建築業界は人材不足が深刻な問題となっており、ミドル世代でも比較的参入しやすい職種が多いです。
ですが、誰でも建築業界ですぐに活躍できるというわけではありません。建築業界で働くにはさまざまなスキルや資格が必要です。
建築業界への転職をお考えのミドル世代の方のために、必要なスキルや資格をまとめました。今からこれらのスキルを磨き、資格を取得し、建築業界で活躍できる人材を目指しましょう。
建築業界でミドル世代が活躍するためのスキル
建築業界の仕事には、専門的な技術だけでなくその人が持っている素質、スキルも大切になるシーンが多いです。
若手の人材に比べてミドル世代は社会人としてのスキルが高いという点も転職の際の評価ポイントになります。
コミュニケーションスキルやリーダーシップスキルの他、建築業界でミドル世代が活躍するために必要なスキルを5つ紹介します。
コミュニケーションスキル
建築業界は、さまざまな職種の人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていかなければなりません。
現場でのやり取りはもちろん、クライアントや業者、社内でのやり取りも仕事に大きく影響します。
しっかりコミュニケーションを取ることができ、報連相を正確におこない、ヒアリング能力も高い人材でなければ建築業界で活躍するのは難しいでしょう。
近年は海外からの労働者も増えています。言葉が通じにくく、文化も違う人とうまく意思疎通ができるかどうかも重要です。
向上心や好奇心
建築業界は日々変化しています。地震などの災害が多い日本では、人々の安全を守るために建築技術の開発が進められています。
また、人々の働き方や暮らし方、家族のあり方なども多様化してきており、従来の一般的な考え方のままではついていけないこともあります。
常に新しいことを学び続け、世間のトレンドに敏感になれるスキルも建築業界では大切です。
新しい資格を取得し続けることも大切ですが、建築以外のさまざまなことにも興味を持ち、自身の仕事に活かせるようにしていきましょう。
臨機応変に対応できる柔軟な思考
建築現場ではトラブルは付き物です。操作のミスや人材の怪我、病気、天候によるスケジュールの遅れなど、どんなに対策を考えていても予期せぬトラブルに見舞われることは少なくありません。
そんなときにとっさに正しい判断ができるか、従来の常識に囚われない柔軟な対応ができるかは重要です。
クライアントから思わぬ要望をされたときに対応できるか、外国人労働者に対してその人の育ってきた国の文化や価値観を尊重した提案ができるかなども試されます。
リーダーシップ
建築業界では周囲と協力して仕事を進めることが大切ですが、それはただ周囲の指示に従っていればいいというわけではありません。
ときにチームを引っ張り、一つの目標に向かって進んでいかなければなりません。そんなときに重要なのがリーダーシップスキルです。
ただ強引に進めるのではなく「この人についていきたい」と思わせるような人望も必要です。周囲をよく見て、引っ張るだけではなく支えるように関わっていきましょう。
チームのリーダーの経験があるミドル世代なら、このようなリーダーシップスキルが期待されることも多いです。
強い体力や精神力
建築の現場は体力や精神力が必要です。
肉体労働だけでなく、打ち合わせのための長時間の移動や、設計、監理などでの長時間の残業、休日労働などは、体力だけでなく精神力もおおいに消費します。
体力が持たず仕事を休んでしまったり、精神力が持たず作業に集中できなかったりすると、仕事に大きな穴を開けてしまいます。
これまで仕事を一生懸命やってきたというミドル世代は強い精神力を持っている方が多く、体力的にもまだまだ現場で働けるため、建築業界では重宝されます。
建築業界でミドル世代が活躍するための資格
建築業界でミドル世代が活躍するために必要な資格を紹介します。
建築業界にはさまざまな国家資格があり、その資格を持っていないとできない仕事というのもたくさんあります。
自分が何の仕事をしたいのか、そのためには何の資格が必要なのかを考えておきましょう。
一級建築士
建築業界の中でも一番有名なのが一級建築士資格です。これは国家資格であり、多くの場合は20代までに大学や専門学校で学び取得しています。
ですがミドル世代から建築業界に転職したいときに一から学び直すのは大変です。
一級建築士資格がなくても働ける建築の仕事はたくさんありますので、どうしても建築士資格が必要な場合以外は取得しなくてもいいでしょう。
ですが、認可を受けた建築士事務所で定められた年数だけ勤務を続けると建築士の受験資格が与えられます。
どうしても建築士資格を取得したい場合は、このように働きながら資格取得を目指すのもおすすめです。
宅地建物取引主任者
宅地建物取引主任者は不動産取引の際に必要な資格です。
建築業界と不動産業界は密接にかかわっており、建築業界で働く人の中にもこの宅地建物取引主任者の資格を持っている人は多いです。
不動産の調査、権利関係の確認、不動産売買の契約などができるもので、ハウスメーカーなどで働く際にも有効活用できます。
また、建築業界だけでなく不動産業界にも転職の視野を広げることができるので、これからのキャリアアップを考えている方は取得しておいて損はないでしょう。
建築施工管理技士
施工管理の資格にはさまざまな種類がありますが、中でも扱える範囲が広いのが建築施工管理技士です。
建築の現場で監理技術者、主任技術者といったポジションにつき、建築現場の管理をおこないます。
工事のスケジュールや工事の予算などを決めるだけでなく、工事の品質、安全の管理などもおこなう、建築現場においては欠かせない重要なポジションです。
取得には一定以上の実務経験が必要ですので、まずは建築士事務所で働きながら現場でスキルを磨いていきましょう。
土木施工管理技士
施工管理の中でも、とくに道路や橋、水道、河川など、土木工事の施工管理をおこなえるのが土木施工管理技士です。
建築にはさまざまな種類がありますが、国や大企業から依頼を請けて工事をおこなう大手のゼネコン会社に転職したいのであればこのような土木施工管理技士の資格は大いに役立ちます。
土木工事の施工管理も、一般の建築の施工管理と同じようにスケジュールや品質、安全の管理をおこないます。
電気工事士
建築物の電気の設備工事をおこなえるのが電気工事士です。
電気の配線、配電盤、新しい電気設備の配置など、電気にまつわる工事を担います。
建築の仕事の中でも裏方的な要素の強い仕事ですが、建築物において欠かせない電気に携われる非常にやりがいのある仕事です。
電気に関する工事は危険な作業も多く、専門的な知識を学んだ国家資格所有者が担うことがほとんどです。
電気設備系の資格には他にも電気主任技術者、電気工事施工管理技士などがあります。
ミドル世代から建築業界への転職を考えよう
ミドル世代の建築業界の転職について解説しました。
建築業界と一口に言っても、その職種はたくさんあります。国家資格が必要な専門的な仕事、現場の仕事でない場合は、これまでに培ってきたスキルだけでも活躍できる可能性が十分にあります。
新しいことにチャレンジしたい、建築に直接携わりたいという場合でも、人材不足が続く建築業界では、ミドル世代でもチャレンジの機会が多いです。
今回紹介したスキルや資格を参考に、転職のために何ができるかを考えていきましょう。