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「ハウスクリーニング」とは? 作業内容や資格について

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近年、急速に伸びている成長市場の一つである「ハウスクリーニング」

仕事内容を一言で表すなら”家をキレイにする仕事”ですが、訪問先や掃除する箇所などは実に数多くの種類が存在します。

また、似た扱いを受ける仕事として「家事代行」があります。これらは一緒くたにされることもありますが、本来の業務内容は大きく異なります。

今回は、ハウスクリーニング・家事代行に関連する内容について、詳しくお話をしていきたいと思います。

ハウスクリーニングとは


「ハウスクリーニング」とは、掃除の専門知識を持ったプロのスタッフによって行われる清掃サービスのことです。

住宅はもちろんのこと、オフィスや店舗など、人が生活をする施設が対象となります。

また、賃貸物件など退去する際の空室の清掃なども行っています。

中には、「掃除なら自分ですればいいんじゃない?業者に頼む必要ってあるの?」と思われる方もいるかもしれません。

掃除の専門事業者に依頼する最大のメリットは”素人では掃除しにくい箇所や頑固な汚れまで、徹底的に掃除してくれる”という点です。

また、単純に見た目をキレイにするだけでなく、長く・清潔に使用できるようにメンテナンスも行ってくれます。

特に近年は、高齢化社会となりつつあり、また共働き世帯が増加したこともあって、家事や掃除に長く時間を掛けることができない人も増えています。

家事にかける時間を減らし、仕事や自分の時間に充てるために、ハウスクリーニングを利用するケースが増加しているのです。

尚、少し余談となりますが、例えばゴミ屋敷や遺品整理などを含める清掃作業というのは、ハウスクリーニング業者では行うことができません。

掃除箇所と費用

ハウスクリーニングに依頼できる掃除箇所は、下表などが挙げられます。

箇所 作業内容
エアコン エアコンを分解し、内部洗浄などを行います。

臭いの軽減・アレルギー抑制(防止)・ホコリの除去・省エネなどに効果があります。

キッチン 五徳・ガスコンロなどの焦げ付きや油汚れの除去、シンクや蛇口などの汚れやサビを徹底的に除去します。

普段の掃除だけでは、こびりついた油汚れは落とし辛く、シンクの汚れ落としも傷をつけてしまう可能性があります。水道周りの悪臭の除去なども含め、キッチン周りのクリーニングを依頼する人は多いです。

換気扇 分解し、専用洗剤を用いて油汚れなどをキレイに落とします。

換気効率がアップすることはもちろん、換気扇そのものの寿命にも大きな影響を及ぼします。

浴室 汚れに応じた特殊な洗剤を使用し、水アカ・石鹸カス・皮脂汚れ・カビ・鏡のウロコなどの頑固な汚れを徹底的に洗浄します。

水を扱う場所なので、長年使用していると汚れはどんどん目立ち落とし辛くなります。

また、天井のカビ・ドアの隅・シャワーヘッド・排水溝など、普段の掃除では汚れを中々落としきれない箇所も多く存在するため、浴室も専門業者に依頼する機会が多い場所です。

トイレ トイレのニオイの原因である尿石は、特に便座の内部にこびりついているものほど普段の掃除では除去し辛い場所です。

プロ用の洗剤を使用し、便器内側にこびりついた尿石・輪じみ・黄ばみなどを便器を傷つけることなく徹底除去します。

同時に、壁やウォシュレットの掃除も併せて行い、臭いの元を一掃します。

洗面所 水アカ・石鹸カス・排水溝の悪臭やぬめり・整髪料や化粧品などの蓄積汚れなどを徹底除去します。

他にも、鏡・シンク・蛇口などもピカピカに磨き上げます。

フローリング フローリングのワックスはがし・ワックスがけを行います。

失敗するとムラになることや荷物の移動などの手間が掛かることから、個人では中々に手が付けられないクリーニングです。

業者に依頼することで、環境に配慮し・人体にも安全で効果が長続きする専用のワックスを使用するため、傷や汚れが付きにくくなり美しい光沢も長続きします。

特に、小さなお子様やご年配の方、ペットを飼っているご家庭が依頼するケースが多いのが特徴です。

カーペット カーペットの汚れ・ホコリ・ダニなどは、アレルギーやかゆみの原因になる場合もあります。その汚れやハウスダストを専用洗剤と機材を用いて吸引・清掃していきます。

赤ちゃんや小さなお子様がいるお宅にオススメされるクリーニングの一つです。

窓・サッシ・

ベランダ

専用洗剤を使用し、カビ・結露・手垢・砂塵・タバコのヤニなどの汚れなどをキレイにします。

ベランダの汚れも同様で、他にも床・排水溝・手すり・壁などの箇所の汚れも徹底洗浄していきます。

クリーニングは、建物の中を丸ごと依頼することもできますし、一定の箇所のみを行うことも可能です。

料金に関してですが、

  • 掃除箇所
  • 人が住んでいるかどうか
  • 部屋の面積

によって、金額が変動します。また、汚れの程度によっても多少変動する場合もあります。

掛かる費用については、仕事を依頼する業者のホームページを確認したり、実際に問い合わせてみるのがいいかと思います。

ただし、”安いから”という理由だけで業者を選ぶのは少しリスクが高いと言われています。

料金が非常に安い業者は、

  • 知識や技術に乏しい
  • 対応する範囲が狭い
  • 後から無断でオプションを追加され、金額が割高になる可能性がある

などの問題が発生する可能性があるからです。

もちろん、リーズナブルな料金で仕事をしてくれる業者も存在します。

信頼できる業者かどうかを判断するには、会社のホームページや実際に利用した人の口コミを確認するなどして、事前にリサーチすることが大切です。

「家事代行」や「リペア」との違い

ハウスクリーニングを事業とする企業の中には、「家事代行」「リペア」などの業務も請け負っている場合があります。

特にハウスクリーニングと家事代行における掃除は同じ内容に捉えられることがありますが、これらには大きな違いがあります。

家事代行との違い


家事代行というのは、自宅の家事全般を業者に行ってもらうサービスのことです。

料理の作り置き・掃除・洗濯・洗い物・買い物など、普段から生活をする上で行う家事のほとんどを依頼することが可能です。

ハウスクリーニングとの決定的な違いは”日常的な家事を行う”ところにあります。

ハウスクリーニングにおける清掃は、プロが使用する専用の洗剤などを利用し、汚れを完璧に落とすことをいいます。

しかし、家事代行における清掃は、あくまで普段の生活の中で行われる一般的な掃除を、そこに住まう住民に代わって行うのみです。

また清掃用具や洗剤も、基本的にサービス利用者の自宅にあるものを使用します。

ただし、業務内容そのものに違いはあるものの、この2つは明確な定義分けというのはされていません。

両方を併せてハウスクリーニングと呼ばれることもありますので、各内容の違いだけでも把握しておくことをオススメします。

リペアについて


これは上述の2つとは業務内容が全く異なります。

「リペア」とは、住宅内にある家具や住宅建材を”修繕/修理”する工事のことです。

傷んだものを修復するため低コストで済み、既存のものを取り換える「リフォーム」とも内容が異なります。

リペア工事で最も依頼が多いのは「床」です。

傷・ヘコミ・家具の移動による摩擦・ペットの粗相による変色や傷、キッチン部であれば水はねや油汚れなど、傷ついた床を修繕し新品の床のように見栄えを良くする効果があります。

ハウスクリーニングにも床(フローリング)のクリーニングがありますが、ワックス剥がしやワックスがけを行う程度であり、リペアは対象にはなりません。

ただし、ハウスクリーニングを依頼した会社内で、リペア工事も請け負っていることもあります。

事前に、依頼する会社のホームページなどで「どこまで対応してもらえるか」を確認するのもいいかと思います。

業界の市場

現状と将来性


ハウスクリーニング、そして家事代行業の市場規模は年々右肩上がりに伸び続けています。

この市場が伸び続けている背景として、下記が挙げられます。

高齢化社会
女性の社会進出や共働き世帯の増加
“時間をお金で買う”という価値観

現代は、「時間を短縮できるものはなるべく短縮したい」というニーズが増しており、今後この市場はさらに発展していくと予想されています。

業界の課題

ハウスクリーニング・家事代行の課題として、下記が挙げられます。

  1. 方策の整備と、契約におけるトラブル防止
  2. 質の高いスタッフの確保

サービス内容や料金体系というのは、事業者によって様々です。

利用者側にとっては、「どこに依頼すればいいのか?」という判断基準が少なく、当たりはずれに差があります。

また、スタッフも千差万別であり、専門知識や技術を有しているスタッフもいれば、そうでないスタッフもいます。

さらに、掃除する箇所や内容もスタッフの裁量次第です。

「キレイ好きかそうでないか」「細かな場所まで気を配り掃除ができるか」などは人によりけりなので、自分が思っていた仕上がりにならないこともあります(依頼者側が希望をしっかりと伝えることも大切です)。

特に家事代行はこれが顕著です。

ニーズが増加しているからこそ、質の高いサービスを提供できるよう解決していかなくてはならない課題と言えます。

必要な資格


ハウスクリーニングおよび家事代行の仕事をするために、必須となる資格はありません。

ただし、自身のキャリアアップのために取得すべき資格や、独立する際に必要となる資格は存在します。

下記に、いくつかご紹介していきます。

ハウスクリーニング技能士

ハウスクリーニングとして新規に事業を立ち上げる場合に必須となる国家資格であり、ハウスクリーニングの需要の高まりがキッカケで、平成24年に定められた比較的新しい資格の一つです。

ハウスクリーニング技能士の受験資格は”ハウスクリーニングに関する実務経験が3年以上(アルバイト・パート含む)”必要です。

等級は、単一等級のみが存在し、学科試験と実務試験の両方に合格する必要があります。

尚、合格率は”約30%”と言われています。

ビルクリーニング技能士

これは、ビルクリーニングに関する専門知識・技術を証明するための国家資格です。

等級の種類、および受験資格は下表の通りです。

等級 受験資格
1級 ・実務経験5年以上

・2級の技能検定合格後、1年以上の実務経験

・3級の技能検定合格後、3年以上の実務経験

・職業訓練指導員の免許保持者

・実務経験が4年以上あり、建築物衛生管理課の普通職業訓練修了者

2級 ・2年以上の実務経験

・3級の技能検定合格者

・職業訓練指導員の免許保持者

・実務経験が1年以上あり、建築物衛生管理課の普通職業訓練修了者

3級 ・ビルクリーニング業務に従事している者、もしくは従事しようとする者

・職業訓練指導員の免許保持者

基礎1級 ・技能実習2号1年目の終了者
基礎2級 ・技能実習1号の3/4の期間を経過した者

この資格を所持することで、技能の証明だけでなく、高層・商業・オフィスビルや病院・介護施設・学校・建築現場など、様々な施設の現場監督として仕事ができるようになります。

作業員だけでなく作業管理者としても活躍できることから、自身のキャリアアップはもちろん、再就職や独立の際にも役立てることができる資格です。

清掃作業監督者

建築物の清掃作業の監督を行う際に必要となる国家資格です。

特に、建築物清掃業の登録時に必須となるため、独立・開業をする際には必ず取得しておくべき資格となります。

受験資格は、

ビルクリーニング技能士1級合格者
建築物環境衛生管理技術者免状の交付を受けている者

上記どちらかを取得している人となります。

その他の資格

資格 特徴
クリンネスト1級資格 1級と2級が存在しますが、取得すべきは1級です。

正しい掃除の基礎知識を習得することができ、

掃除技術の向上や効率化などを仕事に活かすことが可能です

クリーニングインストラクター 一般家庭の掃除知識や技術について、総合的に学んでいることを証明できる、民間資格です。

インストラクターとして、実演や技術的指導が行えるようになります。

ハウスクリーニングアドバイザー ハウスクリーニングにおけるプロの知識・技術を持ち、指導や講師活動ができるようになる資格です

国家資格ではなく、必ず取得しなければいけないというものではありません。

しかし、専門的な知識や技術を有しているという証明になることから、取得しておいて損をすることはありません。

上述の「業界の課題」でもお伝えしたように、現在は”質の高いスタッフの確保”も業界内の課題になっています。

これら資格を所持しておくと、職に就く際に役立ちます。

まとめ

ハウスクリーニング・家事代行は、これからも需要が伸び続けていく事業の一つです。

そのため、これまで以上に質の高いサービスが求められる事業とも言えます。

利用者の方は「どの企業に依頼すべきか?」ということを慎重に検討していく必要がありますし、仕事をする立場の人は「お客様に信頼されるために、どんな技術や知識を身に着けていくべきか?」を考えていく必要があります。

決して楽な仕事ではありませんが、確かな技能を有した人は今後も長く続けていける仕事です。

“手に職をつけたい”と考えている人は、知見を広げ、この業界に一歩踏み込んでみて下さい。

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