建築業は危険な仕事が多く、専門的な知識、資格が必要な仕事が多いです。
その分給料は高いのかと言えば、そういうわけでもありません。
長く働き続けていてもあまり上がった気がしないという方も多いのが現状です。
どうして建築業の給料は上がらないのか、そして収入をアップさせたいと思ったとき何をすればいいのかについて解説します。
建築業の給料が上がらない理由
建築業の中でも現場の作業員などはとくに給料が低いです。
どうして給料が低く、そして長く働いていても上がらないのか、その原因を見てみましょう。
当てはまる原因から、収入アップのヒントが見えてくるかもしれません。
経験が少ないころは給料が低い
建築業界ではスキルや経験が重宝されます。そのため、経験が少ないころは給料が低いところが多いです。
そこから資格を取得したり勤続年数を重ねることで徐々に給料が上がっていきます。
資格手当がある会社、公平な評価制度が整っている会社に就職することで、給料を上げていくことが可能です。
会社の規模が小さいと給料も低い
会社の規模が小さいと請け負う仕事の規模も小さくなります。
反対に、会社の規模が大きければより高額な大きな仕事を請け負うことができます。
金額の安い仕事ばかりでは当然収益が少ないので、その分従業員へ還元される給料も低いままです。
会社が事業を拡大したり業績をアップさせない限り、給料は低いままで上がりにくいです。
ある程度上がったとしても限界があり、大企業と同じくらいの高収入を期待することはできません。
地方の建築の仕事は給料が低い
建築の仕事は地方より都心の方が全体の給料が高いです。
大きなビルや商業施設の依頼が多い都心に比べて、地方は戸建てなど小規模な仕事ばかりになってしまいがちです。
さらに、独立開業をする建築士も多く、地方では価格競争が起こります。そのためどんどん会社の収益が低くなり、その分従業員の給料が低くなるといった悪循環が生まれています。
同じ資格を持っていて同じ仕事をしていても地方と都心では収入面に大きな違いがあります。地方では、長く働き続けても昇給に限界があり、思うように稼げないのが現状です。
外国人労働者による影響
近年、日本では多くの外国人労働者を受け入れています。
建築業界は人材不足が深刻ですが、発展途上の向上心が高い若者を安く雇用できるということもあり外国人労働者は需要が高いです。
その分給料の水準がどんどん低くなり、日本の労働者の給料を上げる理由が企業にはなくなってしまいます。
一方で外国人労働者はある程度のスキルや知識を身に着けると帰国してしまうため、将来の日本の建築業を考えるとさらなる人材不足を招く原因にもなると言えます。
現場の仕事は日給制が多い
建築業の中でも現場の仕事は日給制のところが多いです。
月給制であれば一月の給料は固定されており、残業代などが加算されていきます。
ですが日給制は月の勤務した日数によって収入が変わり、欠勤すればその分収入が減ってしまいます。
長く働き続けても日給制である限り昇給は期待できません。
給料を上げるためには日給制の仕事ではなく月給制の正社員雇用を目指すことも大切です。
建築業で収入アップを目指す方法
建築業の給料が上がりにくい理由を紹介しました。
それを踏まえた上で、どのような行動に出れば給料を上げることができるのかについて紹介します。
今後も建築業界で働き続けたい、だけど今の給料では将来に不安がある…という方はぜひ参考にしてください。
職人としてのレベルを高める
建築業では、経験が浅い内は正社員でも給料が低い傾向にあります。
少しでも早く昇給を目指すのであれば、職人としての質を上げることが大切です。
資格をたくさん取得し、他の従業員には任せられないような仕事もできるようになれば、勤務している会社にとって重要な存在になれます。
スキルアップや資格の取得は、建築業界で長く活躍し続けるためにもマストです。
今後のためにも早めに資格取得を目指しましょう。
経験が豊富だったり資格を持っていれば、日雇いから正社員を目指すことも可能です。不安定な収入をなんとかしたいという方もまずは正社員雇用を目指しましょう。
より高待遇を目指し転職する
建築業では現場作業員の給料が低く、上記のような努力をしてもなかなか認められない、給料は横ばいのまま専門的な仕事を任せられるようになってしまうというパターンもあります。
また、スキルや資格があっても請け負う仕事の規模が小さい会社では高収入は期待できません。
給料を上げるためにはより待遇がいい規模の大きな会社に転職するのが近道です。
これまでに十分なスキル、経験があれば、より良い企業にも転職しやすいです。これまでの自分の実績をしっかりアピールしましょう。
異業種への転職も検討する
建築業にはさまざまな職種があります。現場での肉体労働に給料が見合わないと感じたら、建築業の中の別の仕事に転職するという方法もあります。
建築業でも事務や営業、販売などの仕事はありますし、屋内での作業、デスクワークなども多いです。CADオペレーターなど、建築業ならではのデスクワークもあります。
給料は上がらないかもしれませんが、仕事内容が変わることで心身のストレスを軽減できる可能性があります。
デスクワークでも正社員雇用なら日雇いの現場作業よりも高い収入を得られるようになるかもしれません。
独立開業を目指す
現状のままでは給料が上がらない、大手の企業では自分のやりたい仕事ができないと感じたら、独立開業をするのも高収入への道の一つです。
建築業界でスキルと経験を積み、人脈も広がっていれば、独立開業をしても安定して仕事を得られるようになるでしょう。
収入は仕事次第で大きく左右されますが、大規模な仕事を得られるようになれば、そして建築業界で「この仕事はこの人でなければならない」と思われるような存在になれれば、大手企業で正社員として働くよりもさらに高収入を得られます。
一方で独立してもすべての人が成功するわけではありません。独立を目指すのであれば早い段階から着実に準備を進めていく必要があります。
給与以外の点にも注目する
現在の給料に満足できないからといって給料にばかり注目して転職先を探すと失敗しやすいです。
自分がやりたい仕事ができない、職場の環境が悪い、パワハラやセクハラが横行しているなどの理由で離職率が高い仕事に応募してしまうかもしれません。
せっかく転職をしてもまた転職を繰り返すようでは本末転倒で、なかなか理想の仕事、理想の収入を得られません。
転職をする際は給料面だけでなく、福利厚生や業務内容、職場の環境などにも注目しましょう。
さまざまな休暇がある、有給取得率が高い、各種サービスを利用できるといった福利厚生が充実している企業なら、モチベーションを維持しやすいです。
自分がどんな仕事をしたいのか、今の仕事にどんな不満を持っているのかなどを明確にした上で、後悔のない転職活動をしましょう。
建築業で給料を上げる工夫を考えよう
建築業ではとくに現場の仕事の給料が低いです。日給制の仕事も多く、もともと低いだけでなく給料が上がりにくいという問題もあります。
建築業の給料が上がらない理由を確認し、それを踏まえてどんなことをすれば給料が上がるのかを考えましょう。
現状の給料に不満があっても、何も行動を起こさなければそのままです。
スキルを磨き、転職や独立など、次のステップに踏み出しましょう!
建築業では、仕事の種類の他に雇用形態も収入を大きく左右するポイントです。現在収入に不満がある方は、雇用形態にも着目してみましょう。正社員雇用は根強く人気があり、収入も安定しています。ですが「正社員は安定している」といった時代は終わりつつあります。スキルを活かして高収入を目指せる派遣雇用など、今とは違う働き方にも着目してみてください。