建築業の中でも資格がなくても働ける、在宅でも働ける、肉体労働がないなどの理由で人気なのがCADオペレーターです。
CADオペレーターは建築業に携われるやりがいのある仕事である一方、キツい、大変といった声も挙がっています。
どんな点がキツいと感じるのか、それぞれの対処法について確認しましょう。
CADオペレーターがキツいと言われる理由
建築業の仕事は肉体労働が多くキツいと言われていますが、一方でデスクワーク中心のCADオペレーターは楽なのかというとそうではないという声も多いです。
CADオペレーターがキツいと感じる人の声を確認しましょう。
簡単そうだから、楽そうだからという理由だけでCADオペレーターの仕事を選んで後悔することのないようにしてください。
長時間のデスクワーク
CADオペレーターは長時間デスクワークが続く仕事です。
肉体労働ではない分楽そうに思えますが、パソコンと向き合い続ける作業は想像以上に心身に負担を与えます。
目を酷使するため眼精疲労がひどくなったり、ドライアイになってしまうこともあります。
キーボードやマウスの操作で姿勢が悪くなると肩こりや頭痛、腕や腰の痛みなどにもつながります。
下半身のむくみや運動不足による肥満など、長時間のデスクワークならではの弊害があることもわすれてはなりません。
納期間際には残業が増える
建築業は納期に非常に厳しい業界です。
CADオペレーターが図面を納期までに提出できないと次の作業に入ることができず、工事の工程の大幅な遅れにもつながります。
図面の作成を依頼されている場合は勤務している業者の信頼を落とす結果にもなるため納期は厳守しなければなりません。
納期のプレッシャーによってミスが増えたり、集中できなくなったりしてしまうこともあります。
また、一つの案件だけをおこなえばいいというわけでもなく、繁忙期には複数の案件を同時進行しなければなりません。
結果、納期に合わせるために長時間残業をしたり、自宅に仕事を持ち帰ったりしなければならないこともあります。
少しのミスも許されない
設計士が作成した書類をもとに図面を作成するのがCADオペレーターの仕事です。
数値を少しでも打ち間違えると正しい図面を作成できず、すべてやり直しになってしまうこともあります。
CADオペレーターの仕事は建築に関する資格がなくてもできる仕事ですが、次の作業につなげるための非常に大切な仕事であることを忘れてはなりません。
少しの打ち間違いやミスも許されないため、数字に弱い方や感覚で仕事をしてしまいがちな方にとってはキツいと感じることも多いです。
さまざまな専門知識が必要
CADオペレーターは当然ですがCADのソフトを使いこなさなければなりません。
二次元CADと三次元CADがありますが、建築業界で活躍したいのであれば双方を使いこなせるようになっておく必要があります。
CADソフトに関する知識はもちろん、建築業界の専門知識も身に着けることで作業をスムーズに進められます。
何も知らない状態だと、設計士からの指示がわからなかったり勘違いをしたりして作業を遅らせる原因になってしまいます。
知識がない場合はその都度確認し、自分のものにしていく必要があります。常に勉強し続けなければならないという点も、CADオペレーターがキツいと感じる理由の一つです。
建築業の中で立場が弱い
CADオペレーターは建築業界の中では珍しく、国家資格がなくてもできる仕事です。
CADの操作ができれば建築の知識が少なくてもチャレンジしやすく、建築業に触れてみたいと思う初心者にもおすすめの仕事です。
一方で、その分建築業界の中では立場が弱いという悩みもあります。
アルバイトや派遣などの募集が多く正社員として働けない、業務委託が多く収入が不安定になるといったケースも。
建築士や施工管理のように昇格、昇給しにくい仕事であるため、なかなか年収が上がらない、仕事の割に給料が安いと感じる方も多いです。
キツいCADオペレーターの仕事を乗り越える対処法
CADオペレーターの仕事はキツいことも多いですが、得られるやりがいも大きいです。
キツいからとすぐに諦めてしまうのではなく、乗り越える対処法を考えてみましょう。
休息やストレス発散を意識する
CADオペレーターの仕事は長時間のデスクワークが多くなります。
常に同じ姿勢が続かないよう、一時間おきに休憩を挟むなどの対策を考えましょう。
納期に追われるとストレスも増えやすくなります。お茶やお菓子などでリラックスする時間も大切です。
また、体を動かさずにいると血行が悪くなり疲れが取れにくくなる、むくみや肩こりなどの原因になるといった問題もあります。
ストレッチや運動で体を動かす習慣をつけることも大切です。
半身浴などで体を暖める、帰宅後や休日は思いっきりストレス発散ができるようにするなど、仕事とプライベートのメリハリのつけ方も身に着けましょう。
知識をつけて転職する
CADオペレーターは昇格、昇給しにくく、建築業の中でも立場が弱いです。
現状のままではステップアップできないと感じたら、転職も前向きに検討しましょう。
現状小規模な工事の図面しか担当していない場合は、より知識をつけることで大規模で依頼金額の大きい工事の図面を担当できるようになります。
より短時間で正確な図面を作成できるようになれば、転職先でも即戦力として活躍できるでしょう。
CADオペレーターには国家資格はありませんが民間資格はいくつもあります。転職の際は自身のスキルをアピールするために資格を取得することもおすすめです。
時短勤務の企業を選ぶ
CADオペレーターは繁忙期になると残業が多くなります。建築業の中では残業が少ないと言われることもありますが、仕事とプライベートをしっかり分けたい方、育児や家事、介護と仕事を両立させたい方にとっては働きにくいと感じることもあります。
建築業界は人材不足が続いているため、人材を確保するために企業側がさまざまな譲歩をおこなっているケースも多いです。
時短勤務、残業なしで人材を募集している企業を探せば、理想の働き方ができるかもしれません。
残業はまったくないのか、数時間程度なら発生するのか、残業代はきちんとつけられるのかなど、面接の段階で不安要素はしっかり解消しておきましょう。
派遣社員として働く
CADオペレーターは正社員として働き始めると最初は給料が非常に低いです。
昇給するまでに時間がかかり、上がったとしても充分には感じられないことも多いです。
残業や他の業務のサポートを任されることも多く、ストレス要素はたくさんあります。
できるだけストレスや残業を減らし、最初から納得できる収入を得たいと思っている方におすすめなのが派遣社員としての働き方です。
派遣社員であれば最初から高い収入を期待できるだけでなく、残業も少な目です。
一方で派遣社員は最初から即戦力が期待されますので、ある程度CADオペレーターとして知識と経験を積んでから派遣社員として求人に応募するようにしましょう。
CADオペレーターの仕事を長く続けるために
CADオペレーターの仕事がキツいと言われる理由やその対処法について解説しました。
CADオペレーターは大変な点もありますが、長く続ければその分さまざまな建築に携われるやりがいのある仕事です。
すぐに諦めてしまわないように、自分なりの続け方、仕事との向き合い方を探していきましょう。
CADの操作スキルは一度身に着ければ転職やキャリアアップにも役立つ財産となります。せっかく身に着けたスキルを無駄にしないためにも、長く続けられる仕事を選びましょう。CADオペレーターの仕事内容や将来性について、下記の記事でより詳しく解説しています。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。