わたしたちが生活していく中でよく目にするダンプカー。積み荷を積んで颯爽と街中を走るその姿はカッコイイものです。
しかもその大きさは目を見張るものがあります。子どもたちの憧れでもあるのではないでしょうか。
しかしわたしたちは、その大きな姿、目に入るものだけを認識して詳しい内容についてはイマイチ理解していない人も少なくないのではないでしょうか。
この記事ではそんなダンプカーについて、チョット突っ込んだお話をご紹介していきたいと思います。
1. ダンプカーの仕事内容ってどんな仕事?
ダンプカーとは、荷台を傾けて積み荷を一度に下ろすための機械装置を備えたトラックのことです。
主に土砂や産業廃棄物などを運搬するために用いられます。
ダンプとも略されることが多いです。
ダンプ(dump)とは、「(荷物などを)どさっと下す」という意味の英語で、土砂を排出する姿がこれに合致することからこの名が付けられました。
なお、英語のdump carは主に鉄道車両を意味していて、自動車はdump truckと呼ぶことが多いそうです。
構造は、油圧シリンダの伸長する動作で荷台を傾けて、重力によって土砂を排出する構造になっていますが、さまざまな分類方法があります。
2. 建設現場で活躍するダンプカーの種類とは?
ダンプカーはいろいろな形態で種類が分けられています。
たとえば、荷をどのような形で下ろすのか。などがありますので、ここでおおまかにご紹介していきたいと思います。
形態による分類
普通ダンプトラック
一般公道を走行する前提として、トラックのシャシ(車の足回りの機構)に荷台を架装し、平坦地での走行性能を保つ形態に設計されています。
街中で一般的に見かけるダンプトラックの最大積載量は、小型が概ね2トン~4トン、中型が概ね3トン~8トン、大型で概ね9トン~11トン程度となっています。
また少数ではありますが11トンのものもあります。さらには軽自動車の規格に合致する最大積載量350キロ以下にものもあります。
重ダンプトラック
重ダンプトラックは「オフロードダンプトラック」や「マンモスダンプ」とも呼ばれています。
このダンプは一般道を走行せず、もっぱらダム建設などの大規模な土木工事現場や鉱山などの作業用として用いられています。
積載量は20トンから300トンを超えるものまであります。
ホイールベース(前輪軸と後輪軸との距離)が短く、タイヤ径も非常に大きいのが特徴です。
荷台の構造による分類
最も一般的なダンプカーに採用されている荷台が後ろに傾いて荷を下ろす「リヤダンプ」と、荷台が左右に傾いて荷を下ろす「サイドダンプ」があります。
そのほかには、トラックの高さよりも上に荷を下ろすために昇降する「リフトダンプ」が存在します。
また、アオリ(ゲートのこと)の形状によって一般的な「下開き」の他にも、開口面積の大きい「上開き形」のものがあります。
さらには、アオリがなく後部に傾斜が付けられた「スクープエンド形」もあります。
普通ダンプトラックはリンク機構(複数のリンクを組み合わせて構成した機械装置のこと)併用の油圧シリンダーで荷台を上下させるものが一般的ですが、重ダンプトラックの場合はリンク機構がなく、シリンダーで直接荷台を操作します。
3. ダンプカーの大きさと価格はどうなっているのか?
ダンプカーが道路を走っている姿をみて「大きいなぁ」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、一般的なダンプカーの荷台寸法や、マンモスダンプの全体の大きさなどをご紹介していきたいと思います。
10トンダンプ(大型)
車両寸法:全長 約7600mm
全幅 約2500mm
全高 約3000mm
荷台寸法:長さ 約5000mm
幅 約2200mm
高さ 約500mm
最大積載量:約9.5トン
価格:およそ700万円
4トンダンプ(中型)
車両寸法:全長 約5500mm
全幅 約2200mm
全高 約2500mm
荷台寸法:長さ 約3400mm
幅 約2100mm
高さ 約300mm
最大積載量:約3.5トン
価格:およそ400万円
2トンダンプ(小型)
車両寸法:全長 約4600mm
全幅 約1600mm
全高 約2000mm
荷台寸法:長さ 約3000mm
幅 約1600mm
高さ 約300mm
最大積載量:約2.0トン
価格:およそ200万円
マンモスダンプ(T282シリーズ)
車両寸法:全長 約15000mm
全幅 約9500mm
全高 約15000mm
最大積載量:約360トン
以上のように、ダンプカーの最大積載量によって車体の寸法や荷台の寸法がいろいろあります。中でもマンモスダンプは、車体の長さや高さが15メートルほどもあり、その大きさは計り知れないものがあります。
4. まとめ
これまでダンプカーの仕事内容や種類、大きさや価格などをご紹介してきました。
ダンプカーはとても小さなものからスケール感が驚異的なマンモスダンプまで実にさまざまな種類のダンプカーが存在していることがお解かりいただけたと思います。
道路や歩道を通行しているときにダンプカーを見かけたら、この記事の内容を思い返して頂けたら幸いです。