建築現場のスケジュールを考えたり、安全や品質を管理したり、コストの管理をしたりするのが施工管理の仕事です。
施工管理は建築現場に欠かせない花型とも呼べる仕事ですが、そのやりがいやメリットはどんなものなのでしょうか。
施工管理をおこなうやりがい、メリットだけでなく、大変な点も一緒に確認しましょう。今後施工管理として活躍したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
施工管理のやりがいを3つ紹介
施工管理の仕事で得られるやりがいを3つ紹介します。
ハードな施工管理の仕事を長く続けるためには、このようなことにやりがいを感じられるかどうかが重要です。
大きな達成感を味わえる
施工管理の仕事の範囲は非常に幅広く膨大です。
作業が始まる前のスケジュールや利益の計算から、実際の現場の安全管理、品質管理などもしなければなりません。作業中にトラブルや工期の遅れにつながるような出来事があるとプライベートを返上してまで仕事と向き合わなけばなりません。
このように大変な仕事ではありますが、その分一つの現場が終わったときにはかけがえのない達成感を味わうことができます。
また、建築現場の仕事は一人ではできないことばかりです。多くの職人や作業員、業者などと一致団結して一つの建築物を完成させる喜びも非常に大きいです。
地図に残る仕事ができる
建築の仕事の大きなやりがいの一つとして、地図に残る仕事ができるという点があります。
大型商業施設や宿泊施設、その地域のランドマークとなるような建築物、橋、道路、空港など多くの人の生活を豊かにする建築物などであれば、長きに渡って地図に残り続けるでしょう。
自分がそのような建築物の施工管理をしたという事実は、今後建築業界で仕事を続ける上でも大きな自信になります。
さまざまなタイプの人と関われる
建築業界にはさまざまなタイプの人がいます。ときには自分とまったく正反対の考えを持つ人と衝突することもあります。
ですが、同じような考えの人ばかりと一緒に仕事をしていても新しい発見は生まれません。衝突したり話し合ったりを繰り返していくうちに、自分自身の考え方にも柔軟性が生まれ、多くの人とコミュニケーションを取りやすくなります。
考え方、価値観、年齢、性別、国籍など、多種多様な人材が集まるのが建築業界のおもしろいところと言えます。
施工管理のメリットを3つ紹介
施工管理の仕事をおこなうことで得られるメリットを3つ紹介します。
建築業界にはさまざまな仕事がありますが、その中でどうして施工管理の仕事に惹かれるのか、どんなメリットがあるのかを確認しておきましょう。
給料が高い
施工管理の仕事は建築業界の仕事の中でも給料が高いです。
施工管理の仕事をするためには資格や実務経験が必要であり、誰でもできる仕事ではありません。建築業界は人材不足、人材高齢化が深刻な問題となっており、施工管理を担当できる人材が足りないという企業も多いです。
そのため高い給与を提示している企業が多く、施工管理の仕事を続ければ高収入を期待できます。
担当する建築物の規模が大きければ大きいほど収入も高くなる傾向にあり、中には1000万円以上の年収を得ている施工管理の人材もいます。
一方で、施工管理の仕事は残業や休日労働も多い仕事です。時給に換算すると他の仕事とたいして変わらないというケースもあるので注意しましょう。
同業種へ転職しやすい
施工管理の仕事は専門的な知識、スキルだけでなく、円滑に作業を進めるためのコミュニケーションスキルやリーダーシップスキルも求められます。
施工管理としての経験を積めば、同業種への転職もしやすくなります。
現場や企業が変わっても施工管理がおこなう作業はおおむね同じですので、キャリアアップのことを考える場合でも施工管理は有利と言えます。
専門性が高い仕事ですので異業種への転職は難しい場合もありますが、建築に関連する資格をいくつか取得しておけば、知識やスキルのある元施工管理の人材は重宝されるでしょう。
将来が比較的安定している
日本は少子高齢化が進んでおり、建築業界もこの先ますます不景気になっていくことが予想されます。
ですが建築の仕事が完全になくなるわけではありません。今後も戸建て住宅から大型商業施設、インフラ工事など、さまざまな仕事があるでしょう。
建築現場には必ず施工管理の人材が必要です。そのため、厳しい状況ではあっても施工管理の仕事がなくなってしまうということはありません。
ですが現状に満足するのではなく、よりスキルアップを目指して勉強する、AIに取って代わられない仕事を見つけるなどの工夫が必要です。
施工管理の大変な点も理解しておこう
施工管理の仕事にはやりがいやメリットもたくさんありますが、大変な点も多いです。
大変な点もやりがいに感じられるか、デメリットを補えるほどのメリットを得られるかなどを考えながら施工管理という仕事と向き合いましょう。
残業や休日出勤が多い
施工管理の仕事は現場の状況によっては残業や休日出勤も当たり前になってしまいます。
作業がスケジュールよりも遅れていたり、トラブルや事故があった場合はその対応に多くの時間を割かなければなりません。
プライベートを犠牲にしたり、家族との時間を犠牲にしたりしてでも現場の仕事を全うする必要があります。
その分達成感も大きいですが、自分のペースで仕事をしたい、オンとオフをはっきり区別したいという方には負担となってしまいます。
人間関係がストレスになることも
建築現場では多くの人と関わりながら作業を進めていきます。
常に同じ人と一緒に仕事ができるわけではなく、現場が変わればまた一から人間関係を構築していかなければなりません。
コミュニケーションが苦手な人は、現場が変わる度に大きなストレスを感じることでしょう。
現場に意見の合わない人がいたり、クライアントと現場の板挟みになったりして苦しい思いをする施工管理もいます。
強い責任感が必要
施工管理の仕事は、スケジュールから現場の作業員の安全管理まで、多くのことを背負わなければなりません。
自身の判断が原因で納期を遅らせてしまったり作業員に怪我をさせてしまったりするかもしれません。
そのため、一つひとつの決断に強い責任を負う必要があります。それがプレッシャーになり、思うように実力を発揮できなくなってしまう人も多いです。
誰にでもミスはあり得ますが、その上で同じ失敗を繰り返さないこと、未然に防ぐ方法や万が一の際の対処法をいくつも用意しておくことなど、どのように施工管理の責任と向き合うかが大切です。
施工管理の仕事の魅力を再発見しよう
施工管理の仕事について、やりがいやメリット、大変な点を紹介しました。
建築現場に欠かせない重要な仕事である施工管理。建築業界で働きたい方の中にも、施工管理の仕事に惹かれている方は多いのではないでしょうか。
給料がいいから、目立つからなどの安易な理由で施工管理を選ぶと失敗してしまうかもしれません。
自分が施工管理の仕事にやりがいを見出せるか、大変な点も乗り越えて成長できるかなどを考えた上で、施工管理という仕事に今一度向き合いましょう。