「屋根裏からゴソゴソと音が聞こえる……」
「最近、咳などのアレルギー症状が出始めた……」
「これってもしかして……害獣に住み着かれている……?」
このような経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。
そして、中には、実際に害獣を目撃したり、フンや足跡を発見したり……。果ては、害獣の被害に合われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、害獣・害虫・害鳥の駆除は、目先の問題を取り除いたとしても再発する可能性が非常に高いと言われています。
また、例え害獣といえども、駆除するためには許可を必要とする場合があり、駆除する際に資格が必要なこともあります。
もちろん個人で対策を講じることは可能ではありますが、問題が発生した際は、基本的に害虫駆除業者に仕事を依頼するのが問題解決の一番の近道といえます。
今回は2回に渡り、この害獣駆除についてご紹介をしていきたいと思います。
1回目(本記事)は『害獣・害虫・害鳥について』詳しくお話をしていき、2回目で『害虫駆除業者の選び方』『オススメ業者ランキングTOP5』をご紹介できればと思います。
そもそも『害獣』『害虫』『害鳥』とはなんなのか?
害獣・害虫・害鳥とは、その名の通り“人間になんらかの形で害(被害)を与えるもの”のことを指しています。
これは、人の身体に影響を及ぼすものだけでなく、「家畜・ペット・農作物・財産」など人に関連する全ての被害が該当します。
以下で、分類ごとにもう少し詳しくお話をしていきましょう。
『害獣』とは?
人間の活動に害をもたらす可能性がある、哺乳類に属する動物一般のことをいいます。
極論を言うと、上記の中で家畜などの飼育動物以外のほとんどが、これに含まれる可能性があります。
そして、害獣による被害およびその代表とされる動物としては、以下が挙げられます。
基本的に、動物には動物の生息域というものが存在し、動物が人間の生息域に出現するのは餌などの資源を求める時が主となります。
もしくは、人間側が(山などの)動物の生息域に足を踏み入れた時などです。
しかし、現代では以下のような問題が起こっており、人間の生息域に出現する動物が増加しています。
②外来生物などの、本来の生息域が(日本国内に)そもそも存在しない
「2020年の10月、石川県のショッピングセンターにクマが侵入した」というニュースがありましたが、現在クマの出没例も相次いでいます。
また、外来生物は、「人為的な影響で本来日本に存在しなかった生き物が、分布域を爆発的に拡大させ、生息(生育)数が激増している」として問題視もされています。
例えば『アライグマ』のような、ペットにするために日本に導入されたものの、飼育放棄されたり逃げ出したりして国内で増加してしまったもの……などです。
ただし、外来生物だから全てが問題視されている訳ではありません。
例えば、『サケ・マス類』などは、有用な水産資源として積極的に日本各地の河川や湖に導入されていますし、害獣に分類される動物の“天敵”を導入することで被害を抑える工夫なども取られています。
何にせよ、上記で挙げた問題のどちらもが、人の手による『人災』であるとも言えますが、だからといって動物からの被害を野放しにしておく訳にはいきません。
それに、現在は環境改善として様々な取り組みも打ち出されています。
『害虫』とは?
無脊椎(むせきつい)動物……特に昆虫類に該当する節足動物類がこれに該当します。
最も代表的、かつイメージしやすいのはゴキブリではないでしょうか。
ただし、一言で害虫といっても、その被害内容・害虫の種類は多様に存在します。
以下がその一例です。
そもそも、「虫が苦手……」として、見ただけで心理的に嫌悪感を抱く人も少なくありません。
ちなみに、害虫の反対……つまり「人間の生活に役立つ虫」のことは、『益虫(えきちゅう)』と呼ばれています。
最も代表的なのは、蜘蛛でしょうか。
蜘蛛は、ゴキブリ・ダニ・ハエなど、人々の生活の中で必ずといっていいほどに存在する害虫を捕食してくれます。
人間にとってさほど害のない虫(種類による)ではありますが、その見た目に抵抗がある人もいらっしゃるかと思います。
このような、人の心理的な部分に害(不快感)を及ぼす虫のことは、『不快害虫』と呼ばれています。
虫に関しては、個々人の捉え方も影響してくるため、「害虫か否か」の判断が難しいところではあります。
『害鳥』とは?
これは、人々の活動に何らかの悪影響をもたらす存在として認識されている『鳥類』のことです。
逆に、人々の生活に役立つ鳥のことは『益鳥(えきちょう)』と呼ばれています。
“害鳥”と聞くと、『カラス』をイメージする人が多いかもしれません。しかし害鳥と一言でいっても、その種類や被害内容は様々です。
被害例で大別をすると、以下のようになります。
・漁業被害
・生活環境被害
・騒音被害
・生態系被害
例えば、収穫前の穀物や野菜などを食い荒らされたり、養魚場の魚介類を捕食したり……。
身近なもので言えば、生ゴミを荒らされたり・鳥の糞による汚損(汚染)や腐食されたり……場合によっては鳴き声などの騒音問題も発生したりします。
ただし、害鳥といえども、鳥類は簡単に駆除することができません。
なぜなら、日本には『鳥獣保護法』という法律が存在するからです。
いくら被害を被っているからといっても勝手に駆除することはできず、駆除が必要な場合は鳥獣保護法に基づく捕獲許可を都道府県から受ける必要があります(審査基準に適合しなければならない)。
そのため、基本的には、防鳥網や爆音器、かかしなど、鳥よけ対策を施すことがほとんどとなります。
なぜ、害獣たちを駆除する必要があるのか?
昔から、農林水産業への被害や木造住宅の劣化(腐食)など、害獣たちの存在は悩みの種でした。
そして、その問題は建築技術が進歩した現代であっても、同様に発生し得る可能性があります。
なぜなら、害獣・害虫にとって、建物の内部は「餌不足に困ることが無い……かつ、外敵に狙われにくい安全地帯」だからです。
害獣・害虫に分類されるものは、基本的に『繁殖力』が非常に高いのが特徴です(ゴキブリを1匹見かけたら、100匹はいると思え……は良く聞く話だと思います……)。
屋根裏などの建物内部は、外敵(天敵)に狙われる可能性が低く、餌に困ることがありません。
一度こういった場所に住みつかれると、どんどんと繁殖を繰り返し……気づいた時には後の祭り……。
あまりにも対応が遅くなる(長期間放置する)と、そこに住まう人たちに危害が及ぶばかりか、下手をすると大規模なリフォームすら必要になってくる可能性もあり得ます。
以下に、いくつかの被害例をご紹介しておこうと思います。
アレルギー症状(健康状態の悪化)に繋がる
ご家庭によっては、「最近、(喘息症状などの)家族のアレルギーがひどくなっている気がする……」と感じる場合があるかもしれません。
実は、害獣には大量の『ダニ』や『ノミ』が寄生しています。
これらの糞や死骸を吸い込むことにより、そこに住まう人々の健康被害に繋がることがあるのです。
当然ながら、建物内部に害獣が増殖すればするほど、これら寄生虫の数も増加してしまいます……。
屋根が腐る……
「屋根裏にネズミが……」
「屋根裏で何かが走る音が聞こえる……」
「屋根裏に何かが住み着いている気がする……」
屋根裏というのは、人の手が行き届きづらい(掃除しようにもできない)場所であり、最も害獣が繁殖しやすい場所でもあります。
ある意味、害獣にとっては楽園のようなものです。
なぜなら、天敵に狙われる危険も少なく・餌に困ることもなく・安全に繁殖できる場所だからです。
ここを害獣の寝床にされると、害獣はどんどん繁殖してしまいます。
そうなると、天井裏には害獣の糞尿がたまって、天井板がペコペコに波打ったり、尿が滴ってきたり……。
このような状態で長期間放置してしまうと、天井の修繕はもちろん、大規模なリフォームが必要となってしまう可能性もあります。
『シロアリ』による住宅への被害……
『シロアリ』と言えば、古くより住宅の木材を食べることで有名な害虫です。
名称に“アリ”と付いていますが、実はアリとは全く関係のない『ゴキブリ目シロアリ科』に属する昆虫です。
1つの巣に、数百から数百万匹が生息すると言われており、当然ながら個体数が多くなればなるほどに、被害は甚大なものとなってしまいます。
加えて、黒い羽アリなどの、種類によってはシロアリと判断し辛い(良く見かけるクロアリと勘違いする)ケースもあるため、被害に気付き辛いパターンもあるのです。
近年は木造住宅自体が減少傾向にはありますが、その存在を警戒しておくに越したことはありません……。
『火災』『病気』『怪我』など、予期せぬ事態が起こる可能性も……
- 「害獣に電源コードをかじられ、ショートして火災が起こる」
- 「害獣および害獣の糞に付着する病原菌を誤って口にしてしまい、食中毒や感染症にかかる」
- 「寝たきりの老人・赤ちゃんの耳や手がかじられて、大けがをする」
「まさか……そんなことって起こるの?」と感じる人もいるかもしれませんが、これらも実際に起こりうる害獣・害虫被害の一つです。
害獣・害虫も“生き物”なのです。
生き物相手なのですから、実際問題、上記以外でも予想もできない行動を起こす可能性だって否定はできません……。
自力で駆除することはできないのか?
結論から先にお伝えすると、「自力で”対策”することはできても、自力で”根絶”することは難しい」かと思います。
例えば、ホームセンターなどで、市販の薬剤や罠を購入して対策を施すことは可能です。
ただ……よく考えてみて下さい……。
“ごきぶりホ〇ホ〇を設置しただけで、住宅内のゴキブリを完全に駆除することができますか……???”
答えは……NOです。
仮に、目の前の害獣・害虫を駆除することに成功したとしても、一度繁殖してしまえば裏で大量に増殖してしまいます。
市販の薬剤や罠は、いわゆる『一過性』のものに過ぎず、それだけで住宅内のそれらを完全に根絶することは難しいのです。
そもそもの、『害獣・害虫の侵入経路』をしっかりと防がなければ、再び同じ問題がいずれ発生することとなります。
加えて、上述でもお伝えした通り、害獣・害虫は様々な菌を付着させているため、感染症などのリスクをも伴う可能性があります(ある種”不潔”と言える)。
害獣・害虫に対する確かな知識を有している人ならともかく……。
そうでなければ感染症などのリスクを伴う危険性もあるため、「嫌な予感がする……」と危険を察知したならば、自力でどうこうしようとはせずに専門業者に依頼するのが賢明な判断と言えるかと思います。
駆除するためには『許可』が必要……?
鳥獣保護法について
“害鳥”の項目でもお話した通り、日本には『鳥獣保護法』……つまり「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」というものが存在します。
この法律のことを端的に表現するならば、『対象となる鳥獣を、許可なしに勝手に駆除してはいけない』ということになります。
そして、この法律の対象となる鳥獣は、野生の『鳥類』と『哺乳類』です。
つまり、『害鳥』だけでなく『害獣』も(この法律の対象となっている動物は)、自己の判断で勝手に駆除することはできないのです(鳥獣の捕獲・鳥類の卵の採取も原則禁止されている)。
これに該当する全ての鳥獣を記載すると、非常に長くなってしまうので省略しますが……。
例えば、鳥類で身近によく見かけるものとしては『スズメ』や『カラス』がいますが、鳥獣保護法の対象内です。
そして、哺乳類で身近な害獣被害に挙げられるのは『アライグマ』『イタチ』『ハクビシン』などですが、これらも許可なく駆除することはできません。
※上画像は、『ハクビシン』です※
尚、古くは、哺乳類は大型のものしか対象ではありませんでしたが、2002年の新法により、ネズミ類やモグラ類などの小型の哺乳類・海生哺乳類も対象となりました。
(ただし、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミは除かれる)
このことから、害虫はともかく、害獣・害鳥に関しては自己の判断で勝手に駆除を行おうとするのは止めた方が無難かと思います。
前述でご紹介した感染症などのリスクもあるため、害獣や害虫の気配を察知したら、早めに駆除業者に調査を依頼した方が懸命です。
狩猟(捕獲)するには『免許』が必要となる
少し余談となりますが、鳥獣保護法に指定されている鳥獣は、『狩猟免許』という免許がなければ狩猟(捕獲)することができません。
もっと厳密に言うと、免許を取得していても、自由に狩猟できる訳でもありません。
特に狩猟銃を使用する場合は、公安委員会の厳格な手続きを経た上で所持許可を得なければいけません。
また、実際に狩猟する場合は、猟具・猟期・狩猟する場所に応じて、狩猟者登録を行う必要もあります。
ちなみに、免許は猟法の種類によって、以下の4種類に分けられています。
◆わな猟免許
◆第一種銃猟免許
◆第二種銃猟免許
これらの詳細については、今回の趣旨から大きくズレてしまうので省略しますが、なんにせよ「どれだけ害獣の被害に迷惑していたとしても、自己の勝手な判断で駆除することはできない」ということだけは間違いありません。
困った時は、害獣駆除業者に依頼しよう!
現地調査を依頼するタイミングとは?
ここまでに紹介してきた通り、「目先の駆除(対策)をするだけでは根本的な解決にならず」、「法律により勝手に駆除できない害獣が存在し」、「感染症などのリスクも発生する」といったことから、害獣・害虫の気配を察知したら、早めに駆除業者に現地調査の依頼をお願いするのが良いかと思います。
例えば、以下のような場合です。
・最近咳などのアレルギー症状が出始めた
・家の外で害獣のフンや足跡を発見した!
・天井に雨漏りのようなシミが…獣臭いニオイがする
・屋根裏や壁、床下からゴソゴソ、バタバタ、ガリガリ音がする……
他にも、中古で購入した家は、害獣・害虫が住み着いている可能性が高いため、早めに業者に依頼した方が良いでしょう。
現地調査は、依頼する企業や地域にもよりますが、無料で行ってくれる業者も多いのが特徴です。
被害を最小限に抑えるためにも、早めに業者に相談するようにして下さい。
業者に依頼するメリットとは?
ここまでにも業者に依頼するメリットはお伝えしてきましたが、他にもいくつかメリットが存在します。
例えば、以下が挙げられます。
②清掃・消毒・消臭作業まで徹底して対応してくれる
③万が一の再発に備えて、保証期間も用意されている
また、企業によりけりではありますが、例えば天井の修繕などの修繕作業を行ってくれる業者もあります。
確かに、『業者に依頼する=お金がかかる』ではありますが、安心・安全・確実に対応してくれる上に、再発防止の保証まで付いてきます(業者により、保証の有無or期間は異なる)。
問題が起きてからでは遅いので、何か嫌な気配を感じたら……早め早めに業者に相談するようにして下さい。
ただし、駆除業者というのは各地方に数多く存在します。
そして、残念ながらその中には、ろくに駆除も行わず費用だけ回収しようとする悪徳業者もいるのです。
次回は、業者に依頼する際の注意点や、オススメ駆除業者をいくつかご紹介していきたいと思います。
まとめ
人が生活をしていく中で、害獣・害虫の存在は切っても切り離せないものです。
仮に一軒家ではなく、マンションの上階に住んでいたとしても……、生活している以上は必ず害虫はどこからか侵入してきます。
ある程度は自身の対策(罠を設置するなど)でも何とかなるかもしれませんが、一度繁殖してしまえば自己対策だけでは手に負えません。
そして、気付いた時には後の祭りです……。
そうなることがないように、そして一緒にお住まいの家族やペットを危険から守るためにも……。異変を察知したら、早め早めに業者に現地調査を依頼してみて下さい。