各業界でAIが導入され、人間の仕事は減りつつあります。
建築業界でもAIが導入されるシーンは多くなりました。
とくに労働人口の高齢化、減少が進む建築業界において、作業の負担を減らし業務を効率化してくれるAIは今後もますます需要が高まっていくでしょう。
そんな中で、機械に奪われてしまう仕事も少なくありません。
今後建築業界でなくなる可能性が高い仕事と、そのときが来るまでに備えておきたいことを解説します。
建築業界でなくなる可能性が高い7つの仕事
建築業界でなくなる可能性が高い仕事を7つ紹介します。
AIやデジタルの進歩は目覚ましく、今では考えられないような技術がたった数か月後に導入される可能性もあり、先はまったく読めません。
下記で解説する以外にも建築業界の人間の仕事はどんどん減っていくことが予想されます。
測量・調査業務
土地や建築物の測量、調査はAIや機械の得意な分野であり、建築業界の中でも真っ先になくなる仕事と予想されます。
すでにドローンやデジタル機器による測量、調査は進んでおり、今後大企業だけでなく中小企業でも導入が進められるでしょう。
測量は建築物を建設する上で欠かせない、ミスが許されない重要な作業です。
AIや機械を導入することで人為的ミスが軽減され、より正確なデータを取れるようになる点からも早急な導入が進められています。
重機の操作
重機の操作もAIが代行する時代が来ています。
建築業界は現場での作業が多く、リモートで対応できないというのが一般的な考え方でした。
ですが、AIに重機の操作を任せられるようになると作業員が現場に出向く必要がなくなります。
操作方法を入力すればあとはAIが勝手に重機を操作してくれる日も遠くありません。
また、遠隔で重機を操作できる技術も発達しており、地方での建築の仕事がなくなる可能性が高いです。
現場の単純作業
AIに限らず機械は24時間休みなしに働けるという利点があります。
体力だけを消耗する現場の単純作業も、機械に任せてしまえば人件費を大幅に削減できます。
指示されて動くだけの建築現場の作業員の仕事は今後減少していくでしょう。
建築業界で生き残っていくためには、単純作業、指示されて動く仕事以外のスキルや知識を身に着ける必要があります。
設計図の作成
設計図はかつては建築士などが紙に手書きしていましたが、近年はソフトが使われることがほとんどです。
CADというソフトを使ってデータを入力すれば設計図が簡単に作成できます。
建築士などから指示を受けてデータを入力するCADオペレーターという仕事もあります。
ですが、今後はCADオペレーターに頼らずともより簡単に設計図を作成できるようになります。
CADオペレーターは建築士のような国家資格がなくてもできる仕事ではありますが、その分専門性が低くAIに仕事を取られやすいです。
モデリング作業
建築デザインをより具体的にするために、二次元のデータから三次元の模型にモデリングする仕事もあります。
ですが近年は3Dプリンターも普及しつつあり、データを入力すれば簡単にモデリングができるようになりました。
かつては人の手による繊細な作業が求められたモデリングの仕事ですが、AIに仕事を奪われる日も遠くありません。
申請書類の確認作業
建築業界ではさまざまな書類を作成しなければなりません。
現場での作業をおこなうために複数の書類を作成し、照合する必要もあります。
ですが書類の確認や照合は機械が得意とするジャンルです。
人の手による確認作業では人為的ミスも増えやすく、必要以上に時間もかかってしまいます。
現場の仕事だけでなく、このような書類関連の仕事も機械がおこなうようになるでしょう。
設計・デザイン
建築業界の仕事はAIや機械と相性がよく、ほとんどの仕事の代行が可能です。
そんな中でも設計やデザインは人のアイデアやセンスが大切だという考えもあります。
ですが、ある程度の情報を入力すればAIが代行することも難しくありません。
建築業界は経験、知識がものをいう世界ですが、AIなら人間よりもはるかにスピーディーに情報を処理して学習していくことが可能です。
ある程度の設計やデザインをAIがして、最終のチェックや変更だけを人間がおこなうようになる日が来るかもしれません。
建築業界で生き残るために備えるべきこと
上記で解説した通り、建築業界のほとんどの仕事はAIや機械が代行できてしまいます。
ですが、その中でも建築士や建築に携わる人の仕事が完全になくなるわけではありません。
限られたスキルを持つ一部の人であれば建築業界で長く仕事を続けられるでしょう。
建築業界で生き残るために身に着けたいスキルや知識を3つ紹介します。
建築以外の知識も身に着ける
AIは与えられた情報を学習していきますが、その分知らない情報には対応できません。
人は生きていく上でさまざまな情報を収集しています。
芸術や心理学など、建築とはまったく関係のないことが建築のデザインやヒアリングなどで役に立つことも少なくありません。
そのため、建築業界で生き残っていくためには建築以外の情報も積極的に吸収することが大切です。
書籍を読む、ネットニュースを確認する、美術館に足を運ぶなど、労働時間以外の生活の中でも積極的にさまざまな情報に触れられるよう、アンテナを張っておきましょう。
人の感情に寄り添う提案をする
AIは情報を元に結果を出すことはできますが、言葉やデータ以外の部分から情報を読み取ることはいまだに難しいです。
「日が良く当たってリラックスできる空間にしたい」という要望があった場合、日差しがよくあたるデザインを設計することはAIにもできます。
ですが、リラックスできる空間を考えるのは難しく、人の感情を元に考えていかなければなりません。
機械的に定番のデザインを提案するだけでなく、その人に適した提案ができるスキルは今後さらに求められるようになるでしょう。
営業・ヒアリング力を高める
建築業界以外でも多くの仕事がAIに奪われることが予想されていますが、営業やヒアリングは人にしかできない分野です。
いきなり機械から営業をかけられても話を聞こうと思う人は少ないでしょう。
相手がどんな悩みを抱えているのか、どんな風に改善していきたいのかなどをしっかり聞き取り、さらに言葉の裏にある本質や、本人も気づいていない根本的な悩みを解決するサポートができるのは人ならではです。
建築の仕事は計算や設計のスキルも重要ですが、同時に人と関わるスキル、魅力を伝えられるスキル、丁寧なヒアリングのスキルも磨いていきましょう。
仕事がなくなったときに備えよう
建築業界でなくなる可能性が高い仕事を紹介しました。
今回紹介した仕事以外は安全というわけではありません。
AIやデジタルの進歩のスピードは日々早まっており、明日には驚くような技術が発表されているかもしれません。
どんな仕事をしていても、仕事がなくなる可能性は考えておくべきです。
建築業界で生き残るために備えておくべきスキルもチェックして、今後に備えましょう。
下記の記事ではさらに建築士の仕事内容について解説しています。
建築士として将来に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。