一度建築業界から退いてしまった場合、もう一度建築業界へ再就職することは可能なのかについて解説します。
建築業界はプライベートの時間を確保しにくく、出産や育児、介護などを理由に離職してしまったり、ハードな作業で体や心を壊して離職してしまったりする方も多いです。
もう一度建築業界へ再就職する際は、長く働き続けるためのポイントをおさえて就職活動をしましょう。
建築業界は人材不足が続いている
建築業界は少子高齢化の影響や建築に対する悪いイメージの定着によって人材不足が深刻です。
現状でも、求人サイトによっては1人の求人に対して5社以上からの需要があるケースもあります。
その点では再就職はしやすく、待遇のいい企業を選びやすいというメリットがあります。
建築の資格や知識を持っている方は、そのスキルを再び活かせる建築業界への再就職を検討してみてください。
若手の人材を求める企業も多い
建築業界は高齢の人材が多く、現状はなんとかなっていても数年後には営業を続けられないといった会社もあるほど深刻な問題になっています。
そのため、若手の人材を積極的に求める傾向があります。若手といっても建築業界の場合40代くらいまでは若手の扱いになるので、一度離職してしまった方でも再就職先は見つけやすいでしょう。
長く働けることをアピールするためには、建築業界への思いや自分のやりたいことなどを明確に企業に伝える工夫も必要です。
女性や高齢者にもチャンスが多い
建築業界は男性の世界という印象が強いですが、現状では国家資格である建築士の資格を取得している4分の1は女性です。そのため女性が活躍できる場所もたくさんあります。
日本では女性は出産、育児などのために離職してしまうことが多いですが、子どもに手がかからなくなったら再度建築業界へ復帰することもおすすめです。
残業が少ない、土日が休みの企業を探せば、引き続き育児と両立していくことも可能です。
また、人材不足が深刻な建築業界ではシニア世代の求人も多いです。定年退職したもののまだ十分に働ける体力がある場合、シニアならではのこれまでの経験やスキルを活かせる企業へ再就職することも検討してみてください。
経験や資格を活かせる仕事が多い
建築業界から退いてしまった方へ建築業界への再就職をおすすめする理由として、経験や資格を活かせるからというポイントがあります。
建築士の資格を始め、建築業界には専門性の高い資格がたくさんあります。
異業種で一から学び直すよりも、これまでの建築の経験、資格を活かして働ける場所を選ぶ方がより早く現場の感覚を取り戻し、いきいきと働くことができます。
建築関係の資格は一度取得すると生涯役立つものが多いです。これらの経験、資格を無駄にしないよう、活かせる場所を探してみましょう。
建築業界へ再就職を目指す際のポイント
建築業界は人材不足で求職者にとっては引く手あまたの状態です。
ですが適当に選ぶと結局長続きしなかったり、余計な負担となってしまう可能性もあります。
再就職を目指す際は下記のような点に注意して慎重に再就職先を探すようにしてください。
前職の離職理由を明確に説明する
まずは前職の離職理由を明確に説明できるようにしておいてください。
ただ人間関係が嫌だった、業務内容に不満があった、待遇に満足できなかったという理由では、同じような理由で退職されてしまうのではないかと思われてしまいます。
育児や介護のため、体調を崩してしまったためなど、建築業界や前職を離職せざるをえなかった理由をきちんと説明することで、面接を担当する相手にもこちらの意欲を認めてもらいやすくなります。
離職期間何をしていたか明確に説明する
離職していた期間に何をしていたのかも面接で聞かれることが多いので、きちんと説明できるようにしておきましょう。
育児や介護をしながら建築の資格取得の勉強をしていた、リハビリしながら建築の勉強をしていたなど、建築業界への再就職に前向きな姿勢が見られるかどうかは重要です。
別の仕事をしていた場合でも、その仕事でどんな経験をしたのか、そしてどうして建築業界へ復帰したいのかを明確にしておきましょう。
働きやすい条件を満たす企業を探す
建築業界を離れてしまった理由から、働きやすい条件を考えておきましょう。
育児や介護がある場合は残業や夜勤がない企業、家族を養うために十分な収入を得られる企業を選ぶ必要があります。
建築業界の仕事で体や心を壊してしまった場合は人間関係に問題のない企業、ハードワークの少ない企業を選ぶことで、心身ともに健康な状態で長く働けるようになります。
一つの条件だけを優先してしまうと別の条件がかなわずに結局働きにくくなってしまう可能性もあるので、条件に優先順位をつけつつ無理のない働き方ができる企業を探しましょう。
同じ理由で退職しないよう慎重に
建築業界は高齢者が多く若い人材はとくに意見が衝突しやすいです。
女性の進出についても遅れており、いまだにセクハラやパワハラが横行している企業もあります。
デジタル化も進まず、アナログな方法でやり取りや書類の作成をすることに疑問を抱いていない企業も少なくありません。
以前建築業界を人間関係や働きにくさを理由に退職してしまった場合、今回も同じような理由で退職しないように慎重に企業を選ぶ必要があります。
求人ページだけでなく企業のホームページを確認したり、実際に働いた経験がある人の口コミを参考にしたりして、自分とマッチする企業を見極めましょう。
現在の労働環境を受け入れる姿勢を持つ
建築業界を離れてから期間が長く開いているという方は、現状の建築業界の労働環境になかなかなじめない可能性もあります。
建築業界にも働き方改革は導入されており、労働時間の規制やデジタル化、女性の雇用などさまざまな面が以前とは変わっています。
「前はこうだった」「自分が若いときはもっと無理をしていた」「女や若者が偉そうにするなんて」など、古い価値観で物事を判断していては今の建築業界に求められる人材にはなれません。
変化に柔軟に対応し、現状の労働環境を受け入れる姿勢を持つことが大切です。
スキルを活かせる建築業界への再就職を目指そう！
建築業界は人材が不足しており、経験者にとっては再就職しやすい環境です。
自分のスキルや資格を求めている企業はたくさんあります。経験を活かせる再就職先を探してみましょう。
復帰する際は建築業界を退いた理由、その間に何をしていたか、どうして建築業界に戻りたいと思ったのかなどを明確にした上で、働きやすい条件、待遇の揃った企業を探す必要があります。
無理なく長く働き続けられる企業を選んで、建築業界で再び活躍しましょう。