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建築業界とコロナの関係は?今後も建築業界で活躍するためにできること

この記事は約11分で読めます。

新型コロナウイルスは私たちの生活にさまざまな影響をもたらしました。

私生活だけでなく仕事面でも大きな打撃を感じた方は多いのではないでしょうか。

今回は新型コロナウイルスが建築業界にもたらした影響について解説します。

また、建築業界が新型コロナウイルスの打撃を乗り越えるために必要なこと、新型コロナウイルスの感染拡大終息後も生き残るためにできることも考えていきます。

建築業界に携わっている方、今後建築業界で活躍したいと考えている方はこれらの点にも注目してみてください。

新型コロナウイルスによる建築業界への影響

最初に、新型コロナウイルスが建築業界にどのような影響をもたらしたのかを見ていきましょう。

新型コロナウイルスによる打撃と言えば飲食業界や観光業界にスポットが当たることが多いですが、建築業界も大きな打撃を感じている企業は多いです。

どんな影響があったのかによって今後の対策も変わってきますので、ビジョンを立て直すためにも冷静に現状を把握しましょう。

受注数が減少した

新型コロナウイルスの影響により受注数が減少した企業は多いです。

日本全体で仕事ができなくなった、収入が減少したという方も多く、新築住宅やリフォーム、リノベーションの依頼ができる状況ではなくなったということも関係しています。

イベント施設、商業施設なども今建築を依頼しても集客の見込みがないため控える企業が多いです。

また、各自治体のインフラ事業においても、給付金などで財政が圧迫され工事を依頼する費用を捻出できないところもあります。

このような受注数の減少は建築会社の売り上げに直接関わります。結果的に事業を縮小しなければならなくなった、従業員を雇えなくなった、倒産に追い込まれたというケースもあります。

従業員が減少した

受注数が減少し売り上げが減ったことで従業員に給料を支払えず、リストラを実施したり新規の雇用ができなくなったりした企業もあります。

派遣社員や契約社員の契約を打ち切ったり、正社員に依頼していた仕事をアルバイトに依頼するようになったという企業も。

従業員の数を減らすことで一時的に企業の負担は軽減しますが、請けた仕事はきちんとおこなわなければなりません。その分残った人材の負担が大きくなり、ついていけなくなった従業員が退職してしまう可能性も高いです。

今後従業員を増やさないまま景気が回復すると、作業できる人材が足りずに事業を拡大できない、従業員への負担が倍増してしまうといった問題が発生します。

新規雇用ができなくなった

余裕がなく新規雇用ができなくなった企業も多いです。

雇用する人材が多ければ多いほど給与などの負担が増えますが、それだけでなく新人を教育するコストも莫大です。

それらに関する予算をカットすることで企業の負担は軽減しますが、新しい人材が増えなければ今後従業員は減少する一方です。

新規の仕事を請けにくくなる、新しい事業を始めにくくなる、社内の風通しが悪くなると悪循環に陥ってしまいますので、景気が回復次第早急に新しい人材の雇用を考えなければなりません。

予算を削減することになった

受注するクライアントが必要な予算を用意できなくなるケースもあります。

その企業の売り上げが落ちた、個人の場合は収入が減少したなどの理由で、予算を下方修正しなければならないケースです。

どのようにして予算をカットするかは企業にもよります。作業する従業員を減らして人件費を削減する、資源を安いものに変えたり工期を短縮したりして工費を削減するなどの方法があります。

予算を削減することで建築物のクオリティが下がってしまう、クライアントの満足度が下がってしまうという問題も発生しやすいです。

工事が中止、延期になった

工事そのものが中止、延期になってしまったというケースもあります。

感染症対策によって大型の工事のために従業員を集められない、クライアントの予算や売り上げの都合が悪くなったなどが主な理由です。

工事が中止になってしまうと当然その分の収入を得られず、企業には大きなダメージとなります。

延期の場合も目途が立たず不安定な状態が続いたり、再度依頼されたときには別の工事が入っておりスケジュールがさらに遅れてしまう、別の企業に依頼されてしまうといった問題が発生する可能性もあります。

資材を輸入できなくなった

海外から資材を輸入している場合も新型コロナウイルスの影響を受けます。

新型コロナウイルス感染拡大対策としてコンテナを減らしたり、輸入に携わるスタッフの数を減らしたりといった対応がされています。

その結果必要なだけの資材を工期までに十分に確保できなくなってしまうケースもあります。

また、資材そのものの価格が高騰したり、資材を買い入れている企業や工場が倒産してしまったりといった問題が発生して資材を確保できなくなることも。

資材を確保できないとなると依頼を請けられない、依頼にかかる金額を上げなければならない、完成までに時間がかかってしまうようになります。

イベントや展示会が中止、延期になった

住宅展示などのイベント、展示会が中止、延期になったケースもあります。

直接住宅や設備などを見て、営業スタッフや販売スタッフから話を聞けるイベント、展示会は、今後住宅を建てたい、建築の依頼をしたい個人や企業にとって重要な場所です。

建築会社にとっても自社の製品やスキルを売り込む大切な場所であり、これらが延期や中止になることでクライアントとの関わりが持てなくなってしまいます。

結果受注の減少につながり、新規顧客を獲得しにくくなります。

建築業界ができる新型コロナウイルス感染対策

建築業界ではどのような新型コロナウイルス対策ができるのかを考えてみましょう。

国や自治体が建築作業についてもガイドラインを出しているのでそれを遵守することはもちろん、より安全に作業を進めるためにできることを積極的に取り入れる必要があります。

また、これらの対策は感染症拡大防止をいう観点からだけでなく、業務の効率化といった点でも役立つものが多いです。

人材不足を解消するためにも、今度も続けられる対策を取り入れましょう。

従業員個人の感染対策、体調管理

基本的な従業員の感染対策や体調管理も今一度見直す必要があります。

毎日の検温や自主的な申告などを徹底して、まずは感染者を出さないこと、感染者を増やさないことが第一です。

建築の作業は社内でできるものはすくなくどうしても現場での仕事がメインになります。

作業中だけでなく移動中にも感染の可能性は隠れており、従業員一人ひとりがより気を引き締めて感染症対策をする必要があります。

マニュアルを作成し、社内で共有する、感染症対策を徹底するようにしてください。

時短勤務やテレワーク

社内でできる仕事に関しては時短勤務やテレワークの実施も推奨されています。

自宅でもできる書類作成や給与計算などの仕事はテレワークにする、出勤時間を短くしたりずらしたりして社内での接触を極力避けるようにしましょう。

テレワークの導入は建築業界では大きな課題ですが、スムーズに実施できるようになれば遠方の取引先ともやり取りができるようになる、リアルタイムで現状を報告できる、打ち合わせのための場所の確保や移動費の捻出、移動時間の削減などコストカットや事業拡大にもつながります。

打ち合わせ時間の短縮

建築の仕事は打ち合わせが非常に多いです。

クライアントとの打ち合わせだけでなく業者との打ち合わせ、社員間での打ち合わせも多いです。

ですが狭い室内で複数人が話し合う打ち合わせは感染拡大のリスクが高まります。

リモートでの打ち合わせが好ましいですが、それができない場合は時間を短縮してできるだけ密室で過ごす時間を短くすることが大切です。

要点だけをまとめて報告する、最低限の話し合いを心がけるなどして、無駄な時間を過ごさないようにしましょう。

打ち合わせをスムーズにすることで従業員の負担も軽減でき、今後の業務効率化にもつながります。

屋内での作業の人数制限

建築の現場の作業は屋外だけでなく屋内の作業もあります。

その場合は作業に従事する従業員の人数を制限するような対策が必要です。

時間差で出勤させれば、従来と同じ人数でも同時に作業する人数を減らして作業を進められます。

その分作業全体にかかる時間が長くなってしまうので、作業工程の管理や従業員の勤怠管理などをより徹底する必要があります。

今一度管理を見直すことで無駄な出勤を減らす、従業員の残業を減らすなどの工夫ができる点が見つかるかもしれません。

屋内での作業の空気清浄、換気

屋内での作業時には空気清浄や換気を徹底しましょう。

空気清浄機を設置するだけでなく定期的に空気を入れ替え、空気がこもらないようにしてください。

新型コロナウイルスは空気感染ではなく飛沫感染ですが、屋内の風通しをよくすることで感染を防げます。

新型コロナウイルス以外の感染症対策にもつながりますので、換気は常に心掛けるようにしてください。

休憩時間、食事中の感染症対策

作業中だけでなく休憩時間、とくに食事中の感染症対策は大切です。

食事をする際にマスクを外し、食事をしながら会話をすることで飛沫が飛びやすく、そしてその飛沫を吸い込みやすくなってしまいます。

休憩時間中もマスクの着用を徹底する、食事は向かい合ってしない、アクリルやパーテーションを設置した上で食事をする、そして食事後は周辺をアルコール消毒することを徹底しましょう。

休憩中は気が緩んでしまいがちですので、定期的に声かけをして従業員全員が危機意識を持てるようにしてください。

重機や道具の消毒

建築の仕事は重機を操縦したり専用の道具を扱ったりといった作業も多いです。

他人が触れたものに触れることでも新型コロナウイルスの感染は起こります。今一度、使用した重機や道具を毎回消毒することを徹底しましょう。

使用前には手指の消毒をすること、使用後はアイテムの消毒をすることを心がけるだけでも接触による感染を防ぐことができます。

従業員の感染が発覚した際の対応

感染症対策を徹底していても従業員が新型コロナウイルスに感染してしまう可能性は十分にあります。

その場合の対策も事前にマニュアル化しておきましょう。

感染者が出たことを発注先であるクライアントや各自治体の保健所などに連絡します。

そして感染者の自宅待機、濃厚接触の疑いがある従業員の自宅待機やPCR検査などをおこないます。

感染者の個人情報の取り扱いには十分注意し、感染したからなどの理由で責め立てるといったことのないようにしてください。

新型コロナウイルスの影響から考える今後の課題

新型コロナウイルスの感染拡大によって建築業界はさまざまな影響を受けました。

従来の経営方法、働き方ではこの危機を乗り越えるのは難しいです。

新型コロナウイルスの影響を踏まえた上で今後建築業界はどのような課題に取り組む必要があるのかを見ていきましょう。

従業員を増加させる

まずは一度落ち込んだ従業員の数を増やす必要があります。

建築業界は今後も大阪万博やインフラ事業、海外事業での需要が見込まれていますが、従業員が減少したままでは十分な仕事ができません。

ですが新型コロナウイルスの感染が拡大する以前から建築業界の人材不足は大きな問題となっていました。

これを改善するためには建築業界で働きたいと思っている人から魅力的に見える企業を作っていく必要があります。

残業が少ない、資格取得のサポートがある、適正な給与が支払われる、パワハラやセクハラがないなど、より働きやすい環境のために何ができるかを考えましょう。

これらはトップが意識を変えることから始まり、従業員に浸透するまでには時間がかかります。ですが今後長く経営を続けるためには必要不可欠なことでもありますので、一刻も早く意識の改善を目指しましょう。

IT化を進める

業務の効率化のためにはITの導入が欠かせません。

建築業界はいまだに書類作成や書類のやり取り、図面の制作などをアナログでおこなっているところも多く、時間のロスや人件費の増加につながっています。

新しいIT技術を取り入れるのはコストもかかりますし教育に時間もかかりますが、今後スムーズな経営を続けていくには大切です。

IT技術を駆使し、業務をデジタル化することで作業時間を短縮でき、残業時間を減らす、人件費をカットするなどの対策ができます。

とくに従業員が少なく不必要な作業のために残業が増えてしまっているような企業は、ITの導入をまずは検討しましょう。

賃金水準を上げる

建築業界は賃金水準が低いことでもマイナスのイメージがついています。

危険が伴う作業や専門知識、国家資格が必要な作業が多いのにそれに見合わない給与だと、その企業で働きたいと思う人がいなくなってしまいます。

ゼネコン会社や大手のハウスメーカーでは高収入を期待できますが、中小の建築会社ではなかなか難しい問題でもあります。

まずは固定給制度を取り入れ、残業や休日労働の割増賃金を明確にする、残業時間の上限を設定する、昇給についての明確な基準を作る、資格手当を設定するなど、従業員がモチベーションを維持して働き続けられる賃金の工夫を考えましょう。

時短勤務やテレワークの導入

新型コロナウイルスの影響により時短勤務やテレワークといった言葉が浸透しました。

現場での仕事が多い建築業界はこのような言葉とは無縁に思えますが、取り入れられるポイントはたくさんあります。

事務所への出勤時間を減らす、書類作成や従業員の管理などをテレワークにする、打ち合わせをリモートでおこなって直接の接触を避けるなどを実施できないか考えてみましょう。

時短勤務を取り入れることで、フルタイムでの出勤が難しい主婦や学生、高齢者の雇用をおこないやすくなります。

テレワークを導入すれば遠方のクライアントとも取引できるようになり、事業拡大を目指せます。

今後さらに建築業界で活躍し続けるためにも、これらを取り入れることは大切です。

建築業界がコロナを乗り越えるためにできること

新型コロナウイルスが建築業界にもたらした影響や、そこから見えてくる建築業界の今後の課題について解説しました。

少子高齢化が進む日本において建築業界は非常に危ない状況です。人材確保のため、そして今後の建築業界で生き残っていくためにも、今回紹介したような対策を取り入れることを検討してみてください。

ITの導入や人材確保、新人教育のために利用できる補助金制度もたくさんあります。

資金が用意できず苦戦している中小企業はこれらの制度も上手に活用し、事業の継続、拡大につなげましょう。

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