建築の現場に欠かせないのが、施工管理の仕事です。
現場のスケジュールや安全を守るだけでなく、費用の管理などさまざまな面で、施工管理は力を発揮します。
そんな施工管理として働く女性は多いですが、女性ならではの大変な面もあります。
本記事では、女性の施工管理が大変な理由とその原因、そして対処法を解説します。
女性として施工管理の仕事をするなかで、大変だと感じている方はぜひ参考にしてみてください。
女性の施工管理が大変と感じる9つの理由
女性の施工管理が大変だと感じる理由を9つ紹介します。
当てはまる点がないか、振り返ってみてください。
休日が少なくプライベートな時間が取れない
施工管理の仕事は休日が少なく、プライベートな時間が取りにくいです。
女性に限った話ではありませんが、急な残業や休日労働はプライベートの予定を組みにくく、ゆっくりリフレッシュする時間がない!とストレスに感じてしまう女性は多いです。
他の同年代の友人が休日に美容やランチ、ショッピングなどを楽しんでいる様子をSNSで見かけると、心理的にも疲れてしまうでしょう。
労働時間が長く体力がもたない
建築業界は納期の関係で残業が発生しやすい業界です。
長時間の現場での仕事や、事務所に戻ってからの事務作業に体力を奪われてしまう方も多いです。
男女で仕事の差をつけない職場も多いですが、ハードな仕事を男性と同じだけこなすのは体力的に厳しいと感じる女性は多いでしょう。
とくに女性は定期的にホルモンバランスの変化があり、心身ともに疲れやすい時期もあります。
周囲の人間関係に悩む可能性がある
女性の施工管理は、周囲の人間関係に悩むこともあります。
今や建築士の4人に1人は女性の時代ですが、建築業界にいると周囲は男性のほうが多いと感じることも多いでしょう。
男性との人間関係の築き方、男性ならではのコミュニティの作り方になじめず、うまく情報共有や相談ができない人もいます。
飲み会や打ち上げなどが多い職場、現場では、とくに男女の差が出やすく、気まずい思いをすることもあります。
年配の男性職人と向き合う必要がある
建築現場で、年配の男性職人と向き合うのが大変と感じる女性の施工管理職の方もいます。
昔ながらの技術を持つ職人は男性が多く、性格的にも気難しかったり、建築の仕事は男性のものと思っていることもあります。
そのような相手に指示を出したり注意をしたりするのは、勇気がいります。
また、反論されることが想像以上のストレスになっているという方も多いでしょう。
女性への配慮が少ない職場がいまだに多い
建築業界では女性の進出が進んでいるものの、まだまだ女性への配慮が少ない現場も多いです。
女性用トイレや更衣室がない、仮眠室が分けられていない、女性用の作業着や制服がないなど、「働きにくい」と感じる部分が多く悩んでいる方も多いでしょう。
配慮してほしいと思っていても、現場で働く女性の数が少ないとなかなか声を上げにくく、声を上げたとしても採用してもらいにくいという弊害もあります。
労働時間が変則的で家庭と両立できない
建築現場の仕事は労働時間が変則的で残業も多く、家庭と両立できないケースも多いです。
共働きが当たり前になりつつある昨今、男性も家事や育児を行うべきですが、まだまだ家事や育児は女性に任せっぱなしという男性も少なくありません。
「仕事も家事も育児もすべて私がやらなければ」と背負い込みすぎると、心身ともに疲れ切ってしまうでしょう。
パートナーにももっと仕事を理解させ、家事や育児は二人でするものだという共通認識を持つ必要があります。
現場で事故に巻き込まれる可能性がある
女性に限った話ではありませんが、建築現場での仕事はデスクワークよりも事故に巻き込まれる可能性が高いです。
小さいけがから後遺症が残るような大けがまで、いつ何が起こるかわからないのが建築現場での仕事です。
現場の安全を守るのが施工管理の仕事ではありますが、人為的ミスを防ぎきれずに事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。
また、万が一事故が起きたときにその責任を自分がおわなければならないというプレッシャーもあります。
女性ならではの悩みを打ち明けにくい
男性が多い建築現場では、女性ならではの悩みを打ち明けにくく一人で抱え込んでしまう方も多いです。
同性が多い職場なら協力、理解してもらえるようなことでも、異性が多いとなかなか理解してもらえない、話しにくいこともあるでしょう。
例えば生理で体調が悪いなどは、男性には理解してもらいにくいです。
それでも仕事をこなさなければならず、必要以上にストレスを感じてしまう可能性もあります。
給料が低く生活を続けるのが難しい
大手建築業界では施工管理は給料が高い傾向にありますが、中小企業に勤務していると給料が低く生活を続けるのが難しいと感じることもあります。
額面だけで見ると高いように感じても、前述のとおり施工管理は時間外労働が多く、ハードな仕事です。
給料が仕事内容に合わないと感じると、続けられないと感じることもあるでしょう。
男性と同じ仕事をしているのに女性だけ給料が上がらないことが問題となったケースもあり、女性の働きにくさに怒りを感じる方もいます。
女性の施工管理が魅力的な理由
それでも施工管理の仕事にやりがいを感じている、魅力的だと思う女性は多いです。
その理由をチェックしてみましょう。
他職種と比較すると給料が高い
施工管理の仕事は、他職種と比較すると給料が高いことが多いです。
女性が社会復帰しやすい事務職などと比べると、給料の面では満足度が高いでしょう。
また、育児を女性が負担している場合、どうしても派遣やパートなど、雇用形態も賃金が低い働き方を選んでしまいがちです。
ですが施工管理なら正社員職が多く、安定した給料を得られるという魅力もあります。
大手企業であれば、産休や育休もしっかり取れて、充実した働き方ができるでしょう。
女性に理解のある職場もある
建築業界のなかでも、女性の割合が多ければ働きやすいケースもあります。
体調面やプライベートな部分の相談がしやすく、心地よく働けます。
また、もともと女性職員が多い場合はトイレや更衣室などの環境も整っており、気まずさを感じることなく働けるケースもあります。
転職をする際は、男女の割合や女性の働きやすさについて確認しておくことも大切です。
女性ならではの視点を求められることもある
建築業界では、女性ならではの視点を求められることもあります。
施工管理の仕事は現場のスケジュールや安全などを守ることがメインですが、場合によってはデザインなどにも意見を求められることがあるでしょう。
そのときに、過ごしやすいデザインやおしゃれなカラーの組み合わせなどを提案できれば、依頼主にも喜ばれます。
依頼主が女性の場合、女性のほうが相談しやすいと感じて心を開いてくれることもあるでしょう。
女性の施工管理はきついけどやりがいも大きい!
女性の施工管理の仕事は大変なことが多いですが、やりがいも大きく、人によっては楽しみながら働けます。
施工管理としての働き方に疑問を感じている、ストレスを抱えている女性は、その理由を明確にしてみましょう。
職場が変わることで悩みやストレスが解決するのであれば、転職を検討することもおすすめです。
以下の記事では、女性が建築業界で働き続けるために大切なこと、キャリアプランの考え方などを解説しています。
キャリアにお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてみてください。