不動産業界への転職を検討しているものの、将来性が気になる方は多いのではないでしょうか。
今後さまざまな業界の将来性が危ぶまれるなか、せっかくなら一度スキルを身に着けたら長く働き続けられる仕事を選びたいですよね。
本記事では、不動産業界の今後の見通しを紹介するとともに、不動産業界で生き残るために大切なことを解説します。
自分が今後どのような働き方をしたいかを考えて、最適な業界かを見極めましょう。
不動産業界の今後の見通しを見る目に現状を確認
不動産業界の今後の見通しを見る前に、まずは現状を確認しましょう。
現状を把握することで問題が見えてきて、今後自分が何をすべきか、業界がどう変わっていく必要があるのかが見えてきます。
- 不動産会社は増加傾向
- 不動産の市場は縮小傾向
- 少子高齢化による影響が続く
- 人材不足の問題も深刻化
これらの不動産業界の現状を解説します。
不動産会社は増加傾向
公益財団法人不動産流通推進センターの2023不動産業統計集によると、2021年の府相談業界の法人数は368,552件でした。
これは前年と比較すると4.3%の増加率で、それ以前からも不動産業界の法人数の数は着実に増加傾向にあります。
10年前には304,000件、2010年に30万件を超えて以降も、着実に数を増やし続けています。
不動産業界の小規模な企業が増え続けることで、強烈な価格競争が起きているのも現状です。
ほかの企業にはできないサービス、提供できない価格などを考えるのに苦戦している企業も多数あります。
不動産の市場は縮小傾向
不動産業界の法人数は増加の一途をたどっているのに比較して、不動産の市場自体は縮小傾向にあります。
国土交通省の不動産業ビジョン2030によると、今後不動産の産業規模は都心部住宅、地方住宅、都市部商業施設、地方商業施設のいずでも低迷を続けることが予想されています。
また、資産としての不動産の価値も下がっており、手放して現金化して投資に回す人が増えることも予想されます。
不動産の市場が縮小し、法人数が増えていることから、今後もより熾烈な争いが続くことは容易に想像できます。
そのなかでどのようにほかにはない戦略を打ち出せるかどうかにかかっています。
少子高齢化による影響が続く
日本の不動産業界の景気の低迷は、少子高齢化にも大きく関係があります。
子どもを産まない世帯にとっては大きな負担となる不動産の価値は低く、高齢者は新たに不動産を購入するようなことはありません。
売却しようと思っても高い金額で売れないため、結局手放せずに空き家となっているところも多いです。
子どもの数が少なくなることで新たな買い手となる人も少なくなることが予想され、悪循環に陥ってしまっています。
日本の少子高齢化が改善される見込みはほとんどなく、海外などに視野を広げる必要性も高まっています。
人材不足の問題も深刻化
人材不足の問題が深刻化しているのも、不動産業界の問題の一つです。
不動産業界の仕事は営業職が多く、精神的に追い詰められる、身体的に無理をしてしまうなどの理由で離職する方も少なくありません。
ライフワークバランスが見直されるようになり、時間や会社に縛られない、無理をしない働き方が好まれる風潮が広まっており、体育会系の不動産業界の仕事は合わないと考える若者もいます。
新しい人材が少ないと、現在働いている人の負担が大きくなり、ますます心身に悪影響を及ぼしてしまいます。
不動産業界はいまだにアナログな方法に頼っていてデジタル化が進んでいない企業もあり、余計な業務が増えていることも問題です。
不動産業界の今後の見通し
不動産業界の今後の見通しを見てみましょう。
予想は完全なものではありませんが、今後の行く末を考えることで自分がどのようなポジションでどう動けばいいのかが見えてきやすくなるでしょう。
都心部はやや好景気が予想される
不動産業界は景気の低迷が続いていますが、都心部の景気はややよくなることが予想されます。
通勤や通学に便利で娯楽も多い都心部はやはり人気が高く、今後も住みたいと考える方が多いためです。
一軒家ではなくマンションの需要が高まったり、投資目的での不動産売買をしたりといった目的で利用する人もいます。
また、外国人が東京や大阪などの都心部の土地やマンションを購入したいと考える可能性もおおいにあります。
地方では衰退化が予想される
地方では、今後も不動産業界の衰退化が予想されています。
若い人は次々に都心に仕事を探しにいってしまうため、新しい不動産の需要は減少します。
地方は土地や不動産を売っても高額になりにくく、解体などの費用を考えるとそのまま放置しておきたいと考える人も少なくありません。
市場が動きにくく、地方では不動産業界の仕事も少なくなっていくでしょう。
ただし、町おこしやUターン転職などの需要はおおいにあります。
テレワークが浸透した昨今では、地方に安く住んで都心部なみの給料を得られる仕事も増えてきました。新しい働き方を選択した人に向けてマーケットを広げれば、活路を見出すことができるでしょう。
大手企業は海外に進出していく
日本の不動産業界の低迷をふまえ、大手企業は海外に進出していくことが予想されます。
実際に、大手企業のなかではシェアの大半を海外に頼っているところもあります。
海外のなかでもとくに発展途上国は、今のうちから着手しておけば数年後には大きな利益になる可能性があります。
このように海外にも目を向けている企業は、成長していけるでしょう。
ただし、国内の取引と比べてさまざまな費用がかかるため、中小企業が淘汰されていくことが懸念されます。
このままで大丈夫?不動産業界で生き残るには
不動産業界で働きたい、または働いているものの将来が不安という方のために、不動産業界で生き残るコツを紹介します。
あくまでも参考程度に、今の自分に何ができるのかを考えてみてください。
都心部での仕事を探す
不動産業界なは地方でも一部の需要が期待されますが、はやり都心部の方が活発です。
同じ仕事内容でも地方と都心では給料も扱う不動産の規模も大きく違うので、手っ取り早く成長していきたいなら都心部での仕事を探すことがおすすめです。
よりよい条件を出している求人を探し、都心部への転職も視野に入れてみましょう。
地方では新事業に注目する
地方で働き続けたい、生まれ育った地元に貢献したいと考えている人は、新事業に注目することが大切です。
若い人を読んで農業を知ってもらう、Uターンしやすい環境を作る、外国人と共生するなどの事業を取り入れていけば、地方でも成長していくことが可能です。
すでにこれらにチャレンジしている企業はもちろんのこと、自分で企画すれば転職時にも大きなアピールポイントとなるでしょう。
ITの知識を身に着ける
ITの知識を身に着けることで、不動産業界でさらに活躍できる人材を目指せます。
不動産業界はいまだにアナログの紙の書類や対面でのやりとりにこだわっている企業も多いですが、デジタル化を進めることで業務を効率化できます。
ITはどの業界で働くにしても必要不可欠な知識です。近年は書籍や動画でも簡単に学べるので、少しずつでも知識とスキルを身に着けていきましょう。
不動産業界の今後の見通しを人生設計に取り入れよう
不動産業界の今後の見通しを紹介しました。
日本では不動産業界は低迷が予想されますが、個人の努力や企業の方針によっては大きく成長する余地は十分に残っています。
これから自分がどのように活躍したいかを考えて、必要なスキルや経験を身につけましょう。
以下の記事では、不動産業界がやめとけといわれる理由や転職前のチェックポイントを紹介しています。
これから不動産業界への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。