公務員は一般的に残業が少ない、給料や待遇が安定しているといった魅力があります。
建築職の公務員も同じように、残業が少なく待遇が安定しているのかをチェックしてみましょう。
建築業界は労働環境が悪いことが話題になりがちで、働き方改革もなかな進んでいないのが現状です。
少しでもライフワークバランスの取れた生活、働き方をしたいと考えている方は、公務員になる道を検討してみてもいいでしょう。
建築職の公務員とは?まずは仕事内容を確認
建築職の公務員と一口にいっても、さまざまな仕事を行っています。
公務員を目指したいとだけ考えていると、本来自分の得意なことや経験を活かせることができなくなってしまう可能性があります。
仕事内容を確認したうえで、自分に公務員が向いているのかを考えてみましょう。
設計書作成(積算)
建築職の公務員が担当する主な業務の一つには、設計書作成や積算があります。
これは、建築プロジェクトにおける設計段階で行われる重要な作業です。
公務員は、建築物の設計図面や仕様書を作成し、建設プロジェクトの計画や予算を立てます。
積算では、建築に必要な材料や労働力、設備などの費用を見積もり、予算内でプロジェクトを進行させるための計算を行います。
工事監督
建築職の公務員は、建築プロジェクトの工事監督も担当します。
建設現場での作業を監督し、工事が安全かつ適切に行われるように管理する役割です。
担当者は、建設業者や作業員と連携し、設計図面や仕様書に基づいて工事の品質や進行状況をチェックし、必要に応じて指示や調整を行います。
安全対策や規制の遵守も重要な任務です。
用地買収
公務員の建築職は、建設プロジェクトに必要な用地の買収や管理も行います。
適切な土地の選定や所有者との交渉、法的手続きの処理などが含まれます。
担当者は地域の計画や法律に基づいて、用地取得のプロセスを管理し、公共建築物やインフラの整備に必要な土地を確保します。
苦情対応
建築職の公務員は、時には市民からの苦情やクレームに対応することもあります。
建築プロジェクトが地域社会に影響を与える場合、住民からの不満や問題が生じることがあります。
担当者は、これらの苦情やクレームを受け止め、適切に対処するために努めます。
話し合いや調査、問題解決の支援などが含まれます。
建築物の計画・設計管理
建築職の公務員は、地域の建築物や施設の計画や設計に関する管理も担当します。
都市計画や建築基準法に基づいて、建築物の設計や外観、機能性、安全性などを審査し、適切な許可や認可を行う業務が含まれます。
担当者は、市民の安全や利便性を考慮しながら、地域の建築物や都市景観の管理に貢献します。
環境保全や防災対策
建築職の公務員は、地域の環境保全や防災対策にも携わります。
建築物のエネルギー効率や環境への配慮、災害時の避難施設の整備などが含まれます。
担当者は、環境への影響や災害リスクを評価し、建築プロジェクトや施設の設計や管理において、持続可能性や安全性を確保するための取り組みを行います。
市民サービスとの連携
建築職の公務員は、市民サービスとの連携も重要な役割を果たします。
住民からの相談や要望への対応、建築関連のイベントや啓発活動の企画・実施、地域の建築文化や歴史の保護・活性化などが含まれます。
担当者は、地域社会との良好な関係を築きながら、建築に関する情報提供やサポートを行い、市民の福祉や生活環境の向上に貢献します。
建築職の公務員は残業ゼロではない
結論から言うと、建築職の公務員の残業はゼロではありません。
上記のように幅広い業務を一日でこなす必要があり、なかには残業が必要な業務もあります。
建築職の公務員の仕事のなかでも、とくに残業が発生しやすい仕事を見てみましょう。
積算
積算業務は、建築プロジェクトにおける費用計画を担当する重要な役割です。
建設に必要な材料や労働力、設備などのコストを見積もり、工事の総費用を算出する作業が含まれます。
積算業務では、正確な見積もりが求められるため、建築材料や労働力の価格の把握や変動に敏感である必要があります。
設計図面や仕様書を基に詳細な計算を行うため、細部までの理解と注意深い作業が必要です。
特にプロジェクトの規模や複雑さが高い場合、積算業務にかかる時間や作業量が増加し、残業が発生する可能性があります。
設計や施工の進行状況や仕様の変更に応じて、積算業務の修正や追加作業が必要になることもあります。
プロジェクトの納期や予算に追われる状況下では、残業が避けられない場合もあります。
災害復旧
災害復旧業務は、災害発生後の被災地で建築職の公務員が行う重要な業務です。
この業務では、被災した建物やインフラの被害状況を評価し、復旧・修復のための計画を策定します。
被災地では、建物の倒壊や損傷、道路や橋梁の損壊など、さまざまな被害が発生しており、その復旧作業は膨大かつ複雑です。
復旧作業には迅速な対応が求められるため、プレッシャーやストレスが伴うこともあります。
災害復旧業務では被災者や関係者とのコミュニケーションが不可欠であり、感情的な状況下での対応が求められることもあります。
災害復旧業務では、被災地での緊急対応が求められるため、業務の特性上、残業が発生する可能性が高いです。
災害が発生すると、復旧作業は速やかに行われる必要があり、公務員は長時間にわたって業務を行うことがあります。
被災地での復旧作業は、通常の勤務時間を超える場合が多く、休日や夜間にも対応する必要があることがあります。
災害復旧業務は予測不可能な状況下で行われるため、臨機応変な対応が求められ、それに伴って残業が生じることがあります。
工事管理
工事管理業務は、公務員として建築現場での施工状況を管理し、建設工事の円滑な進行を図る重要な業務です。
建設プロジェクトの監督や調整、工程管理、品質管理など、多岐にわたる責任が求められます。
建築現場では、様々な作業が同時に行われるため、複雑な調整が必要です。
施工中に問題が発生した場合には、迅速な対応が求められるため、判断力や対応力が試されることもあります。
工事管理業務では、建築現場の施工状況を適切に管理し、工事の進行を確認するため、残業が発生する可能性があります。
建設プロジェクトでは、工程の遅延や予期せぬトラブルが発生することがあり、その際には迅速な対応が求められます。
特に、工事の進行状況を確認するためには、現場に常駐して施工の状況を把握する必要があり、長時間の残業が発生することがあります。
また、工事中には予期せぬトラブルが発生することもあり、その解決には即座の対応が求められるため、夜間や休日にも対応する必要がある場合があります。
民間企業より残業時間は短い傾向にある
建築職の公務員は残業を行うこともありますが、民間の企業で働くよりも残業時間は短くなるケースが多いです。
公務員の場合、労働時間や残業時間には厳格な規定があり、法律や労働組合の規定に基づいて労働時間が設定されています。
また、公務員の建築職は、民間企業と比べて長期的なプロジェクトが多い傾向があります。
公共施設やインフラ整備などの建設プロジェクトは、計画から完成までに長い時間がかかるため、急ぎの作業や残業が少ない場合があります。
公共部門の建築職では、施設やインフラの整備が地域社会や国民の利益に関わるため、計画や実施にあたって公共性や利益の最大化が重視されます。
そのため、効率的な業務遂行や残業の抑制が推奨されることも多いです。