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「重機オペレーター」とは? 重機の種類や資格について

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土木・建設工事の現場で活躍する「重機」

そしてこの重機を扱う人のことを「重機オペレーター」といいます。

重機には様々な種類が存在し、現場や用途ごとに使用するものが異なります。

加えて、その重機を扱うためには複数の資格を必要とします。

今回は、重機および重機オペレーターについて、詳しくご紹介していきます。

重機とは


これは、建設機械(略して建機とも呼ばれる)の一種であり、土木や建築工事の際に使用される機械のことです。

人の力だけでは困難な掘削や資材搬入・搬出などを効率よく行うために造られたもので、主に道路・ビル・工場・倉庫などの建設や解体工事の際に使用されます。

尚、「建機と重機の違い」についてですが、

『建機』:土木・建築の作業に使用される”全ての機械類”
『重機』:自走する建設用機械の中で、”無人で動作するものを除いたもの”

このような違いがあります。

つまり、”重機は建機の一要素”ということです。

重機と一言でいっても、その種類や車両の大きさは多種多様に存在します。

次の項目では、使用される機会が多い重機をいくつかご紹介していきましょう。

重機の種類

ショベルカー


土砂を掘ったり(掘削)詰め込み作業などを行う機械で、工事現場にはなくてはならない……そして世界中で最も多用されている重機です。

呼び名も「油圧ショベル/ユンボ/バックホー」など、様々に存在します。

使用用途も、

配管埋設
水路整備(溝堀り)
間伐
採掘
骨材採取
地山の切り取り
方面の整形
解体
破砕

など、様々な場面で活用されます。

フォークリフト


フォークリフトも幅広く利用されている重機の一つです。

先端のつめの部分に荷物を置いて、運搬や積載・在庫管理などを行います。

運搬する荷物は「パレット」という土台の上に置かれます。

これは、建設現場はもちろん、

工場
運搬業
置き場

など、荷物を運ぶ業務に携わる業種でも幅広く使用されています。

クレーン車


クレーン車は、規模の大きな建設現場で多用される重機であり、

高所への資材搬入
荷物の吊上げ
柱の組立

などで、利用されます。

尚、似た重機として「高所作業車」という、同じく高所での作業を前提としたものが存在します。

この2つの大きな違いは”足場となる作業床や昇降装置の有無”です。

高所作業者には、作業員が高所で作業を行うための足場が用意されています。

対してクレーン車にはそれがありません。

ブルドーザー


ブレードという排土板を使用し、土砂を掻き出したり・押し出したりする重機のことです。

尚、ブルドーザーの開発当初は上画像のようにタイヤタイプのものを指していましたが、現在は、下記のように区別されています。

・タイヤタイプ:ホイールローダー
・キャラピラタイプ:ブルドーザー

ブルドーザーは、先進国より発展途上国の方が需要があり、現在は海外で使用されることが多くなっています。

ロードローラー


車体の前後どちらかにローラーが付いており、これを利用して地面を押し固めていきます。

「タンデム式/マカダム式/タイヤ式/ハンドガイド式/コンバインド式/振動式/」などいくつかの種類に分かれています。

使用される場面は、

道路
基礎の建設
土壌

コンクリート
アスファルト

などで、地面を整地する際に用いられます。

ダンプカー


荷台(ベッセル)に積み荷を乗せ、そして必要な箇所で積み荷を一度に下ろす機械装置を備えたトラックのことです。

土砂・産業廃棄物などの運搬のために利用されます。

尚、「ダンプ」というのは”どさっと下ろす”という意味の英語であり、積み荷を排出する様子からこの名が付けられているそうです。

土砂などの積み荷の運搬を行うという性質上、

宅地造成
ダム工事
トンネル工事
採石場

など、様々な場面で利用されている重機です。

その他

重機には、その他にも用途によって様々な種類が存在します。

例えば、下記のようなものも重機に該当します。

ホイールローダー
スキッドステアローダ
モータグレーダ
掘削、削岩、ボーリングマシン

これまでに紹介してきたものを扱う場合、それぞれで専用の資格を必要とします。

次項からは、重機を専門に扱う「重機オペレーター」について、詳しくご紹介していきます。

重機オペレーターになるには

この仕事は、専門的な知識と技術を必要とするため、誰もが行える仕事ではありません。

重機は、そのどれもが作業の効率化を図り便利に利用できるものではありますが、使い方を誤ると事故が発生し、危険を伴う可能性があるのです。

そして、その知識と技術を証明するために「免許」「資格」が存在します。

免許・資格について


重機オペレーターになるために必要な免許・資格は、大きく以下に分類されます。

免許
運転技能講習
特別教育

運転可能となる車両は、最大荷重・機体重量・最大積載量・吊上荷重など、細かな決まりが設けられており、必要に応じて取得を目指していかなくてはいけません。

尚、上記の中で最も取得難度が高いのが「免許」です。

ただし、免許を取得することで、大きく業務の幅を広げることができ、給与アップなどに役立てることができます。

そして資格に関しては、機体質量に制限が掛からない「運転技能講習」の取得を優先することをオススメします。

例えば、フォークリフトを例にとって2つの資格を比べてみます。

※条件は、取得する資格によって異なります※

  運転技能講習 特別教育
最大荷重 1t以上 1t未満
証明書交付 厚生労働大臣が指定する機関 事業者
実技講習 24時間 6時間
学科講習 11時間 6時間
修了試験 あり なし

取得難度は特別教育の方が易しくはありますが、運転技能講習の方が荷重制限を受けないため、仕事の幅が広がります。

後に免許を取得することも視野に入れている方は、運転技能講習の合格を目指して勉強を進めていくことをオススメします。

ただし、事項のように注意点があります。

公道を走るには別の免許が必要

土木・建設業界で働くことを検討している人は、大型免許や大型特殊免許の取得も併せて行う場合がほとんどです。

その理由は、重機を扱う資格を所持するだけでは”公道を運転することができない”からです。

運転技能講習などはあくまで重機の操作が可能となるだけなので、公道を走る可能性がある場合、重機の資格と併せて大型免許などの資格も取得しておく必要があります。

尚、逆も然りで、大型・大型特殊免許を取得しただけでは、公道での運転は許可されますが重機を扱った作業を行うことはできません。

資格の種類

数が多いので詳細を記載することはできませんが、いくつかの資格の種類を箇条書きでご紹介しておきます。

  • フォークリフト運転者
  • ショベルローダー等運転者
  • 車両系建設機械運転者
  • 不整地運搬車運転者
  • 高所作業車運転者
  • 移動式クレーン運転士
  • クレーン・デリック運転士
  • 玉掛作業者
  • 揚貨装置運転士
  • 締固め用機械運転者
  • 巻上げ機運転者
  • ボーリングマシン運転者
  • 非自走式基礎工事用建設機械運転者
  • ゴンドラ操作者
  • 建設用リフト運転士
  • ジャッキ式つり上げ機械運転者
  • 軌道装置動力車運転者

尚、これらの取得費用や試験期間も、資格によって様々です(既に所持している資格によって変動する場合もあります)。

そして、どれを優先的に取得していくかというのも、携わる仕事によって多様に変化します。

気になった方は、別途詳細を確認してみて下さい。

働き方

見習いとして

上述の通り、重機オペレーターとして仕事を行うためには、専門の免許・資格が必要です。

しかし、見習いとして会社に入社し未経験の場合から仕事を行うことはできます。

その場合は、作業員として現場で働きつつ資格取得を目指していきます(この間は重機を扱うことはできません)。

先輩の下で、重機の扱い方や危険性などについて学びつつ、資格取得に向けて勉強をする……そして、資格を取得できたところから、簡単な作業から順に任されていくようになるのです。

土木・建築業界は人材不足が課題の一つとなっており、未経験であっても採用される可能性があります。

学歴や年齢も不問となる場合が多く、資格取得支援制度を導入している企業も多く存在するので、やる気がある方は採用されやすい傾向にあると言えます。

ただし、入社してから見習いとして学んでいくには相当な覚悟が必要です。

体力を必要とする仕事ですし、見習いという立場柄給料も時給制となる場合があります。

決して楽な仕事ではないので、長期を視野にいれて行動を起こしていく必要はあります。

免許・資格所持者

免許や資格を取得し一人前の仕事ができるようになった後は、広く企業から求められる人材となります。

専門性の高さ・危険を伴う仕事ということもあり、給料も一般的な土木作業員に比べると高く、再就職の場合は採用される確率も高くなります。

また、企業に正規雇用されている場合は、ボーナスや住宅手当が付くこともあり、生活は安定してくると言えるでしょう。

ただし、肉体労働であること、危険性を伴う仕事であるため、資格を取得したからといって仕事が楽になるということはありません。

特に、事故を起こしてしまった場合は、他の作業員に危害が加わることもありますし、建設途中の建物に傷をつけてしまうこともあります。

慎重かつ安全に作業が行えるよう、体調管理にも気を配っていかなくてはいけない仕事です。

勤務時間や休日

重機オペレーターの仕事は基本的に屋外で行われる作業なので、勤務時間通り定時に仕事が終了するケースがほとんどです。

例えば、朝8時から夕方17・18時など。その間に小休憩やお昼休憩などが挟まれます。

規則正しい生活を送ることができるので、定時で働ける仕事を求めている人にとって魅力を感じる一面と言えます。

ただし、休みに関しては平日が休みになったり不定休になる場合があります。

例えば、

ビルや店舗工事などを行う場合、相手先が休みの際に工事をする
平日の天候次第では、土日祝に出勤する
急を要する工事の場合、休みが中々取れない

といったパターンです。

休日の取得は、予定通りにいかない場合が多々あるので、この点は注意しておいた方がいかもしれません。

現状と将来性

深刻な人手不足


まず、重機オペレーターの仕事は、現在急増しています。

理由は、地震や台風などの自然災害の影響により、復興工事が頻繁に行われているからです。

専門性が高く、扱う重機によって必要な人材も大きく変化するだけに、誰でもこの仕事に従事できる訳ではありません。

そのため、資格所持者はもちろんのこと、未経験者であっても採用されるケースが非常に多く、多数の求人が募集されています。

また、作業員の高齢化や少子化の観点もあり、若手の人材育成と確保も課題の一つとなっています。

そのため、免許・資格を有している人は多くの会社に必要とされる人材であり、将来性も明るいものと考えられています。

重機の無人化

現在、様々な業界内で「機械化」が進んでいます。

これまで人々の手によって行われていた作業がAIを利用した機械に取って代わり、簡単な作業であれば全て機械が自動で行うようになっています。

自動車運転の自動化も同じです。こちらも現在開発が進められており、いずれAIが自動で運転する時代も到来すると言われています。

つまり、いずれ重機による作業も自動化される可能性があるということです。

もちろん、作業員のこれまでの経験や知識・技術が影響する仕事なので、早々に機会に取って代わられるということはありません。

しかし、いずれ高度なプログラミングにより、部分的にでも機械が作業を行えるようになれば……作業員の仕事はこれまでよりも減少していくことになるかもしれません。

どの仕事でも同じですが、免許を取得したからといって、一生安定した暮らしができるという保証はありません。

現在、仕事に携わっている人、これから仕事をしていきたいと考えている人は、知識・経験など、より高度なものを得らえるように努力していく必要があると言えるでしょう。

まとめ

専門性の高い仕事であり、自身の努力次第でキャリアップを目指すことができる重機オペレーター。

複数の重機を扱えるようになれば、それだけ多くの会社に必要とされる存在になり、長きに渡って仕事に携わることができます。

また、人手不足の関係から雇用条件が整備されている会社も増加し、未経験者の方でも採用のチャンスがあります。

“機械による自動化”についても、全てがAIに取って代わられるということも早々ありません。

そのため、将来性の高い仕事の一つといっても差し支えないかと思います。

ただし、決して楽な仕事ではありません。

見習いからスタートした場合、覚える内容は非常に多く、先輩からの叱咤激励が飛び交うこともあるでしょう。

免許や資格も数多くあり、複数の資格を取得するための努力を継続し続ける必要もあります。

そして、取得した後でも、危険と隣り合わせの仕事であるため安全性には十分注意しなければいけません。

この仕事は技術向上を前向きに捉えて成長できる人が向いている仕事といえます。

関心を持たれた方は、さらに多くの情報を収集し、自身のスキルアップに役立ててみて下さい。

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