転職活動中は現職の仕事と並行しながら新しい仕事を探さなければならず、タスク管理が大変です。
ですが、そのなかでも忘れてはならないのが現職を円満に退社する方法です。
建築業界は横のつながりも大きく、前職の企業と一緒に仕事をする可能性がないとは言い切れません。
今後のキャリア形成を円滑にするためにも、現職を円満に退社する方法を確認しましょう。
転職活動は在職中に行うことがおすすめ
転職をしたいと思ったときに気になるのが、転職活動を始めるタイミングです。
現職を退社してから転職をすることも可能ですが、基本的には在職中に転職活動を済ませることがおすすめです。
その理由を3つ解説するので、早速チェックしていきましょう。
ブランク期間がなく働き始められる
在職期間中に転職先を決めれば、ブランク期間なく働き始めることが可能です。
ブランク期間が長いと、転職活動で不利になる可能性があります。
「仕事への意欲が低い」「最新の知識が備わっていない」と思われ、不採用になる可能性が高くなることを理解しておきましょう。
在職中に転職活動をすれば、前向きに働く意欲をアピールできるだけでなくブランクを理由に不採用になる可能性も低くできます。
在職期間中の転職活動はスケジュール管理などが大変ですが、転職サイトや転職エージェントを活用してスムーズに活動を進めましょう。
金銭的・精神的余裕を持って転職できる
在職期間中の転職活動は、金銭的、精神的に余裕を持って転職ができます。
退社してから無職期間に余裕をもって転職活動をしようと思っても、すぐに転職先が見つかるとは限りません。
無職の期間が長くなり、収入がなくなる、ブランク期間が長くなるなどの焦りが生じるようになるでしょう。
そうすると希望していた条件ではない仕事に応募してしまい、採用されてから後悔することにもなりかねません。
また、転職先を探すうちに前職を辞めないほうが昇給や労働環境改善のチャンスがあったのではないかと考えてしまうこともあります。
金銭的にも精神的にも余裕を持って転職するためにも、在職期間中の転職を検討しましょう。
保険や年金の手続きが不要になることも
現職を退社した次の日に転職先に入社すると、保険や年金の手続きをする必要がないケースが多いです。
一日でも無職の期間がある場合は、厚生年金や保険を国民年金、国民健康保険に切り替える手続きが必要で、これには期限が定められています。
翌日入社をすればこれらの面倒な手続きは会社が行ってくれます。
退社してから転職活動をしたいと思っている方は、事前にこれらの手続きもよく確認しておきましょう。
転職先が決まってからの退職の流れ
転職先が決まってから現職を退職するまでの流れを解説します。
スムーズに退職まで進められるよう、一連の流れを頭に入れておきましょう。
退職の意向を直属の上司に伝える
転職先から内定をもらったら、現職の直属の上司に退職の意向を伝えます。
法律では退職の2週間前に退職の意向を伝えればいいとされていますが、円満退社をするなら各会社で定められている就業規則に則って指定された日までに伝えることがおすすめです。
同僚や直属ではない上司に先に退職を伝えると、トラブルになったり人間関係が悪くなったりする可能性があるので注意しましょう。
直属の上司に相談すれば、今後の人事や現在の業務内容なども理解してくれて迅速に対応してくれます。
退職の意向を伝えるタイミングが取れないと感じる場合は、個別に二人で話せる時間を用意してもらえないか相談してみましょう。
退社日を決定する
直属の上司に相談し、退職日を決定します。
内定が決まっている会社の入社日から退職日を決定しましょう。
退職日までに有給を消化したいのであれば、残っている日数を計算して調整する必要があります。
また、退職までに引き継ぎや人材の補充が必要な場合は退職日が伸びる可能性があります。
転職先の入社日と現職の退職日をよく調整して、スムーズに次の職場に入社できるようにしましょう。
退職までに引き継ぎを行う
退職日が決定したら、退職までに業務の引き継ぎを行いましょう。
業務の引き継ぎができていないとスムーズに退職できず、退職日が伸びる可能性があります。
また、退職してからも前職から連絡が来て対応しなければならないこともあり、トラブルの原因になります。
転職先が決まった時点で、または転職活動中から引き継ぎのマニュアルを作成しておくといいでしょう。
誰が見てもきちんと業務内容を理解できるマニュアルを用意しておけば、退職後のトラブルもなく円満退社を目指すことが可能です。
有給を消化する
退職日までに有給の消化を検討している方は企業と相談し、手続きを踏んで有給を消化しましょう。
有給消化に入ると基本的に出社することもなくなるので、それまでに引き継ぎを済ませておく必要があります。
1か月の有給が残っているのに引き継ぎで出社しなければならなくなったということがないように、退職の意向を早めに伝える、引き継ぎを計画的に進めるなどの対応が必要です。
必要であれば手続きを行う
退職後、次の会社へ入社するまで一日でも開きがある場合は、年金や保険の切り替え手続きを自分で行う必要があります。
会社に健康保険証を返却し、自分で国民健康保険に加入するまでは病院に行っても治療費が全額負担になるので注意しましょう。
また、年金も未払い期間があると督促状が届いたり、将来もらえる年金が減ったりする可能性があります。
各手続きは役所や年金事務所で行う必要があるので、スケジュールを確保して計画的に、期限内に手続きを済ませましょう。
円満退社のためのポイントを解説
円満退社を目指すためには、退職理由の用意や引き止められたときの対処法などを確認しておく必要があります。
スムーズに退社するためにも、以下の点をよく確認しておきましょう。
退職理由を用意しておく
上司に退職の意向を伝える際、どうしても必要になるのが退職理由です。
退職理由をきちんと伝えられないと、引き止めにあったり残りの期間で気まずい思いをする可能性があります。
退職理由は必ずしも本当のことを伝える必要はなく、あたりさわりのない理由を用意することもおすすめです。
会社への不平不満をぶつけるのではなく、一身上の都合、家庭の事情など、個人的かつそれ以上深入りできない理由を用意しておきましょう。
引き止められたときの断り方を考えておく
人材不足が深刻な建築業界では、退職の意向を伝えても引き止められる可能性が高いです。
万が一「このまま残ってほしい」と言われたときのことも考えて、断り方を用意しておきましょう。
次の転職先が決まっているのであればそれを伝えるのが一番です。
なお、会社への不平不満を退職理由として挙げると「改善するから残ってくれ」と引き止められる可能性があります。
会社のせいではなく自分の意思で退職したいことを伝えれば、無理な引き止めにあいにくくなるでしょう。
転職先の入社日を調整する
転職先の入社日を計画的に調整しておくと、スムーズに退職しやすくなります。
入社日が確定していれば退職日も決定しやすいですが、引き継ぎや現在携わっているプロジェクトがいつ終わるか明確でない場合は入社日を調整する必要があります。
場合によっては、転職先の入社日を決定するより先に現職の退職日を決定しなければならないケースもあるでしょう。
その場合は内定が出ている企業に理由を伝え、入社日の決定を待ってもらいましょう。あまりにも先すぎると採用を見送られる可能性もあるので、1か月以内で調整することがおすすめです。
現職を円満退社して気持ちよく転職活動を成功させよう
転職先が決まってからスムーズに退職するまでの手順やポイントを解説しました。
転職活動はしなければならないことが多数ありますが、内定先が決まってからも現職でやらなければならないことは多数あります。
「どうせもう辞めるから」といい加減な気持ちでいるのではなく、就業規則を守ってきちんと引き継ぎを行うことで、円満退社を目指せます。
とくに建築業界はほかの企業とのつながりも強いので、転職後に気まずい思いをしないためにも退職の流れはきちんと確認しておきましょう。
以下の記事では、建築業界の転職活動にかかる期間やタイミングを紹介しています。これから転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。