建築・建設業の求人をお探しの方は建築建設bizへ。詳しくはこちら!

雑工(軽作業)ってどんな仕事をするの?仕事内容などを詳しく解説

アイキャッチ
この記事は約10分で読めます。

建設現場でよく耳にする雑工。でも雑工の具体的な仕事内容は意外とはっきりされていません。

しかしこの仕事は、現場の工事をスムーズに進行するうえでは欠かせない人たちです。

そんな雑工とはいったいどのような仕事をするのでしょうか。ここでは雑工の仕事内容と、給与面ややりがいなどもご紹介していきたいと思います。

雑工とは何か?

雑工
雑工とは簡単に言うと「建設現場の何でも屋さん」です。

雑工は建設業の職種のひとつで、文字だけ見るとなんとなく「いいかげんな・適当な」という感じに捉えられがちですが、実はそうではありません。

雑工の「雑」というのは、「色々な仕事が入っている」という意味で捉えることができます。

建設現場では、いわゆる「職人」たちの集まる場所です。
専門分野に長けていてその道のプロフェッショナルです。でもそうした人たちとは違う専門分野を必要としない仕事も建設現場には存在します。

建設現場ではそのような専門的な知識は必要ありませんが、かならず細かい仕事は発生します。そこで活躍するのが「雑工」なのです。

また、雑工は現場監督の手助け的な仕事を行います。現場監督は非常に多忙で、職人の相手などなかなか気難しい人たちと向き合っていかなければなりません。職人は先に述べたようにその道のプロたちです。それだけに細かい清掃などまではなかなか手が回りません。
そういった細かい作業を現場監督の指示の下で行ったりします。

では雑工とは具体的にどんな仕事をするのでしょうか。
次項で詳しくご紹介していきます。

雑工の仕事内容の解説

仕事内容

現場の清掃

建築現場や解体現場では、細かい粉塵やガレキ、ゴミなどが必ず出ます。
そのようなゴミなどを放置しておくと作業員が足を躓いたり、ガレキに足を引っかけて転倒など、業務災害につながるおそれがあります。

そういった危険な要因を取り除くために雑工は清掃を行っていきます。
建設現場や解体現場などのゴミは、多いときで一日20Lの袋が約15袋以上出る現場もあります。

養生の施行

建設現場などでは、鉄骨を加工したりする場合、ガス溶断などを行ったりします。このときにスパッタという火花が周辺に飛び散ったりします。そのようなときに、溶断付近に不燃材のシートなどを持ち、スパッタが周りに飛び散らないように養生したりします。

また戸建て住宅などで補修などを行う際、ドリルやノコギリなどを使えば周辺に粉塵が舞って住宅を粉塵だらけにしてしまいます。
そうならないために雑工は周辺に養生シートを張り、粉じんが周りに積もらないようにビニールを張ったりします。

運搬作業

雑工は、資材運搬を行ったりもします。
職人から指示された場所へ資材を運搬し、必要な場所へ移動したりもします。

軽い物から重い物まで運搬物はさまざまで、現場によって異なってきますが、重い物だと約20キロもの重量物を運んだりもします。

重量にもよりますが、手で持ち運んだり運搬機器を使って運んだりします。
雑工の業務の中ではこの業務が一番キツイ作業となります。

職人の補助

職人が行っている作業の補助を行います。物を支えたり、作業に専念できるように周囲にある不要物を整理整頓したりします。

場合によってサンダーなどの道具を使って鉄骨を削ったりも行ったりします。

サラリーマンとの給与面の比較

給与面
雑工の収入面はどういったものでしょうか。

雑工は基本日雇いで日当払いになります。

一日平均で日当1.0万円ほどで、経験者だと日当1.8万円になります。
日当1.0万円で20日働いたとすると月給20万円。ボーナスのある所ですと、年収約300万円ほどになります。
サラリーマンの平均年収が約450万円ほどですので、サラリーマンよりも給与面では安い傾向にあるのが現状です。

経験者で現場の経験を積んでいると日当1.8万円ほどになりますので、年収は約400万円程度になります。

全体的にはサラリーマンより若干平均年数は低いといった結果になります。

しかし、募集要件によって短期のアルバイトや派遣業務などがあり、このような場合は比較的日当が高めで設定されているので一概にサラリーマンより安いとは言い切れません。

雑工のやりがいやキツさ

やりがい

やりがい

いろいろな職種に関係を持つことができる

雑工は基本的に専門的な仕事はありませんが、専門的な仕事の補佐はできます。それは鉄筋の施行であったり、電機工事の補助であったりと種類はさまざまです。
そのなかで、職人たちの華麗な技を目の当たりにすることができます。そうすることで、普段での生活では見ることができないものを新鮮に感じ取ることができるでしょう。

ものづくりに携わることができる

雑工は養生や清掃などと言った雑務の仕事になりますが、それでもやはり自分の携わった建物が出来ていくというものは感慨深いものがあります。
専門的なしごとではないものの、「この建物に自分が関わったんだ」という誇りを持つことができるでしょう。

体力をつけることができる

雑工は肉体労働です。重い資材を運ぶことはざらにあります。
こうした肉体労働で体力をつけることもできます。

難しい知識を必要とせず、比較的気軽に仕事ができる

雑工はあくまでも補助が仕事です。ですので、専門的な知識やスキルがなくても従事することができます。
さらには、補助であるがゆえに専門職における責任もあまり重くありません。そういう面では比較的気楽な気持ちで作業に従事することができます。

日払いの現場もある

「急にお金が必要になった」「短期間でお金を稼ぎたい」という人も少なくはないでしょう。
そういった場合、雑工の仕事は短期間で日雇いのところが結構あります。ですので、短期間で収入がほしいという方には向いている職業かもしれません。

きついところ

立場が低い

雑工はなんでも屋です。であるがゆえに扱いも低い傾向にあります。
中にはあまり性格のよくない職人さんもいます。馬鹿にされたり大声で怒鳴られたりもします。ですが、このような傾向は昔に比べ格段に減りましたが、それでもそのような体質が抜けきらない職人もいますので、現場によっては低い扱いを受けることがあります。

専門的な知識や技術が身につかない

雑工はあくまで「補助」です。専門的なスキルは身につきません。職人の技を間近で見ることはできますが、見るだけでは実際スキルは身につきません。職人の世界はそんな甘いものではなく、長年の経験で培った技なのです。左官のプロになれるわけでもありませんし、鳶のプロになれるわけでもありません。

体力的にハード

建設現場などでは基本屋外の仕事場になります。夏は猛暑にさらされ、冬は極寒の環境下での仕事になります。建物が完成してきて屋内工事に切り替わったとしても空調がありませんので、場合によっては風も通らず屋外よりも過酷な作業場になる場合があります。

また、基本的に一日中立ち仕事になります。一つの仕事が終わったら即次の仕事があり、まず座って仕事をすることはありません。
そういう意味でも体力的に非常に厳しい仕事と言えるでしょう。

比較的自己負担が多い

作業現場では安全対策に伴って、ヘルメットの着用や、安全靴などの保護具が必要になってきます。こういった現場での安全保護具がすべて自己負担という現場もあるので、費用がかさむ場合もあります。

雑工はどちらかというとキツイ面が多い職業ですが、その分日当は割高です。

雑工と多能工との違い

よく雑工と多能工とを混同してしまう人がいますが、雑工と多能工とは全く別の職種です。

雑工はいわゆる雑務や職人の補助、清掃や養生と言った作業です。一方で多能工は専門的な職種のサポートになります。

多能工はクロス張りや各業者の専門的な施工を行ったり、その補助も行うために専門的な知識が必要な職種です。

雑工の服装について

服装

ヘルメット

基本建設現場ではヘルメット着用が義務付けられていますので。ヘルメットは必須アイテムです。
ヘルメットを着用せずに仕事をしていると、飛び出た鉄筋や鋼材などに頭をぶつけ、大けがにもなりかねません。そういう意味ではヘルメットは頭を守る保護具としてはなくてはならないものです。

作業服

現場によっては作業服を用意しているところもあれば実費のところもあります。
作業服は長袖長ズボンを着用するようにしましょう。
半袖などを着用していると、資材などに腕を引っかけて切創してしまう恐れがあります。
また、作業服のサイズはあまり大きな作業服を着てしまうと物に作業服が引っかかってしまう恐れがあるので、サイズはきちんと適切なサイズを着るように心がけましょう。

手袋

基本的には軍手で作業します。素手で作業することは極めて危険です。きちんと手袋を着用して仕事をするようにしましょう。
建設現場によっては皮手袋の着用を義務付けているところもあります。

安全靴

基本スニーカーでも問題ありませんが、現場によっては安全靴を着用して仕事をしなければならない現場があります。

安全靴とは、靴の先端に鉄製の板が入っている靴で、足先に物が落下しても足を守られるように作られているものです。
建設現場によってはこの安全靴は自己負担のところがあります。

腰袋

腰袋はちょっとした工具や釘などを収納できる腰に巻き付ける袋のことで、作業によっては両手がふさがる場合があるのでこの腰袋はこのようなときに重宝します。

安全保護具は自分の身の安全を確保するものです。きちんと正しい保護具を着用するようにしましょう。

雑工の一日の流れ

一日の流れ

朝礼

建設現場では毎朝必ずと言っていいほど朝礼があります。
ラジオ体操から始まり、工事の進捗具合や安全に対する意識の再確認など極めて重要なものです。
他人事と思って受けてはいけません。
雑工といえども他の職人同様、ちゃんとした作業員なのですから特に安全意識を高く持って朝礼を受ける必要があります。

清掃や補助業務

朝礼が終わったら、各自持ち場へ移動して業務に入ります、雑工はここでメインの仕事となる清掃や養生、職人の補佐、資材運搬などを行っていきます。

点検業務など

雑工は主に現場監督と行動を共にします。
現場監督と現場を巡回しながら作業者の保護具着用の点検や、物を移動したりシールをはがしたりと、簡単な軽作業が入ります。

雑工は現場監督の指示のもと作業に従事するのがほとんどで、指示された業務が終わると次の指示までの待ち時間がよく発生します。

終礼

終礼はその日進んだ仕事内容や安全状況の結果などを現場監督に伝えるものです。
この終礼が終わって初めてその日の仕事が終わります。

雑工に向いている人

向いている人

体力に自信のある人

雑工は肉体労働です。状況によっては過酷な環境下で仕事をしなければなりません。また、重い荷物を運搬するのも日常茶飯事です。
そうした面において体力に自信のある人には向いている仕事です。

我慢強い人

雑工は建設現場では比較的地位の低い扱いを受けがちです。現場監督のみならず、あらゆる職人などから指示を受け続けることになります。仕事が遅いと怒鳴られたりすることもしょっちゅうで、もたもたしていると職人の仕事の邪魔になったりもします。
そうした中でも我慢強く業務に就くことができる精神的に強い人に向いています。

何事にも一生懸命な人

雑工とはいえ立派な作業員の一員です。物事に対して一生懸命に取り組める人は仕事においても同様で、必ず重宝されます。

ものづくりに携わる誇りを持てる人

専門的な職種ではありませんが、ものづくりに関わる大事な仕事のひとつであることは間違いありません。
そういった考え方をもって業務に就くことができる人は、ものづくりに携わる一員として誇りをもって仕事をすることができるでしょう。

短期間でお金を稼ぎたい人

雑工は比較的短期間で雇われる場合が多く、短期のバイトで稼ぎたい方に向いています。
また、短期であるためにさまざまな違う現場での仕事もできるため、飽きずに仕事に従事することができます。

注意力のある人

建設現場は非常に危険な仕事場でもあります。一瞬の気のゆるみが大きな事故につながりかねません。
よって仕事をしながらも常に周りの状況を把握しながら仕事をしなければなりません。
事故が起きてしまってからでは遅いのです。そうした面でも常に注意深く仕事に就くことができる人がこの仕事には向いていると思われます。

暑さ寒さにめげない人

作業現場は非常に過酷です。暑いところや寒い所での作業はしょっちゅうで、こうした作業環境でも耐えられるめげない心が必要になってきます。

まとめ

まとめ
いかがだったでしょうか。雑工とは軽作業が主な仕事ですが、それでも肉体的にも精神的にも比較的キツイ仕事であると言えます。

短期間でお金を稼ぎたいときやすぐに働きたいときにはちょうどいい仕事なのかもしれませんし、求人においても雑工は比較的募集が多いです。
さらには、年齢層も高めで、40代~50代の方もたくさんいます。

しかし、ものづくりに携わる仕事であることは間違いありません。
普段なにげなく街を歩いているときに、目の前にその建物が現れた時、「この建物は自分が関わった建物なんだなぁ。」とその建物に通りかかったときに誇らしく思えるかもしれません。

そのようなものづくりに興味のある方や、いろいろな職人の作業を間近で見て、将来の自分のなりたい職人を見つけ出すのもいいかもしれません。

これから転職するにあたり雑工の経験をしてみるのもいいかもしれませんし、職人になるためのワンステップと捉えてこの仕事に就くのも良いかもしれません。

そういった方々にこの記事が少しでも参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました