仕上がりません。
家は一生に一度あるかないかのとても大切で高額な買い物です。後悔することのないようにハウスメーカーは慎重に選びましょう。
評判の悪いハウスメーカーの特徴や、ハウスメーカー選びに失敗しないための注意点などを紹介します。
評判の悪いハウスメーカーの特徴
まずは評判の悪いハウスメーカーの特徴を確認しましょう。
実際に打ち合わせを進めていく中でこのような不安な点がある場合は契約を再検討する必要もあります。
不安なまま契約をして結局失敗するということのないようにしてください。
担当者の態度が悪い、対応が遅い
ハウスメーカーへのクレームの中でも非常に多いのが、担当者の態度が悪い、対応が遅いといったものです。
横柄な態度で高圧的に説明をされてしまうと、建築や家作りについての知識がない依頼側は萎縮してしまいますよね。要望を伝えると笑われた、すべて否定されたというケースもあります。
お客様の立場になって親身に相談に乗ってくれる、こちらの要望を可能な限り叶えようと努力してくれるハウスメーカーを選ぶようにしてください。
また、不明点があるためメールや電話で連絡したのになかなか返事がない、メールを確認していないなどの担当者の対応漏れもあります。
きちんとしたハウスメーカーであれば担当者はスピーディーに対応してくれることがほとんどです。万が一対応が遅れたとしても謝罪してくれますので、そのような細かいポイントも見ておきましょう。
担当者に知識がない
家作り自体について、またモデルの内容について、オプションについて、費用についてなど、初めての住宅購入はわからないことばかりです。
そんなときに頼りになるのが、そのハウスメーカーの知識を豊富に持っている担当者です。
ですが担当者に質問しても答えてくれない、答えを聞くまでにいちいち時間がかかる、ネットで調べたような知識しか教えてくれないといったようでは信頼できません。
本当に聞きたいことが聞けなかったり、間違った情報を答えられたりする可能性もあります。
担当者に不信感がある場合は別のスタッフにも説明を依頼する、または別のハウスメーカーを選ぶ必要があります。
きちんと説明してくれない
説明不足だった、あとから説明されたというクレーム内容も多いです。
構法についてやオプションについて、さらに料金について説明不足に感じる方はとくに多いです。
最初の見積もりと最終的な請求金額が大きく変わったということのないよう、予算についてもきちんと打ち合わせをし、納得できる説明を受けられるかチェックしておいてください。
また、セミオーダーの注文住宅の場合こちらの要望がかならずすべて通るわけではありません。その際になぜその要望が叶えられないのかをきちんと説明してくれる、代替案を提案してくれるなどのスタッフの対応にも注目しておくべきです。
利益ばかりを優先する
ハウスメーカーの営業担当者は一か月に何件、年間何万円以上などのノルマが課せられていることが多いです。
ノルマを達成し契約を多く取れば取るほどその営業担当者にインセンティブが入るというシステムのハウスメーカーも少なくありません。
そのため、中にはお客様目線ではなく自分や自社の利益ばかりを考えている営業担当者もいます。
こちらの要望を聞かずに高額なモデル、高額なオプションをたくさん薦めてくる、無理に契約を取ろうとする、こちらが渋ると態度が高圧的になるなど、利益を重視する姿勢には注意しましょう。
既存のモデルの住宅を購入する場合でもオプションをつけたくなることも多いですが、あれこれと言われるがまま追加するのではなく本当にそのオプションは必要か、使わなかったりあとから後悔したりしないかをよく考えましょう。
希望通りの設計にならない
希望した通りの設計にならなかったというクレームも多いです。
せっかく注文住宅にしたのに理想通りの家が作れないのであれば意味がありません。
あまりに個性的なデザインや構造上無理がある設計は通らないことも多いですが、そうでない場合はなぜ不可能なのかきちんと説明を求めなければなりません。
納得できない理由だった場合は別のハウスメーカーに相談して可能かどうか確認するなど、一つのハウスメーカーに絞らずハウスメーカーを比較しましょう。
耐久性や構造に問題がある
耐久性、構造など、建物そのものに問題がある可能性もあります。
これらは見えない部分ではありますが、快適に、安全に暮らしていくためには非常に大切です。
手抜き工事や欠陥住宅などのニュースは、実際に家を建てるとなると他人事ではなくなります。
自分が住むことになる家に問題が発生してからでは遅いです。
作業現場を見学させてくれる、構造やハウスメーカー独自の研究などをしっかり提示してくれるなど、建築自体を安心して任せられるかといった基本的なポイントもしっかり確認してください。
完成後の保証期間が短い
ハウスメーカーは住宅を建てるだけが仕事ではありません。
その後の保証もしっかり確認しておく必要があります。
一般的にハウスメーカーや工務店で家を建てると、その後最低でも10年は保証がついています。
ですがこの保証期間が極端に短すぎたり、10年保証を過剰にアピールするようなハウスメーカーは注意が必要です。
また、20年、30年と長期保証をオプションでつけたとしても、そのハウスメーカーや工務店が倒産してしまっては意味のないものになってしまいます。
近年日本の建築業界は不景気が続いており、ハウスメーカーもその余波を受けています。
長期保証を期待するのであれば倒産の可能性が低い大手ハウスメーカーを選ぶことも大切です。
悪徳ハウスメーカーに依頼しないためのポイント
悪質なハウスメーカーに依頼しないために確認しておきたいポイントを紹介します。
知名度が高いから、担当者の対応が丁寧だからなど、一部分だけで評価を決めず、総合的に見て信頼できるハウスメーカーかどうかを見極めましょう。
実際に話を聞きに行く
まずは実際にハウスメーカーに話を聞きに行きましょう。
資料やネットの情報だけでは見えないことはたくさんあります。いきなりハウスメーカーに行くのは怖い、まだ本格的に決めたいわけではないという方は、複数のハウスメーカーが同時にモデルルームなどを公開している住宅展示場に出向いてみるのもおすすめです。
同時に複数のハウスメーカーを見学できるだけでなく、複数のハウスメーカーの担当者から話を聞けます。
その中から気になるハウスメーカーをいくつかピックアップしてさらに詳しく調べる、話を聞きに行くという方法もおすすめです。
見積もりを詳しく確認する
ハウスメーカーと住宅についての打ち合わせを重ね、契約前に見積もり書を出してもらいましょう。
このときの見積もり書の合計金額だけを見るのではなく、内訳なども詳しくチェックしてください。
オプション料金などはもちろん、作業にかかる人件費や足場の設置代などの細かい諸費用まで記載されているかは重要です。
中にはこれらのオプションや作業に必要な費用を見積書に含めず、極端に安い金額を提示して気を引こうとするハウスメーカーもあります。この場合はあとからすべての費用を追加した高額な費用を請求されてしまいます。
また、金額は妥当に見えても内訳が不透明な場合もあります。「これは何についての金額ですか?」と質問し、納得のいく返答を得られるかを確認しましょう。
複数のハウスメーカーを比較する
いきなり一つのハウスメーカーと契約してしまうのは要注意です。
そのハウスメーカーが悪質な手法を使っている可能性もありますし、同じようなプランでもっと低価格、高品質な家を建てられるかもしれません。費用や工期などの妥当な相場もわかりません。
魅力的だと感じるハウスメーカーに出会っても、まずは冷静になって複数のハウスメーカーを比較しましょう。
金額や構法、それぞれのモデルの特徴、オーダーの自由度など、自分が何をもっとも重視したいかを明確にしておくと比較しやすいです。
実際の口コミを調べる
資料や公式サイトだけでなく、実際の口コミも調べましょう。担当者の対応や設計についてなど、実際にハウスメーカーを利用した方の生の声から見えてくることもたくさんあります。
ネットに記載されている口コミの中には悪質ないたずらのような投稿もありますので、できればリアルにハウスメーカーを利用した人が周囲にいないか聞いてみることをおすすめします。
ネットの口コミは同じ人が複数投稿していたり依頼していないのに書き込んだりしていないか見極める力も必要です。すべてを鵜呑みにしないよう注意しましょう。
悪い口コミの内容も確認する
悪い口コミは☆の数だけでなく、その内容もチェックしてください。
中には感情的になっているだけの口コミもあります。
よく話を聞いていればそんなことにはならなかったのではないか、オプションなどの確認を怠ったのではないか、担当者との相性が悪かっただけではないのかなど、悪い口コミを反面教師にして自分の家作りに活かすことは大切です。
不安な場合は悪い口コミを頭に入れつつ、同じような対応をされないか慎重に話を聞くようにするといいでしょう。
評判が悪い=品質が悪いわけではない
たくさんのハウスメーカーを比較したり口コミをチェックしたりしていると、どこに依頼すればいいのかわからなくなってきてしまいます。
どんなにいい口コミが多くても、悪い口コミがあるとそればかりが気になってしまう、どのハウスメーカーに対してもネガティブなイメージを持ってしまうという方も少なくありません。
ですが、悪い評価がついているハウスメーカーが必ずしも品質が悪いわけではありません。その理由を紹介しますので、自分が納得のいくハウスメーカー選びのために役立ててみてください。
ハウスメーカーの費用は高め
ハウスメーカーへの悪い評価の中でよくあるのが「費用が高かった」というものです。
家を建てる際に利用できるのはハウスメーカーだけでなく、地域の工務店などもあります。
工務店とハウスメーカーの坪単価を比較した際、ハウスメーカーは基本的に費用が高めになっています。
大手ハウスメーカーの全国の店舗の運営費や広告宣伝費、研究費などが含まれるため、どうしても高額になりやすいです。
安さを求めるのであればハウスメーカーではなく工務店を利用することをおすすめしますが、その分デザイン性や長期保証の点において不安が残ることも十分注意しておきましょう。
大手ほど期待値が高くなる
テレビCMでよく見かける大手ハウスメーカーに依頼する際、CMのような素敵な家を建てられる、安心して住み続けられる家を建てられる、エコで経済的な家を建てられるなど、そのハウスメーカーがアピールするポイントに対して期待値が高くなります。
その分、実際の制限や予算の限度などから「期待外れだった」と感じてしまう方が多いです。
大手であればあるほど、CMや資料、公式サイトが立派であればあるほどこのような期待と完成形のギャップにがっかりしやすいです。
実際の土地の広さや予算からある程度期待値を低くしておく、何事もCMのようにうまくはいかないと理解しておくことも大切です。
依頼数が多ければ欠陥も増える
悪い評価の中に「欠陥住宅だった」というものがあると非常に不安になってしまいますよね。
ですが、依頼数が多ければその分ミスも発生しやすくなります。
企業ぐるみで手抜き工事をしていたのであれば大問題ですが、職人の人為的ミスは防ぎきることはできません。
大手のハウスメーカーで依頼数が多ければ多いほどこのようなミスは確率的に起きやすくなります。
欠陥についての悪い評価が少ないハウスメーカーでも依頼数が少ない、口コミ件数が少ないだけかもしれませんので注意しましょう。
担当者との相性の問題もある
ハウスメーカーの品質自体は高いのに、担当者との相性が悪かったというケースも少なくありません。
先述したような利益ばかりを求める担当者もいますが、中には心からお客様の立場になって家作りを考えてくれる担当者もいます。
それでもセンスが合わない、こちらの求める対応と微妙にズレた対応をしてくるなどで相性が合わないことも十分あり得ます。
人と人とのコミュニケーションですので、すべての営業担当者がこちらの求める対応をしてくれるわけではないということを頭に入れておきましょう。
不安な点やこうしてほしい、ここを治してほしいという意見があればどんどん担当者に伝えるべきです。お互いをきちんと理解していくことで、より良い家作りができるようになるでしょう。
契約内容はきちんと確認する
「こんな話は聞いていない」というクレームの大半は、きちんと契約内容を確認しなかったことによるものです。
実際に契約をしてしまう前に契約書は隅々まできちんと読み込みましょう。
その中で不安な点、不明な点がある場合は都度確認し、納得した上で契約しなければなりません。
基本的に一度契約してしまうとキャンセルは不可能で、あとからの追加などの融通も利かなくなってしまいます。
担当者やハウスメーカーのせいにしても最終的に後悔しながら住み続けるのは自分自身です。そうならないように、契約内容の確認は十分におこないましょう。
注文住宅で失敗しないためのポイント
ハウスメーカーを利用する際、既存のモデルを選択する方もいれば注文住宅を選択する方もいます。
家族の在り方が多様化している現代において、各家族のライフスタイルに合わせられる注文住宅は非常に魅力的です。
注文住宅は既存モデルを購入するよりも費用が高額になるだけでなく、打ち合わせの回数が増える、工期が長くなるなどのデメリットもあります。
注文住宅を選択して失敗した、と後悔しないためのポイントについて紹介します。
日当たりや風通りを意識する
窓やドアの位置は家作りにおいて非常に重要です。
窓が少ない、小さい、窓とドアを開けても空気がうまく循環しないということのないよう、設計担当者とよく打ち合わせをして決めていきましょう。
設計図だけ見れば完璧でも、実際に窓がある方角の日当たりが悪い、住宅やマンション、ビルなどに日当たりを邪魔されるという可能性もあります。
住宅の設計だけでなく周囲の環境も考慮した上で日当たりや風通しのいい快適な空間作りを考えましょう。
充分な収納スペースを確保する
デザイン性を重視するあまり収納スペースが少なくなってしまったというケースも少なくありません。
今後子どもが増えたり趣味が増えたりすると収納スペースが今以上に必要になる可能性も高いです。
収納スペースはとくに余裕をもって作るようにしましょう。
ウォークインクローゼットや倉庫などを理想通りに作れるのも注文住宅の大きなメリットの一つです。十分に活用できるよう、収納についても忘れないようにしてください。
きちんと知識を身に着ける
注文住宅を選ぶ際はより住宅についての知識を身に着ける必要があります。
充分な知識がないまま注文住宅を選択すると、結局ありきたりな間取りになってしまった、実際に住んでみると不便だったなどの不満が出てしまいます。
過去に注文住宅を建てた人の話を聞く、理想の住宅のイメージを明確にする、不明点は設計担当者に細かく質問する、アドバイスをもらうなど、慎重に進めていくことが大切です。
あとから「こうすればよかった」「これはいらなかった」などの後悔をしないよう、事前に住宅についての知識を身に着けていきましょう。
セミとフルの違いを確認する
注文住宅は大きくわけてセミオーダーとフルオーダーがあります。
セミオーダーは既存のモデルにオプションをつけたり複数のモデルを組み合わせたりしてカスタマイズする方法です。
フルオーダーはゼロからすべて自分と設計担当者で決めていける方法です。
ハウスメーカーの注文住宅はセミオーダーを採用しているところが多く、フルオーダーを受け付けているハウスメーカーは少な目です。
そのため、徹底的にこだわった家作りをしたいという方にとってはセミオーダーしか選べないと不満に感じるかもしれません。
一方でセミオーダーは住宅の知識があまりなくてもチャレンジしやすい、フルオーダーよりも安く理想に近い家作りができるなどのメリットがあります。
どうしてもこだわりたいポイントがあるという場合でなければセミオーダーでも十分に対応可能でしょう。
事前にセミオーダーのみなのか、フルオーダーも受け付けているのかを確認しておくとトラブルになりにくいです。
将来のことも考えて設計する
最後に、将来のことも考えて設計することを忘れないようにしてください。
今は子どもが一人でも将来増える可能性もありますし、両親と同居することになるかもしれません。
駐車スペースは車一台分で充分でしょうか?将来家族がもう一台車を持ったり、子どもの遊具や趣味の道具を収納したり、ペットの小屋や遊び場を設置したくなるかもしれません。
自分たちだけでなく、次の世代、その次の世代が今の家を引き継いでいく可能性もあります。
このようなさまざまな可能性を考えて家作りを考えることは非常に大切です。家は簡単に何度も建て直すことはできません。可能な限り手を加えずに長く快適に住み続けられるような工夫をいたるところにしておけるのも、注文住宅の魅力です。
信頼できるハウスメーカーを見つけるために
悪質なハウスメーカーの特徴や、悪質なハウスメーカーに引っかからないためのポイントなどを紹介しました。
ハウスメーカーは大手から小規模までたくさんあり、その中から自分の理想の家作りができる、信頼できるハウスメーカーを選ばなければなりません。
評価が低くてもその原因を理解することで自分に合ったハウスメーカーに出会えるかもしれませんし、反対に評価が高ければ自分にも合うというわけでもないです。
住宅は人生の中でも大きな買い物ですので、即決してしまわずにじっくり時間をかけて選びましょう。