転職を考える際、より条件や待遇のいい求人に申し込むにはスキルが不足しているケースがあります。
その際に、無料でスキルを身に着けるために役立つのが職業訓練校です。
建築業界への転職に役立つCADスキルが身につく職業訓練校とはどのような施設なのか、どうすれば職業訓練校に通えるのか、さらに実際にCADが学べる職業訓練校の一例などをチェックしてみましょう。
CADのスキルを身に着けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
職業訓練校とは?
職業訓練校とは、失業中で再就職を目指す方のために職業訓練を行う公共の施設のことです。
パソコン操作の基本からCADのような専門的な技術までしっかり学ぶことができ、再就職に役立てることが可能です。
異業種に転職したい、同業種でもさらにキャリアアップできる仕事に転職したいと考えている方は、必要なスキルを身に着ける必要があります。
そんなときに職業訓練校を活用すれば、より転職をスムーズにできるでしょう。
とくにCADオペレーターのように専門知識が必要な職種は、焦って条件に合わない転職先を見つけるより、しっかり学んでから再就職先を探すほうが効率的なケースもあります。
無料で専門的な知識を習得できる
職業訓練校は無料で受講できます。
国や自治体が、再就職をしたい人をサポートするのが職業訓練校だからです。
専門学校に通うには年間100万円程度の授業料が必要だったり、入学試験を受けなければならなかったりと、現実的に不可能な人も多いです。
ですが職業訓練校なら無料で受講でき、講座の期間も3~6か月程度とコンパクトにまとめられています。
建築士などの国家資格を取得できる職業訓練校はありませんが、CADの資格を取得できるコースは多数用意されており、麻衣津kのように受講生を募集しています。
資格取得や就活のサポートを受けられる
職業訓練校ではただCADなどの知識を教えるだけでなく、資格取得や就活のサポートも行っています。
職業訓練校はハローワークと提携しているため、ハローワークから最適な求人を紹介してもらえたり、仕事をあっせんしてもらえたりすることがあります。
また、授業でも面接対策や志望動機の考え方など、就活に役立つ授業を取り入れている講座もあります。
よりスムーズに転職を成功させるためにも、職業訓練校はおおいに役立ちます。
給付金を受け取りながら学べる
国が指定する一定の条件を満たせば、給付金を受け取りながら職業訓練校に通うことも可能です。
- ハローワークに求職者登録をしている
- 訓練の8割以上に出席している
- 現在住んでいる場所以外に土地や建物を所有していない
- 月に8万円以上の収入を得ていない
などのすべての条件をクリアすれば、毎月10万円の給付金を受け取れます。
さらに職業訓練校までの通所手当として4万円程度を受け取れることもあります。
一定の条件を満たしていると、失業給付金もプラスして受け取れる人もいます。
通学中の生活費の不安を解消できるため、収入の減少が怖くてなかなか学校に通う決意が固まらないという方は給付金受給の条件をしっかり確認し、対象に当てはまらいか考えてみましょう。
職業訓練校でCADを学ぶ方法
職業訓練校でCADを学ぶまでのステップを紹介します。
ハローワークに求職者申し込みをする
職業訓練校に通うには、まずハローワークに求職の申込をする必要があります。
自身が住んでいる最寄りのハローワークで求職者登録をしてから、職業訓練校に通いたいことを相談員に伝えましょう。
求職申込はハローワークでできるだけでなく、自宅のパソコンやスマホからでも可能です。
コースを選び申請する
ハローワークの相談員と話し合い、自分の転職したい分野に必要なコースを選択します。
ハローワークが再就職のために講座の受講が必要と判断した場合は、受講申込書を受け取れます。
必要事項を記入して、あらかじめ定められている期間中に申込を済ませましょう。
コースの内容と自分が希望する転職先によっては、職業訓練校に通う必要がないと判断される可能性もあります。
面接や選考試験を受ける
職業訓練校には定員が設けられており、面接や選考試験を受けたうえで合格する必要があります。
筆記試験がない講座もありますが、あったとしても基本的な国語、数学の知識、作文程度の試験が一般的です。
また面接では訓練で何を学び、就職にどのように生かしたいかを聞かれます。
面接対策はしっかり行っておきましょう。
合格したら通学をスタートする
面接や筆記試験に合格したら、通学がスタートします。
選考結果通知書をハローワークに持ち込み、就職支援計画書をもらいましょう。
この際の受講あっせんがなければ、職業訓練校に通学できません。
職業訓練校の受講が必要、かつ受講を受けるのに十分な能力があると判断されれば、受講あっせんを受けられます。
職業訓練校は基本的に平日5日間しっかり授業が行われます。
欠席が多いと給付金を受け取れなかったり、通学できなくなったりする可能性があるため、きちんと毎日出席しましょう。
CADを学べる職業訓練校の一例
CADを学べる職業訓練校の一例を紹介します。
日本全国でCADを学べるコースは用意されているので、最寄りのハローワークに相談してみることをおすすめします。
【神奈川県】機械CADコース
神奈川県では、かなテクカレッジ東部が即戦力のCADオペレーターを目指せる機械CADコースを用意しています。
まったく知識がない状態から、製図の基本的な知識、二次元と三次元のCAD操作をマスターできます。
さらに関連資格の取得もサポートしてくれるので、就活の際にもしっかりアピールできるでしょう。
学校では1人1台のパソコンが与えられ、実際の職場と同じような環境で学ぶことが可能です。
期間は6か月、入港定員は20名です。
【東京都】三次元CAD科
東京都では、多摩職業能力開発センターが三次元CAD科を開講しています。
6か月間でCADの基本から応用までをしっかり学べて、機械、医療、工芸などさまざまな分野で活躍できるCADオペレーターを目指せます。
学科と実技の授業があり、基礎を学びながら実際にCADソフトに触れてスキルアップしていくことが可能です。
3次元CAD利用技術者試験の準一級と二級を目指せる授業も行っており就活時にしっかりアピールできる実力を身に着けられるでしょう。
【北海道】CAD/CAM技術科
北海道では、ポリテクセンター北海道がCAD/CAM技術科を開講しています。
CADの基本をまず学び、二次元の製図を行うスキルを習得します。さらに三次元のCAD操作の応用まで学べるので、より豊富な選択肢のなかから就職先を見つけられるようになるでしょう。
CADだけでなくCAMの応用も学べる点もこの講座の特徴です。
6か月の訓練で、テキスト代のみで学習を続けることが可能です。
職業訓練校でCADを学んで転職に役立てよう
建築業界への転職の足掛かりとなるCADを学べる職業訓練校について解説しました。
職業訓練校では無料でCADの本格的な知識を学ぶことが可能で、条件次第では給付金を受け取ることも可能です。
これから建築業界に転職したい、CADのスキルを身に着けたうえで自分の希望する条件の転職先を見つけたい方は、ハローワークに相談して職業訓練校への通学を検討してみましょう。
以下の記事では、職業訓練校でCADを学んでも意味がないといわれている理由や職業訓練校に通うメリットを紹介しています。
CADを学んで本当に就職できるか不安に感じている方は、こちらも参考にしてみてください。