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住宅設備メーカーとは? 設備の種類や業務内容について

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「住宅設備機器」とは、”日々の生活に必要なもの”もしくは”あれば役に立つもの”として、住宅内に取り付けられている機器のことをいいます。

そして、この設備を取り扱っているのが「住宅設備メーカー」です。

今回は、住宅設備機器の種類や、住宅設備メーカーの仕事内容についてご紹介していきます。

住宅設備機器の種類

住宅設備機器の種類は数多く存在します。

ここでは、それぞれの特徴をご紹介していきます。

厨房・調理機器


厨房機器は、冷蔵庫・ガスコンロ・IHクッキングヒーター・シンク・収納スペース・レンジフードなどが該当します。

調理機器は、調理に関するものです。

また、近年はシステムキッチンも流行しています。

これは、調理台・シンク・コンロが一体となったもので、下記のようにいくつかの種類が存在します。

ミニ型:単身者用のコンパクトなもの
I型:横並びになっているベーシックな形
L型:L型に設置されており、I型より調理・厨房スペースが広い
ペニンシュラ型:左右どちらかが壁に面しているもの(片側はオープン)
アイランド型:前後左右の全てが壁から離れたもの

尚、中には、魚焼きグリル・オーブンや、食器洗い洗浄機などが組み込まれているタイプもあります。

「キレイ・オシャレな厨房で料理をしたい」とお考えの方は多く、キッチンに拘りを持つお客様は多いです。

浴室・給湯機器


浴室に関連する機器が該当します。

近年は、スマートフォンと連携して自動でお湯を沸かしたり、自動で浴槽や床を掃除したりと、機械化が進んでいます。

また、浴室暖房乾燥機を導入するご家庭も増えています。

乾燥・暖房・換気・涼風などを行い、浴室の快適な状態を保ちます。

給湯機は、水を湯に変えて供給する器具のことです。

通常のお湯を沸かすだけの給湯器以外にも、「温水暖房付き風呂給湯器/自動風呂給湯器」など別の用途を組み合わせたものも存在します。

熱源に関しては、これまではガスが主流でしたが、近年は「エコキュート」など電気を利用したものも増加傾向にあります。

洗面機器


洗面台に関連する機器が該当します。

見た目のオシャレはもちろんのこと、

実用性
洗面台や排水溝などの、掃除や手入れのしやすさ
収納スペースの多さ

など、日々の生活の利便性を上げる機能が取り入れられています。

トイレ


近年は、清潔性はもちろんのこと、掃除のしやすさも追求したものが増加しています。

自動で便座やノズルを除菌するものや、便座の凹凸をそぎ落としたり便器のフチ裏をなくし、拭き掃除だけで簡単にお手入れができるものなどです。

また、トイレは他の部屋に比べ空間が狭く、自由なインテリアが施せるということで、内装に拘るご家庭も増えています。

特に、現在は「タンクレストイレ」が人気です。

これは、従来の便器の後ろ側にあるタンクがないトイレのことです。

タンクがあるタイプに比べると若干値段は高くなりますが、デザインがオシャレで、温水洗浄便座も標準装備されていることから、リフォームの際などに導入に踏み切るご家庭も多いようです。

空調・換気機器


エアコンや空気清浄機など、

温度調節
湿度管理
空気清浄
気流のコントロール

などを可能とする設備のことです。

尚、「空調設備」「冷暖房設備」「エアコン」とひとまとめに呼ばれることがありますが、その使用用途は若干異なります。

冷暖房設備は温度調節のみができるもので、空気清浄などを行うことはできません。

太陽光発電


太陽エネルギーを電力に変換し、日々の生活電気に活用していくものです。

蓄電池にて電力を蓄電し、太陽が出ていない時でも使用することが可能で、環境やお財布に優しいとして利用者が年々増えています。

ただし、設置には条件や高額な工事費用などがかかるため、しっかりと検討を行う必要はあります。

床暖房


その名の通り、床を暖める暖房器具で、床の下にある熱源を通して部屋の内部に暖かさを広げていきます。

「電気式」「温水式」があり、温水式は電気式よりもコストが安価となります。

そのため、省エネ住宅で評価されている方式です。

尚、エアコン・ストーブ・ファンヒーターなどの「対流式暖房」は、暖かい空気と冷たい空気の層で対流を起こし、部屋全体を暖めています。

ただし、冷たい空気が下に留まることから、床は冷たいままで室温より寒さを体感することが多くなるのです。

対して床暖房は、ふく射・床から熱が伝わる・床から天井へ熱が立ち上がる自然対流が起こるという3つの現状が同時に起こり、室温以上に暖かさを実感することができます。

床暖房は他にも、

収納場所も掃除も不要
火を使わない(結露防止になる)
風・音・においもなく、ホコリが舞うこともない

などのメリットがあり、健康にも気を遣うことが可能です。

他にも様々な種類が存在する

住宅に関連する設備なので、これまでにご紹介したもの以外にも様々な種類が多岐に渡って存在します。

例えば、

お年寄りや体の不自由な方が安心して暮らせる「介護機器」
屋根に使用される「瓦/屋根材」
内装に使用する「フローリング/クロス」
防災・防犯対策の「警報器/インターホン/ガラス」
外構で使用される「門扉/塀/フェンス」
建具として用いられる「ドア/シャッター/サッシ」
その他、各種工事で使用される「塗料/タイル/レンガ/外壁材/断熱材/接合補強金物」

などです。

そして、企業の形態も様々であり、多くの商品を総合的に扱う会社もあれば、どれかに特化した専門会社もあります。

また、営業所やショールームなどを設置し全国的に展開していたり、地域密着型を売りにしている会社も存在します。

住宅設備メーカーについて

概要

住宅設備メーカーは、上述で紹介した設備機器を製造・販売する会社のことです。

1社で複数の設備を製造・販売しているところもあれば、扱う設備を絞って専門的に取り組んでいる企業もあります。

ただし、近年は新築住宅の市場そのものが縮小傾向にあり、提携や統合が進んでいるのが現状です。

もしくは、大手の総合住宅設備メーカーなどが主力となっています。

職種

住宅設備メーカーは設備機器の製造・販売を行っているため、大別すると「技術職」と「事務職」が存在します。

【技術職】

  • 商品開発
  • 品質管理
  • 生産
  • 施工

などを担当する、商品の製造部門です。

世の中のニーズを理解し、新しい商品を作り出す知識と技術を必要とします。

【事務職】

  • 営業
  • 広報

などを担当する、商品の販売に注力する部門です。

営業(販売)先は、主に大手住宅メーカーや工務店、水道やガスなどの工事店……つまり法人企業が対象です。

他にも展示会への出展などをし、自社商品を広くPRすることもあります。

また、商品を販売するだけでなく、社員自らが設置工事を行うこともあります。

仕事に就くために必要なこと

事務職

事務といっても部門は複数存在しますが、営業や企画に携わりたいと考えている場合は大学卒業を最低条件としている会社が多いのが特徴です。

学部や学科についてはあまり条件を問われませんが、営業職であることから”コミュニケーション能力”を重要視していることがほとんどです。

例えば、学生時代に行っていたサークル活動やアルバイト・留学など、他者と協調して成し遂げた経験などを質問されることがあります。

業務柄、人と接する機会が非常に多いので、その点をアピールできれば採用率は高まります。

技術職

こちらは学んできた技術を問われるため、高専の卒業者でもエントリーできる可能性があります。

ただし、理系出身者であったり専攻が指定されている場合があるので、採用項目は事前に確認をしなければいけません。

また、どの住宅設備を扱うかが事前に分かっている場合、学んできた知識や技術だけでなく、所持している資格も大きなアピールポイントの一つとなります。

必要な資格

まず、どちらの仕事でもほぼ必須となるのは「普通自動車免許」です。

業務の関係上自動車を運転する機会が多いためであり、仮に応募時点で未取得であった場合でも、入社までに取得することを条件とする会社もあります。

ただし、AT限定可となっていることがほとんどです。

その他の資格は、事務職に関しては就職時に必須となるものは特にありません。

人柄であったり、再就職であれば過去の経験が重要視されます。

技術職の方は、どの住宅設備を扱うかによって必要とする資格は大きく変わってきます。

ただ、必須という訳ではなく、専門資格は入社後に働きながら取得を目指す場合もあります。

会社によっては、資格取得支援制度なども用意されており、入社後のスキルアップを奨励していることもあります。

会社が扱っている設備は何か、自分が何の部門に配属されるのか、わかる範囲ででもそれらを事前に確認し、入社前から勉強を始めるのもいいかと思います。

当然、専門資格を取得すれば、給与アップや再就職・独立などの自身のキャリアアップに繋がります。

住宅設備メーカーの現状と将来性

事業は縮小傾向にある

現状、新設住宅の着工数が減少しています。

この背景として、

日本が少子化傾向にある
原材料費の高騰(利益率が低下)
個人消費の低迷

などが挙げられます。

特に、日本の少子化は続いており、将来的にはさらに人口が減少すると言われています。

人口が減れば住宅設備の設置数も当然減ってしまうため、業界の市場規模は今後もさらに減少していくと予測されています。

そもそも、古くは設備ごとに専門業者が存在し、それぞれが分業することで経営が安定していました。

しかし、上記の理由などから専門分野だけでは経営が赤字となり、その結果メーカーが統合し、複数の設備を扱う総合メーカーが増加していったのです。

今後もこの流れは変わらず、新たな再編がされていく可能性が高いと言われています。

海外進出

上記の通り国内だけだと需要が伸び悩む恐れがあるため、既に海外進出を果たしているもしくは海外に視野を広げている企業も数多く存在します。

そのため、留学経験がある人などは、海外の営業所に転勤という可能性もあり得ます。

今後は、さらに海外進出を検討する企業も増えていくと言われています。

仕事におけるメリット・デメリット

ここからは、住宅設備メーカーで働く際の、良いところや気になるところをご紹介していきます。

ただし、会社によって業務内容は様々ですので、記載している内容と異なる場合もあるかもしれません。

参考程度にご覧いただけると幸いです。

メリット

【1.給与が高い】
会社にもよりますが、住宅設備メーカーは初任給から比較的高めの給与を得ることができます。

例えば、全国展開している企業であれば約24万円ほどあり、同年代の他の仕事に比べても若干高めです。

ここから、さらに資格手当や営業成績などの成果給が加わっていきます。

特に営業職に就いている人は、営業ノルマ達成や契約成立時に発生するインセンティブにより、さらに大幅に給与を伸ばすこともできます。

トップ営業マンの中には月100万円以上を超えることなどもあり、自身の頑張りや成果に応じて収入がアップするのは大きなメリットの一つと言えます。

【2.福利厚生がしっかりしている】
各種手当が充実しており、仮に転勤になってしまった場合なども諸費用や住宅手当など会社が配慮してくれることがあります。

また、自社の製品を社員価格でお得に購入できるというメリットもあります(メーカーによる)。

これは、自社の製品を自身で使用することで、営業活動や商品企画などに好影響を及ぼすことを期待しているからでもあります。

【3.生活に役立つ製品をカタチにできる】
これは技術職側のやりがいの一つとなるものですが、新商品の制作などで自身の発想が形になり、それが人々の暮らしに役立つという点に魅力を感じている人もいます。

住宅設備は、全ての人々の生活に必要不可欠なものです。

企画が中々思う通りに形にできないことで頭を悩ませることも多々ありますが、それを乗り越え暮らしに役立つ商品を作れた時、なにものにも代えがたい達成感を得ることができると言われています。

デメリット

【1.新規取引先の獲得】
業界全体の市場が減少していることから、新規取引先の獲得が困難となっています。

営業ノルマを達成する・インセンティブによる収入アップなど、自身の給与に影響を及ぼすだけに、この点に頭を悩ませている営業マンも多くいます。

【2.残業、休日出勤】
他業種に比べても労働時間や残業が長いと言われています。

また、工事の関係で土曜に仕事が入ることも多く、展示会やイベントは一般の方が休みの日=土・日曜日に行われることがほとんどなので、土日に出勤しなければいけないということも良くあります。

その分、振替休日が取れますが、仕事量そのものは他業種に比べても多くなりがちです。

【3.転勤の可能性】
特に全国や海外に事業を展開している会社に多いのが、転勤です。

手当などが出ること、色々な場所で現場を経験できるというメリットにもなり得ますが、場合によっては単身赴任となることもあるため、特に家族のいる方にとっては悩みの種の一つともいえます。

ただし、これは営業職の場合です。技術職の人は転勤の可能性は低いと言われています。

まとめ

住宅設備は非常に種類が多く、扱っている内容は会社ごとに異なります。

市場規模が縮小しているとはいえ、生活に必要な設備であることに変わりはないため、この事業そのものが無くなるということも早々ありません。

自身の営業力・技術力・発想力・所持資格など、努力次第で収入を大きく伸ばすことも可能な仕事でもあります。

関心を持たれた方は、知見を広げ、新たな一歩にチャレンジしてみて下さい。

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