建築の現場は屋外で作業することが多く、雨の日には作業が中止となることもあります。
実際の建築現場では、雨の日には何をするのか、休業手当が気になるという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、建築現場での雨の日の仕事内容について解説します。
これから建築現場で働く方は、ぜひ参考にしてみてください。
建築現場の雨の日は休み?給料はどうなる?
建築現場の雨の日は、作業が中止にならない場合も多いです。
小雨程度で作業に問題なければ、そのまま屋外での作業を続行するケースもあります。
反対に、雨が降るとできない作業もあります。作業自体が中止になることもあり、雇用形態によっては収入に影響を与えます。
それぞれの詳細を解説します。
屋内での作業を行う
建築現場で雨の日は、屋内での作業を行うことが多いです。
建築現場は屋外での作業が多いですが、ある程度建物が完成していれば屋内でできる作業は多数あります。
また、屋内での事務作業などに対応するケースもあります。
別の現場に行くことも
雨の日に作業ができない分、別の現場に行くこともあります。
別の現場で屋内でできる作業がある場合、そちらを優先することが多いでしょう。
ただしその分作業ができない現場でのスケジュールが遅れます。
休日出勤や時間外労働などが増え、作業員の負担になってしまいます。
月給の場合は減額されない
雨の日で作業ができなくても、雇用形態が月給の場合は減額されません。
その分事務所で作業をしたり、別の現場での作業に回されたりすることが多いでしょう。
日給の場合は給料が発生しない
日給で働いている場合は、作業しなかった分の給与は発生しません。
作業が行われるかどうかも直前になるまでわからないため、天気が崩れそうな日の前日は気が休まらない方も多いです。
建築現場の雨の日にできない作業
建築現場では、雨の日にできない作業とできる作業があります。
まずは雨の日にできないのはどのような作業なのかをチェックしてみましょう。
左官工事
左官工事は、雨の日には行えません。
塗料に余計な水分が入ったり、塗装が美しく仕上がらなかったりするためです。
ただし、屋内での左官の作業がある場合は屋外の作業を優先して行います。
屋内でできる作業がない場合は、その日の作業はありません。
屋外での溶接作業
屋外での溶接作業は、基本的に禁止されています。
溶接作業は水に塗れると感電の恐れがあり、大変危険です。
雨だけでなく、風が吹いてシールドガスが飛んでしまう、シートに火種が燃え移って火災の原因になるなど、深刻な被害に及ぶ可能性があります。
雨や大風など悪天候の日は、溶接作業は屋内で行うか、作業自体が中止になるケースがほとんどです。
コンクリート関連の作業
コンクリート関連の作業は、小雨程度であれば屋外での作業は可能です。
ですが一日中強い雨が降っているような日は作業が中止になることがほとんどです。
固まっていないコンクリートに雨水が入ると品質に悪影響を及ぼすため、原則として作業はできません。
ガス圧接の作業
ガス圧接作業は、鉄筋を火で熱して行う作業です。雨が降って器具が水に濡れてしまうと、仕上がりに悪影響を及ぼします。
雨だけでなく、風が強い日も火が他のものに燃え移る可能性があるため、作業を中止にすることが多いです。
雨の日は屋内で作業を行うか、他の作業を行うのが一般的です。
建築現場で雨の日でもできる作業
建築現場では、雨の日でもできる作業も複数あります。
現場でできる作業のほか、事務作業など、雨の日に何ができるのかを紹介します。
型枠工事
型枠工事は、型枠を鉄筋や鉄骨で組み立てて、コンクリートを流し込んで固める作業です。
建築物や外壁などに取り入れられることが多く、雨の日でもできる作業が多いため継続して行われることが多いです。
型枠工事は実際の作業のほか設計図を作成したり、型枠を外して仕上がりを確認したりといった作業もあり、これらも雨の日でも可能です。
型枠を設置する印は雨に流されてしまいますが、糸で印をつけることで消える心配がなくなります。
鉄筋工事
鉄筋工事工事も、雨の日でもできる作業です。
杭を打ち込んでコンクリートを流し込み、建物のの基礎を作る工事のことで、小雨程度であれば問題なく作業ができます。
建物の基礎づくりの作業が遅れると、その後の作業にも大きな影響を及ぼします。
そのため、工事スケジュールの最初の段階はできるだけスケジュールどおりに進めることが多いです。
ただし、雨や風が強い場合は作業が中断されることもあります。
足場工事
建築の作業に欠かせない足場を作る工事も、雨の日に継続して行われます。
ただし足場工事は足元が滑ると非常に危険です。そのため、雨や風が強い場合は作業が中断されます。
小雨程度であっても、滑らないよう慎重に作業を行うため想定以上に時間がかかる可能性があります。
施工管理
施工管理の仕事は、雨の日でも行われることが多いです。
施工管理は工程管理、原価管理、品質管理、安全管理の4つの管理を行う仕事で、屋内でもできる作業が多いです。
雨で作業が中断された場合のスケジュールを組みなおす、屋外での作業の安全管理を徹底する、コストや品質を見直すなど、オフィスでできる作業は多数あります。
事務業務
建築に関する事務業務も、雨の日に継続できます。
書類作成や会計業務、CADによる設計図作成などは、オフィスでもできる作業です。
ただし、建築現場で日雇いで働いている場合これらの作業に対応できるケースは少ないです。
正社員として雇用契約を結んでいる、派遣として建築会社の事務や会計、CADオペレーターとして働いているなどの場合は、雨の日でも仕事があります。
建築現場で雨の日には休業手当が出る?
建築現場の作業員が雨の日に作業できなかった場合、休業手当は基本的には出ません。
その理由や、休業手当が出るケースをチェックしてみましょう。
基本的に休業手当はない
建築現場で雨の日に作業がなくなっても、休業手当は出ないことが多いです。
休業手当を出さなければならないのは、会社の都合で従業員を休ませたときです。
雨や台風、雪など、自然現象によって作業ができなかった場合は休業手当を請求できないので注意しましょう。
また、前日までに「明日は作業中止」と宣言した場合は翌日は休日としてカウントされます。そのため、休業手当の対象ではなくなる点も理解しておきましょう。
当日急遽休みになったら出る
前日に「明日は休み」と言われた場合はその日は休日になりますが、当日になって突然休みであることを告げられた場合は休業手当が出る可能性があります。
休業手当がきちんと支給されない場合は、労働組合に相談しましょう。
また、雇用されている会社の就業規則を確認し、休業手当の支給条件などを確認しておくことも大切です。
建築現場での雨の日の作業について確認しよう
建築現場では、雨の日にできる作業は限られています。
ですが、まったく作業できないわけではなく、ある程度の作業であれば継続できます。
給料の支払い条件や休業手当の有無も、事業所の対応や雇用形態によって変わるため、事前によく確認しておきましょう。
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