ハローワークの職業訓練では、建築業界に欠かせない仕事の一つであるCADオペレーターの知識を身に着けられる講座があります。
ですが、CADの知識を身に着けても意味がないといわれることがあります。
なぜ職業訓練でCADの知識を身に着けても意味がないといわれているのか、本当に職業訓練での学習は無意味なのかを見ていきましょう。
今後職業訓練でCADを学びたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
職業訓練のCAD講座が意味がないといわれる理由
ハローワークから申し込める職業訓練校は、無料で再就職に必要なスキルを学べる施設です。
建築業界への転職に役立つCADを学べる講座も毎月のように開講されていますが、なかにはCADを学んでも意味がないと考える人もいます。
その理由を一つずつ見ていきましょう。
必ず就職できるわけではない
職業訓練校で学んだからといって、必ず就職できるわけではありません。
CADのスキルが身につくことで就活でアピール材料にはなりますが、必ず希望どおりの転職ができるとは限らないことは理解しておきましょう。
ですが、職業訓練校に通えばその後3か月間まで、ハローワークがしっかり就職活動をサポートしてくれます。
就活に役立つ面接対策などをしてくれる講座もあるので、有効活用しましょう。
独学でもCADは学べる
CADは学校に通わなくても、独学で学ぶことが可能です。
職業訓練校は平日5日間の日中しっかり通学する必要があるため、仕事を続けながら通うことは現実的ではありません。
そのため、自宅で学習できる環境があるならわざわざ職業訓練校に行く必要はないと考える人もいます。
もちろんCADを無料で独学で習得することは可能ですが、まったく知識がない状態からスタートするのは難しいため、時間的に余裕がある方は職業訓練校での学習がおすすめです。
CADオペレーターの将来性が低い
CADオペレーターは現在建築業界には欠かせない職業ですが、将来性がないといわれることもあります。
今からCADオペレーターになる学習をしても、すぐに仕事がなくなってしまうことを懸念する声があることは確かです。
CADオペレーターの仕事はAIでもできるようになる時代がくるといわれています。
ですが、CADオペレーターをきっかけに建築業界に就職し、さらにスキルアップを目指していくことは可能です。
将来のキャリアアップの足掛かりとしてCADを学ぶことは無意味ではないといえるでしょう。
知識がなくても採用される求人も多い
CADオペレーターの求人は、まったくの未経験でも採用される求人も少なくありません。
わざわざ職業訓練校で学習しなくても、就職して実践で学びながら働けると考える人もいます。
未経験でも採用されるのは事務と兼用の求人だったり、給与が低めに設定されていたりするケースが多いです。
CADに集中して仕事をしたい、最初からしっかり稼げる就職先を見つけたいと考えているのであれば、CADの知識をきちんと身に着けて資格を取得することがおすすめです。
CADを職業訓練で学ぶメリット
CADを職業訓練校で学ぶメリットも確認しましょう。
意味がないといわれることもありますが、以下のメリットをチェックして、自分に向いているかどうかを考えてみましょう。
就職先の選択肢を増やせる
職業訓練校で学んだ実績があれば、就職先の選択肢を増やすことが可能です。
CADオペレーターに興味があっても、まったくの未経験の場合は未経験可の求人にしか応募できません。
ですがCADの知識がある人を募集している求人にも応募できるようになれば、賃金や待遇などからより自分に合う就職先を選べるでしょう。
もちろん応募すれば採用されるわけではなく、経験者より立場が弱いことには変わりませんが、知識をきちんと身に着けているかどうかは選考時に重視されます。
無料で受講できる
職業訓練校は国が求職者を支援するための施設で、受講料は無料です。
テキスト代などがかかるケースもありますが、その場合でも1万円程度で数か月の課程を修了できます。
専門学校で2年間かけて学ぶ、年間100万円以上の学費を支払うなどの選択肢が現実的ではない方にとって、無料で学べる点は非常に大きなメリットです。
さらに、以下のように給付金を受け取りながら学べる方もいます。
給付金を受け取れる
国が指定する条件に当てはまる人は、職業訓練校に通いながら給付金を受け取ることも可能です。
職業訓練校は平日日中の5日間しっかり通う必要があるため、収入源がなくなってしまう方が多いです。
その場合、給付金を受け取れれば生活費の心配を抑えることも可能です。
条件は、
- 月収が8万円以下
- 世帯収入が月30万円以下
- 世帯資産が300万円以下
など多数あり厳しいですが、これらに該当する場合は給付金の申請もハローワークで行いましょう。
モチベーションを維持できる
職業訓練校に通うことの大きなメリットとして、モチベーションを維持できるという点があります。
毎日平日にしっかり学校に通う必要がある分、サボれないだけでなく気が抜けない環境で学習ができます。
また、職業訓練校には同じように学習したいと考えている仲間がおり、切磋琢磨できる、人間関係を広げられるという魅力もあります。
独学でCADの学習を続けることが難しいと感じている方は、職業訓練校へ通うことも検討してみましょう。
CADを職業訓練で学んだら就職できる?
職業訓練校でCADを学んで実際に就職できるのかを考えてみましょう。
結論から言えば必ず就職できるわけではありませんが、職業訓練校で学んだCADのスキルを活かしてさまざまな働き方を見つけることは可能です。
働き方の例を紹介します。
正社員として就職することは可能
職業訓練でCADを学んで正社員を目指すことは可能です。
必ず就職できるわけではありませんが、職業訓練校では面接対策など就活に役立つ授業も行ってくれます。
また、定期的にハローワークに足を運ぶことが義務付けられており、その際に就職のサポートを受けられます。
自分の希望などを伝えて、しっかり就職活動をサポートしてもらいましょう。
派遣社員から正社員を目指す方法もある
未経験からCADオペレーターとしていきなり正社員として働くことが難しい場合は、派遣社員から始めるという方法もあります。
派遣社員としてCADオペレーターの実績を重ね、その企業に就職する、または正社員へ向けて再度転職活動をするといった方法があります。
建築業界は経験や実績が重要になることが多いため、まずは足掛かりとして派遣社員という手段を視野に入れることもおすすめです。
フリーランスや副業で稼ぐためにも役立つ
CADオペレーターは業務委託の案件も多く、フリーランスや副業として収入を得るためにも役立ちます。
フリーランスは正社員と比べると保障面などが弱いですが、案件をしっかり受ければ正社員以上の収入を確保することも可能です。
また、本業を続けながら副業をすることもでき、本業で別の仕事をしながらCADオペレーターとして活動する、または本業でもCADオペレーターをしながら副業に活かすといった方法も可能です。
クラウドソーシングサイトなどを活用すれば、転職活動を行うのと同じように自宅で案件を探すことは十分に可能です。
職業訓練でCADを学んでみよう
職業訓練校では、無料でCADを学べて、資格取得や就職活動のサポートなどを受けられます。
決して意味がないわけではありませんが、人によってはメリットよりデメリットのほうが大きいと感じることもあるでしょう。
自分が今後どのように活動したいのか、時間的に余裕があるか、給付金受給者の対象かなどによって、最適な選択をしましょう。
以下の記事では、CADを学べる職業訓練校についてさらに詳しく解説しています。
本格的にCADを学びたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。