建築業界は人材不足も相まって、シニア世代の人材募集も多いです。
60代以降で転職したい、退職後も建築業界で働きたいという方は、以下の点も参考にしてみましょう。
60代以上が履歴書に書くべき内容や、面接時に注意すべき点、よくされる質問と回答についても解説します。
60代のシニアが履歴書に書くべき内容
60代になると、学歴はほとんど参考になりません。また、職歴も若手の人材に比べると豊富になりますが、職歴が多ければすごい、担当した業務が多いほうがすごいというわけではないので、厳選して記載する必要があります。
履歴書の学歴や職歴のスペースは限られているので、すべて書いてしまうと採用担当者の読む負担を増やしてしまう原因にもなってしまうでしょう。
ある程度簡潔にまとめて、自分の個性や能力をしっかりアピールできるように考えてみてくださいね。
具体的な業務内容
履歴書の職務経歴には、具体的な業務内容を記載しましょう。
前職で表彰された経験などを書いてもいいですが、その場合はどの点が評価されたのかに重点を当てて記載すべきです。
近年、個人には「ポータブルスキル」が求められるとされています。ポータブルスキルとは持ち運べるスキルのことで、一つの会社だけでなく転職後にも役立つ、コミュニケーションスキルやパソコンスキル、さらに専門的な国家資格を必要とする技術などです。
前職での自慢話ばかりになるのではなく、応募先の企業で自分がいかに役立つのかをしっかりアピールできるようにしましょう。
専門的な資格
専門的な資格がある場合は忘れずに記載しましょう。建築業界は専門的な国家資格が多数あり、その資格がなければできない仕事もたくさんあります。
国家資格を有していればその分任せられる仕事も多くなり、即戦力として採用してもらいやすいでしょう。
専門的な資格を活かして働いた経験がある場合は同じくそちらもアピールするようにしてください。
ただし応募する業務とあまり関係ない資格はカットしておいたほうが、シンプルで読みやすい履歴書になります。採用担当者が読む負担のことも考えて、履歴書を作成してくださいね。
表彰歴や役職などはカットしよう
前職で表彰された、MVPを取った、役職についたなどの経験は、カットしたほうが効果的なケースが多いです。
応募先の企業は即戦力として働いてくれる人材を探しており、前職の社内で表彰されたり役職についたりしたとしても応募職種に役立たなければ何の意味もありません。かえって自慢に聞こえてしまうこともあるため注意しましょう。
反対に、マネジメント職などを応募している企業の場合は、マネジメント職についた経歴をアピールしてもいいでしょう。
60代以降になると経歴も多くなり、どの部分をピックアップすればいいか迷ってしまいがちです。
悩んだときは、転職エージェントを利用して客観的に自分のアピールポイントを教えてもらってもいいでしょう。
60代のシニアの転職面接でのポイント
面接の書類選考に追加したら、次は面接です。60代以降の転職では、面接でも十分に注意する必要があります。
面接時に意識したいポイントを解説するので、以下の点もぜひ参考にしてみてください。
できればスーツで参加する
面接時には、できればスーツで参加することがおすすめです。
建築業界では作業着かスーツか、面接には何を着ていくべきか迷いますよね。
ですが、作業着ではカジュアルな印象になってしまいます。とくに60代以降の面接では服装だけでなく髪型やひげなどから清潔感をしっかりチェックされることもあります。
できるだけ清潔感を与えやすい、スーツを選ぶのが得策っでしょう。
ただし、企業側から作業着でお越しくださいと指定があった場合は作業着を選びましょう。その場合も、作業着に汚れやシミ、シワがないかチェックし、きれいな作業着で面接に挑むことが大切です。
面接官が年下でも謙虚さを忘れない
60代以降の転職になると、採用担当者が年下であることも珍しくありません。
その場合でも、カジュアルな口調や態度になってしまわないよう、謙虚さを忘れないようにしましょう。
あくまでも自分は選考される側という意識を忘れずに真摯に対応すれば、その態度を面接担当者もしっかり評価してくれます。
採用後はその採用担当者やほかの年下の作業スタッフと一緒に仕事をすることになる可能性が高いです。
年下だからといって、タメ口はもちろん、前職の部下に対するような態度を取らないよう十分に注意しましょう。
現場で面接を行う場合は道具を持参
現場で面接が行われる場合は、普段使っている道具を持参しておくといいでしょう。
建築業界の面接では、面接と現場見学が平行して行われることもあります。
現場によっては、ヘルメットや軍手、そのほかの工具などが必要になることもあります。
事前に連絡があった場合は忘れずに持っていくようにしましょう。
事前に連絡がなかった場合はもちろん貸し出してくれますが、それでも持参しておいたほうが採用担当者に好印象を与えられます。
持参するアイテムは汚れを取り除いて起き、清潔感のある状態にしておくことも大切です。
60代のシニア面接でよく聞かれる質問
60代以降の面接でよく聞かれる質問と、適切な回答を確認しましょう。
基本的に、シニア層だからといって特別な質問をされることはありません。ただし、回答は経験豊富なシニアだからこその内容にすれば、より好印象を与えられるでしょう。
「志望動機を教えてください」
志望動機は、その企業にマッチした内容を考えましょう。さらに自分のこれまでの経験を活かせるかどうかも大切です。
建築業界は人材不足とはいえ、若手と比較するとシニア世代が不利になる可能性もあります。
経験豊富でさまざまな現場でのトラブルを乗り越えたことをアピールし、その企業の力になれることをアピールすれば、より採用に近づけるでしょう。
「前職の退職理由を教えてください」
前職の退職理由はネガティブな内容をさけ、個人的なポジティブな内容にしましょう。
前職の不平不満を退職理由に挙げると「同じような理由でまたすぐに退職されてしまうのではないか」と不安に感じられてしまいます。
そのため、「自分のスキルを活かせる仕事にチャレンジしたかった」「御社なら自分の経験を活かせると思った」など、前向きな退職理由を用意することが大切です。
退職理由は必ず聞かれる質問なので、事前にきちんと対策をしておきましょう。
「職務経歴を教えてください」
職務経歴は、その企業の応募している職種に合った経験をしっかりアピールする内容にしましょう。
60代になると経験が豊富になり、どの点をアピールすればいいかわかりにくくなってしまいます。また、その分話が長くなり、採用担当者の負担になってしまう可能性もあります。
職務経歴や自己アピールなどは3分程度にとどめられるように、事前に自分で練習しておきましょう。
要点をまとめるスキルはあるか、職種に合ったアピールがきちんとできているかなども、採用担当者からはしっかりチェックされています。
話す内容も十分に考えたうえで、適切に自分をアピールする内容を考えましょう。
60代以降も需要がある!建築業界での転職を成功させよう
60代で建築業界への転職を成功させるポイントを解説しました。
一般的に、年齢を重ねると転職は難しくなります。ただし、建築業界は人材不足が深刻なだけでなく、経験がものをいう世界です。
そのため、60代以上のシニア世代でも十分な経験を的確にアピールできれば転職に成功できるでしょう。
今回紹介したポイントも参考にして、転職活動をスムーズに進めてくださいね。
また、以下の記事では建築業界とシニア世代の関係について解説しています。転職時の問題点なども詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみましょう。