建築業界において施工管理は、現場を取りまとめるだけでなく社内や社外、取引先や業者と打ち合わせをしたり、さまざまなシーンでコミュニケーション能力が求められます。
建築の知識やスキルがあるだけでは施工管理の仕事をまっとうすることはできず、周囲と上手く協力できないと現場でももどかしい思いをしてしまいます。
場合によってはそのせいで納期に遅れが生じたり、現場での事故や怪我に発展することも。
今回は、コミュニケーションスキルに自信がない施工管理の方に向けて、コミュニケーションスキルの重要性やコミュニケーションスキルを高める方法について解説します。
施工管理に求められるコミュニケーションスキル
建築の現場において施工管理にはどのようなコミュニケーションスキルが求められるのかについて解説します。
これらは仕事をスムーズに進めるために非常に大切です。
常に意識して、周囲と力を合わせて現場を作り上げていきましょう。
意見を正確に伝える
自分の意見を正確に伝えることは、簡単なようで難しいです。
聞く人によってとらえ方が変わる曖昧な返事をしたり、何度も聞き返さなければわからないような返事をしたりするとその分現場がまとまりにくくなってしまいます。
さまざまな受け取り方ができるような言い方ではなく、自分の意見はこうだときちんと表明しましょう。
質問をされたときにわかりにくい回答をするのも問題です。その質問に対してはこの回答しかないという風な、きちんとした事実を端的に述べるようにしてください。
意見を正確に聞き取る
意見を正確に伝えるだけでなく、相手の意見を正確に聞き取ることも大切です。
相手が何を言いたいのかを言葉だけでなく表情や仕草などからも読み取り、不安がある場合は何度でも確認しましょう。
相手の意見を聞き間違えたり、相手が伝えたいことをきちんと理解していないと、スケジュール管理や安全管理の面でも齟齬が生じてしまいます。
結果現場の作業がスムーズに進まなかったり、事故やトラブルを引き起こしたりする原因にもつながります。
相手が今何を伝えたいのか、さまざまな情報から判断する能力を身に着けましょう。
自分と違う意見も受け入れる
施工管理は現場を取りまとめる重要な仕事ですが、その分意固地になってしまいがちでもあります。
自分のやり方を通したい場面でも、反対意見や改善点のアドバイスなどがあった場合はその意見も受け入れる姿勢を見せましょう。
周囲の意見すべてを取り入れる必要はありませんが、独りよがりな考え方になっていないか、周囲の意見を聞くことでより作業がスムーズになるのではないかを一旦立ち止まって考えることは大切です。
相談しやすい姿勢
スケジュールや安全、品質、原価などを管理するのが施工管理の仕事です。
ですがこれらの作業は施工管理一人でできるものではなく、周囲の協力も必要です。
周囲が何か困ったことがあったときや行き詰っているときに、「この人に相談してみよう」と思わせるような空気感も大切です。
日頃から積極的に困っていることはないかを確認したり、休憩中以外にもコミュニケーションを取ることで、仕事の話もしやすくなります。
話しかけるきっかけを作る、相談されたら自分なりの回答をきちんと提示するなどを続けることで、ぐっと相談しやすい人という印象に近づけるでしょう。
少しの変化にも敏感に気づく
建築現場には多くの人が集まっています。
中には本調子ではない人、仕事で悩みを抱えている人、プライベートの問題で仕事に集中できていない人もいます。
そんな人の変化にいち早く気づき、声をかけることができれば、その都度改善策を考えられるでしょう。
体調が悪い人には仕事の負担を減らす、今抱えている悩みをまず解消させるなどの工夫ができます。
変化に気づかずそのまま仕事を続けていると、思わぬところでミスが起きたりスケジュール通りに仕事が進まなくなってしまう可能性がります。
変化に応じて臨機応変な対策を考えることも重要です。
周囲から頼られる施工管理になる方法
周囲から頼られる施工管理になるにはどんな方法があるのかについて解説します。
今後も施工管理として成長していくためにできることを取り入れていきましょう。
自分の成長のために学び続ける
仕事で頼られる存在になるためにはまず仕事ができることが大切です。
施工管理の立場や資格に甘えず、常に学び続ける姿勢を忘れないようにしましょう。
より高度な資格を取る、建築の勉強をするといったことはもちろん、周囲から学んでいく姿勢を見せることも、信頼度を上げることにつながります。
感謝の気持ちを持つ、伝える
建築の仕事は一人でできるものではありません。周囲との協力の上で成り立っています。
常にそのことを忘れず、感謝の気持ちと持って周囲に接するようにしましょう。
感謝の気持ちを持つだけでなく、それを伝えることも大切です。
日々のちょっとしたことでも現場の作業員や取引先、業者に感謝の一言を伝えることを忘れなようにしてください。
自分の感情に振り回されない
仕事に感情を持ち込むと、気分によって仕事をきちんとこなしたりそうでなかったり、周囲への態度が日々変わってしまい、信頼されなくなってしまいます。
感情と仕事は分けるよう常に意識してください。
感情的になって怒鳴ったり、自分の好き嫌いで周囲への態度を変えたり、気分のムラと仕事のムラが一緒になってしまったりしていないか、時々自分で冷静に考えてみましょう。
報連相を徹底的におこなう
コミュニケーションの基本である報連相、報告、連絡、相談は徹底的におこないましょう。
独断で仕事を進めたり、トラブルがあっても連絡しなかったり、周囲を信頼しない態度を見せることで信頼度は下がってしまいます。
自分から積極的に報連相をおこなうことで、周囲からも自然と報連相をしやすい環境を作れます。
きちんとできているつもりの人でも、これまで以上に徹底的に報連相ができるポイントがないかを探してみてください。
周囲を信頼する
頼られる人材になるためにはまず自分が周囲を信頼することが何よりも大切です。
周囲を信頼し、一緒に仕事をしていくメンバーを大切にする姿勢を見せてください。
信頼していることが伝われば相手もそれを返しやすくなります。
施工管理は一緒に仕事をするメンバーが現場が変わるたびに変わりますが、その都度一から信頼関係を築き上げていけるように工夫しましょう。
施工管理としてコミュニケーションも大切に
施工管理に大切なコミュニケーションスキルについて解説しました。
建築の現場は多くの人とのつながりで成り立っています。
作業をスムーズにおこなうためにはコミュニケーションは欠かせません。
現場を取りまとめる施工管理にとって、コミュニケーションスキルはとくに大切です。
現在自分には何が欠けているか、どんな点をもっと伸ばすことができるかを考えて、頼られる施工管理を目指しましょう。
自分は施工管理の仕事に向いているのだろうか、施工管理の仕事がつらくて転職したい、施工管理にチャレンジしたいけど自分にできるか不安…という方は、下記の記事の施工管理の仕事を続けられる人とそうでない人の違いをチェックしてみてください。自分に欠けているスキルも、努力次第で伸ばしていくことができれば大きな強みとなるでしょう。