建築・建設業の求人をお探しの方は建築建設bizへ。詳しくはこちら!

建築業界のJVとは?特徴やメリットをわかりやすく解説

この記事は約7分で読めます。

建築業界におけるJVは、Joint Venture(ジョイントベンチャー)の略称です。

複数の企業が協力することで、建築業界ではより大きな成果を目指すことが可能です。

本記事では、建築業界のJVの方式やメリット、デメリットを紹介します。

今後の働き方などを考える際、ぜひ参考にしてみてください。

建築業界のJVとは

建築業界のJVは、複数の企業が協力して一つのプロジェクトを進める取り決めのことです。

とくにインフラ工事など大規模な工事の仕事でJVが取り入れられることが多く、各企業の専門知識や資材を総合的に活用することが可能です。

JVにはさまざまな方式がありますが、共通しているのは以下の特徴です。

  • 複数の企業が共同で出資している
  • 建築業における責任を分散する
  • 各分野の専門的な知識や技術を持ち寄る
  • 複数の企業が競うことでよりよいものが生まれる
  • 契約内容や目標、取り決めを法的に契約する

JVを取り入れている建築業界の企業は多く、今後もより広まっていくことが予想されます。

建築業界のJVの方式

建築業界のJVにはさまざまな方式があります。

どのような場面でどのJVが採用されることが多いのかをチェックしていきましょう。

特定JV

特定JVは、特定の各分野に精通した企業が集まって結成するJVのことです。

道路や橋、トンネル、大型のビルといった、専門的な知識や経験、技術が求められる建築において採用されることが多いです。

各企業が持つ専門的な知識や技術をシェアすることで、一つの企業に頼り切るよりもさらにクオリティの高い建築ができます。

特定JVは、多くの場合発注する工事ごとに結成されます。

建築物が完成すると、そのJVは解散します。

土木工事の場合は2、3社が結成することが多く、高層ビルなどの場合はより多くの企業で結成されます。

出資率の高い企業がリーダーとなるのが一般的です。

経常JV

経常JVは建築業界の中小企業が結成するものです。

建築物が完成したら解散する特定JVとは違い、継続的に協力関係を結ぶのが一般的です。

中小企業は人材不足や技術力の少なさによって新たな受注のチャンスを逃すこともありますが、経常JVを結成することで不足を補い、新たな仕事の拡大につなげることが可能です。

各中小企業の得意分野を生かし、不得意な分野を別の企業に補ってもらえる点も、経常JVの大きなメリットです。

地域維持型JV

地域維持型JVは、特定の地域の管理に不可欠な事業において、継続的に協力関係を結ぶJVのことです。

建築の業務のなかには、新しいビルや道路の建設だけでなく、既存の建築物やインフラの整備、メンテナンスの仕事も多くあります。

地方にとっては橋やトンネルが大切なライフラインになっていることもあり、建築の仕事は欠かせません。

そのような工事において、地域維持型JVは活用されます。

地域維持型JVは発注機関の入札参加資格を申請する際に結成されることが多く、一定の期間だけ登録されることがほとんどです。

復興JV

復興JVは、地震や台風などで大きな被害を受けた地域の復旧時に結成されるJVです。

災害が起きたあとは建築の技術がさまざまなシーンで必要になります。

壊れた橋、道路、配管、さらに建築物の復旧や、災害被害者の仮住まいの建設などを行わなければなりません。

幅広い範囲の技術や知識が求められるため、JVを結成することで相互に足りない部分を補い、協力してよりスムーズに復旧を目指すことが可能です。

復興JVはとくにその地域に根差している企業が結成することが多く、一定期間のみの結成になることがほとんどです。

JVを取り入れるメリット

建築業界でJVを取り入れるとどのようなメリットがあるのかを解説します。

  • 企業単体より資金を確保できる
  • 受注のチャンスが増える
  • 技術力が高まる
  • 経営のリスクを減らせる
  • 業務をスムーズに進められる

これらの特徴を一つずつ見てみましょう。

企業単体より資金を確保できる

複数の企業でJVを結成することで、資金を確保できる点は大きなメリットです。

とくに資金力が低い中小企業は、工事の入札ができない、そもそも材料費や人件費を用意できないなどの弊害があります。

規模の大きな仕事を得られないため利益も少なく、材料不足や人材不足の悪循環に陥ってしまいます。

ですが、複数の企業で資金を出資しあえば、中小企業でもより規模の大きい仕事にチャレンジできる機会が増えます。

受注のチャンスが増える

JVを結成することで、受注のチャンスが広がるというメリットもあります。

上記で解説したとおり、JVを結成すると資金力が増えます。

その結果、一つの企業では参加できない入札の案件にも参加でき、規模が大きく利益も高い仕事にチャレンジしやすくなります。

とくに一つの分野の専門性にたけている企業は、JVを結成することでより成長できるチャンスをつかみやすいでしょう。

技術力が高まる

JVを結成すると、さまざまな分野のスペシャリストと一緒に仕事ができます。

自分の企業が不得意とする分野も別の企業がカバーしてくれるため、よりクオリティの高い建築物を完成させられます。

また、他の企業の技術を自社の建築や人材育成などに導入することもでき、企業単体の成長に役立てることもできるでしょう。

大手企業と中小企業がJVを結成すれば、大手企業ならではのノウハウなどを吸収しやすく、中小企業の成長にもつながります。

経営のリスクを減らせる

JVを結成すると、企業の経営におけるリスクを減らすことも可能です。

一つの企業として工事を請け負っていた場合、その工事現場で大きな損失が出たり工事そのものがなくなってしまったりするとすべての負担を自社が負わなければなりません。

ですが、JVを結成していた場合は損失などは各企業が補えばよく、負担の大幅な軽減につながります。

これまではリスクが大きすぎてチャレンジできなかった規模の工事にも、JVを結成することでチャレンジしやすくなるというメリットもあります。

業務をスムーズに進められる

JVを結成すれば、スムーズに業務を進めやすくなります。

各分野のスペシャリストが集まるJVの工事現場では、それぞれの得意分野に集中して作業を進めることが可能です。

その分野に精通していない人材が多くスケジュールが遅れる、人材を確保できずに仕事を進められないといったトラブルも回避できるでしょう。

また、JVでは出資率が高い企業がリーダーシップをとるのが一般的です。

そのため、中小企業など出資率が低い企業はスケジュール管理などの負担を軽減できるというメリットもあります。

JVのデメリット

JVにはメリットだけでなくデメリットもあるため、事前に確認しておきましょう。

出資比率の大きい会社の影響を受けやすい

JVは、出資比率が高い企業が主導権を握るため、その企業の影響を全体が受けやすいというデメリットがあります。

工事内容には同意したものの、その企業の仕事の進め方に納得できないなどの場合でも、出資率が低ければ反対しにくいです。

中小企業など資金力が低い企業が業務において負担を感じるシーンもあるでしょう。

連帯責任を負うことになる

JVを結成すると、他の企業のミスも連帯で責任を負わなければなりません。

工事中に大きな事故などがあった場合、一つの企業だけでなく全体でその事故のカバーをする必要があります。

当初予定していたより利益が減る可能性もあります。

一方で、自社のミスで損失が出た場合でもJVを結成していればリスクを分散できるのは、JVの魅力でもあります。

JVを結成して新たなチャレンジを

建築業界でJVを結成することで、中小企業もより規模の大きな仕事にチャレンジしやすくなります。

企業の成長やチャレンジのため、JVの結成を検討してみたり、JVを結成している企業への転職を視野に入れたりしてみましょう。

以下の記事では、建築業界のなかでも規模の大きな業務が多いデベロッパーの役割について解説しています。

建築業界のさまざまな企業の役割を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

デベロッパーの役割は?ゼネコンとの違い、仕事内容を徹底解説

タイトルとURLをコピーしました