建築業界で働くためにはさまざまな勉強をして、国家資格を取得する必要があります。
建築について学び、憧れの建築業界に入ったものの仕事にやりがいを感じられない、自分に向いていないと感じるとき、すぐ異業種に転職してしまうのはもったいないです。
自分が本当に建築業界に向いていないのか、どんな対策があるのかについて考えてみましょう。
建築業界に向いていないと感じるとき
建築業界に入ったものの自分は建築業界に向いていないと感じるときの例を紹介します。
このような気持ちになったことがある方も多いですが、仕事を続けるか辞めてしまうかはその人の性質や周囲の環境次第です。
自分にあてはまるところがあるかどうか考えてみてください。
自分の提案が受け入れられなかったとき
建築業界の仕事はさまざまな打ち合わせを繰り返して進められます。その中で意見や提案をするシーンも多々あります。
せっかく意見を伝えたのに、資料を用意して提案をしたのに、それが周囲に受け入れられなかったら悔しいですよね。
意見がなかなか受け入れられない場合、考えられる可能性は二つあります。
一つはその意見が間違っていたとき。予算が足りなかったり、計画が破綻していたりすると意見を否定されてしまいます。
もう一つは周囲があなたの考えについていけていないときです。建築業界は高齢者が多く、新しい考え方、やり方は受け入れられにくい傾向にあります。効率的な方法を提案しても従来の方法を優先したり、高齢者の意見が優先されてしまったりといったケースは少なくありません。
そんな場合は若い人材が多い企業や年齢に関係なく実力を評価してくれる企業への転職がおすすめです。
ミスをしてしまったとき
建築の仕事は、少しのミスが大きな事故や損失につながります。
設計ミスが発覚すると工事をやり直さなければならず、スケジュールや資材の発注、人材の配置などを大きく変更しなければなりません。クライアントからの信頼を失ったり、契約違反として違約金を請求される可能性もあります。
また、事故を起こしてしまったり怪我をしたり、他人を怪我させてしまったりすることもあります。
建築の現場に事故は付き物ですが、自分がその原因となってしまった場合後悔も大きく、この仕事に向いていないと感じることもあるかもしれません。
ですが先輩の中にもこれまでミスをしてこなかった人は少ないです。失敗を一つの経験としてよく学び、二度と同じことを繰り返さないようにすれば、ミスをしなかった人よりも大きく成長できるでしょう。
やりたい仕事ができなかったとき
建築と一口に言ってもその仕事内容はさまざまです。
実際に現場で作業をする人、現場で指示を出す人、現場のスケジュールを管理する人、事務所で設計をおこなう人、クライアントとやり取りをする人、商品やサービスを販売、営業する人などなどです。
せっかく建築の企業に入社したのに志望する仕事と関係のない部署に回されてしまった、昇格したら好きな内容の仕事ではなく別の仕事が増えたということは、日本の企業の形態ではよくあります。
大企業であれば関係のない部署に回されることも多いですし、中小企業であっても建築と無関係の雑務ばかり押しつけられるということは多々あります。
積極的に自分の意見を伝えて部署を変えてもらう、業務を効率化して好きな仕事に集中できるようにするなどの工夫がありますが、それでも企業からの扱いが変わらない場合は転職を検討することもおすすめです。
建築業界に向いている人の特徴
建築業界にはどんな人が向いているのか、その特徴を紹介します。
粘り強い人
建築業界に入るためには、建築についてさまざまなことを学ばなければなりません。専門学校や大学で授業を受け、課題を作成し、建築士事務所でアルバイトをしながら学業との両立をおこなう人も珍しくありません。
そんな中で折れない粘り強い心を持ち続けることは非常に大切です。
建築の仕事も同じく、日々の小さな作業の積み重ねで建築物は完成します。クライアントの要望を我慢強く聞く、最大限要望を取り入れ、予算を抑え、安全な建築をおこなうためにできることを考える、ミスやトラブルが起きても納期に合わせて努力し続けることができるといった人は建築業界に向いています。
モノづくりが好きな人
毎日同じ仕事を繰り返したり社内で長時間過ごすのではなく、自分の手で一から何かを生み出すのが好き、モノづくりが好きという方は建築業界に向いています。
建築の仕事は待遇がいい、資格を活かせるなどの理由だけでは頑張り続けられないような大変なことがたくさんあります。
ですが根底に「モノづくりが好き」という気持ちがあれば、さまざまな局面も乗り越えていくことができるでしょう。
好奇心旺盛な人
建築の仕事は基礎やテキストに載っている知識だけがあればいいというわけではありません。ときには他の建築士が持たなかった斬新な発想やアイデアが必要です。
好奇心旺盛な人は建築に関わることやそれ以外のことについても見聞を広めやすく、引き出しが豊富になります。
そのため、人より斬新な発想ができたり想像力を活かしてより快適な建築物の提案ができます。
さまざまなことに興味がある、常にアンテナを張って生活できるという方は、建築業界でも成功していくことができるでしょう。
建築業界に向いていない人の特徴
反対に建築業界に向いていない人の特徴を紹介します。該当する場合でも、職種を変えるなどして建築業界に関わっていくことは可能です。
プライベートを大切にしたい人
仕事とプライベートをしっかり分けたい、プライベートを優先させたいという方には建築業界は不向きです。
建築の仕事は残業や休日出勤も多く、休日やプライベートの時間でも建築について考えていなければなりません。
資格の勉強をしたり、新しい建築物を見に行ったり、プライベートと建築の仕事が一体となっている建築士も多いです。
提示に帰ってゆっくりしたい、仕事はお金を稼ぐための手段にしか思えないという方は、建築の中でも事務所での事務作業やCADオペレーターなど比較的負担の少ない仕事がおすすめです。
おおざっぱな性格の人
建築の仕事はたった1mmのズレが大きな事故につながる可能性もあります。
「こんな感じでいい」「前もこれぐらいだった」など、おおざっぱな感覚で物事を判断してしまう人は建築の仕事には向いていません。
建築デザインは感覚やセンスも重視されますが、それは建築の基礎があってからこそです。
人の意見に流されやすい人
建築の仕事をしていると、職人や業者、上司、同僚、現場スタッフなどと意見が合わないこともあります。
そんなときに人の意見に流されてばかりいると、自分のやりたい仕事ができなかったり周囲にいいように使われるだけに終わってしまいます。
ときには自分の意見を曲げずに通す力も必要です。周囲と協力しつつ妥協点を探したり、チームを引っ張ったりといった力が必要になるシーンもあります。
自分の意見を通すのが苦手、人の指示だけを聞いて仕事をしていたいという方は建築の仕事は合わないと感じることが多いでしょう。
建築業界に向いていないと感じても諦めないで!
建築業界に向いていないと感じるときや、実際に向いている人、向いていない人の特徴を紹介しました。
この仕事が向いていないと感じる場合でも、勤務先や職種を変えることで建築業界に携わり続けられたり、より自身を成長させられたりします。
合わないと感じている原因を探り、その上でできることをためしていきましょう。